『死ぬぞ?』
灰怒の真剣な声で、そう言われた春花と転生は冷や汗と共に目の前の巨大傀儡(外見は阿修羅)を見据えどのような攻撃が効果的か思考を巡らせていた。
一方の巨大傀儡は六本の腕を複雑に動かしつつ、同じように此方を見据えていた。
ギチ ギチ ギチ……ガチン
「何をしようとしているのかしら?」プルン
『何、胸を凝視してんだ!コラ!』ペチッ
「痛てっ!」
胸元から一つの試験管を取り出した春花──の胸元を凝視していた転生の頭を心理世界で小突くハスター、それらを他所に灰怒は
『天眼!《未来視》』
天眼を使い傀儡の次の行動を見ることにした。すると巨大傀儡は三本の腕を一つに纏め一つの大砲へと変え春花へ…と肝心な所で
「グッ!」ズキッ
天眼の効果が切れてしまった。
しかし少ない情報で次に相手はいかなる攻撃、行動をしてくるかを考えた灰怒は胸元から試験管を取り出した春花に目を向け叫んだ。
「避けろ!春花さん!」
「え?」
いきなり名前を叫ばれた春花は、灰怒の叫んだ理由に気付いたのか巨大傀儡の大砲が自分に向いていた為に弾の軌道から逃れようと、素早くその場を離脱する。
巨大傀儡は場から移動した春花の方へと狙いを再度整えるため巨体ごと動かす。それを見た灰怒は今度は転生とハスターに対して心理世界で
『転生、ハスターさん今の内にヤツの背後で倒れている彼女達の保護を!』
巨大傀儡の背後にて気を失っている蛇女選抜と候補の保護を支持した。
『おう!任せろ!』
『りょ~かい!』シルシル
「(以外に大丈夫かな?……さて)」
転生の得意とする木遁で作成した、蔦状の植物で次々と彼女達を巨大傀儡の視界外へと移動させて行った。
少しばかり彼女達を転生に任せるのは
灰怒は灰怒で刀に影を纏わせ始めた。
「(……変ね?何で撃って来ないのかしら?)」サッ
先程から巨大傀儡の大砲の標準に成らないように回避を繰り返していた春花だったが、とある違和感に気付いた。
それは明らかに射程標準に入っているのに巨大傀儡は一向に砲撃をして来ない…寧ろ何かを待っているかのようにも見えた。
「そこだ!
影を刀に纏わせていた灰怒は技の準備が出来た為、巨大傀儡の首目掛け勢いよく飛び出しその首を撥ね飛ばそうとした瞬間
「うわ!?危な!」
「………っ!?」
なんといきなり転生が間に入った為に、灰怒の一撃は不発に終わった。
流石にこの転生の意味不明な行動に灰怒は声に怒りを含めながら
「君は一体何をやっているんだ!間に入らなければ確実に首を撥ね飛ばし課題は達成出来たんだぞ!?」
灰怒の至極真っ当な言葉に対して、転生は全く自分は悪くないと言った表情と声音で
「え~だってぇ~傀儡倒した数がさぁ僕の方が少なくなるじゃん?それだとぉ~輪廻姉さんから『ヨシヨシ』と『ハグ』して貰え無いんだも~ん♪」ケラケラ
『お、おいおい転生!お前マジメにやれよ!?』
転生の反省の色所か寧ろ相手をバカにしているような態度と返しに、流石にマズイと思ったハスターは転生に小言を掛けるが転生は全く聞く耳を持たずにヘラヘラとニヤケ面を浮かべていた。
「……………」
この転生の態度に灰怒は顔を俯かせたながら、刀を手 にした腕を思い切り握りしめた。
『お、落ち着いて?灰怒?』
ルリムは激怒しているだろう灰怒を宥めようと声を掛けるが、寧ろ逆効果にしか成っていないように見える。
「何すか?灰怒さん?何か文句あるんすかぁ~?」
『『あ、バカ!やめ…』』
ゴッ!
