第2Alvis『蓬莱島』と思われる跡地を目指すボレアリオス
地中海で思わぬ足止めをくらっていた。
「このフェストム共、『ベノン』の配下のやつらだな。それぞれがディアブロ型級の強さだ」
「亮一撃ち漏らしてはいけませんよ」
「はい」
前衛は一騎さん達に任せ、僕とカンナさんはボレアリオスの甲板で砲撃支援をしていた。
(亮一のマークアハトはまだしも中近距離型とはいえ近距離戦闘重視のフォックスワンでは火力不足が歪めないか)
「一騎さん達はもうじき相手を倒しきって戻ってこれそうです。もうひと踏ん張りですよカンナさん」
「了解した」(…これは人類軍の識別コード。こちらに接近している)
突如降り注ぐミサイルの嵐
「なっなんだ。うわぁー」
「亮一大丈夫か」
「なんとか…なんなんですこれ」
「二人とも大丈夫か」
急いでボレアリオスに戻ってきた一騎さん達。
「大丈夫です。一騎さん相手は」
「こちらは片付いた」
「僕の艦に攻撃したのは誰」
「落ち着いて来主。ここは彼らの領地だからね」
いつの間にかボレアリオスは人類軍の艦隊に包囲されていた。
「この人達が僕の艦を…」
「来主」
(向こうからのコンタクトか…まだまともそうな部隊だな)
「こちらは人類軍ヨーロッパ方面地中海守備軍第720ファフナー部隊。貴艦は新国連の領海に無断で侵入している。即刻立ち去られたし」
「こちらはAlvisの溝口恭介。事前通告も無しに領海へ侵入したことについては、申し訳ない。悪いがこのまま通してはくれねーだろうか」
「Alvis…Dアイランドの者か、何故そのような者が何故ここにいる」
「詳細は明かせないが、とある任務中でなどうしてもここを通り大西洋に出たいんだ」
「大西洋に…何故だ」
「すまんが、それは言えないな」
「それに貴艦らの行動は事前に連絡があるはず。そのような報告は受けていないが」
「上層部間での連絡が上手くいってないのかもしれん。次期にお達しが来るはずだ」
(…ロックされてるな)
「溝口さん。どうですか」
「交渉決裂だなこりゃー」
「…通信御借り出来ますか」
「お嬢さん。どうする気だ」
「私は人類軍北ヨーロッパ方面守備軍第08ファフナー部隊少尉カンナ・メネス。この方達は任務中にフェストゥムの襲撃を受けた私を助け、こちらまで送り届けてくださいました。どうか通してあげられませんか」
静まりかえる通信。暫くすると人類軍側からコンタクトが入った。
「貴女は本当にカンナ・メネス小尉なのかな」
「当然だ」
「…証拠は」
「そちらに直接赴こう。私のことを知る人物に引き合わせるといい」
「えっ、カンナさんなんで」
「お前達を無事に通す為だ。私の言うことが真実であるとあちらに伝われば。見逃してくれるはずだ」
「そんな…」
「私も元いた場所に帰れる。これはお互いに取って悪くない話のはずだ」
「まぁ確かにな」
「世話になったな。この数ヶ月間悪い気はしなかったよ。ありがとう」
「カンナさん…」
ボレアリオスに小型船が一隻近づく。
「あの…僕もついて行ってはダメですか」
「亮一何言ってやがる。そんなことする必要ないだろうが」
「僕はもっと知りたい。外の世界のこと…カンナさんと一緒に」
「亮一…」
カンナは亮一の目線に合わせしゃがみ込み、亮一の目をじっと見る。
「一時の感情に流されるな。お前のこの任務の目的はなんだ」
「それは…連れ去られた総士を見つけること」
「そうであろう。私はその任務中にたまたま遭遇したイレギュラーだ。お前はお前が為すべき事を為せ」
「カンナさん…あっ」
亮一の額に口づけをし立ち上がるカンナ。
「おいよいお嬢さん。亮一にそう言うのはまだ早いぜ」
「もし。また逢うことがあったなら。その時はお前の住む島を案内してくれ…じゃあな」
こうしてカンナの身柄はボレアリオスを離れた。