ーチュンチュンー
「……ん?あぁ……朝か……」
白堊は小鳥の鳴き声と共に目を覚ました。大きく欠伸をした後ベッドに目を写すと隣で寝ていた椿が居なかった為、何処に行ったんだ?と少し疑問に思ったが昨日の夜の椿の見せた不気味さに身を震わせ携帯の画面に目を通すと《AM.5:30》といつもより早い時間帯に起きたようだったので夜に見せた不気味な光景を払う為に二度寝をしようとすると、外から
「♪~♪♪~」
「ん、良い声だな…誰だ?」ガサガサ
美しい歌声が聴こえてきた為、その歌が聴こえて来る場所へとまるで引かれるようにその場へと向かって行くと川の音せせらぐ開けた場所へと辿り着いた。
「こんな所があったなんてな……確かこの辺りから聴こえてたよな……お?」
朝日が昇っていて美しい光景に辺りを見渡していると河岸に立ちながら歌っている一人の少女がいた。
「へー良い歌だな」パチパチ
「!?」ビクッ
取り敢えず歌を誉めながら語りかけると語りかけられた少女は肩を上げながら、驚きを浮かべた表情で白堊の方へと顔を向けながら語りかけてきた。
「あ、貴方は?何時から居たの!?」
「えっ?何時からって、言われたら困るが……歌が聴こえてきたから来ただけなんだが…何か不味かったか?」
何故そんなにも驚くのか?と疑問的な表情をしながらも答えた白堊に目の前の少女はその表情に気付いたのか「コホン」と咳払いをした後に
「いえ、失礼しました。私は如水と申します行き着けの宿につある絶景スポットの美しさについ浮かれたしまい歌ってしまいました。耳障りのようでしたら申し訳ございません」
「簡潔な説明をどうも。決して耳障りではなかったよ。寧ろ聞き惚れる位に素晴らしい歌声だったよ」
先程の会話と撃って代わり、敬語による問いと返答に二人は互いに「クスリ」「フッ」と笑顔を浮かべ
「何だか、ベタなナンパの台詞みたいですね」
「そうかい?しかし素晴らしい歌声というのは本当だよ?」
ありがとうございます。そう答えた『如水』と名乗った少女は暫く景色を眺めた後
「では、私は旅館に戻りますね」
「ん?あぁ分かった……あー途中までなら一緒に行ってもいいか?ちょっと君に興味が湧いて来てね。」
「………え"?まさか本当にナンパなの?」
白堊の発言に顔を顰めながら引き気味に後ずさる如水に
「ちっがうわ!!朝方とは言え女の子一人だと危険だと思ったからだよ!」
そう否定する白堊に、如水はまたクスリと笑いながら
「冗談ですよ。では、お願いしますね」
「はぁ……まぁいいか…」
~椿の部屋~
「(落ち着いて入るのよ、私!……この姿を見せて、今一度アイツのハートをGETするのよ!)」バッ!
アイドル衣装に着替え、勢い良く部屋の扉を開ける椿だったが……
「早く!起きない!白……あ……って……アレ?」
その場に白堊は居らず、ただ勢い良く扉を開けた浴衣姿の自分しか居なかった…そこへ母親が現れ
「なに、叫んでのよアンタ…」
呆れた声と表情で自身の娘に言うと椿は振り向きながら
「……お母さん……白堊は何処?……もしかして……もう……でか……出かけ…学校に行っちゃった…の…」プルプル
半分泣き顔になりながら語り掛けられた母親は頭を掻きながら
「何かアイドルグループの一人がいる場所に行ったみたいだから、学校には行ってないよ……『腹減ったら戻って来るから心配すんなって』と言っていたから……だから朝ご飯の準備しとくよ」
厨房へと向かって行った。
「あ、うん…何だぁ………って!べべべ別に心配なんかしてないわよ!勘違いしないでよ!!」
「はいはい」
急いで否定の弁を返す椿だったが、母の放ったある一言が気になった。
「(アイドルグループがいる場所?……アイドル……まさか!?)」ダッ!!
