─ワイワイ、ガヤガヤ─
沢山の声が呼応するこの場の名前は「国立半蔵学院」全校生徒1000人も抱える進学校である。そんな学校の校門前に
「ひゃぁ~スッゲェ人数だな!もしかしたらオレっち達の学校より人数いんじゃねぇーか?なぁ!
「そうねぇ~、
そんな会話を交わす半蔵学院とは違う制服を着る人物が二人居た。一人は短髪の活発そうな男の名は黒波、もう一人は身長180㎝以上はある見た目は美形のモデルのオネェ口調が特徴の人物の名は春潮
「誰だ?あの二人?」
「内の生徒じゃないよな?」
「あの背の高い人モデルかな?カッコいい~」
「でも?なんか口調がオネェぽっくなかった?」
そんな珍しい二人組だった為か、周囲がどよめき始めたため春潮は「印」を作り
「少し目立ち過ぎたわね、気遁:
「え~、先輩それ、使っちゃいます?」
「何してんだ、あのオカ───」フッ
バラ、バラ、バラ、バラ
春潮が忍術を発動すると、どよめき集まり固まっていた人だかりがバラけ始め、二人の存在が無かったかのような態度に変わり通常通り登校し始めた。
「さて、行きましょうか」
「そうっすね……(先輩の"気遁"やっぱ、すげぇな)」
「フフ…」
春潮の術の凄さに感心しながらも、指示に従う黒波に笑みを浮かべながら校内に入って行く二人組だったが
「……って、他校のオレ等が入っても大丈夫何ですかね!?」
黒波がさも当然な疑問を口にすると春潮は笑顔を浮かべながら
「それなら、大丈夫よ」
「すいません、お時間を取らせてしまいました。私の名は斑鳩と申します」
そう語ると二人の目の前に長い黒髪の美少女『斑鳩』が現れながら謝罪をし始めた。
「わっ!(綺麗な人だ…)」
「いえいえ、アタシも無許可に術を一般人に、しかも"同盟を"結ぶ学園の人々に使用してしまい申し上げございません」ペコリ
互いに頭を下げる二人を見ながら海原は驚きの声を上げた。
「同盟……同盟!?それって、どうゆう事ですか!?」クワッ
ビリビリッ!!!
「うるさっ!」
「きゃっ」
黒波の大気を震わせる声量に耳を塞ぐ春潮と斑鳩に海原はハッとしながら口を手で押さえ口を塞ぐ。それと同時に春潮の術も効果が切れたのか
「なんだ?今の揺れ?」「窓ガラスが揺れたけど?」
「何?地震?あったけ?」「いや、多分声で?」
「は?嘘だろ?」「確かに廊下から聞こえた」
各教室から黒波の声に釣られ廊下に出ようとした為、春潮はアイコンタクトで斑鳩に確認を取ると、斑鳩はコクンと頷いた為、春潮は術を発動した。
「……誰も居ないぞ?」「気のせいか?」
「確かに聴こえた気がしたんだがなぁ…」
廊下に誰もいない事を確認した生徒は教室へと戻っていく。それを確認した春潮は黒波を一睨みした後軽く頭を叩いた。
「痛ッ!何するんすか!」
「何するんすか!じゃ無いでしょ!あんな大声出して!忍の自覚無いの?」
「うッ……いや、でもいきなり同盟とか聞いたら…」
「
「え?そうでしたっけ?」
「……その反応だと本当に聴いてないみたいね……まぁいいわ。斑鳩さん、そろそろ忍部屋への通路でしょう?」
先頭を歩いている斑鳩に問いかけると肯定の頷きをした為、改めて海原へと顔を向け
「恐らく、残りのメンバーも揃っている頃だろうし、到着したらまた説明するわ」
「了解っす!」
──忍部屋──
シュタ……
半蔵学院の忍部屋に一人の
「こうも、易々と侵入できるなんて……警戒心はないのか?…………全員集合まで時間がまだあるな………」
ピッ! ドサッ!
