閃乱カグラ~混沌の世界~   作:麻婆豆腐メンタル

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詠ちゃんvs蘇芳になります。

滅赤ちゃんのお話以上に長いです。

そして、詠ちゃんフルボッコ回です


龍導vs蛇女:次鋒戦『前編』

「よくやったな!春花!」

 

 焔は春花が戻って来るなり開口一番にそう言うと続け様に他のメンバー達や自身のペット兼親衛隊や蛇女生徒選抜派達からも拍手や激励が飛び交うも、春花は俯き暗い表情をしていた。

 

 この態度に焔は少しムッとしながら春花に対して語り掛ける。

 

「おいおい春花!こんなにもお前の勝利を労っているのにその暗い表情は何だ?」

 

「……あの時……最後の攻撃油断していた訳ではないけど……最後のあの一瞬を思い出すだけで身震いが止まらないの……まるで」ガタガタ

 

 「"鬼神"にでも見えたのかい?」

 

 焔達が声がする方向へ首を向けると、龍導筆頭の輪廻がニヤつきながら入り語りかけてきた。そんな堂々とした輪廻に対して、焔は当然警戒する。

 

「貴様何しに来た!」

 

 威圧を放ちながら輪廻に問いかける焔。その気迫により周りの選抜派の生徒や未来は気圧されて冷や汗を欠いているが、肝心の輪廻はそのような威圧など全く意に介さず、春花の方へと近付く。

 

「もしそう見えたなら、君の観察眼は超を付けての一流だね~♪……しかしかなりの兵器をお持ちで……」モミモミ

 

「Σ ちょちょちょちょっと!?どこを!アン///触っ……ンッ///ているの!?」ビクビク

 

 と春花に近付きながらその豊満な胸を揉み出した。この光景に加え無視された焔は輪廻に斬り掛かろうと刀を抜こうとするが……

 

「待て、焔」ポン

 

 光牙が現れ、刀を抜こうとした焔を止め輪廻に

 

「オイ、輪廻。そろそろ春花を放してやれ。それと何しに来たんだ?敵情視察って訳ではないだろう?」

 

「お前!それ私がさっき言って無反応だったぞ!?」

 

「(言ってないよ)」

 

「(言っとらんな)」

 

「(言ってませんわ)」

 

 未来・日影・詠は口には出さずに胸に留めておくことにした。

 

 光牙に対してツッコミをいれた焔そんな焔のリアクションに対して輪廻は光牙に

 

「ん~?あぁ分かったよ~」パッ

 

 寸なりと胸から手を放し光牙に向き直り手を向け人差し指に糸を集束させ始め針を造り

 

「私がここに来た理由は………」

 

ドスッ!「う"」

 

    春花の肩に針を突き刺した。

 

 とても良い笑顔で針を突き刺した輪廻に光牙は何故か特に驚く様子もなく平然としていたが、その他の蛇女メンバーは愕然としていた……すると。

 

 ビュッ!ズシャア!!沈黙を打ち破るように部屋から猛々しい音が響き渡った。

 

「……何すんだよ?痛いじゃないか?……」ポタポタ

 

「貴様を斬り付けただけだが?文句あるか?というか貴様、漸く私とまともに口を聞いたな」

 

 音の正体は焔が輪廻に斬りかかった音であった。

 

「“まとも”じゃあないだろ?つーかマジいきなり斬り掛かるとか有り得んだろ、私はただ(治療のため)針をぶっ刺しただけだろ?」

 

 こめかみをピクピクと痙攣させながら輪廻は言うが、皆いや誰もが必ずこう思うだろう「ぶっ刺した時点で可笑しいだろ!」と焔もそのように目で訴えかけるが、輪廻は相変わらず苛ついた表情で焔を睨み付けている。

 

「ハァ。輪廻、肝心の部分が主語が抜けている」

 

 この状況に見かねたのか、光牙が輪廻に主語が抜けている事を伝えると

 

「主語……うん?言わなかった?私?傷を治す為に針を突き刺したってよ」キョトン(・_・)

 

「…言ってないな」「嘘付け!」「いや本当だ」「またまたぁ~」「本当だ」「悪い冗談だろ?」「本当」「私がそんなミスをするわけ無いだろ?」「くどいな」イラッ

 

 流石の光牙も苛ついたのかクールな彼にしては珍しく血管が浮かび上がったいた。

 

