蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第三話「結成」

「初めての戦闘でSDPを発動させのか」

 

連日のように今後の展開を話し合うブリーフィングで、僕の話には入ったのは始まって3日目のことだった。

 

「はい。蒼穹作戦実行部隊が海神島を離れていた間に海神島近海ををフェストムが7回通過。内3回こちらに気付き敵意を持って進行してきたため、まだ実践経験はありませんでしたが霧島亮一をファフナーに搭乗させ対抗。ファフナーは亮一君一体でしたがコアのクロッシングによるサポートとSDPの発動により無事退けました。」

 

「そうか。我々の留守の間島を護ってくれてありがとう。亮一君」

 

Alvis司令官真壁史彦。島の人々から信頼されている。Alvisの最高責任者。そんな方からお礼をされ照れる僕。

 

「SDPの能力は。」

 

「類似する能力を1つ見つけました。『支配』です」

 

動揺が走るブリーフィングルーム。(皆どうしたのかな…)

 

「『類似』とはどういうことかね」

 

真壁司令も驚きつつ冷静に報告を聞く。

 

「海神島のコアによると、『支配』を発現させた前任者は対象者を完全に支配下に置き自由にコントロールが出来ました。亮一くんの場合は強制的に『服従』させているとのこと、そのため対象も限定的で解放された対象者は、凄まじい憎悪を持って襲ってきます」

 

「実際、発動した際全ての敵が凄まじい憎しみを持って攻撃して来ていました。我々にもわかる程強い憎しみでです。」

 

「フェストムに感情ってあるのですか」

 

「相手も我々と同じく学びながら進化している。その可能性はありえる」

 

「亮一君のSDPは『服従』か…」

 

「さらに、それは先天的に身に付いた能力で、彼の本来の能力はまだ発現していないとコアは考えているようです。」

 

「SDPを2つも持っているなんて初めてのケースですね」

 

皆の視線が僕に集まる。

 

「そうか。彼も十分我々の戦力として計算出来そうだな」

 

「どういうことですか、真壁司令」

 

「この3日間の話し合いの結果。皆城総士探索任務は少数精鋭で行うこととなった。現状動かせるファフナーがないことを踏まえると1週間程は時間を有するであろうが、亮一君を戦力として計算に入れれることで派遣できるファフナー部隊も増える」

 

皆が納得した表情をしていると

 

「その任務は俺達がやる。今すぐにだ」

 

ブリーフィングルームの扉が開き入ってきたのは、真壁一騎だった。

 

「一騎君…」

 

「一騎もう大丈夫なのか」

 

「ありがとう剣司、俺は大丈夫だ」

 

(この人が伝説の英雄真壁一騎さんか!)

 

「今すぐ動くには派遣出来る人員が不足しているぞ」

 

「急いで、総士を見つけて取り返さないとヤツらに洗脳されてしまう」

 

「それはわかる。だが島が不安定な状態で動く訳にはいかん。今の我々に残された場所はここだけなのだ」

 

「わかってるさ父さん。だから総士探索任務は俺と来主・甲洋で行く。その間に立て直してくれ」

 

「移動手段はどうするつもりだ」

 

「ボレアリオスで行くさ」

 

「…。わかった許可しよう」

 

「真壁司令、よろしいのですか」

 

「彼の言うことはもっともだ、彼ら3人なら我々の計画に充分過ぎる余裕を与えてくれる」

 

「あと、その子も連れていく」

 

一騎さんはそう言い僕を指さした。

 

「僕ですか」

 

「君の力が必要になるかもしれない」

 

「実戦経験はまだ浅いぞ」

 

「戦うのは俺達がやる。万が一の時、君の力を借りたい」

 

「彼を1人行かせる訳には…」

 

「俺が保護者をしよう。いいだろ一騎」

 

「溝口さんありがとうございます」

 

「いいのか溝口」

 

「連絡役に亮一の保護者を同時にこなせるのは、俺だけだろ。亮一の母さんを説得する必要もあるしな」

 

「すまんな溝口。亮一君、君はどうしたい」

 

突然の真壁司令の問いかけに動揺する僕。

 

「決めるのは君自身だ」

 

一騎さんも優しく問いかける。

 

「…僕行きます。」

 

「ありがとう。すぐにでも出発したい、準備を急いでくれ」

 

こうして皆城総士探索部隊が結成された。

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