閃乱カグラ~混沌の世界~   作:麻婆豆腐メンタル

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道半ば


副将戦(前編)

「ふぅ……勝ってきたぞ、満足か?」

 

 白銅は訓練所から輪廻の居る場所に行き、そう言うといきなり

 

 ガバッ!ギューーっと輪廻に抱きしめられた!

 

 「流石よ!流石!やっぱり私の隣に立つに相応しい実力者で親友だわ!」ハァハァ

 

 いきなり抱き付かれた白銅は「グヘ!」と小さく呻き声をあげながら輪廻に対して、

 

 「良いから、離れろ!」ベシッ!

 

 「アヒン!」

 

 叩き払った。輪廻は「結構痛い」と言いながらも笑顔で白銅の勝利を喜んでいた。

 

 「それより、次鋒戦で負傷した蘇芳の傷は治療したのか?結構な重傷だった筈だが」

 

 詠の秘伝忍法?によって左肩からほぼ心臓部位にまで傷が到達していた蘇芳の心配をする白銅だったが

 

 「俺は無事ですぞ、先輩」モグモグ

 

 蘇芳は左肩に包帯右腕にギプスをした姿で、干し肉を食いながら白銅の前に現れた。

 

 「……お前、それ私が食べたかった干し肉……まぁいいけど。それよか、確かえーと、光牙……さん?でしたよね?すいませんね、家の馬鹿と筆頭がご迷惑をおかけしまして」

 

 白銅は光牙の前に出るなり頭を下げ、蘇芳が訓練所を破壊した事とへべけれ状態の輪廻が蛇女や光牙に迷惑をかけた事に対しての謝罪をした。

 

 「……いや、気にしないでくれ……」

 

 この礼儀の良さと生真面目な白銅の態度を見た光牙や蛇女子学生は心の中で 

 

 (この人こそ……) (こいつこそ…) (筆頭が相応しいだろ?)

 

 誰もがそう思ったが、まるでその心を読んでいたかのように白銅は

 

 「我々龍導学園の選抜査定基準は実力主義(・・・・)なので気にしないで下さい。まぁ他とは多少異なりますが……」

 

 実力主義……つまりは人格や言動等に問題があろうがなかろうが実力さえあれば誰であろうと選抜メンバーになれるといった制度らしく(道元は知らない)割と蛇女や他の忍育成機関と変わりはないが決定的に違う部分があった。

 

 「異なるって?」

 

 春花が異なると言った部分が気になったので聞き返すと白銅は答えるべきか多少悩んだ末に

 

 「選抜メンバーの数の多さです。約40人居り、零から七の部隊で編成でしてね」

 

 「なっ!?」

 

 龍導の生徒数が多いのは知っていたが、選抜メンバーが40人居るのは流石に驚きであった為、光牙達は驚愕した。

 

 「まぁ過去ですけどね……」

 

 肩を竦めつつ白銅は顔に笑顔を作りながら言った。そのまま話を続け

 

 「本来はその選抜隊零から七の筆頭が遠征メンバーとして選ばれるはずだったんですが……ちょっとした例外が起きましてね」

 

 "例外"と口にしたとたん歯切れを悪くする白銅に焔は訝しみながら

 

 「例外って何だよ?……零から七以外の奴等が死んだとかか?」

 

 どストレートに不謹慎な事を口には焔に春花は「不謹慎よ、焔ちゃん……」と注意する

 

 「へぇ……よく分かりましたね?まぁ正確には零・一・四・七の筆頭は生きていて残りは死亡したんですが」

 

 焔の発言は不謹慎ではあったが、事実だった為に白銅は特に咎める事もなく肯定と生き残りも居たという事を口にした。

 

 「……成程な。生き残りの選抜メンバーの零が輪廻で一がお前、四が先刻詠と戦った男、七が春花と戦った奴というわけか……今から日影と戦う奴と焔の相手は選抜メンバーではないと言う事か?」

 

 光牙は自身成りの考えを口にする白銅は「ええ」またも肯定した。

 

 「今から日影さんと戦う灰怒は外部から来た編入生で焔ちゃんが戦う相手が例外を引き起こした問題児です……それよか、副将戦を気にした方が良いのでは?」

 

 「(……あの腑抜けた態度の男が……そんな人数の人間を…)」

 

 焔は白堊に甘い男という印象を抱いていた。だが今の話で自身の初撃を防いだのは単なるマグレではない事を理解した。それと同時に普通の人間であれば緊張や恐怖を抱くものだが……

 

 「ふ……ふふふ(良いじゃないか…ぶっ潰し概のある相手だ!私が光牙を超え最強の存在になる為の糧にしてやる!)」

 

 常に修行修行の脳筋もとい良く言えば努力家悪く言えば修行中毒者な焔は胸の高鳴りを押さえきれないまま副将戦の相手の様子を伺う事にした。

 

 ~訓練所クレーター~

 

 「では、宜しくお願いします」

 