「真面目に言って無かったわよリン…ハイ、証拠」カチッ

 

「あれ?ハク、あんた何でここに?」

 

 白銅は輪廻を無視しながら手にした機械のスイッチを押すと……『まとも”じゃあないだろ?つーかマジいきなり斬り掛かるとか有り得んだろ、私はただ(治療の為)針をぶっ刺しただけだろ?」』ピッ

 

「……ね?言ってないでしょ?私は戻るから、謝っておきな」

 

「…………………………………Oh……………………………」アセアセ

 

 決定的な証拠を突き詰められた輪廻はついに観念したのか

 

「フッ…私としたことが、すまなかったな」( ・`д・´)キリッ

 

 素直+クールに誤ったが……(「「「「「何と言うか…残念な人(奴)だな」」」」」)一同はそう思った。

 

「んじゃあ、気を取り直して!私がここに来た理由は怪我人の治療のためだ!どうだ?身体の調子は?」モミモミ

 

「……不思議ねぇ……貴女の針で突き刺された場所の傷口がすっかり塞がっているわ……それに身体中の痛みがすっかり無くなっているし……後、何で胸を揉むの?」ハァ

 

 相変わらず胸を揉みしごく輪廻に呆れながらも輪廻の糸術(しじゅつ)の完成度の高さに感心していた、春花以外の蛇女生徒も言動や行動が可笑しくても筆頭の立場にいる人間であるのだなぁと感心していた。

 

「凄いだろ?例え死んだとしても直後(・・)なら蘇生だって可能でね。試しに誰か死んでみる?」ニヤ

 

 ゾッ……妖しく微笑む輪廻に、先の戦いで彼女の人となりを理解してきた光牙以外の蛇女メンバーは少なからず恐怖心を覚えた。

 

「なーんてな!兎に角!次鋒戦の出場者の確か、えぇっと……詠ちゃん?だったけ?」

 

 けろりと表情を変えながら、次鋒担当の相手である詠の方えと振り向いた。

 

「Σ ひゃっ……ひゃい!?」

 

 いきなり名指しで呼ばれた為か詠は素頓狂な声を上げた。

 

「名前呼んだだけじゃんそんな驚く事かい?」クスクス

 

 詠は顔を赤らめながら咳払いをしつつ

 

「///~~ッン!ッン!な、なんでしょうか!」

 

 そんな詠の行動に輪廻は苦笑しつつも何と蘇芳の情報を提供し始めた。

 

「詠ちゃんの対戦相手の家の蘇芳だけどねぇ……距離に注意しながら戦ったら良いよ。そんで決めるなら、一撃それを逃したら最後……mort()だよ?」

 

「何で最後だけイタリア語なんだ……」

 

 冷静な突っ込みを入れる光牙に対して輪廻は産まれた故郷はイタリアだから。との事であったこの二人の会話を冷ややかな視線で見つめる者が一人居た。その一人とは……

詠であった。

 

「……貴女もしかして……お嬢様ですか?」

 

 詠はハイライトの消えた瞳で輪廻に問いかけて来た。

 

「ん?まぁ…笹蟹財閥(ささかにざいばつ)の跡継ぎになるから……そうかな?しかしまた、いきなり何でそんな事を」

 

 それを聞いた詠はより一層に瞳を濁しながら

 

「次鋒戦の殿方の対処法の助言……感謝致します"お嬢様(・・・)"」

 

 お嬢様の部分をやたら強く言いながら対戦場となる第二訓練所へと向かって行った。

 

「あ……あれー?私何か変な事言っちゃったのカナー?」

 

 少しオドオドしながら呟く輪廻に未来が簡単に説明した

 

「詠お姉ちゃんは貧民街(ひんみんがい)出身だからよ」

 

 貧民街それは行き場の無い者達で溢れ帰った場所であり、世の中で強盗や傷害事件などを起こす者達の殆どがこの場で産まれ育ったと言われる場所の事であった。

 それを聞いた輪廻は詠の態度について大凡理解しながら成程と呟いた……その際最も気になった事を輪廻は聞き出した。

 

「なぁーその貧民街って……()?それとも西()?」

 

 それを聞かれた未来は理解できていない表情を浮かべ他の生徒達も何だ?それ?といった態度であった。

 

「……何だ……知らんのか」ドサッ

 

