白堊の身体から飛び出した鮮血が忍装束を赤色に染めていた。
「(見立てが甘かった!奴が六爪を仕舞うか地面に置くかをしなかった時点で気付くべきだったか!……流石に連続的な攻撃じゃあないだろ……取り敢えず距離を……)」
ダメージをこれ以上負わないようにと連続攻撃ではないとの判断で距離を取ろうとしたが、またもや見立ての甘さが出てしまった。
一撃を当てた焔は白堊を通り過ぎた後即座に向き直り素早く連続で斬撃を浴びせ始めた。完全に油断していた白堊は反撃しようにも咄嗟の事の為対応出来ずに攻撃が止むのを待つだけとなっている。相手は脳筋の為に動けないと判断した焔は休む事なく連続攻撃を続けた。
「オラオラ!どうした!亀みたいに籠ってても何もはじまんねーぞ!」
勢いのついた焔は獰猛な笑みを見せながら白堊に対して挑発じみた発言をし始めるくらいの余裕が出てき始めた。
ガードしている白堊は何も答えずにただ急所に当たらない様に防御しているだけで佇んでいるだけだったが……とうとう膝をついたため焔は
「!止めだ」ブオン!
渾身の力を込めた斬撃を浴びせた。辺りに砂埃が立ち込める程の威力……これは誰もが焔の勝ちだと思い蛇女からは歓声が飛び焔は勝利の確信の笑みを浮かべるが、それは直ぐに驚愕の声へと変わった。
「なっ!?」
驚愕の声を上げた焔の眼前には左腕のみで斬撃を受け止めている白堊がいた。それ自体は然程驚くことでは無いが驚くべき場所は刀と腕の間に火花が走っている所であった。
これが、何を意味するか火花が走る程つまり白堊の腕が鉄並みの硬度になっているという意味であった。
「へへッ!土壇場だったが何とか成功したか!爺の教え『
容赦なく焔の顔面へと正拳を叩き込む白堊これを食らった焔は数十mまで血を撒き散らしながら吹き飛んだ。
この白堊の行動を見た蛇女の生徒達はひそひそと『男として最低』『女の子を躊躇なく殴るとかあり得ない』『例え勝った所で性根が腐っている』等と好き勝手言われていた。
そんな蛇女生徒達を見ながら輪廻は内心で『悪忍辞めちまえ』と言った表情で生徒達を見ていた。それに勘付いた光牙も頭に手を当てながら溜め息をついた。
「グッハッ!……ハッ、ハッ、…なか…中々、やる…ゲハッ!…やるじゃねぇかッ!」
訓練所では顔中血塗れになりながらも焔は立ち上がり白堊に対して『私はまだやれるぞ』と言った表情を見せ、戦えるアピールをして来た。
これを見た白堊も笑みを浮かべながら構えを取り『受けて立つ』と行動で示した。この状況にまたも"覚悟"の無い蛇女生徒達はひそひそと白堊を貶すような発言をし始めた。
このレベルと覚悟の低い行為にいい加減にうんざりし始めていた輪廻はこの際「合同演習」が破棄されようがお構い無しと言った表情で蛇女生徒達を『粛清』しようと殺気を滲み出そうとした瞬間に訓練所から
「覚悟無ェ奴らは黙ってろ!」
ビリビリと空気が震える程の怒声が訓練所内に響きわたった、その怒声を放ったのは焔であった。
焔の放った怒声混じりの大声により静まり返った訓練所に対して焔は笑いながら
「へへッ…悪いな…こうでもしないと三下共は黙らないと思ってな…」
この行為に白堊は『こいつは…』と焔に対して過小評価していた自分を殴り飛ばしたい気分に陥り、輪廻は薄ら笑いを浮かべた後に
「ハハ……ハハハハハハ!!!何だ!?何だ!?アイツ!良い!実に美しい!!!じゃあないか!気に入った!!!気に入った!!!アイツなら!焔なら!真なる死の美を見せてくれそうだ!!!」
と大声でとち狂った様に叫んだ後に訓練所の白堊へとジェスチャーで『全力でブチ壊せ』と送ると訓練所の白堊は一層に気を高めながら焔に対して
「オレはお前の事を『低い』と過小評価していた……その事について詫びよう…しかし言葉では通じ無いと思った…故に行動で示そブヘッ!?」
キメ顔で焔に対してキメ台詞を放とうとした瞬間に焔から顔面目掛けて勢い良くドロップキックが飛んで来た。
「何か知らんが隙だらけだったぜ!特にその微妙なイケメン面がなぁ!!!」ドガン!!!