変化に気付いた転生は俯いたままの灰怒の頭をペチペチと叩きながら語りかけてきた。
この行為にハスターとルリムは止める用に促すがそれよりも速く灰怒は転生の頬へと強力な裏拳を放った。
「痛っ!あれれぇ~、言い返せないと手を出すんですかぁ~?子供だ───」
ゴアッ!!
「───なぁにこれぇ……?」ポカーン
吹き飛ばされた転生が煽り口調を言い終わるよりも速く謎の爆音と煙が立ち込み煙が晴れると辺り一面は灰塵と化していた。その光景に転生は呆然と佇んでしまった。
「(なんて、威力なの!?)」
春花もその光景に驚愕すると共にこの状況を作り出した巨大傀儡に目を向けた。
「(この傀儡が狙って居たのは、あの"灰怒"って子だったのね…)」
春花は巨大傀儡が灰怒が斬りかかった際に今まで自分に標準と視線を向けて居たのを飛んできた、灰怒と転生へと目を向け明らかに標的を自分から双方のどちらかに変えた為に傀儡はコレを狙っていたのか、と多少の屈辱と納得の意を示す。
ギチ ギチ ギチ ……ジャキン!
「…って思っている場合じゃないわね!秘伝忍法!」
大砲から今度は巨大かつ鋭利な刃を作り出した傀儡は此方に迫っていた。春花は対抗する為に秘伝忍法を食らわせる準備をしていた。
『おい!転生!テメェも闘いやがれ!』
「え?あぁ!わかってらぁ!風遁」チャキ
呆然としていた転生にハスターは発破をかけると、転生ははっ!としながら文句を言いつつも刀は構え技の準備にかかる
「『DEATH×KISS』!」
ふわふわと傀儡の前に風船のようなハート型の物体が3つ現れ、傀儡目掛け飛んできた。
ジャキン!ザシュ!
傀儡は邪魔だと言わぬばかりにその3つのハートを刃で切断した。
すると…
ドガーーン!!
先程の砲撃にも勝るとも劣らぬ凄まじい爆音が鳴り響き、巨大傀儡の腕の刃と装甲を破壊し、ギギバチバチと耳障りな電子音をならしながら配線や内部構造が露呈した腕が現れた。
「秘伝忍法でも表面だけですって!?しかも…」
しかしながら、傀儡に備わった自己修復機能により再び破壊された装甲が元通りに治り始めた為、春花は歯痒い思いをしていた。
すると……
「『
ギャリィン!と独特な音と共に螺旋状の斬撃が修復途中の腕を切り飛ばした。
声の主の方を見ると
「よっしゃ!腕一本GETだぜ!」ガッツポ
刀を突き出した転生が、片手で握り拳を作りながらガッツポーズをしていた。
「!結構やるわね、後でご褒美あげちゃうわ!」ウインク
「っシャア!もう片方も叩き落としてやらぁ!!」
「(フフフ、単純ねぇ~)」ニマニマ
『おい!嘘ついてんぞ!アイツ!』
春花の声援とウインクを受けた転生は俄然やる気を出したが、ハスターは春花の心を聞いたため転生に嘘をついている事を伝えたが、転生には全く聞こえていないようだった。
それもその筈……転生は頭の中で
「(⚪⚪⚪!⚪⚪⚪!⚪⚪⚪!満足するまで!⚪⚪⚪!オレが満足するまで!⚪⚪⚪ッ!)」ハァハァ
『うん、お前は本当に欲望に忠実だな』
と、とんでもない事を考えていた。
その心にハスターは、コイツはそうゆう奴だったと一人でに納得した。
「春花様!コイツにそんな事言っちゃ駄目ですよ!」
「絶対に下劣で邪な、考えをしていますよ!」
「寧ろ先刻の態度で其を警戒すべき」
「邪神様は兎も角、その小童には不必要じゃろう」
マシンガンを仕込んだ傘を乱射しながら復活した未来が春花に警告をしてきた。
これに続いて他の復活した面々も同じように語って来た。
「えー、酷くない~?」
『いや、当然だろ』
「それも、そっか♥️」テヘペロ