 輪廻はつまらなそうに呟きながら糸で造り出した椅子に座り込みながら内ポケットから煙草を取り出し口に加え器用に動かしながら蛇女の生徒達向けて動かした。

 

「チッ……気の効かない奴らだ……煙草を咥えたら火を付けるのが常識だろうが…おッ!そろそろ始まるな」シュボ、フー

 

  輪廻は愚痴りながら煙草に火を付け一服し始めたその光景に蛇女選抜は……                 

 

『何くつろいでんだ!手前ェ!』

 

ゴロン!「おわ!?」

 

 輪廻は余りにも選抜メンバー達が大きな声を出したために、椅子から転げ落ちた

 

「いや、試合が終わって怪我したら私が治療するからここにいるだけじゃん?何をそんなに驚くんだ?」

 

 またも輪廻は(・_・)キョトンとした表情で返して来たため光牙含めた選抜メンバーは突っ込み所が有りすぎる為か半ば諦めた様子で試合の観戦をする事にした。

 

「アララ?煙草に対して突っ込み無しか~」スパー

 

ーー第二訓練所ーー

 

「……やっと来たか。随分と遅かったな……」

 

 詠が第二訓練所に着くと腕を組み仁王立ちしている厳つい顔つきをした大男が語りかけて来た

 

「えぇ、貴殿方の筆頭様に対処法をお教え貰っていましたので」

 

 詠の返しに方眉をピクリと動かす蘇芳そして僅かにではあるが溜め息を吐き、苦笑を浮かべる

 

「フッ……相変わらずだなあの人は。対処法か。だがそれを聞いた所で結果は変わらないぞ?貴殿の敗北という結果にはな」

 

 蘇芳は堂々と本人の前で自身は勝利し、詠は敗北すると宣言したこの発言に詠は

 

「おめでたい頭をしていますわね。貴方のような持って産まれた者の特権といった所でしょうか。ですが敢えて言いましょう!私のような持たずに産まれた者でも持って産まれ!満たされた環境で育った者に勝てると言うことを!」ビシッ!

 

 蘇芳に指を指しながら負けじと堂々宣言する詠に対して

 

「持って産まれた者?オレがか?ハハ…面白い事言うな?貴殿は。オレの育ちは北の貧民街だったが…まぁ、サバイバル能力は付きやすい環境ではあったな…その点に関しちゃあ満たされた環境ではあったな」

 

「え?貴方、貧民街で産まれ育ったのですか?」

 

 予想外の返答が返って来たためか詠は目を見開いた

 

「聞いてなかったのか?まぁそんな事より……」

 

 

   ゴゴォ

 

 蘇芳が両手両足に青紫の炎を纏い籠手と具足を造り出し構える

 

「早くやろうぜ、オレの育った故郷の話は……貴殿が勝ったら教えてやるよ……あぁ無理か、だって勝つのはオレだからなぁ~」(。-∀-)ドヤァ

 

 安い煽り文句ではあったが、割りと効果があったらしく

 

「ウフフ、でしたら私の育った故郷のお話もいたしましょうか?……あらあら無理でしょうか?だって勝つのは私ですからね~」(^ー^)

 

 詠も蘇芳と同じ煽り文句で返すこれによって二人の間から

   ドドドドと某奇妙な冒険漫画のような雰囲気が流れ出ていた

 

「……ハハ……」「……ウフフ……」

 

 互いに笑い合う二人……完全にアウェーとなっていた鈴音が

 

「いざ……紅蓮の如く」口上をあげると二人共に笑みを消し臨戦体制に入った。

 

      「舞い散れ!」

 

    戦いの火蓋が今切り落とされた!

 

「やって、見ろや!この駄肉女ァ!」ゴァ

 

 先に動いたのは蘇芳!その巨体からは想像出来ない程の速さで詠目掛けてボディーブローを放って来た。

 

「ぇ……ちょっと!速す……」ボグゥア!

