閃乱カグラ~混沌の世界~   作:麻婆豆腐メンタル

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本編を途中放棄しないと言ったな……あれは本当だ


大将戦(中編)

 「何時までも落ち込んでいる場合ではないぞ?」

 

 白銅は暗い顔で俯きながらトボトボと歩く白堊に対して後ろからそう告げながら、一緒に訓練所へと向かっていた。

 俯きながら歩いていた白堊は頭では理解していても心の中は未だにモヤモヤ感が取れずにいた。別段今から戦う相手は例の件とは無関係の相手なのにである。

 

 「いやぁ……流石にオレの初めて(のキス)を(事故とはいえ)捧げちまったんで…簡単に済ませる事ではないですよ…」

 

 嘆息を含みながら語る白堊に白銅は珍しく顔を赤らめながら口をパクパクと金魚のように動かしながら

 

 「……そ、そうか…まぁ、頑張れ(初めて?初めてって…マジか!?捧げるだと!?オイオイそんな関係になっていたのか!!流石は暁霧さんの弟子だ!手が早い!)」

 

 完全に的外れな考えをしながら白堊を応援したそんな的外れな考えで適当な応援を受けながら白堊は先程の試合結果を聞くことにした。

 

 「ん?あぁ……一応勝ったのは、灰怒らしいぞ?」

 

 通常の表情へと戻った白銅は答えると白堊は顎に手を当てながら心の中で「やはりな」と思ったと同時に自身の頬をパシッ!と叩き気合いを入れ直し訓練所に到着した。

 

 「ふん!何だ?戦う前からボロボロじゃないか?」

 

 訓練所に到着するなり相手の大将を努める焔から嘲笑を含んだような声をかけられた白堊は特に気にしたような素振りを見せずに

 

 「え~と……立ち位置とか決まりあるんすかね?」

 

 審判の鈴音に対して開始の際の立ち位置を聞いていた、鈴音は「特に決まりは無い」と答えると「じゃあ、ここでいいか」言うなり焔との距離5mの位置似て構えを取った

 

 「あ?すまん、何か言ったか?」

 

 無視された焔はこめかみをひくつかせながら巻物を抜き、

 

 「鈴音先生……早く……開始を」

 

 鈴音に早く開始するように促す。白堊も構えを取り、準備が整っている様だったので鈴音は

 

 「いざ!紅蓮の如く、舞い散れ!」

 

 開始の合図を切った、それと同時に互いに忍・転身を行った。

 

 焔は蛇女の制服に籠手が付いただけで変化は少ないが無駄の無いシンプルなデザインの装束であった。

 一方の白堊の忍装束は海外の人気コミックに登場する某復讐ライダーのようなデザインのライダージャケットへと変化した

 

 「焔!悪の定めに舞い殉じる!」

 

 「白堊!悪の正義を祭り上げる!」

 

 互いに学園の口上を上げながらぶつかり合った。

 

 先ず最初に先手を取ったのは焔であった、某戦国筆頭のように刀を左右の手に六つ持ち六爪流になり白堊を切り裂こうと突進して来た。

   

 「もらった!!!」 斬ッ!!

 

 焔の繰り出した素早く的確な斬撃に誰もが早くも決着が付いたと思った瞬間……

 

     ドカン!!

 

 何かがぶつかった音が観客席の入り口付近から聞こえてきたため振り向くと

 

 「痛つつ……弾き返しただと!?生意気な!」

 

 音の正体は訓練所から観客席まで飛ばされた焔であった。

起き上がり体制を整えた焔は直ぐ様攻撃体制に入り訓練所へと戻って行った、訓練所には手を払ったような体制の白堊が向かって来た焔を見るなり構えを取り始めた。

 

 「ホォ!あのポメラニアン対した玉だ凄いな!」

 

 相変わらず焔を変な名前で呼ぶ輪廻に未来が

 

 「?凄いのは弾き飛ばした彼の方じゃないの?」

 

 疑問符を浮かべながら聞いて来るが笑っているだけで答える素振りを見せずに観戦に戻った為に分からずしまいだったが、「お仕置き」を受けてぶら下がっている状態の灰怒が。

 

 「一見見るとそうかも知れませんが、その見方は誤りです。寧ろ手を払う程度でここまで飛んで来た焔さんの速度に驚くべきです」

 

 灰怒曰く簡単に説明すると《出る力、進む力》が強い程横からの力に弱い……と言う事らしい。

 

戻って訓練所では焔の連続攻撃を白堊が迎え撃っていた。それ自体はどうと言う事は無いが注目すべきは刀の攻撃を生身の拳で受け反撃していると言う点であった。

 

 「……おいおい、マジか!?白堊の奴イカれてるぜ!?」

 

 「彼に痛覚という概念は無いの!?」

 

 蘇芳と春花は互いに驚きの声を上げるそれを聞いた輪廻は冷静に迎え撃っている白堊を見ながら。

 

 「……いや、あのバカかなり動揺しているぞ?」

 

      「「え?」」

 

 輪廻が指を指しながら白堊を見るように促した為、訓練所の白堊を見ると顔をひくつかせながらも顔から脂汗を流している所を見ると輪廻の言った通り動揺している事がわかる。

 

 実際に訓練所では白堊は鍔競り合いをしながら

 

