蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第二話「戦士達の帰還」

僕が初めて敵と戦って3日が経った時、第五次蒼穹作戦を実行していたAlvisの主力部隊が海神島に帰ってきた。

 

「第五次蒼穹作戦実行部隊R分隊及びL分隊、今海神島に帰還した。」

 

「お帰りなさい真壁、美羽から大体のことは聞きました。」

 

「そうか、流石は美羽くん話しが早い。作戦は失敗した。皆城総士は連れ戻すことが出来ず。ファフナーもこの有り様。島の助言が欲しい。」

 

「まずは、皆さん休みなさい。機体を元に戻すのにも時間がいるでしょう。心と身体を癒し、次に備えなさい。」

 

「そうだな、まずは皆の身体を休めることとしよう。溝口俺達は今後のことを協議するぞ。」

 

「俺は休めねーのかよ、真壁」

 

「真壁司令、俺も参加します。」

 

「剣司君。いいのかね、家族が待っているだろう」

 

「大丈夫です。妻には帰りが少し遅れると連絡します。」

 

「そうか、すまんな。」

 

「若造にそんなこと言われちゃ、休みたいなんて弱音は吐けねーな。」

 

「私も、参加します。」

 

「お嬢ちゃん…」

 

「君はだいぶ傷を負った。ゆっくり休みたまえ真矢くん。」

 

「傷なら、ジークフリードシステムに乗っていた近藤君の方が重いはずです。私は大丈夫なので、お願いします。」

 

「遠見でもお前目を…」

 

「近藤君ありがとう。私は大丈夫。島に戻ってこれたなら、治せる。」

 

「なら先に治療を受けてからだ。」

 

「…了解」

 

「君もいいかね。島のコア」

 

「私は、貴方達を導くためにここにいます。」

 

「ありがとう。」

 

 

主力組が続々と島の大地に降り立った。

 

「彗さん、零央さん、美三香さん。お帰りなさい。」

 

「亮ちゃんだー。ただいま」

 

勢いよく美三香さんが抱き締めてくる。

 

「亮一、戦ったそうだな。」

 

「はい3回程。皆さんみたいに全然上手く戦えませんでした。」

 

「俺達は常に3人で戦ってきたからな、1人で戦って生き延びたお前は凄いぞ」

 

少し照れる僕。

 

「零央さん。また訓練つけて下さい」

 

「おう。みっちり鍛えてやる。」

 

「里奈さんはどうですか。」

 

流れる沈黙

 

「まだ、目覚めてない。でも今回は間に合った」

 

「彗さん…」

 

「大丈夫だ、きっと…」

 

再び流れた沈黙

 

「んっもう。そういう辛気臭いのなーし。早くお家に帰ろ」

 

勢いよく走る美三香さん。

 

「全く美三香のやつ。行くぞ彗」

 

「うん。じゃあまたね亮一」

 

「はい、お疲れ様でした」

 

「亮一じゃあないか」

 

すぐ後ろから将陵佐喜さんがと陣内貢さんが出てきた。母さんの小さい頃から母さんを気にかけてくれているらしく。今も僕と母さんを見守ってくれている。

 

「佐喜さん、陣内さんお帰りなさい」

 

「ただいま。お母さんに心配かけてないか亮一」

 

「もう、皆子ども扱いして」

 

「ハハハ。亮一は幼い顔してるから、皆可愛くてしょうがないんだよ」

 

「これだからオバサンは…」

 

「なんだと亮一」

 

すぐに佐喜さんに捕まり、頭を拳でグリグリされた。

 

「相変わらず元気そうで良かった。初陣したんだってな亮一君」

 

「はい。陣内さん」

 

「これからは共に島を護る同志だね。よろしく頼むよ。」

 

「よろしくお願いします」

 

(見てるか…お前の息子はこんなに立派に成長してるぞ)

 

「陣内さん、早くしないと舞さんが待ってますよ」

 

「ったく、こういうところはまだお子様かな。じゃあ先に失礼するよ」

 

陣内さんは足早に去って行った。

 

「私もお母さんに会ってくるよ、またな亮一」

 

「佐喜さんお疲れ様でした」

 

「もうすぐあの子も来るから待ってな」

 

にやつく佐喜さん。

 

「!?だからそんなのじゃないですってば」

 

すると

 

「亮一みーつけた」

 

誰かに後ろから目隠しされた。声で一瞬でわかった。

 

「お帰り美羽姉」

 

日野美羽。フェストムと対話が出来る『エスペラント』と呼ばれる人の一人で、美羽姉はそのエスペラントの中でもずば抜けて能力が高い一人だ。

 

「当たり。ただいま」

 

その清んだ瞳と輝く笑顔は、僕には眩し過ぎる。

 

「美羽ちゃんと亮一かい」

 

声のする方を見ると杖をついた女性が歩いてきた。

 

「家の旦那見なかった」

 

「咲良お姉ちゃん。剣司お兄ちゃんなら会議で遅くなるって言ってたよ」

 

「ったくあいつは、連絡くらいよこせっての。ありがとう美羽ちゃん」

 

すると咲良さんは僕に近づき

 

「邪魔して悪かったね亮一」

 

そう耳元で囁いて来た道へ戻って行った。

 

「亮一大丈夫」

 

照れている僕に美羽姉が近付いてくる。

 

「大丈夫だよ、大変だったね美羽姉。ルヴィ姉さんから聞いたよ」

 

「うん…」

 

しまった。こんな悲しい表情を見るために待ってた訳じゃない。

 

「諦めないで美羽姉。美羽姉が諦めなければきっと総士もマリスも戻ってくるよ」

 

「そうだね。ありがとう亮一」

 

美羽姉に笑顔が戻る。やはり僕には眩しい。

 

「久しぶりに会う分いっぱいお話ししよ」

 

「…うん」

 

手を差し出す美羽姉。僕はその手をしっかりと握り返した。




「いらっしゃいませ…佐喜さん。」

「ただいま恵」

「お疲れ様でした。作戦は上手くいきましたか」

「いや…失敗だよ」

「そうですか…」

お店を見渡す佐喜

「ここでも、花屋なんだね」

「はい。私と亮一と『あの人』の還る場所はやはり、ここです。」

「そっか。亮一戦ったんだってね、フェストムと」

「…はい。ファフナーに乗っている時の生き生きとした姿が、そっくりなんですよ」

「そっか…」

恵の瞳から大粒の涙が溢れ出る

「やっぱり『あの人』の子だなとこれも運命なのかなと考えさせられます」

佐喜は恵をしっかりと抱きしめる。

「私達であの子をしっかりと見守ろう。アイツの待つ故郷に戻るために」

「はい」

「この花貰うよ」

サルビアの花を取り、佐喜は店をあとにした。

恵は涙を拭い、その後ろ姿を見送った。
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