 

 凄まじくえげつない音が第二訓練所に木霊する中、殴り飛ばした本人である蘇芳は腕をゴキゴキッと鳴らしながら砂塵漂う壁へと意識を向け自身が詠を吹き飛ばした場所へと周りが驚くような発言をした。

 

「……今のどう防いだ?」

 

 明らかに吹き飛ばされた詠に対して攻撃を防いだと聞いてきた。砂塵の中から帰ってきた答えは……ヒュンヒュンヒュン!大量のボウガンの矢であった。

 

「うおぉぉ!?危ねぇ!臙脂盾(えんじたて)」ボボォ

 

 飛んで来た大量の矢に対して自身の籠手を赤い炎の盾へと変形させ矢を防ぐ……のではなく、溶かし無力化する蘇芳。これには観戦している光牙も驚いたらしく、

 

「あの盾一体何度有るんだ?」

 

 蘇芳の繰り出した技に感心していた。しかしそれと同時にある事に気付いた。

 

「(あの蘇芳とか言う奴何故表情が険しい?矢の鬱陶しさではなさそうだが……)」フムゥ

 

 これを見た輪廻はニヤニヤと笑みを浮かべながら内心で

 

「(おぉ……考えてる考えてる!フフやっぱり良い顔だ!)」

 

 そう思いながら、写メを撮っていた

 

 話を戻して第二訓練所では、蘇芳はなんと炎の盾を解除し迫り来る大量の矢を真正面からどんどん受け始めた!……しかし腕を交差させているため心臓や頭といった所には矢は刺さってはいなかった、と言うより実の所矢は刺さっているように見えるだけ(・・・・・・・・・)であった。

 

「(動きが止まった!今がチャンスですわ!)!てやァ!」

 

 詠は動きが止まった蘇芳に大剣を叩き込み一撃で決着をつけるべく接近し大剣を振り上げた!……しかし、それは失策であった。

 

 詠が接近し大剣を振り上げたと同時に交差した腕を広げた。

 

Ψ炎カ砲(さいえんかほう)」カッ!

 

 腕を広げたと同時に蘇芳の胸元から某鉄男のユ⚪ビームのような熱線を発射した。

 

「なっ!?きゃあああ!!!」

 

 大剣を振り上げていたため回避も防御も出来ない詠は直撃してしまった。

 

「フゥ…奥の手だったんだが成功したな…さて」ザッザッ、ガシッ!

 

 地面に倒れ込んでいる詠に近付き、頭を鷲掴みし上空へと放り投げ

 

「さて、矢の仕返しだ!秘伝忍法!紅蓮螺旋脚(ぐれんらせんきゃく)」ゴオ!

 

 上空の詠目掛け青紫の炎を纏った脚で回転しながら蹴りを連続で浴びせていった。蹴りを浴びせて行く度に脚に纏った炎の勢いが増していった……が炎の色が青紫から赤に変わった瞬間に蹴りを止め、着地すると同時に止めの蹴りを喰らわせた。

 

「続けて食らえ!秘伝忍法!爆炎(ばくえん)グッ!?」ザシュ!

 

 落ちて来る詠目掛け炎で造り出した斧をフルスイングで振ろうとしたが……造り出した斧を見た瞬間何故か詠に当てる前に寸土めしてしまったためか、意識が覚醒した詠の大剣を掠り傷程度ではあるが喰らってしまった。

 

「忍!転身!」

 

 その僅かな隙を見逃す詠では無く直ぐ様体制を建て直し忍転身を行った。

 

 詠の転身した姿は水色のフリルの着いたワンピースで何処かの令嬢のような格好であった。

 

「お!やっぱり転身してなかったか!ふーん、金持ち嫌いでも何処かに憧れでもあったのかねぇ……にしても蘇芳の奴なーに変な意地張ってんだか……」

 

 白堊は詠が忍転身するなりそう語った後、頭から血を流している蘇芳に対しては苦笑していた。

 

「意地って何だ?」

 

 白銅が白堊に問いかけて来た。

 

「あれ?先輩いつの間に……まぁ、いいか。意地ってのはですね。アイツも忍転身しろ!って意味ですよ」

 

「は?何を言っているんだお前は?してるだろ?」

 

 忍転身をして戦っている蘇芳に対して、忍転身をしていないと語る白堊に何か訝しげな視線を向ける

 

「あ~言い方が悪かったっすね。アイツ二段階転身があるんすよ。そんで二段階目になったら……災害(さいがい)っていう特別な転身が可能なんですよ、未完らしいけど」

(最後は聞き取れない位の声で呟いた)

 

 災害……その一言に白銅は息を飲み、滅赤は気絶中、灰怒は驚愕の表情を浮かべながら

 

