「…………」
《本気ではなかった》
そう佐介に言われた紅丸は沈黙する。しかし、その沈黙は肯定を意味していた。
「やっぱりしていたんですね?」
肯定だと言う意を汲み取った佐介は少々キツメの声音で確認する。
「ああ、したな。不快だったか?」
「そ、それは…─はい─」
佐介の確認にあっさりと答える紅丸に佐介はあっさりと答えた紅丸の瞳が言葉とは裏腹に真剣だった為に言い淀むも佐介もしっかりと答えた。
「で、どうする?本気でやってみるか?」
紅丸はゆっくりと佐介に近付き見下ろしながら、問い掛ける。
「っ、出来れば是非とも!」
220cmもある巨漢の見下ろしに気圧されながらも佐介は威勢の言い返事をする。
「良い返事だ」ニッ
佐介の威勢の良い声に頬を綻ばせながら、紅丸は飛鳥達に勘付かれない程の忍結界を多重展開する。
「これは?」
「流石にこのままやる訳にはいかんし、只の結界では他の奴等にばれかねん……それに邪魔はされたく無いだろう?」
「ムッ……そうですね…」
多重結界の軽い説明をした紅丸の最後の邪魔と言う言葉に少々引っ掛かりを感じながらも納得して構える。
「
同じく構えた紅丸は握り拳を作りながら言うと、佐介は
「行きます」
\ダッ!!/
(ほう、なかなか速いな)
身体中に力を込め一気に紅丸の懐に一瞬で潜り込むその速さに紅丸は感心するが
(只単純に殴るだけなら効果は無いぞ?)フッ
ただ闇雲に懐に入るだけでの攻撃は効かないと言わんばかりの笑みを浮かべる、そんな紅丸の笑みを理解していた佐介は握り拳一点にチャクラを集中させ
(獣波拳+天翔拳+さらに強い踏み込みを!)
「(三力合わせて!)『
三つの要素を掛け合わせた一撃を紅丸の腹部へと放つ。
(入った!)
綺麗に鳩尾に拳が決まった為に佐介は勝ちを確信する。
「中々に良いパンチだな!」
が、紅丸はまるで効いて無い様子で佐介の正拳を褒め称える。
「そんな…渾身の一撃が効いてない!?」
ピンピンしている紅丸とは対照的に驚愕する佐介に紅丸は笑みを浮かべながら鳩尾に入った佐介の拳を掴みながら紅丸は
「いやいや、中々だぞ?」グ
と称賛しながら握り拳を造る。
「うっ!」ギョ
それに佐介は拳を掴まれ下がれない状況に成っていた事に気付き冷や汗を流す。
「が、まだまだ威力不足だな」ポン
「わわ!?」
その一言と共に佐介を宙に投げると共に狙いを定め拳を握り放つ。
\ゴォ!/
「くう!」
迫り来る拳に対して普通ならば反射的に目を瞑るか防御する物だが、なんと佐介は驚くことに空中で身を回し紅丸の拳を避け迎え撃とうと拳を構えた。
「お前マジか?」
佐介の予想外の対応に紅丸は苦笑しながら心のなかでは
(何を考えている?不安定な体制では威力は大きく減衰するだけだぞ?)
「そう来るか」
彼の蛮勇に不可解だと思考を巡らせるが、僅か一瞬にして佐介の考えを理解し一言呟く。
「
佐介は足から獣波拳を発し加速し獣破拳のオーラを纏った拳を紅丸の頭に叩き付ける。
\ゴイン!!/
まるで金属をハンマーで叩いた音が忍結界内に響き渡る中で
「うっぐぅ……」ズキズキ
紅丸に攻撃を与えた佐介は殴り付けた腕を見ながら踞り
(なんて
「どうする。続けるか?」
紅丸の異常な硬さに驚いていた。そんな佐介を見下ろしながら問い質す紅丸に佐介は
「……いえ、僕の敗けです。参りました」
自身の敗北と認める。
「だな、二撃だったし」
「うぐ…」
敗北を認めた佐介に追い討ちのような言葉を投げかける紅丸に佐介は言葉が詰まる。そんな佐介の頭に手を置きながら
「まぁ、お前は中々見込みがある、オレで良ければ修行の手伝いぐらいは出来ると思うが?」
「!宜しくお願いします!!」
紅丸の提案に佐介は礼をしながら深々と頭を下げるその姿勢に紅丸は良い返事だと頭を撫でる。
「それじゃ、そろそろ戻るか」
「はい!」
そう言いながら二人は待っている仲間の元へ戻って行った。
時間こそは、ちゃんと戦い無しです!!