影はそうぼやきながら図々しく寿司屋のカウンターがある椅子に座りながらTVのスイッチを付け
「半蔵学院の奴等は修行、
自分達のメンバーが何をしているかを予想しながら待つ事にした。
──
───
「この掛け軸の裏側が私達の忍部屋への入り口となっています」
斑鳩は春潮と海原を購買部内部にある掛け軸へと案内し、この裏側から自分達の忍部屋へ入れると説明した。
「成程ねぇ~購買部の中なんて……身近にあるが気付かれない、正に灯台下暗しね」
「……て、事はあの販売生も忍何ですか?」
「はい、そうなります」
説明を受けた春潮は敢えて身近にある場所の裏側と言う点に感心を示し、黒波は販売する生徒は忍だと聴いた。何やらその販売生は此方側を睨み付けていたが……
「すいません斑鳩さん?あの生徒、何か滅茶ゃ睨んでいるんですが……」ヒソヒソ
「?……菖蒲さんが?」クル
黒波を睨み付けている生徒が居る、と言われた斑鳩はその生徒の名を語りながら振り向く。
「どうしました?斑鳩先輩?」ニコッ
「勘違いでは?」
菖蒲と呼ばれた女子生徒は笑顔で首を傾げながら聴いて来た為、海原に見間違いか何かと言った。黒波は納得しない形だったが危害を加えて来る様子は無かったためそう思うようにした……が、
「………………………」ギロリッッ
斑鳩が前を向くと同時に再び凄まじき形相で睨み付けて来た(斑鳩には気付かれていない)
「(えェェェェェェェ!!??)」
黒波は一人、心の中で絶叫した。この様子を見ていた春潮は菖蒲の発する『意』を読み取ってみると(黒波だけに睨み付けておらず、春潮も含まれていた)
『葛ねぇ様には手出しさせないィ~』グルルル
殺意ではなく、警戒心の方が強かった。彼女の言う『葛ねぇ様』と呼ばれる人物に海原と自分が手を出す事に対しての威嚇だった。
まだ威嚇程度ならば問題ないと判断したが、それが元で同盟を結ぶのに支障を来すのと、彼女が威嚇する程に敬愛する人物に興味が湧いた為、斑鳩に『葛ねぇ様』なる人物を尋ねようとした瞬間
「あの──」
「よぉ!斑鳩ッ!」モミモミ
「/////ヒャア!?」
いきなり背後から現れた人物に胸を揉みしだかれた斑鳩はたまらず変な声を出してしまう。
「うおぅ!!??」ググッ
「ウワァ~…」ゲンナリ
この光景を見た黒波は思春期の男子らしく多少前屈みになりつつもガン見する。対する春潮は海原と斑鳩の胸を揉みしだいている人物にドン引きすると同時に
「およしなさい」 ドガシッ!
「タコス!?」
蹴り飛ばした。飛ばされた人物はどこぞの軍人のような台詞を叫びながら吹き飛んだ。腰が抜け座り込む斑鳩に手を差し伸べる。
「大丈夫?立てる?」スッ
「す……すいません」
その手を取りながら立ち上がる斑鳩に春潮は気にしないでと言い吹き飛んだ人物へと目を向ける。吹き飛ばされた人物は頬を擦りながら(因みにこの人物が葛城である)
「痛てえなぁ~何すんだよ!」
怒り声を上げて来た為、春潮は冷めた目と声で
「私は只単に彼女が嫌がって居たので"多少"強引に突き飛ばしただけですが?」
「えぇ?先輩それは無理が…」
「何か言ったかしら?」ゴゴゴ
「何も言ってません!」キリッ
明らかに多少ではないレベルで突き飛ばした春潮にツッコミを入れた黒波だったが、春潮の放った圧に負けて何も言っていないと良い顔で返した。
「全然"多少"じゃないだろ!!お前!