ハスターに突っ込まれた、転生はあっさりと認めながら蛇女の復活したメンバーの芦屋と芭蕉に
「それよか、見事にぶっ飛んだ『灰怒』先輩の救出を車輪刃の痛いおねーさんと筆刀のおねーさんの二人はして下さいな、この場に居た所で役に立たないし」ケラケラ
「なんじゃと!?」
「どういう意味ですか!?」
転生の嗤いながらの発言に憤慨する二人だったが、転生は笑顔を止め真面目なトーンで
「どういう意味も何もお前らさっき二人揃って真っ先にやられたじゃん?そんな奴等が居た所でただの邪魔にしかならないでしょ、その点
「「……っ…」」ギリィ
転生の発言に対して二人は何も言い返せず悔しげに歯を食い縛る。何故なら転生の発言の『真っ先にやられた』は事実だからであった。
『おい、流石に言いすぎじゃねぇか?』
転生の厳しい物言いに、酷いと思ったのかハスターは苦言を呈するがそれに待ったと手を上げながら、芭蕉が
「いえ、ハスターさん大丈夫です。彼の物言いは確かです…この焼け焦げた後に続けば彼がいるんですね?では救出に向かいますね」
「のじゃ」
そう言うと、芭蕉と芦屋は灰怒が吹き飛ばされた場所へと向かって行った。
目の端にうっすらと涙を浮かべながら……
「………(少しお仕置きが必要かしら?)」
走り去っていく芭蕉と芦屋を見届けた春花は薄ら笑いを浮かべている転生を不快感のある目で見ながら厳しい躾をする事を考えていた。
ドSだが、割りと仲間(後輩)思いの人物のようだ。
────side灰怒──
「がっはっ!!……喰らうと分かっていても!描写と現実は違うか……はぁ、痛っ!」ネチョ
傀儡の放った砲撃をまともに喰らっていた。灰怒は近場の木に背をかけながら自身の怪我の様子を見ながら考え事をしていた。
『喰らう直前に
『………何を考えているかわ分かっているわよ…でもその傷で《アレ》を使ったら私でも抑えれるか…どうか、怪しいけど?しかも無理に突き刺さった破片引き抜いて傷口広げてるし……』
灰怒の考えが何なのか察知していた。ルリム・シャイコースは一応の了承と警告をした……灰怒の傷口を広げる行為に呆れながらだが。
「フゥ、よし」ズズズ
灰怒が一息つくと灰怒の左側から黒い紋様がどんどん広がって行き
ズアッ……
禍々しいチャクラを纏い巨大傀儡とそれと戦っているチャクラ達の元えと駆けていった。
「「…………」」ポカーン
一方で救出に向かっていた二人は灰怒の変化を見ていたようで呆気に取られていた。
───vs巨大傀儡組み──
芭蕉達二人組みとは別の 巨大傀儡と相対しているメンバー達は後もう少しで傀儡を撃破出来る状態まで追い込んでいた。
「よし!後残りの腕は3本!行ける!んじゃ、オレが留め刺すんでおねーさん達は援護お願いね☆」
「……」
「はいはい」
転生は言うなり愛剣にチャクラを溜め始めた。その様子を見た千歳は無言で援護射撃で巨大傀儡の注意を転生から自分に写し変え、春花は薬品の混ざった煙幕で千歳と同様に転生の援護と千歳に攻撃が移らない用に傀儡の視界を奪っていたが……
「ハァ!?何でアンタの言うことなんか聴かなきゃなんないのよ!!後一歩ならアタシが留めをさすわよ!!!『秘伝忍法!ヴォルフスシャンツェ』」
年下の指図は受けないとばかりに未来は煙幕と弾幕が立ち込める中に腰回りに取り付けた8門のガトリングを連射しながら突撃して行った。
「バカが!」
「に"ゃ!?」
未来の暴挙に転生は毒付きながら未来を蹴り飛ばす。飛ばされた未来は珍妙な悲鳴と共に射線状とは反対側へと吹き飛んだ。
「フフッ」
ドシュ!