 「ん、こちらこそ」

 

 訓練所クレーターで灰怒が日影に対して笑顔で言いながら自身の定位置に戻ると同時に忍転身を行った。

 

 「フードとゴーグル要らないけど、マスクはいるかな……」

 

 (因みに灰怒の転身姿はBHのベクター)

 

 そう言いながら、頭に被せていたフードを取り更にゴーグル部位も取り自身の武器であるナイフを構えると相手の日影も転身姿で臨戦体制に入っている雰囲気であった。

 

 「……え~と、準備万端なんだよね?」

 

 今一感情の読み取れない日影に灰怒は問いかけると日影は無表情で

 

 「どっからどう見ても、そう見えん?」

 

 やはり無表情で答える日影に灰怒は苦笑いをしながら「……君は感情表現が苦手なのかい?」と言うと日影は

 

 「儂には感情が無いからな」

 

 そう言いながら灰怒を見据える日影そんな日影に灰怒は数秒沈黙した後

 

 「……ふぅん。どんな事されても表情を変えないし何とも思わないんだ……クク」

 

 マスク越しからは分かりにくいが、眼を細めながら獰猛に笑っていた。

 

     「紅蓮の如く舞い散れ!」

 

 鈴音が開始の合図をすると同時に灰怒は素早く日影に接近し突き刺そうとするが………

 

 シュッル!サッサッ!……シーン

 

 まるで、蛇のようなしなやかさに猫のような素早さで岩陰に隠れた為に灰怒のナイフは虚しく空を斬り日影の隠れた岩の表面を突き刺した。

 

 「……チッ!やっぱりか……」

 

 灰怒が舌打ちをしながらナイフを抜くと、背後から

 

  ……ヌラァ……ゆっくりと殺気を消しながら日影がナイフを構え舌嘗めずりをし……そのまま一気に振り下ろした!

 

 ザシュッ!…鮮血が飛び散り灰怒が倒れ……決着がついた…と誰もがそう思ったが……

 

 「(何や?斬った感覚があらへん?何でや?ちゃんと血も出とるのに?)」

 

 日影は感覚が無いという不思議な状態により僅かな隙が出来てしまった。

 

  「ククク……本当に感情ないんだな」ズズズ

 

 斬られた筈の灰怒が背後の日影へと向くと同時に身体から影の様な靄が出始めた。

 

   「ッ!!」バッ

 

 日影は灰怒の身体から吹き出た靄に得体の知れない不気味さを感じ取り、バックステップで距離を取った

 

 「普通何かしら得体の知れない物が出たら距離を取るのは普通ですよねッと!」ズバッ!

 

 前方にいた筈の灰怒が日影の背後から突然現れ手にしたナイフで日影の背を切り裂いた。

 

 「クッ!」ヒュンヒュン!

 

 日影は斬られたにも構わずに腕に装備していた小型のナイフを連続で投げて来た。

 

 「守りではなく、攻めとは肝が座っていますね!だが無意味だ!黒妖・闇盾(コクヨウ・アンジュン)」ブォワン

 

 灰怒が手をナイフに翳すと黒い円上の盾を作り出し日影の投げた小型のナイフを次々とナイフをガードというよりはどんどんと吸収し始めた。

 

 「……今、日影さんが戦っている方の属性は恐らく闇属性ですわね」モグモグ

 

 「確かに何処からどう見てもそうだろう」モグモグ

 

 「ほぅ……面白い奴だな」モグモグ

 

 「……………(闇属性ねぇ……多分違うな)」モグモグ

 

 上から詠、蘇芳、光牙、輪廻の順にそれぞれに感想を言ったり心に思ったりした。……干し肉を食べながら。

 

 「……………何で敵の食料を食っているんだ?お前達……」ジュルリ

 

 焔は飽きれ気味に詠や光牙を見ながら言ったが……

 

 「焔ちゃん……涎が」モグモグ

 

 全く持って説得力が無い焔であった。

 

 話を戻して訓練所では一方的に日影に攻撃を加える灰怒だったが…何故か苦しそうにそれに言動が激しくなっていた。

 

 「ハァ…クソがッ!マジで表情を…グッ…かわんねぇんだな!ククク…グッヌゥ…」

 

 時折頭を抑えながら攻撃をしていくが……先程とは打って変わって日影の攻撃が段々と当たり初めていた。今回は的確に影ではなく灰怒に攻撃が当たっている為、辺りには血が飛び散っていた。

 

 「やっぱりな……ただの闇属性じゃないなあの属性」

 

 輪廻は苦しそうに呻く灰怒に眼をやりながら呟くと光牙も灰怒を見た後に変化に気付き

 

  「冥腐蝕(めいふしょく)か」

 

 と光牙が言うと輪廻はこくこくと頷きながら他のメンバー達に簡単に説明し始めた。

 

