閃乱カグラ~混沌の世界~   作:麻婆豆腐メンタル

57 / 64
元凶は今宵消える

 今にも死にそうな奴隷商の頭にトンファーブレードを刺し向けるオレンジ(・・・・)色の髪をした少年がいた。

 

 (………まずい!)

 

 事前に照影から聴いてたとは言え、余りにもイレギュラーな存在と出来事に思考が停止していた景光だったが、件の少年が奴隷商人に留めを刺そうと動き出した為に急いで霧を奴隷商人に飛ばし纏わせ此方側に引き寄せた。

 

 「お、お前は、わ、私が雇った忍だな!?よ、よ~し!おい貴様!あの生意気なガ、ガキを殺せ!!たんまりと報酬を払うぞ!」

 

 「………………………」

 

 自分の雇った忍に助けられたと勘違いした奴隷商人は先程まで、死にそうな雰囲気からうって変わってキィキィと耳に付く甲高い声で景光に目の前の少年を始末する用に指示をした。

 

 …死にかけだったのは、演技だったのだろうか?

 

 「オイ!貴様!聴いているのか!?さっさッと始末しろと言っとるんだ!!早くせんか!!!」 

 

 「……………………………」

 

 目の前の少年に目をやったまま微動だにしない景光に奴隷商人は堪忍袋の尾がキレたのか、手を上げ

 

 (このクソガキが!!)

 

 「嘗めやがって!!いい加──ハブッ!?

 

 ゴシャア! 

 

 「うるせぇ」

 

 「……ハガキョモロァ……」ドチャ

 

 殴ろうとしたが其よりも早く景光の拳が顔面にクリーンヒットした。奴隷商人は勢い良く壁に衝突し気絶した。

 

 \ズブズブ/ \ズブズブ/ \ゴボボ/

 

 気絶した奴隷商人に景光はどす黒い沼のような闇を展開し沈めていると

 

 「おい、待てよ」

 

 オレンジ髪の少年から制止の声が入ったが無視して奴隷商をさっさッと沈め捕縛しようとしたが

 

 「待てっていてるだろ?」

 

 再度制止の声をかけてきた為に振り向こうとしたが、少年は自分の目の前にいた。

 

 「お前ッ──」

 

  \スパ/

 

 驚きの余り拳を繰り出してしまった、目の前にいた少年は繰り出される拳をひらりと回避し右腕を斬り落とした──が違和感を感じた。

 

 (斬った、感覚(・・)がねぇ?)

 

 まるで煙を手で払った用な手応えの無い感触に僅かに戸惑っていると

 

 ボクッ!

 

 左頬を殴られた。不意な出来事な為に食らってしまったが相手側も牽制程度だった為か2、3歩だけ後ろに下がる位の威力だった。

 

 「すまんな、とっさの出来事故に手が出てしまった。しかし、君もオレの腕を斬り落としただろ?それでアイコにしないか?」

 

 「は?」

 

 殴り飛ばして起きながら図々しい態度をとる景光の言葉に思わず呆けた声を出してしまった。

 

 \ズブズブ/ \ズブズブ/ \ゴボボ/

 

 「では、オレはこのクズ野郎を捕縛しなくては成らないのでな」

 

 \ガァン!/

 

 再び奴隷商人を沈め始めた為に少年は再度トンファーブレードで斬り裂き、ではなくハンドガンで制止の警告をした。

 

 「………オレもそのクズに用があるんだよ……」

 

 「M1911(ガバメント)か……君も用があるのか……譲って貰えると、非常に助かるんだが?──駄目か?」

 

 「駄目だな」

 

 「駄目かー……じゃあ仕方ない」

 

 どうやらオレンジ髪の少年も奴隷商人に用が有るらしく、しかも譲れないと来た。

 

 景光は纏わせていた霧とどす黒い沼を解除し鳥の用な仮面を表し、左手に黒紫色の剣を右手に黒い霧を携えながら

 

 「分かるだろ?」

 