「災害ってあの特別な力を持っている“真影(しんえい)”・“紅蓮(ぐれん)”・"氷王(ひょうおう)"・"深淵(しんえん)"並みかそれ以上の力を持った能力の人物の事でしょう!?彼がそうなのか!!??」

 

 趣味が読書であり、先程語った特別な力を持ち悪や妖魔(・や・・)を倒すといった王動的なヒーロー者が好きな灰怒はかなり食い付いてきた。そんな灰怒に若干引きながらも肯定の頷きを返す白堊

 

「……しかし、その災害化する事を何故知っているんだ?それに何の根拠立てて災害だと?」

 

 白銅は最も気になっていた事…災害化にその状態になった経緯について白堊に問い掛けて来た。それに対し白堊は

 

「2つあります。まず一つ目、何で災害化する事を知っているか。から説明しますと、簡単に実際に見て闘ったからです!」

 

「!?」

 

「なっ!」

 

 白銅は驚きの余りに声を発する事が出来なくなりし灰怒は絶句した。

 

「そして、二つ目は師匠……暁霧さんが災害だと言っていたからです」

 

「そうか」

 

 白堊は自身の師であり最も信頼出来る相手がそう言ってたから――と言った理由でそう答えた。因みにだがその時の蘇芳に白堊は一撃でKOされたらしい。

 

「仮に可能だとしても、見た所それをする必要は無さそうだが……」

 

 白銅は訓練所での様子を見ながらそう呟いた。事実訓練所では詠の攻撃を軽々と躱しながらカウンター等を駆使して蘇芳は的確にダメージを与えていた。

 

「いやいや、アイツの身体の変化に気付きません?」

 

 白堊は白銅に対して蘇芳の身体の変化を言うと最初は顎に手を当て、ムムム?と唸りながら見ていたがアッ!と言ったと同時に

 

「何かでかくなってね?後、赤いし」

 

 蘇芳の身体の変化とは身体がマグマのように赤色に変色した部分があり、身長が明らかに190近くになっていたのである。元々身長が188ある蘇芳からしたら微々たる変化ではあったがその分腕や足のリーチも伸びているため相手側の詠からしたらたまったものではない。そのため詠は防戦一方……とはならずただただ攻撃を食らうのみとなっていた。

 

「アッ、グッ!クハッ!……ウッ!このっ!」ドカーン!

 

 詠は殴られた状態で右手に装備した重火器(バズーカ)で反撃をし爆風に身を任せる事によって、連撃から逃れる事に成功した。

 

「これなら、多少は効いたでしょう!」ハァハァ

 

 荒れた息遣いで相手の反応を伺う詠。しかしその硝煙から帰って来た答えは……赤熱化した手を構えている蘇芳だった。

 

「そ……そんな……」

 

 詠は絶望に染まった表情を浮かべ、観戦していた蛇女生徒や選抜組も歯軋り等をし悔しがっていたが、いきなり周囲の草木が燃え上がると共に蘇芳が苦しそうに呻き始めた。

 

「グッ…ガッア!…ハァハァ…ググッ」

 

 いきなりの変化に戸惑う詠であったが、膝を付き呻き声しか上げれない蘇芳にこれは好機とばかりに大剣や重火器による攻撃を浴びせていった。頑丈且つ屈強な肉体を持つ蘇芳には大してダメージを与えれてるようには見えないが、着実に傷等が付いていっている様子を見るに効果は覿面であった。

 

「グッ!(クソッ!負けるのか…?あれだけ啖呵切っときながら?…使うか?アレ(災害)を!…だがもし暴走したら?)」

――使えよ――駄目だ――

     ――何故?――使った所で―― ―このままだと―― ――負ける―― ―誰が?― ――オレだよ!――負けても― ―残りが――……―それだけは!―

 

『負けても残りが勝てば良いとか、アンタのその考え』

『残りの人達にも失礼だと思うし何よりその姿勢』

 

 

  『物凄くダサ(・・)すぎる』

 

     ―――許容出来ない!―――

 

「……ッ!」ギリッ

 

 突如として脳裏を過った、とある双子の声と己の掲げる心情により意識を覚醒させた蘇芳

 

「終わりですわ!秘伝忍法!…ウ"ッ!?」

 