自身を殴り飛ばした際に白堊が語りかけた台詞を一部分を変えながら白堊を蹴り飛ばした。
「おま!空気読めよ!?せっかく格好良くキメ台詞放とうとしたのに!!しかも微妙って何だ!?結構応えたからな?それ!まだナチュラルに地味とか普通の方が良いぞ!?」
せっかくキメようとして放った台詞とキメ顔を台無しにされた白堊は焔に対して避難の言葉を浴びせまくるが当の焔はどこ吹く風と言った表情でニヤニヤしながら白堊に対して
「はぁ~?空気を読めだぁ~?お前バカだろ?命のやり取りに綺麗も糞もないだろ?そんな中で隙をさらしているお前が…わるアダッ!?」
焔が語り出した正論が終わるよりも早く今度は白堊は焔の頭目掛けて勢い良く拳骨を叩き込んだ。
これに対して焔は刀を持ち六爪になりながら白堊を斬りつけた。
「あ痛て!?てめえ!オレは拳骨だったのに刀で斬り掛かって来んなよ!?痛てェだろうが!!!」
「はぁ!?拳で戦うのがお前の戦闘スタイルだろうが!なのに何で私のスタイルの刀を使ってはいけないルールになってんだ!?やっぱりお前バカだろ!!!」
「はぁ!?別にルール違反とは言ってねぇだろ!?話聞け!この猪突猛進バカ!」
「んだと!?バカにバカ言われたくねぇわ!!!このバカ!!!」
「バカって言う方がバカ何だよ!!!このバカ!!!」
「てめえ自分で言ってんじゃねェか!!!バカ!」
途中から言葉の喧嘩のようになり始めた、白堊と焔に対して蛇女選抜と龍導選抜から呆れと苦笑が浮かび初め輪廻と光牙は顔を見合せながら『お互いに大変だな』と言った後に輪廻は糸弾を光牙は光の球を白堊、焔へと当てて
「お前ら、とっと終わらせろ」
「早々に決着つけないと色々始まらないだろ」
と言うと互いの筆頭の意見と大事な賭けだった事を思い出し真剣な表情へと変わり戦闘へと入ったが……「手っ取り早く終わらせる」を互いに選んだ結果ノーガードのつまりはインファイト状態へと移行した。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」と焔
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!……ってオレ負けフラグじゃね!?」
などと、どっかの奇妙な冒険のラッシュ台詞を言いながらぶつかり合っていたが、拳と刀では刀である焔に分があるのかだんだんと白堊は押され始めていた……
(コラそこ、ラッシュの際に余計なツッコミ入れたからとか言わない)
「チッ!クソ!分が悪いか!……けどよオレも負けてらんねーんだよ!!!」
とうとうラッシュに打ち負け、刀の連続斬りを受けていた白堊だったが、連続斬りをしている刀を片手で止めると同時に掌から莫大なエネルギーの砲を放射し、焔を訓練所の壁へと吹き飛ばしめり込む程の威力の砲を出した。しかし限界だったのか、その砲が原因かは不明だが白堊は意識を失った。
壁にめり込んだ焔も同様に地面に落ちた後ピクリとも動かずに倒れ込んだままだった故に鈴音の判断は……
「両者共に意識不明!大将戦…"引き分け"!!」
その結果に互いにやれやれと言った態度と表情を浮かべながらも賭けの結果は決まったな……と輪廻、仕方ないと言った表情の光牙は自身の選抜メンバー達を連れ気絶している互いの選抜メンバーの元へと降りて行った。
____蛇女天守閣____
「…………弟の声が聞こえた辺りを見に来たけど……なーんかおもろいこと殺っとんなぁ……」
訓練所から数キロ離れた天守閣にて十代後半の美少女が訓練所を眺めながら呟いた後ボソリと白堊の繰り出したエネルギー砲を頭に浮かべながら
「あの、小僧…
小さい笑みと意味深な台詞を呟やきながら姿を消した。
急ぎ足で書いた……結果、最早言うまい
物語に出てきた、用語の『神の咆哮』これは白堊の秘伝動物に深く関わってい来ます。
そして、物語の最後にその咆哮について語った少女ですが割りと初期の方に台詞のみ登場しています。