「んで、最初の奴の相手は誰がやるんだ?オレはあの焔とか言う奴と闘うつもりなわけだが……」
第二訓練所の休憩室に集まっている龍導学院のメンバー達白堊は焔と闘う予定らしいが
「そう都合良く相手にぶつかるとは思いませんが…」
灰怒はさも当然な事を言う。灰怒と滅赤以外のメンバーもウンウンと同意する。
そこへ龍導学院の筆頭の輪廻が手を振りながら、歩いて来た。
「よう!選出する順番決まったのか?」
「あ、輪廻先輩まだ決まっ………」
白堊は輪廻の姿を見て絶句した。
輪廻の制服が蛇女の制服に変わっていたから……ではなく、スカートを履いていたからである!!
「輪廻先輩が……女になっているだと!?」ゴシャア
「相手の方は選出順とっくに決まっているぞ?ほら」
「……本当か……此方も早く決めなくては」
輪廻からリストを見せられた白銅。
一方白堊は
「大丈夫か?」「いや、これは自業自得だよ」
「アハハハ!壁に埋まってる~!」
とそんな状況になっていた。
ズボ「リスト用意して渡すとか、舐めてんのか?あいつら……」
埋まっていた状態から復活した白堊はリストを見ながら言った。
因みにリストの内容は
先鋒:春花
次鋒:詠
中堅:未来
副将:日影
大将:焔
となっていた、この内容を見た輪廻は
「フム、先程の話の内容を聴くに大将戦は白堊が担当だな」
「よっしゃ!任せて下さい!」
対戦相手の決まった白堊は気合いが入った声を上げ た。その点は問題はなかったのだが、残りの相手の担当を誰がするかと言う問題点がある。
「さて、先鋒は誰がやる?」
「はーい!はーい!はーい!」ピョンピョン
滅赤が元気良く返事したため。
「じゃあ、先鋒は滅赤ちゃんで決まりだね大丈夫かな?」
「大丈夫!大丈夫!私の狼ちゃんでぐちゃぐちゃに引き潰すから!」( ^ω^ )
「……う、うん……元気の宜しい返事だね」
(現実から目を背けたな)と白銅
(まぁ気持ちは分かりますが)と灰怒
(…滅赤ちゃんを止める方法は無いしな…)と白堊
全体の空気が重くなった時
「……滅赤ちゃん、流石に引き潰すのは駄目だよ?そんな事しちゃったらハンバーグ作ってあげないよ?」
蘇芳が滅赤に目線を合わせて語った。
(……いや、そんな事で止められないだろ)
誰もがそう思ったが…
「ぇ!わかった!ボコボコにするだけにするから!それだけは、無しにしてぇ!」ウルウル
「ハハ……わかってくれれば良いんだよ!」ポンポン
((((スゲーなアイツ!?何?お母さんなの!?))))
この瞬間全員心の中で
((((今度からは滅赤(ちゃん)のブレーキ役は蘇芳に任せよう!))))
そう思った。
「あ、次鋒はオレがやります!」
次鋒は蘇生に決まったが
「ん?…あぁ、わかったけど大丈夫か?相手は女の子だぞ?」
そう輪廻は告げたが内心ではこう考えていた。
(女の子…普通ならば、「勝ってこい」や「頑張って」で終わるが、相手の詠とか言う子…とてつもない位の美少女じゃないか!いや、相手の殆どが美少女なんだが、もし蘇芳が彼女に惚れたりしまったら……誰が滅赤を止めるんだ!?つーか!寧ろ私が参加したい!着せ替えとかしたい!羨ましい!チクショー!)