「ちょっと!?椿どこ行くのよ!?」
呼び止める母の声を聞きもせずにアイドルグループが宿泊している宿へと椿は駆けて行った。
~白堊side~
「そういや聞きたい事があるんだが……え~と如水……さん?」
白堊は如水と共に宿へと戻る中に気になる所があった為、宿に向かいながら問うと
「『如水』で良いですよ、何ですか?」ニコッ
そう微笑みながら白堊に返して来た。その笑顔に白堊は思わず心を奪われかけた。
「あ……あぁ、分かった…えっと、じょ…如水はアイドルか何かなのか?」
「そうですよ、ミルキーポップと言うグループに所属しています。」
白堊の問に質問を返すと白堊は「ふーん」と答えた後
「……有名なのか?」
すっとぼけた事を聞いて来たため如水は苦笑いをしながら
「自分で言うのも、何ですが…全国ライブを行っていたり、TVに出ているのでそれなりには有名だとは思います」
そのように説明された白堊は道のりの木々を見ながら、正確には木々の奥……影の濃い部分を見ながら
「じゃあ俺と一緒にいる所とか見られたら、マズイな」
「そうですかね?あ、宿が見えて来たので私はこれで失礼します」
「おう分かった」
互いに別れの挨拶を交わし、如水の後ろ姿を見送った後、背後の森へと視線を向けながら白堊は
「よっと!」シュッ!
ポケットからシコロ*1型のクナイを取り出しながら森へと投げ付ける。
……すると、暗闇から「グアッ!?」ドサッ
短い悲鳴と共に胸にクナイの突き刺さりカメラを持った少女が落ちて来た為、近付きながらカメラを拾い中身のデータを確認する白堊
「……やっぱりか……テメェ盗撮してやがったな?昨日の夜から気配はあったが……」
取り上げたカメラの内部データには、昨日の風呂場でのアクシデントや如水と親しげに会話している画像等が写し出されていた。
「グッガァ……ハハハ……この画像を週刊誌の記者に売れば奴らの信用はがた落ちし、私達のアイドルグループが売れる……その筈だった!それを貴様はじゃ…グガッャア!?」
白堊は全てを聞く前に少女の胸部に突き刺さったシコロを踏み付け、一層と深く押し込む。
「んな、狡い手なんか使わずに実力で勝ち取りやがれ……まっ!それは来世でな?つー訳で……バイバイ」グッ
「アッ!まっ……ギィッ!?アッ」グジャリィ
押し込まれたシコロは彼女の胸部を通過し、地べたへと迄到達してそのまま息の音ごと止めた。白堊は死亡したのを確認し死体の処理をしようとした際にある事に気付いた。
「……あ!ヤベェ!死体埋めるにしてもここ椿の旅館だ!!どうすれば?……」
ミンチにする=周囲に血渋き等でバレる
何処かに隠す=腐敗臭及び蝿や野生動物によりバレる
川に流す=漂流中にバレる可能性アリ
劇薬にて溶かす=手元に無い
胃酸で溶かす=時間が掛かる
「(どれもろくなのがねぇ!!!何かしらで溶かすのが効率や隠蔽性は高いが……回答出した結果的に劇薬は手元に無いし、胃酸は出すのも溶かすのも時間がかかる……クソ!拘束するだけにしとけば、良かった!自身の浅はかさに腹が立つ!)」ズズ…
白堊は考えより先に手が出てしまう自身に対して苛立ちつつもとある方法が頭を過った。それと同時に白堊の眼は虚ろになり、
「食うか」
信じられない事を発し、それを行う為にしゃがみながら死体目掛け手を伸ばし始め死体の腕を掴んだ瞬間
「ッ!!!ハッアッ!……ハァ、ハァハァ」スッ
息を切らしながら掴んだ死体の腕を投げ捨て、自身がしようとしていた行動に対して冷や汗を掻くと同時に得体の知れなさを感じ恐怖していると
「……そんな所で踞って、何してんの?」
背後から聞き慣れた声がした為、恐る恐る振り替えると怪訝そうな顔を浮かべた椿がいた(尚、浴衣ではない)
「い、いや何でもないぞ?ハハハ(…マズイ!誤魔化せる訳がねぇ!)」タラタラ
愛想笑いと驚きを浮かべながら答えるも引き攣った笑みにしかならないその態度と顔に余計に訝しむ椿は
「……アンタ背後に何か、隠して無い?」
ジト目で白堊の背後に回ろうとする椿に白堊は回らせ無いようにするために中腰に成りながらまるでカバディの体制を作るが、それよりも早く
「よ!とっ!はっ!」シュタ
軽々と気を使ってスカートが翻るのも構わず三角飛びをし、白堊の背後に着地した。
「……(黒のフリル付きの赤か……良いな)」
そんな椿を見た白堊はというよりはスカートの中身を見た白堊は内心かなり底辺な事を思ったが我に返り
「/(^o^)\オワタ!」
半ばやけくそに叫ぶが肝心の椿はというと
「何よ?カメラが落ちてるだけじゃない?……って、何これ?盗撮!?」
