蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第十五話「蓬莱島」

「遂にたどり着いた」

 

「さぁ上陸するぞ」

 

「僕はいいや。なんかここイヤ」

 

「来主は留守番な、じゃあ頼んだぞ」

 

「行ってらっしゃーい」

 

蓬莱島へ上陸した僕達5人。その光景に僕は絶句した。

 

「何も…ない。ここもAlvisの管理下なんですよね」

 

「あぁ…。何十年か前に俺達の同胞がいたが、今はもういない」

 

「人類軍では、フェストゥムによって滅ぼされたと教わりました」

 

「どうなんだろうな。噂では人類軍に接収されてたって話も聞く。総士の手掛かり探しがてら、その真相の調査を平行して進めてもいいかもな」

 

「…気をつけた方がいい。気配を感じる」

 

甲洋さんの注意喚起に僕は唾を呑んだ。すると一騎さんが速足で進んで行く。

 

「一騎さんどちらへ」

 

「気配はこっちだ」

 

探索を続けていると、見れば見る程構造が海神島に似ていると思った。

 

(もし、僕が島を守りきれなかったら…)

 

「亮一君。余計な事は考えない方がいいよ。そういった負の感情は自分を弱気にさせる。迷えば戦場では死ぬよ」

 

「甲洋さん。ご忠告ありがとうございます」

 

一通り外を探索するが何かの残骸が点在するだけでこれという手掛かりは見つけられず、内部に入った。

 

「1人のようだね」

 

「恐らくレガートだ」

 

気配を感じ取った2人は確信付いたように進んでゆく。

 

(この先にレガートが)

 

たどり着いた先は、海神島では丁度CDCがある部屋であった。

 

扉が開くと、頭にバンダナを巻いた男の背中が視界に入った。

 

「こいつが、レガート」

 

「思ったよりも早く来たな」

 

「何故お前がここにいる」

 

「対立している君らに教える必要はない」

 

「総士はどこにいる」

 

「安心しろ、総士は我々にとっても大事な存在。なに不自由なく平和に暮らしている」

 

「お前達は何故総士を拐った」

 

「『完全な平和』を手にする為だ」

 

「『完全な平和』…」

 

「お前達の目指す『平和』は偽りだ」

 

「どういうこと」

 

「お前達がこれまで築き上げてきた『平和』は他者を踏み台にして築き上げている。しかし本当に『平和』を求めるのならば全ての者が『平和』だと心から想える『平和』を築きくべきであった」

 

「…」

 

「お前達もここに来るまでに様々なモノを犠牲にしてきたのであろう。家族との時間、相手を退け、目的の為に大事な場所を捨て…果たしてそれを『平和』と呼べるのか」

 

「皆が平和だと心から想える世界か…」

 

「何がおかしい」

 

「それはこの世界に生きる人達も想っている。だがこの世界はそれを実現出来る程優しい世界ではない」

 

「ならば、諦めるのか」

 

「俺達もそれを目指して今日まで歩んできた。多くの痛みを背負って正しい道だと信じて」

 

「ならば俺がお前達の道を否定する」

 

「ねえレガート。レガートの言う『平和』ってもう実現出来ないんじゃない」

 

「どういうことだ」

 

「総士を僕達のもとから連れ去った時に一騎さんや島の人達の『平和』は無くなってしまったんじゃないかな」

 

「…」

 

レガートはその事実を突き付けられ少し困惑しているように見えた。

 

「だからさ、また手を取り合おうよそれで一緒に目指そう。レガートの想う世界を…」

 

「それは…出来ない」

 

レガートはゲート発生させ姿を消した。

 

(一騎。スペクターが出てきた)

 

「…交渉決裂か」

 

「戻ろう。あいつを無力化して総士の居場所を聞くんだ」

 

急ぎボレアエイオスに戻る僕達。

 

「あいつ。フェストゥムなんだな」

 

「カンナさん」

 

「事前に聞いていなければ人だと思っていたと思う」

 

「それだけフェストゥムも進化したってことだ」

 

「俺達は直ぐに出る。亮一達も準備が出来たら頼んだ」

 

「わかりました」

 

ボレアエイオスの周辺には既に来主が乗るクロノスとエウロス型がスペクターと対峙していた。

 

「マークアハト準備OKです」

 

「…厄介なことになってるなおい」

 

「溝口さん。どうしたんですか」

 

「人類軍が蓬莱島の海域に展開していやがる」

 

1つの島に様々な立場の者達が集結した。

 

 

 

 

 

 

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