前半はともかく後半は不純な事を考えていたが、問われた蘇芳はというと
「はぁ?別に女子供だろうが、勝負するなら全力っすよ?手を抜くとか相手に対して失礼ですからね」
邪な考えを含んでいた筆頭よりまともな返答をした。
輪廻はその返答に
「あ、うん…そうだな!頑張ってな!(邪ですいません)」
少し後ろめたい気分になっていた。
「……えーと、中堅は誰がやる?残りは白銅と灰怒だが」
中堅の対戦相手は蛇女1年の未来だが、白銅と灰怒のどちらが相手をするかによって、勝負の流れが変わってしまう為にお互いに躊躇していた。
そうお互いにどう動くか迷っていた所、灰怒はある事に気付いた。それは未来の眼帯の模様である。
「彼女の眼帯のこの模様は……夢幻心眼流?……なぁ、白堊君ちょっと良いかな?彼女の武器は何だった?」
白堊は何故そんな事を聞くのかと一瞬だけ疑問に思ったが、灰怒と同じように眼帯の模様を見るとその意図がわかったのか。
「確か、傘だったな。恐らく銃の仕込みがしている筈だ。火薬の匂いがしていたからな」
それを聞いた白銅は
(成程な)と内心で灰怒の考えを悟り
「中堅の担当は私がしよう」
と発言した、対する輪廻は
「良いのか?夢幻心眼流は確か近接だったが……あ、成程」
輪廻も考えが分かったらしくニヤリと笑顔を浮かべた。何故ここで気付いた灰怒ではなく白銅にしたのか。理由は割りとシンプルな事である。
「夢幻心眼流」は輪廻の言った通り近接戦闘の為の流派である。しかも"カウンター"専用のそれ故に遠距離が十八番の白銅が打ってつけという訳である。
……しかし、相手も遠距離じゃね?と思ったそこの貴方!大丈夫!何故って?それは彼女の潜入技術で浸かったた隠密や気配の隠蔽、背景同化は既に極上忍を越えているからである。
加えて、第二訓練所は木々が生い茂っている場所な為、益々有利になるそれを見据えての考えで白銅に決まり彼女も挙手したのである。
しかし、後にこの考えが少し悪い結果に行く事を彼女はまだ知らない。
「よし、んじゃあ副将戦は灰怒だな!頑張ってな!」
これに灰怒は
「任せて下さい!必ず勝ちます!」キラーン
爽やかな笑顔で答えた
キュン「そ、そうか!なら…勝つようにキスをしてやろうか?///」
「あ、それは結構です」
灰怒、人生初の即答
「……よし!気を取り直して!相手に格の違いを分からせてやるとしよう!」
「「「「応ッ!」」」」
全体の気合いを入れた後に輪廻は休憩室の壁に向かい糸を放ち、壁の向こう側にいた傀儡を破壊した。
(……気付かないと思ったのか?"私達"が…)
ここで、何故"私達"と強調した理由は既に
周囲に設置や潜伏していた蛇女の親衛隊や傀儡は既に龍導の選抜メンバーにより破壊または捕縛されているからであった。
~side蛇女~
「フゥ……駄目ね、何度やっても傀儡からの連絡も無し、下僕達が帰って来る気配も無しだわ」
春花お手製の傀儡でそう語りながら、溜め息を吐いた。
「ふん!関係無いな。どのような手札で来ようが叩き潰すだけだ!」
焔は鼻を鳴らしながら答えた。
「意気込みは十分だが、あいつら相当だぞ?せいぜい無様な姿を去らさないようにする事だな…」
光牙が呆れたように言うと。
「黙れ、あんな軟弱な思考をした奴に私が負ける訳が無い!」
まるで親の敵を討つような、復讐の相手を見つけたような態度の焔に少しだけ違和感を覚えたが
「…ならば、早く訓練所に行く事だな…」
「言われ無くとも!そのつもりだ!」
焔は勢い良く立ちながら、光牙を睨み付けた。
「……いや、対戦するのに訓練所に行ってないのお前だけなんだよ」
「なっ!?アイツら~!」タタタ
焔は顔を真っ赤にしながら、訓練所へと向かって行った。
「ハァ……やれやれだな」
光牙は夜空を見上げながら呟いた。
~side龍導~
対戦が行われる第二訓練所へと向かっている龍導学院の選抜メンバー達……輪廻を筆頭に前から、滅赤・蘇芳・白銅・灰怒・白堊の順で向かっている途中で輪廻がふと足を止め。
「そーいや、言ってなかったな。今行く第二訓練所だがな、ギャラリーが滅茶苦茶居るぞ」