 「(ぬぅおぉぉぉぉ!!!ヤベェ!ヤベェ!ヤベェ!目が合っちまった!あの褐色ポニテが吹き飛んだ先にまさか!総司の奴がいる何て!!!しかも、目が合った瞬間目を反らされちまった!!!滅茶苦茶!気まずいィィィィィィィィヱァァ!!!)」

 

 先程焔が吹き飛んだ先に居た総司と目が合った瞬間…頬を染めながら目を反らした事によりハプニングで起きた事を思い出し本来は避けて腹パンする予定が攻撃を迎え撃つ事になってしまった。

 

それを知らない焔は自身の攻撃は避ける必要すら無いと思われたのかより一層連撃を早め始めた。

 

 「貴様ァ!私を舐めているのか!!!」

 

 観戦席では総司が頬を紅潮させながら唇を触れながら白堊と焔の試合を観戦した……その様子を次期選抜候補が見ているのを総司は気付いていなかった。

 

 「ねぇ……やっぱり何かあった……って顔じゃない?」《千歳》

 「確かにあの顔は雌の顔じゃな……」《芦屋》

 

 「ムフフフ、面白い事になっているワン!」《伊吹》

 

 「あの皆さん あまり弄らぬ妨が 良いのでは?」《芭蕉》

 

 そんな事を言いつつ観戦に戻った。

 

 「(気まずいとか言っている場合じゃねぇか!!!)このッ!褐色がっ!しッつけん!だらァ!!!(……後でもう一度……謝ろう)」

 

 気まずさの余り集中力が欠けていた白堊だが、自分が敗北したら、仲間達の苦労が水泡に帰すと思った為か直ぐに集中力を取り戻し焔の連撃を右手で全て受け止め空いた左腕で攻撃を叩き込んだ。

 

 「禁武・滅昇拳(きんぶ・めっしょうけん)!」

 

 腹に凄まじい威力の拳を叩き込まれた、焔は勢いよく吐血しながら数m吹き飛び壁に叩きつけられた。

 

 「うわぁ……今のは痛かっただろうなぁ……」

 

 「いや、痛いじゃすまないでしょ?吐血しているし……」

 

 滅赤が顔をしかめながら言うと未来が突っ込みを入れると周りの蛇女メンバーも頷いたが、龍導メンバー達は蘇芳から順に

 

 「(手加減?……ではないか?……まさか!)」

 

 「(あーまた悪い癖(・・・)が出るな、コレ)」

 

 「(あのバカ……きちんと踏み込みしてなかったのはそれが理由か!!)」

 

 「(……今の?本気ではないような……それと早く降ろして欲しい…)」

 

 白銅、輪廻、灰怒がそれぞれ心の中で思い溜め息を吐いたり、汗を掻いていた。

 

 「グッ!テメェ!グゲ!ハッ!ハッ!やりやがったな!!!次はこっちからだッ!」びちゃっ!

 

 ふらつく足に力を入れ奮い立ち、口に広がる鉄の味する唾液混じりの血を吐き出し身体中に気を纏わせながら白堊を睨み付ける……その影響か果ては元よりその()を使用する際にいつも起こって入るのか……焔の持つ属性故かは定かではないが周りの風景が歪み蜃気楼を発生させる程の熱が焔を軸に発現していた。

 

 「……おう、来い!」バッ!

 

 焔の発言をそう答える也勢いよく駆け出す白堊その魂胆は

 

 「(さぁ!出しな!テメェの秘伝・忍法を!背中の太刀(・・・・・)を使うんだろ!それより、先に叩き込んだらァ!)」グッ

 

 焔が次に秘伝忍法を使う事を把握した白堊は拳に力を込めながら焔へと接近して行った。

 

 対する焔は気の統一が終わったため刀を構えながら

 

 「秘伝忍法!……」グッ

 

 「……魁ェ!!!」ザッ!

 

 六爪のまま勢いよく駆け出した!これを見た白堊は

 

 「(……六爪のまま?いや、タイミングがある筈だ…それを見極め無くては!)」

 

 六爪のまま駆け出した焔に疑問を抱きながらも自身の分析、読みに掛けながら技を抱き込むため両足を地面にめり込む程に力を入れながら一歩手前で構えを取る、それを見た蛇女子選抜は驚愕の目を浮かべ、龍導はやれやれと言った表情を浮かべ、先程まで頬を朱に染めていた総司は一気に顔色を青に染めながら…

 

 「バカ野郎!的になるな!避けろ!!!」

 

 そう観戦席から普段の彼女からは創造出来ないような叫び声を上げながら白堊に警告するが、肝心の白堊は完全に精神統一をさせ見極めに集中を込めていたためか警告が耳に入らなかったようであり……

 

 「(……六爪から太刀へ見極め…見極め…見極め……見極め………太刀が本命ではあるが……未だ実力が太刀を使う迄に及んでいないとしたら……?その考えなら、六爪のまま此方に駆け出す理由に合点がいく……ま・さ・かッ!!!??)」

 

 焔との距離僅か数10cmでその考えに至った白堊だが、時既に遅し……

 

 プシャアアアァァァ!!!

 

 今宵一番と言っても過言ではないほどの鮮血が訓練所内へと飛散した。




次にて決着です。
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