 「ああ」

 

 仮面越しにでも伝わる好戦的な気配を漂わせ、相対する少年に向けながら問うと少年も理解したらしく互いに同じ言葉を投げ合った。

 

 「「力付くで奪わせて貰う!」」

 

 戦いの火蓋が切り落とされた

 

 ──照影&リーナside──

 

 ………一方の撤退&脱出の二人はと言うと

 

 「色神:《黒》『千羽鴉(せんばからす)!』」

 

 \ア"ーー!!/ \ア"ーー!!/ \ア"ーー!!/

 

 「空腹じゃなかったら!アンタ達なんかッ!敵にも!成らないのッ………よっ!!

 

 \ドグシャア!!/

 

 大量の雑兵である忍グレと半グレ、チンピラ達と戦っていた。

 

 照影は得意の『色神』で鴉を造り突進させ広範囲の敵に攻撃を、リーナは打ち洩らしや回避した者へ追撃を行い上手い事立ち回り連携していた。

 

 (スゲェな……『色神』で造った槍を難なく扱うし、相手の刀とか弾丸を当たる(・・・)直前(・・)まで引き寄せて避けるとか……マジ何で捕まっていたんだ?)

 

 照影はリーナの人間離れしていた力に驚きと、強い感心を寄せていた。

 

 (この『槍』スゴイわね……普通の鉄の槍だと、私が軽く振るだけで壊れる(・・・)融解(・・)するのに…変形しないなんて……マジこの人は何者かしら?)

 

 リーナの方も照影の『色神』と正体に強い感心と驚きは一緒だが強い警戒心を抱いていた。

 

 (う"……ク、クソな、何だこのガキ共?滅茶苦茶…強ェーじゃねぇか!?…しかし幸いこのガキ共は全員死んだと判断している)

 

 死屍累々の雑兵の中にギリギリ助かった忍グレがおり彼は愚痴りながら手にしているUSBを見ながら悟られぬ様にニヤケた。

 

 (このUSB(機密)の情報さえ渡れば、十分だ。位置は送った。後はコイツ等が立ち去るか雇い主(道元)の部下が来るまでの辛抱だ!)

 

 どうやらこの忍グレは只の忍び崩れ(三下)ではなく、正式な『忍』であり奴隷商人の一味にスパイとして潜入し『機密情報』を得る任務を道元から受けていたらしく、取り敢えず。二人が去るか、道元の部下が来るまで死んだフリを行う事にした。

 

 \ザクッ/ \ブスッ/ \サクッ/ \ズチャ/

 

 (何の音だ?)

 

 死んだフリをしていると、何やら不快な音が辺りから聞こえた為に何の音か集中し探ると───

 

 「え~と、何をしているのかな?」

 

    \グサッ!/

 

 「……何って、止めだけど?」\グリグリ/

 

 引き気味に聞いて来た照影にリーナは淡々と返し続け様に

 

 「獲物を確実に仕留めたか確認するのは、サバイバルの基礎中の基礎よ?」

 

 「いや、コレはサバイバルじゃないんだけど?………でも『確認』ってのは一理有るな、気は乗らないけど」\ザクッ/

 

 (おいおいおいおい!!嘘だろぉ!?)

 

 気乗りしないと言いながらリーナと一緒に倒れている雑兵達をクナイや槍で突き刺し生存の有無を確認する二人に忍は焦り始めた。

 

 (どうする?どうする?どうする!?考えろ~、考えろッ!!)ハァハァ

 

 この状況を打破する為に頭をフル回転させる忍、普段なら冷静な判断が下せる彼だったが焦りの余りに

 

 「………コイツ、生きてるよな?」

 

 「うん、息荒いし、背中動いているし」

 

 照影の言葉に同意するリーナ、ボロが出てしまい二人に生存がバレてしまった。

 

\バッ!!/

 

 「チッ!仕方ねぇ!大人しく死んでくれ!」シュッ

 

 生存がバレてしまった忍は勢い良く飛び起きると同時にクナイを投げて来た。

 

 「ん」パシッ

 

 涼しい顔をしながら軽くそれをキャッチする照影、手にしたクナイを見ながら照影は忍がもう片方の手を握っているのを眼にし

 

 (この"クナイ"は牽制か?……て事は本命の武器は握っている手の中の物かな?)