「あ"?」
「!(ヤベェ!!)ちょっ……春潮せんぱ!」
少女は抗議するが、彼女のとある発言に春潮は先程の黒波に対して発した"圧"以上の、いやただの『殺気』を発した為、葛城は抗議を止め息を呑む。黒波は春潮を宥めようと声をかけるが
「テメェ、今よぉ…何つった?」チャキィ
いつから取り出したかは不明だが手に兜割りを持ち、それを葛城に向けながらホラー映画さながらに躙り寄る。
「もう一度言ってみな~?大丈夫ゥ~
「ヒェ!」
ハイライトの消えた眼でユラユラと近づきながら、先程の台詞を言うように促す春潮に葛城は短く悲鳴を上げる。何とかこの状況を脱しようと辺りを見るも
「成程、この掛け軸の裏側が通路となっているんですね」
「はい、では行きましょうか」
「ッス!了解ッス!じゃあ!春潮先輩先に失礼します!」
そう言いながら自分に兜割りを向ける男の後輩は、斑鳩と共に忍部屋へと移動して行ってしまった。
「!!(だったら!)」チラッ
助ける意思の見られない斑鳩達に対して、今度は自分に盲目的に熱中している後輩の菖蒲に目を向けるが肝心の本人は
「ぐへへへ!倒れた葛ねぇを介抱する……その内に身体を隅々までお触り放題!……」ワキワキ
と涎を垂らし両手を動かしながら倒されるのを待っていた。
「うぉぉぉぉい!?菖蒲!!お前ぇぇぇぇ!?」
ギュン!!
春潮が迫っているのを忘れていたらしく、ツッコミを入れる葛城だったが、直ぐ様「ハッ」とした表情をしたが春潮の兜割りは目と鼻の先まで迫っていた!
「くっそぉ!!!」グッ
目を瞑る葛城だったが、何時まで経っても兜割りが迫って来ない為、恐る恐る目を開くと
「痛いよ、…紅丸」
「こうでもせんと止めんだろ?お前は」
「!?」ビクッ
自分に迫っていた兜割りを向けている手を横から掴む手があった為、その手が伸びる方向へと目を写すと彼…彼女よりも更に背の高い大男が居た。その大男は葛城に目を写し
「恐がらさせて、すまないコレは色々あって《男》扱いされるのが嫌いなんだ。……それと、制服を着崩しているぞ?はしたない」
紅丸と名乗る男は一応の謝罪と葛城の制服の注意をした。
「"コレ"って何よ!」「制服をどう着ようが関係ないだろ!!」
すると二人揃って抗議してきたため、紅丸は頭で「一言多かったのか?」と思いながら二人の抗議を受けていると背後から
「……そろそろ、集まる時間ですよ?」
そう語られた為振り向くと、黒のショートカットの少女と少女の肩に手を起き背後に隠れている少女が現れた。
「ん?…於国にエヴァか、もうそんな時間か…すまんが於国この二人をどうにかしてくれないか?」クイ
「ん?」
於国と呼ばれたショートカットの少女は紅丸が指を指した方に顔を向けると、紅丸に対してと言うより互いに口喧嘩をしている春潮と半蔵生徒がいた。
大凡の事を理解した於国は紅丸に
「春潮先輩は兎も角、他校の生徒は無理です」
「だよな」
キッパリとそう言いながら断った。紅丸も大方予想していたらしく然したる様子は見せなかった。
「よ~し、そこまで言うならどっちが悪いか、この先の《忍部屋》で決めようじゃないか!」
「い~わよ!望む所よ!」
スタタタ……
口論しながら忍部屋に向かった二人を見た紅丸は頭を掻きながら
「何をせずとも、結果オーライだったな?」
忍部屋への入り口が分かった為、そう言うと於国も苦笑いで
「はは、そうですね」
返し二人が駆け込んで行った掛け軸へと向かって行った。先程まで於国の背後に隠れていたエヴァと呼ばれる陶磁器のような白い肌と雪のように白く長い髪で右目を隠した少女は
「流れ的に春ねぇ達の口論に巻き込まれる気がするけど?」ボソ
ボソリと小さく呟くと二人の後に続いた。
───とある路地裏───
人気のなく薄暗い路地裏にの長身痩躯で端正な顔立ちではあるが、瞳に一切の光が無い為、屍人の様な雰囲気の少年が辺りを見渡しながら呟く
「………あのチビ女は何処だ?この辺りに消えた筈だが」キョロキョロ
一通り路地裏に目を通した少年は、どうやら『チビ女』なる者を探していたが何処にも見当たらない上に気配も感じなかった為、少年は懐からメモ張を取り出し開くメモ張の中には様々な人物の写真と共に、家族構成や年齢等プライバシーに関する物が記されていた。少年はメモ張を巡りながらとあるページでめくるのを止め、とある少女の写真が貼っているページを眺めながら自身が追っていた少女と当て嵌めてみた。
「(青髪の短髪に右目を隠し、左目は青の瞳……やはり、奴は『蒼鬼』)」
どうやらページの写真と追っていた少女は同一人物だったらしく、顎に手を当て数秒間の沈黙の末に
「……
そう言いながら、携帯を取り出し「アイツ」…恐らく彼より上の立場の人間に連絡をし始めた。
『ん~?