傀儡はその隙を見逃さずに転生目掛け矢を飛ばしてきた。
転生は傀儡とは反対側に飛んで行った、未来を見た後小さく嗤いながら左胸を抑えながら膝を着いた。
「……治療しなくていいの?」
傀儡に弾幕を浴びせて続けている千歳は膝を突いた転生を横目で見ながら声を掛けるが、肝心の転生は左胸に突き刺さった矢を強引に引き抜き矢を放り投げ千歳を睨み付けながら
「お前が
「…………」
転生の発言に少し片目を伏せながら沈黙する千歳に転生は「まぁいいや」と言った後
「とりあえず現状維持しててよ、オレはちょっと
そう言い転生は印を組み始めたため千歳は春花にその事を伝えると了承した…と言うよりは転生の《本気》が気になったらしく煙幕を更に濃くし始めた。
「よし、印は完了した……今から成る姿と言う言葉はあんま好きじゃないけど……いあ! いあ! はすたあ! はすたあ くふあやくぶるぐとむ ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ
あい! あい! はすたあ!」
「「!?」」
「そんな顔でこっちみないで!////それとこっちにも煙幕をお願い!」
突然発狂したかの様に変な言葉を発する転生にギョッとする二人に対して転生は此方を見ない様にと声を上げ煙幕を自分側へと要請して来た為、春花は転生目掛け煙幕を投げる。たちまち煙が立ち込み初め比較的小柄な転生の姿を多い隠した。
シュンッ!!シュンッ!!
そんな二人に傀儡は隙の出来た二人目掛け口から約20cm程の針を千歳と春花に目掛け飛ばして来た。
「う"っ!?」ドス
「痛っ!」チクッ
我に戻り回避する二人だったが咄嗟の出来事だった為か、動きに無駄がありつつも軽装な春花は左腕の掠り傷程度だったが、巨大な銃を持つ千歳は直で突き刺さってしまった。
普段なら直ぐに抜けば良いものの突き刺さった針には強力な麻痺薬が使われているらしく、千歳は倒れ込んだまま動けなくなっていた。
「千歳ちゃん!くっ!」
千歳に駆け寄ろうとした春花だったが、かすり傷にも関わらず千歳と同様にだんだんと身体の自由が聴かなくなり倒れ込んでしまった。
ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ!!
その隙は見逃さないと、ばかりに口を開き芝刈機のような刃を見せながら四足歩行に成り倒れ込んだ春花───ではなく千歳目掛け駆け出した。
「(………はぁ、ここで死ぬのか……まぁ『忍』なんて、そんなものよねー)」
千歳は自分目掛け迫り来る傀儡に目を向けながら、死ぬのは『忍』だから当たり前と考えソレを受け入れようとしていたが
「こっちを見ろ、木偶人形」
「?」
ギ…ギギ
声が聞こえた方へと振り向く傀儡と目を向ける千歳その視線の先には
ウジュ、ウジュ、ピキピキ、ビチビチ
「標的を替えたのがお前の敗因だ!」ゴゴゴ
右腕から巨大な異形な生物を生やした転生がおりそのその生物の口にとてつもなく膨大なチャクラの球体を造り出していた。その姿を見た傀儡は標的を転生に替え、始末しようと向かって来た。
「もう遅ぇよ─
「──
カッ─────────
刹那、蛇女私有地の森に一筋の光が発生し傀儡は消滅し巨大なチャクラ光球は
バキバキゴアッ!
周りの木を薙ぎ倒しながら
「「「あ」」」
訓練所へと一直線に向かって行った。
灰怒より転生よりの話に……次回は活躍する予定です。
次回『精進する陰陽《後編》』