蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第十八話「声」

「カンナさん」

 

堕ちて行くフォックスワンを僕は必死に機体で受け止めた。

 

「カンナさん応答してください。カンナさん」

 

返事は…無い。僕は頭の中が真っ白になっていた。

 

「どうした。亮一」

 

「溝口さん。どうしましょう、カンナさん…カンナさんが」

 

「落ちつけ亮一。来主、フォローに回れ」

 

「えっ…あっうん」

 

クロノスも動揺したのか明らかに動きが鈍かった。容赦無く敵の攻撃は続く。

 

「一騎。向こうがマズい」

 

「わかってる」

 

「行かせるものか」

 

マークエルフリペアとアバトンの前にスペクターが立ち塞がり。2機は身動きがとれないでいた。

 

「亮一しっかりして、あいつら来てるよ」

 

「どうしよう、どうすれば…」

 

「あーもう、お前達許さないぞ」

 

「亮一。来主とエウロス型が援護している。今のうちにお嬢さんを連れて撤退しろ」

 

「カンナさん…応答して。カンナさん」

 

(完全にパニックになってるな。来主はまた冷静さを欠き始めた。一騎と甲洋は各々身動きがとれない状態…これはマズイな)

 

「亮一。そっちにあいつが行ったよ」

 

クルスの声に気がつくとティフシュワーズ・モデルが1機僕のマークアハト迫っていた。

 

「これで終わりだ霧島亮一」

 

 

 

(諦めるな)

 

 

マークアハトにを貫かんこうとする武器が寸前で止まった。

 

「なんだ…以前食らった感じと全く違う…やめろ…俺の中に入るな」

 

彼のティフシュワーズ・モデルがもがき苦しんでいるように見えた。

 

(この力…あの少年ではないな、この俺の心を屈服させようとする力はどこから来ている)

 

「一騎。スペクターの様子がおかしい」

 

「あぁ…」

 

「お前達どうした」

 

傍にいた『ファフナー・ベノンモデル』達がスペクターを攻撃し始めた。

 

「仲間割れ…」

 

「この隙に3人と合流して、撤退するぞ」

 

 

「どうしよう…今ならこいつらをやっつけれる」

 

クロノスとエウロス型はティフシュワーズ・モデルの部隊を取り囲んだ。

 

「来主。ボレアリオスに戻るぞ」

 

「一騎。今のうちにコイツらを」

 

「彼女を助けることの方が先だ」

 

「でも…」

 

「お前達を助ける為に彼女は身を投げ出したんだぞ」

 

「それは」

 

「今なら確実にここから離れられる。行くぞ」

 

「わかったよ。一騎」

 

「逃がすか。くそ何故お前達が俺に攻撃を」

 

全機、ボレアリオスに帰還しすぐに移動を開始した。

 

 

 

(あとは、頼んだ)

 

(はい)

 

 

「ここからだが、一時任務を中断し島に帰還する。いいな」

 

全員一致で次の指針は決まった。

 

「亮一。ちょっと離れて」

 

カンナさんの看病をしていると、クルスが近づいてきた。

 

「クルス。何をするの」

 

クルスが彼女に触れると一瞬で同化現象を引き起こした。

 

「何やってるのさクルス。やめて、カンナさんを同化しないで」

 

しかし、その同化現象は一瞬で終わり。見たところ外見に変化は無かった。

 

「知ったら。彼女は怒るかもしれない」

 

そう言いクルスはその場を離れた。よく見ると、傷口が全てふさがっていた。

 

「クルス…ありがとう。ごめんね」

 

「なんで君が謝るのさ。僕の方こそごめんね。ありがとう」

 

「なんでクルスが謝るのさ。…カンナさんありがとう、行きましょう僕達の島に。だから…頑張ってください」

 

思わぬ形で僕達は故郷に帰ることとなった。

 

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