カメラを拾い上げ怒りの形相で内部データを見ながらカメラの画像を次々と見ている。
「……あ、あぁ不自然にカメラが落ちていて中身が盗撮紛いだったから不快になると思って見せない様にしていたんだ(死体が無い……何故だ?)」
白堊が死体が消えた事について考えていると、椿は何故かハイライトの消えた目で白堊を見た後手にしたカメラを片手で握り潰し、不機嫌そうに旅館の方へと戻って行った。
「……………ふん」スタスタ
何故椿は不機嫌そうにしているのかと白堊は「?」マークを浮かべながら椿が握り潰したカメラを見た後に内部にとある画像があった事を思い出し椿を追いかけながら
「待って!ただ話を世間話をしていただけだって!やましい事はないぞ!?」ワタワタ
「うるさい!うるさーい!」スタスタ
ある画像とは、如水と白堊が楽しそうに談笑していた写真であった。早い所、椿はそれを見て嫉妬したのである
ーー洞窟ーー
死体から約1km程離れた場所に少女はいた。胸に突き刺さったシコロを慎重に抜きながら先程の事について怨めしく呟いていた。
「クソ!あの屑男が!私の身体に傷をつけやがって!!!多少忍術の心得があったから逃げ出せた物を!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!許さない!許さない!絶対にただじゃ済まさないッ!!!」ギリッィ
口からは血が滴り、顔はアイドルとは思えない程酷く歪んでいた。すると洞窟からクスクスと笑い声が聞こえて来たため
「誰だ!?」カチャ
警戒体制を取りながら辺りを見渡すが薄暗い洞窟内には誰も居ないし、気配すら無い。その為、彼女は気のせいかと思い
「「気のせいか!?」」バッ
言うと自身の声に合わせて一緒の事を語ってくる声が背後からしたため振り向くと霞みがかった姿をした女が立っていた為、驚きつつも
「お前は、一体……」
そう呟くと女は薄ら笑いを浮かべながら彼女に対して
「おんやぁ?私を見て驚かないとはねぇ~?それよか、君さぁ~復讐したい奴がぁ~いるんだよねぇ~?良かったら"力"貸そうかぁ~?」
突如として巫山戯た態度で語りかけてくる女に対して疑問より苛立ちが勝ったのか
「ハァ?いきなり現れた奴が力を貸すゥ?そんな詐欺紛いの発言に乗る奴がいるとッォ!?」
そう言って断ろうとした矢先、霞女により首を締め付けられたまま持ち上げられた。そのまま霞女は
「今質問してんのはこっちだろうが!!!クソガキがぁ!オラ!どっちだ!?力が欲しいのか?欲しくないのか?欲しいなら首を縦にいらないならそのまま死ね!」
余りの剣幕と力に少女は数秒間思考が停止していたが、この力ならもしかしたら……と思ったため僅かに動く首を縦に振る。すると女はすんなりと手を離し
「いやぁ~ごめんねぇ~?どうも年のせいか怒り安くなってねぇ~でも承諾してくれて、ありがとうねぇ~早速で悪いけど"力''を貸すから少し目を瞑って貰えるかい?えっと……名前は…」
「……乱花と言います」
名前を名乗った方が良いと判断した彼女、「乱花」は目を瞑りながら名乗ると女は
「分かった、乱花ちゃんねぇ~良い名前だねぇ~じゃあ、いくよ~」スゥゥゥ
その言葉と共に女は煙と成り乱花の口と鼻から体内へと侵入して来た。
「!?んぁ!ウハァ!ンン!//////ッッッンハァ!///ァァ!///イク!イッチャウゥゥ!//////」
洞窟内から濡れた声が数分響き渡り収まると同時に……
ドグシャア!!!
何かが噴き出すような音と共に真珠の様な美しい肌と光を放つ金色の髪に全てを見透かす様な透き通った金色の眼に薄い陰陽の模様を持つ美女が現れた。
「フゥ……こんな所かしら?……復讐心に取り憑かれた者程醜い者はないわねぇ……でも死ぬ前に気持ち良くなれて良かったんじゃ無いかしら?……名前はえっと……なんだったかしら?……まぁ良いわ……にしても、まさか復讐したい相手があの
謎の美女は怪しく微笑むと共に姿を消した……洞窟内には腹が裂けた先程の「乱花」と名乗った全裸の少女の死体のみが残されていた……
はい……という訳で!次回は…学校2日目になります!
最後に出て来た女ですがぁ!実のところ!第1章には………………殆んど関わってきま……………せん!なら何故登場させた!と思うかもしれませんが一応1章が終わった後の話を造り易くするためにですね…はい……すいません
一応殆んどなので、ちょいちょいは関わって来る予定です。
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