「……は?」
灰怒が腑抜けたような声を出しながら、第二訓練所へと到着すると同時に……
「蛇女を嘗めんなァ!」「負けちまえ!」「死ねェ!」「殺せェ!」「私らの事を甘く見た奴に悪の裁きを!」「ファ⚪クユー!」「あわよくば、蛇女の選抜の誰かが、⚪ねばその座を貰う!DAKARA蛇女選抜も誰か⚪ねい」
と、一気に自分達に対しての罵倒や殺気等が襲い掛かる(後半は明らかに私情があるが)
「……ハハ、良いねェ!やっぱ死合いはこうじゃねぇとなァ…!」
白堊はそう言いながら、楽しそうな笑みを浮かべながらゴキゴキと首を鳴らした。
「むぅ~!私達に意地悪言った人達は挽き肉にする!」
頬を膨らましながら言う滅赤に向かって
「その意気込みで相手を倒しなよ、滅赤ちゃん。但し本当に挽き肉は駄目だけどね?」
と蘇芳がやはり、目線を滅赤と同じ高さにして頭をワシャワシャと撫でる。
「(……うるせぇな、三下共が。眉間ぶち抜くぞ…)」
クールな反応をするも若干イラついている白銅
このような、反応を示す選抜メンバー達その中に人数合わせで入った灰怒の反応は……
「死ねに、殺せか。ハハ、面白い事言いますね?彼女達……」
普段の温和な彼の雰囲気が変わった事に選抜メンバー達が気付き、一斉に灰怒を見ると獰猛……いや、異形。その一言で現せる笑みを灰怒が浮かべていた。
「ヒヒヒ!ヒャッハハハハハハハ!舐めた事抜かしてんのは果たしてどちらか…はっきりさせてやろうぜェ!手前らァ?」
「「「おっ?おぉ!」」」
白銅・滅赤・蘇芳は灰怒の人の変わりように戸惑いながらも同意の掛け声を上げる。
その中で白堊は灰怒の"中身"が一瞬別の"何か"と入れ替わったような気がしたと同時に自身の身体に…ズキッ痛みとは違う違和感を感じた。
その様子を見ながら輪廻は蛇女選抜メンバー達の元へと行き
「気合い十分だな!そーゆー訳で!宜しく頼むよ!蛇女の選抜メンバーさん!そして先鋒の春花さん!」ビシッ
と指を指しながら輪廻は蛇女の選抜メンバーにそう告げた心の中で(でも、やり過ぎないでね!滅赤ちゃん!)そう願いながら。
これに対して、春花は
「ウフフ♥️その子私のお人形さんにしてあげても良いかしら?」
妖艶な笑みを浮かべながら尋ねて来た為、輪廻は
「本人に確認取ってみてOKなら良いんじゃね?」ニタリ
あっけらかんとしてそれでいて無機質な、まるで蟲の様な眼をした笑みで春花に返しながら、自身の見学席へと移動して行く輪廻の背を見ながら春花は……
ゾッ「(…何なの?…彼女…本当に私と同じ人なの?)」
得体の知れなさを持ちながらも、気を取り直して準備に入る。
~見学席~
ギチギチギチとそんな効果音が相応しい程に頬を引っ張られている輪廻が居た。
「いらい!いらい!めふあかひゃん!ひぎれる!ひぎれるっれ!」涙眼
「良いわけ無いもん!意地悪言わないで!」
いつもの冷静さは何処に行ったとツッコミが入りそうなLvで情けない姿を見せる筆頭に対して残りのメンバーは呆れていた(え?そんな姿なかった?知らんなby作者)
「痛たた、ごめんごめんって滅赤ちゃんお詫びに後で出来る範囲でプレゼントするから、許して」
剝れた表情を見せる滅赤だったが
「後で、沢山お菓子買ってくれるなら、許してあげる!」
そう言いながら対戦場へと走り出して行った。
「ハハハ……分かったよ……」ニコリ
輪廻は小さな笑みを浮かべながら呟いたと同時に
(……負けてもいいけど死ぬ事は許されない……後、本当にやり過ぎないでね?)
心の中で思いながら、見送った。
~side白堊~
『………一番手は我が貰う………』
「……ん?何だ?」
白堊は何処からか、声が聞こえたような気がしたが直ぐに気のせいか?と思い滅赤と春花の対戦に意識を変えた。
はい、次号はちゃんと戦いますから!本当ですから!許して下さい!後、なんか同じ話を2つ位投擲していた見たいですいません!と言うか、見てくれてる人がいて、嬉しい限りです。
質問や誤字があれば、コメントをどうぞお願いいたします。
明日のマーベルアルティメットアライアンス3の発売が楽しみ