明らかに女性と分かる声と共に名前を呼ばれた少年『黒鉄』は淡々とした声で
「お前らが欲しがっていた蒼鬼だが、取り逃がした」
『…………』
淡々とした声での黒鉄の報告に沈黙する女だったが、溜め息と共に
『ハァ…アンタさぁ?そんなつまらない事を伝える為にわざわざ電話したの?私の事、いえ私達の事バカにしているの?』
明らかに呆れと多少の怒りを孕んでいると分かる声が電話から聞こえてくる。それに対して黒鉄はまたも淡々と表情を変える事なく
「出会った際に『捕縛』出来た、出来なかった。を定期報告するように指示したのはお前だろう?オレはあくまでも指示に従っただけだが?」
いけしゃあしゃあと語る黒鉄に相手は何を言っても無駄だと判断したらしく、舌打ちと共に
『チッ!分かったわ、今度からは『捕縛』出来た際に電話しなさい、次にこんな下らない事で電話したら『殺す』から』
「出来もしない事を言うな、みっともない」
電話越しでも分かる殺意に確実に小馬鹿にしてる返しに相手は限界が来たのか大声で
『アン!──』ブチッ
ツー、ツー、ツー、
電話を切った黒鉄は直ぐに電話の履歴に移り上層部にかけようとするが、履歴の大半が先程連絡したであろう女性の名前であると思われる『
さっき取り出したメモ張とは別の《殺害対象リスト》と記された物騒なメモ張を取り出しながら『蒼鬼』の名を記す事にした。
『立夏』『大堂』『エンデュミレア』『飛鳥』『堕蛛羅』『雪泉』『香織』と記されていた後に『蒼鬼』と付け足した。
「……増えたか」
そう呟きメモ張をまたしまい、路地裏を出て振り向き今度は《殺害済み》と記されたメモ張を取り出しながらページを捲って行くと、路地裏と全く同じ写真と共に《殺害対象者》『政菜』そう記されたページが出たため、黒鉄は頭を掻きながら
「一度来た場所なのに、道を把握して無いとか……間抜けか?オレは…まぁどうでもいいか、それより早く戻らなければ!」シュッ!
自身の頭の出来を自虐しながらこの場を後にした。それを見届ける影が路地裏にあった。
「フゥ……何とか切り抜けられましたか…しかし…私を捕縛ですか…」
その影は路地裏から表の建物の屋根へと身を移しながら、安堵の溜め息を吐きながら、黒鉄が電話しながら話していた。自分を『捕縛』すると言っていた事が気がかりだったため黒鉄を警戒する事に加え
「(彼には個人的に警戒しておきますか……しかし、結局の所『超・秘伝忍法書』の有りかは分からず終いでしたが……想わぬ収穫も有った事なので私も戻りますか、確か合同演習として『龍導学院』の方々が来る話でしたね……恐らく『監督生』の私の事は話していないでしょうし、少し急ぎますか…)」シュッ
『監督生』という立場を持つ彼女、蒼鬼は調査事態は失敗に終わった物のそれ以前に相手の戦力が大きくなっていた事も分かった為、それを含め『龍導学院』の挨拶に向かうため急ぎその場を後にした。
──向かい側の建物
「……見つけた」
「どうします?」
「背を向けた今なら、殺せますよ?」
「じゃあ、殺そうぜ?」
向かい側の建物の上にて双眼鏡から『蒼鬼』を見ながら呟く影が複数居た。影達は口々に意見を主張し合うが、恐らくリーダー格であろう女が
「いや、ここは報告だけで良いだろう…奴をどうするかを決めるのは『天魔様』なのだからな、それに『天魔様』は御自分の手で奴を殺したいはずだし……取り敢えず『天魔様』と『ゾディアック星導会』の『麗王』に伝えておこう」
『天魔様』その名を聞いた影達はそれもそうかと納得の意を示した為、リーダー格の女は
「では、"散"」
シュバ!