 

 「ゑ?」

 

 そう予測を建て色神忍術の構えを取ると、予測と違い

 

 (獲られた!想定内!次は!)ガチャガチャ

 

 握った手はそのままで、クナイを投げた方を使い新たな武器を選択しようとしていたがその行為は隙だらけであり

 

 「えい」

 

 リーナの気の抜けた声により忍の身体は彼女の槍により貫かれた。

 

 「ブゥガァ!?……な、何故ぇ、だぁ…」

 

 「いや、何故って…お前の行動どう見ても無駄が多かったし?」

 

 「隙だらけだったし?」

 

 「フッ……貴様等如きに遅れを取るとはな……見掛けによらんと言うことか……グハッ」ドサッ

 

 「「…………」」

 

 「ツ、ツヨカッタネ?」

 

 「え?弱くない?」

 

 最期はいかにも強敵が吐きそうな台詞を言いながら息絶えた忍にどう反応すれば良いか困る二人組、取り敢えずフォローを入れる照影だったがリーナはストレートに返した。

 

 「……そう言えば、手には何を……USB?」

 

 頑なに開かなかった手が気になった為に開くとUSBを持っていた。

 

 (何かしらの手がかりが掴めるかもしれないな、預かっておくか)

 

 手にしたUSBを懐に仕舞いながら、照影はリーナに聴きたい事が有るから総本部について来て欲しいと言い色神の巨大な鳥を召還しリーナを乗せ連れて行く事にした。

 

 「あ……あの人は呼ばなくて良いの?」

 

 「あの人はあの人の仕事が有るから」

 

 ふと、思い出した用にリーナは景光は呼ばなくて良いのか?と聞いて来た為に照影は自分に仕事が有る用に景光にも仕事が有ると言い誤魔化した。

 

 「……………そう…」

 

 リーナはどこか物思いにふける様子で呟いた。

 

 ───その一方で景光は

 

 「はぁ、はぁはぁ……中々やるな……」

 

 「へっ、お前もな…はぁはぁ」

 

 眼前のオレンジ色の頭髪の少年と、奴隷商人の取り合いの戦いを行っていた。……取り合いと言っても決して┌(┌ ^o^)┐な事では無く奴隷商人にとっては生きるか、死ぬかの内容である。

 

 (このミカン頭……さっきから剣と黒霧で攻撃していると言うのに全く効いている様子が無い……)

 

 (この鳥頭……さっきから斬ったり、撃ったりしてるってのに全く効いている様子が無ぇ……)

 

 息を切らしながら互いに心の中で似た内容をぼやきながら二人は

 

  (本当に) 

 

  (マジで)

 

 

     ((面倒くさい!!))

 

 同じ感想を吐くと同時に何か手がないかと考えていると

 

 「ウググ……このクソガキ共が……」プス 

 

 「起きたか。」 「何だその注射器」

 

 気絶していた奴隷商人が起き上がりながら腕に注射器を打った。すると、徐々に肉体が肥大化していき先程の貧弱身体とは打って代わりT-何とかから産まれた暴君の用な姿へと変貌した。

 

 『フハハハ、どうだ!この全能感、素晴らしいと思わんか?思うだろう?クハハハ!!』

 

 「いや、知らん」

 

 「巨大化は負けフラグ」

 

 『クククク、余りの恐怖に言葉も出ぬか』

 

 同意を求める奴隷商人に対して景光は塩対応をオレンジ色の頭髪の少年は煽り気味な返答を行ったが、奴隷商人には聞こえていない、と言うよりは注射器の中身に意識を飲まれている様にも見える。

 