 止めを刺そうとした詠の腹部に鈍痛が走り、吹き飛ばされた詠。なんとか体制を立て直しながら前方を見ると先程まで死に体となっていた蘇芳が立っていたため彼に腹部を殴られたのだと理解した詠。

 

「……フゥ……先程まで死に体であったというのに「本気出すわ」え?」

 

 詠の言葉を遮り、衝撃の一言を発する蘇芳。その一言に周りはざわつき詠は呆気に取られる。

 

「白堊ァァァァァァァァ!!!!今からアレを使う!もしもの時は頼んだからなァァァァァ!!」

 

 訓練所全体に響き渡る程の声量で何かしらの重要な事を白堊に頼む蘇芳。

 これを聴いた白堊は控え室を飛び出し観戦していた蛇女の生徒達を弾き飛ばしながら最前線に行くと同じ声量で

 

「任せろ!だから!存分に暴れろ!」

 

 そう笑顔で言った白堊に同じく笑顔で返し親指を立てながら。

 

「ハァァァァァァ!」グググ

 

 力を蓄え始める?蘇芳…この光景を控え室で見ていた光牙は輪廻に

 

「オイ輪廻、奴の言っていた…"アレ"とは何ッ……アイツどこ行った?」キョロキョロ

 

 何時の間にか消えていた輪廻。辺りを見渡すが何処にも見当たらない為、他のメンバーに聞くと。

 

「アレとちゃうん?」

 

 日影が訓練所の白堊がいる観戦場の反対側を指を指すと地面に跪くように片手を起きながら蘇芳を見据える輪廻がいた。

 

「……何をしているんだ?」

 

 光牙は頭に疑問符を浮かべながら光牙は輪廻の方を見た。

 

 場所は戻って、第二訓練所では未だに力を蓄え始めている?蘇芳とそれを警戒して迂闊に手が出せない状況にいる詠が互いに膠着状となっていたが

 

「何かは知りませんが!兎に角食らいませ!」ダッ!

 

 大剣を引き摺りながらも、凄まじい早さで(通常よりは遅い)

 蘇芳に接近し大剣を横に振ろうとする詠だが

 

         ゴォワ!

 

 突然の熱風により弾き飛ばされてしまった。何事かと蘇芳を見ると、彼の周りにあった植物が燃え尽きて炭のようになっていた。

 

「ウオォォォォォォォ!!!」ドジュー!ドロドロ

 

 腕を交差させながら、どんどんと力を蓄え始める蘇芳その周りの植物は炭化し地面は赤くまるで溶岩が噴出したかのように、真っ赤になっていた。

 

「な……何だ?……アレ」ヒヤアセ

 

「火山……?」アセ

 

「少し不気味ね……」アセ

 

「……なんか、暑ない?」アセ

 

 焔・未来・春花の順で蘇芳の周辺の状態を汗を流しながら語った後に日影がポツリと呟いた、その発言に同じく汗を流している光牙が

 

「あの男の属性が原因だろう。恐らく火山だ」タラタラ

 

 その発言にメンバーやその他が固唾を呑んだ。それもその筈、もし光牙の推測が当たっていた場合、訓練所だけではなく自分達の学園にまで被害が及んでしまうからである。

 

「……何、ヤバいだろ?それ」

 

 誰かが呟いた、その一言に全員同意した。

 第二訓練所では蓄えが、終わった蘇芳が詠に対して

 

「どうした?来ないのか?」

 

 とやや挑発的に問いかけるが、先程の件もあり迂闊に動くべきではないと判断し、睨み付けていた。

 

「来ないなら……此方からだ!『禁技・災害Crater・Pillar(きんぎ さいがいクレイターピラー)』」

 

 ピカッ!訓練所全体にとてつもない閃光が迸る。詠は大剣でガードし、白堊は防御の構え輪廻は天空と観戦場に糸を張り巡らした。

 

 

 今日……………今を持って………………第二訓練所は

 

 

 

 

    文字通り消滅(しょうめつ)する

 

   

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、鋼好きです。

長くなりすぎ、ましたしあ相変わらず空欄スペースがあるし無駄話ありの駄文ですがなんとか、書けました。次回はそこまで長くないはずです。

今回の話で蘇芳くんの出身と関連人物が明らかになりました。

・貧民街出身

・とある双子

因みにこの双子の特徴は、蘇芳と居たときにはメッシュをしてなかった事と現在はとあるバンドをしています。
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