「カンナさん」
堕ちて行くフォックスワンを僕は必死に機体で受け止めた。
「カンナさん応答してください。カンナさん」
返事は…無い。僕は頭の中が真っ白になっていた。
「どうした。亮一」
「溝口さん。どうしましょう、カンナさん…カンナさんが」
「落ちつけ亮一。来主、フォローに回れ」
「えっ…あっうん」
クロノスも動揺したのか明らかに動きが鈍かった。容赦無く敵の攻撃は続く。
「一騎。向こうがマズい」
「わかってる」
「行かせるものか」
マークエルフリペアとアバトンの前にスペクターが立ち塞がり。2機は身動きがとれないでいた。
「亮一しっかりして、あいつら来てるよ」
「どうしよう、どうすれば…」
「あーもう、お前達許さないぞ」
「亮一。来主とエウロス型が援護している。今のうちにお嬢さんを連れて撤退しろ」
「カンナさん…応答して。カンナさん」
(完全にパニックになってるな。来主はまた冷静さを欠き始めた。一騎と甲洋は各々身動きがとれない状態…これはマズイな)
「亮一。そっちにあいつが行ったよ」
クルスの声に気がつくとティフシュワーズ・モデルが1機僕のマークアハト迫っていた。
「これで終わりだ霧島亮一」
(諦めるな)
マークアハトにを貫かんこうとする武器が寸前で止まった。
「なんだ…以前食らった感じと全く違う…やめろ…俺の中に入るな」
彼のティフシュワーズ・モデルがもがき苦しんでいるように見えた。
(この力…あの少年ではないな、この俺の心を屈服させようとする力はどこから来ている)
「一騎。スペクターの様子がおかしい」
「あぁ…」
「お前達どうした」
傍にいた『ファフナー・ベノンモデル』達がスペクターを攻撃し始めた。
「仲間割れ…」
「この隙に3人と合流して、撤退するぞ」
「どうしよう…今ならこいつらをやっつけれる」
クロノスとエウロス型はティフシュワーズ・モデルの部隊を取り囲んだ。
「来主。ボレアリオスに戻るぞ」
「一騎。今のうちにコイツらを」
「彼女を助けることの方が先だ」
「でも…」
「お前達を助ける為に彼女は身を投げ出したんだぞ」
「それは」
「今なら確実にここから離れられる。行くぞ」
「わかったよ。一騎」
「逃がすか。くそ何故お前達が俺に攻撃を」
全機、ボレアリオスに帰還しすぐに移動を開始した。
(あとは、頼んだ)
(はい)
「ここからだが、一時任務を中断し島に帰還する。いいな」
全員一致で次の指針は決まった。
「亮一。ちょっと離れて」
カンナさんの看病をしていると、クルスが近づいてきた。
「クルス。何をするの」
クルスが彼女に触れると一瞬で同化現象を引き起こした。
「何やってるのさクルス。やめて、カンナさんを同化しないで」
しかし、その同化現象は一瞬で終わり。見たところ外見に変化は無かった。
「知ったら。彼女は怒るかもしれない」
そう言いクルスはその場を離れた。よく見ると、傷口が全てふさがっていた。
「クルス…ありがとう。ごめんね」
「なんで君が謝るのさ。僕の方こそごめんね。ありがとう」
「なんでクルスが謝るのさ。…カンナさんありがとう、行きましょう僕達の島に。だから…頑張ってください」
思わぬ形で僕達は故郷に帰ることとなった。