 「おい、ミカン頭コイツはもう壊れている……ここは共闘してコイツを始末しないか?」

 

 「奇遇だな、鳥頭…オレもそう考えていた。」

 

 まともに意志疎通が出来ないと判断した景光は少年に対して共闘を持ちかけると少年も同じ考えらしく利害が一致した為に互いに変貌した奴隷商人を始末する事にした。

 

 「鳥頭じゃない…景光だ。宜しくなミカン頭」

 

 「ミカン頭じゃねぇ、翔だ宜しくな鳥頭」

 

 互いに名前を交わしながら、奴隷商人に向かって行った。

 

『テケリリ!力の差も分からん蟲ケラ共が!精々後悔するが良い!!』

 

 ─────数十分後

 

 『ガ、ガガ……エギュ…』ガクリ

 

 「共闘、意味なかったな」

 

 「拍子抜け、いや当然の結果だったな」

 

 四肢が周囲に飛び散り巨大な胴体と頭だけに成り地べたでうめき声を上げながら息絶えた。変貌した奴隷商人に無傷の二人は共闘する意味がなかったと互いに思いながら

 

 「で、どうする?鳥頭さんよ?続きするか?」

 

 「鳥頭じゃない、景光だ。いや、最早こうなった今はお前と戦う意味はない……お前は続きがしたいのか?ネーブル頭」

 

 「さりげなくグレードUPすんなよ……」

 

 奪い合っていたように戦いの続きをするか?と持ちかけて来たオレンジの頭髪少年、もとい『翔』に言われた景光だったが意味が無いと言い断った。

 

 「そうかぁ?俺が『悪忍』でもかぁ?」

 

 「『悪忍討伐』は受けていないから」

 

 翔は挑発するかのようにニヤケながら景光に語りかけるが景光はその依頼は受けていないと流した。

 

 「そうかよ、じゃあ用は済んだし、お暇させて貰うわ」

 

 そう言うと翔は目にも止まらぬ速さで、この場から立ち去って行った。

 

 「速いな………さて」

 

  \ズブリ!/ \ブジュブジュ/

 

 翔を見届けた後、景光は死体と成っている奴隷商人の身体に腕を沈め

 

 「ふんっ!」ブヂッン!

 

 嫌な音を立てながら勢い良く引き抜くと

 

 「アガガ……何故だ、何故分がった」

 

 何と変貌する前の奴隷商人が出てきた。奴隷商人は何故肉塊の中身に居るのが分かったと問い詰めて来たが。、景光は無視をしながら闇の中に沈めて行き、捕縛した後に携帯を取り出し

 

 「はい、目的は完了致しました。ええ帰還します。え?奴隷達ですか?あぁ…その件ですが……私情で一人以外は見捨てる決断をしています。申し訳ございません。……奴隷達は任せて帰還ですか…畏まりました。それでは失礼致しました。」プツ

 

 「『不問にする』か……元龍災様には救われてばかりだな……オレは」

 

 通話を切った。携帯画面を見ながら景光は溜め息を吐きながら

 

 「任務……達成」ズブン

 

 闇に沈み帰還する事にした。

 

─────建設ビルの上───

 

 「あーあ、苦労して作った。『薬』と『餌』を無駄にしちゃって、本当に役に立たないなぁ~あの商人…はぁ次はどのオモチャ(人間)で遊ぼうかな~?」

 

 双眼鏡を片手に建設中のビルの上から様子を見ていた謎の人物はそう言うとタブレットを片手に画面を見ながら

 

 「うん、彼と彼女にしよう!」ポイッ

 

    \パリン!/

 

 タブレットを投げ捨てた。投げ捨てられたタブレットは地面に落ち砕け散った。落ちる瞬間その画面には『白堊』と『総司』が写っていた。




前回の続きでした。


元々がつまらない作品なのに、戦闘が無いとはどういう事だ!!と思っているのは重々に承知しております……次回はちゃんと致しますので!何卒ご容赦を!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。