そう言うと影達はその場から消えたように錯覚する程の速さでこの場を後にした。
──出浦上層部──
「では銀雪よ、此度の任務成し遂げられるか?」
重々しい雰囲気漂う部屋に中心を囲む用に並ぶ椅子に座る上層部の面々。その中でも一際豪奢な椅子に鎮座する威圧的な風貌をする男『
「ハッ!この銀雪必ずや御期待に応えて見せます」
真っ直ぐな瞳で語る銀雪に椅子に鎮座する天雷は幾らか表情を和らげながら
「期待しているぞ」
「勿体無きお言葉!」
労りを与える言葉を浴びせる天雷に再び頭を垂らす銀雪だったが、ふと疑問に思った事があった為に質問をする事にした。
「誠に僭越でありますが、質問をする許可を私に」
「貴様!は只与えられた任務を成し遂げればい…」
「良い赦す」
銀雪に抗議を行うとしていた上層部の一人を静止ながら銀雪に許可を与える天雷に渋々引き下がる上層部、許可を得た銀雪は与えられた任務の内容を語り出した。
「『霊峰と訪国の殺害』……此方は理解できます。霊峰は我が校の最大の汚点であり、訪国は社会に害を与える癌になり得るが故に、しかしこの同盟を結ぶ校の生徒の祖父である『半蔵の殺害』……此方はどのような理由があっての結論でありましょうか?」
その質問に再び顔を険しくする天雷に冷や汗を垂らしながら生唾を飲む銀雪に天雷はある一人の忍の名を口にした。
「黒影と言う名の忍は知っているだろう?」
「は、はい!《善忍》でありながら《抜忍》へと堕落した愚者と記憶しております!」
銀雪は緊張のあまり少し反応が遅れてしまった。天雷はその反応に少し苦笑しつつ、話を続ける
「その通りだ……その奴の孫がいるのだが、其奴の教鞭を取っているのが伝説と名高い《半蔵》である………これが何を意味するか分かるな?」
「成程……善忍界の愚者に教えを与える、それすなわち『悪』と言う意味!この銀雪必ずやこの命を達成して見せます!!」グッ
天雷の説明に納得した銀雪は先程の倍の声量と覚悟を決めた返事をする。その返事に穏やかな表情を造る天雷は何かを思い出すかのような表情をし銀雪に前に来るように伝えた。銀雪は不思議に思いつつも前に出ると、自身の目の前に黄金に輝く杯が現れ自身の身体に光の粒子となり入っていく。その光景に上層部を含み銀雪も驚きの声を上げる。そんな銀雪を見ながら天雷は穏やかな声と表情で
「期待しているぞ、我が《息子》よ……」
「ッ!はい!父上!!」
息子と呼ばれた銀雪は歓喜の表情と返事をし部屋を後にした。それを見届けた後、上層部の面々は天雷に
「良いのですか?あのような年端も行かぬ者に《聖杯》を与えるなど……幾らご子息とは言え甘くはありませぬか?」
そう言ってきたが肝心の天雷は目を閉じながら天を仰ぎながら
「構わん。奴が聖杯を消耗しようが変わりならまだある……いや、まだ
不気味な笑みを浮かべ天雷は両手を出すと右手に5つの聖杯に左手には聖杯の紋様を浮かべる数十人の少女や少年達が写し出された。
「おぉ……」
その光景に驚嘆の声をあげる上層部達に天雷は更に笑みを深くした。
……その中には、出浦選抜の『エヴァ』も写し出されていた。
──とあるマンション──
「……………フワァ……」
朝だと言うのに未だに布団に入り込んでいる一人の青年は天上を見上げながら、開けているのか閉じているのか分からない糸目で
「僕を《殺す》………か……無理やろ…眠っ」(。-ω-)zzz
そう言うと眠りについた。
かなり、長くなってしまった。本編より長く……
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