 「冥腐蝕ってのは簡単に説明すると闇属性の最上位に位置する属性で使用者は身体が闇に侵蝕されて最終的には死より恐ろしい結末を迎える属性さ……ほら、現に灰怒のマスクで見えにくいけど微妙に黒ずんでいるだろ?」

 

 輪廻が顎で指したため灰怒に視線を送ると確かにうっすらとではあるが黒ずんでいた。

 

 「確かに黒ずんでいるけど……その死より恐ろしい結末って何なの?」

 

 春花が純粋に疑問に感じた"死より恐ろしい結末"に付いて問うと冥腐蝕を知っている輪廻と光牙は互いに顔を見合せながら

 

 「言って良いものなのか?」

 

 「言った所で理解できんだろうから大丈夫大丈夫」

 

 「適当だな……なら良いか…外なる神に魅いられるらしい」

 

 外なる神…光牙がそう言うと春花が

 

 「それって、クトゥルフグッ!?」

 

 春花がある名前を言おうとしたとたん輪ねが凄まじき速さで春花の口を塞いだ。

 

 「私の前でそいつらの名前は言うな!」

 

 滅赤戦の前に見た無機質な蟲のような眼で春花を睨み付けながら口を塞ぐ輪廻に春花は頷く事しか出来なかった。

 

 「……落ち着いて輪廻…今は灰怒がそうならないように見守ろう…」

 

 輪廻の肩に手を起きながら語りかける白銅によって何とか元の性格に落ち着いた輪廻は春花に「ごめんね」と謝りながら

 

 「そうだな。筆頭の私とした事が…すまない」

 

 落ち着きを取り戻した輪廻は見守る事にした。

 

ーーー第2訓練所ーーー

 

 「秘伝・忍法!ぶっさし!」

 

 ザクザク、ドシュ!

 

 「うごぉあ!?」ドサッ

 

 日影の秘伝忍法を直撃を食らい、身体中の切り傷に加え腹部へのナイフの突き刺しにより地面に倒れ込む灰怒。しかしそれでも、立ち上がりながら日影向けてクナイを数本投げ飛ばす灰怒。そのクナイを日影はジャンプしながら回避する。

 

 「かかったな!秘伝・忍法!牙砕刃(がさいじん)

 

 日影がジャンプして回避した上下にまるで蛇の牙のようにナイフが展開され灰怒が

 

 「食らいつけ!」パン!

 

 手を上下に挟み込むように動かすと、ナイフがそれに応じるが如く閉じ、日影にナイフが突き刺さる。

 

 「うっ!クッ!うわぁ!?」ザクザク!

 

 流石の日影も大量のナイフに刺された為か声を上げる。ナイフを食らいながらも頭等の急所をガードするが

 

 「隙だらけだ!」

 

 頭をガードするために視界が狭まった為、目の前に迫った灰怒に気付くのに遅れてしまった。

 

 「秘伝・忍法八頭大蛇焼波(やずおろちしょうは)!」

 

 炎によって作られた頭を八持つ大蛇が現れ四方八方囲まれ逃げ場を防いだそれを確認した灰怒は

 

 「焼き尽くせ!」

 

 と声を発すると大蛇は口から逃げ場の無い日影向けて黒炎を吐き出し無慈悲に焼死させようとした。

 

 その光景を見た詠達は止めさせた方が良いと輪廻に近づくが鈴音が現れ、それを静止した為反論しようとすると光牙が

 

 「日影の奴、あんな隠し玉を持っていたとはな……」

 

 言いながら訓練所を眺めていたため訓練所を除き混んで見ると炎の大蛇をかき消して紫色のオーラを纏った日影がいた。

 

「(こいつ、()が出せれる最大火力をかき消しやがった!)」

 

 灰怒は先刻炎を浴びせ倒れるのも時間の問題だと思っていた日影が突如炎を浴びながらも起き上がり

 

 「……ヒナタ!!!!」

 

 と叫ぶと同時に紫色のオーラを纏いながら自身の秘伝忍法を消した事に驚きを隠しきれなかった。

 

 「……クヒヒヒヒヒ」ニチャリ

 

 感情の無い筈の日影はオーラを纏いながら不気味な笑みを浮かべながら灰怒を見据えながら

 

 「あんたを……もっと………切りたい」

     

    ゾクッ

  

   「何なんだ!?こいつ」

 

 両手にナイフを持ちながら迫って来る日影に灰怒は得体の知れない恐怖を感じながらも構えを取った。  




次にて!副将戦決着です!さぁ!どっちが勝つのか!ご期待ください!

ここで出た属性《冥腐蝕》について少し

この能力は実の所は普通の忍(人間)には扱う事は出来ない力です。

作中でも記述した通り本来は《外なる神》のようなヤベー奴らがしようする属性だからです。

一応使える理由はありますがまたそこはおいおいと……

能力の性能は身体能力UP・属性強化・武器性能UPです

 最後にどうでもよいかも知れませんがこの能力を発現または使える事が出来るキャラはもう出ています。
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