蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第三十一話「力を求めて」

作戦が決行され亮一に陽動をするよう指示が下る。イェーガーから貰った装置で仮コード『イーグル1』となったマークノイン改『フレイヤ』は亮一のSDP『服従』を使いながら孤軍奮闘の活躍をしていた。

 

(作戦は成功したのかな、カンナさんどこに行ったんだろう)

 

次々に襲いくる人類軍のファフナーと攻撃。徐々に不安を覚えた亮一に迷いが生まれた。

 

(武器だけ狙っても、次々に来るし命中率も低くなる。それにより神経を使う…胴体やコックピットを狙って1機でも破壊していった方がいいかな)

 

その頃他の4人は合流していた。

 

「テメー勝手に持ち場を離れやがってどこに居やがった」

 

「すまない」

 

「ターゲットを見つけたが通信障害が起きて連絡出来なかったそうだ。実際俺が彼女を見つけた時に2人に連絡を試みたがノイズが酷くて出来なかった」

 

「イェーガーが言うなら。そういうことにしておこう」

 

「陽動は上手く行っているな」

 

「もう間もなく予定安全エリアに着く」

 

「陽動している義弟は」

 

「…敵に捕まってて、脱出出来ないみたい」

 

「そんな」

 

「にしても、なんであいつ敵のファフナーを破壊しないんだ。さっきから武器やメインモニターばかり」

 

「人を殺さないのがDアイランドの方針らしい」

 

「ハッ。それで死んだら意味ねーのにな」

 

(それにあのファフナーの動きを止める戦い方…まさか)

 

(このままでは亮一が…なにか策は)

 

カンナは保の言葉を思い出した。予定安全エリアに到着した4人。

 

「おい、どこに行く」

 

「イーグル1についてるジャミング装置はまだあるか」

 

「あぁ。あと2つ」

 

「一つ貸してくれ私が行く」

 

「なに」

 

「予備の機体を使う早く」

 

「どうする」

 

「…機体への設置を手伝う。これであちら側に被害を出して任務を達成しても、バーンズ将軍に顔向け出来ない」

 

「俺達の面子に関わるしな」

 

「どっちでもいい」

 

3人に装置を着けてもらっている間にマークエルフリペアに乗り込むカンナ。

 

(ファフナーに乗る適正はあるが、元々島の外出身の私が高いシナジュティックコードが求められる島の機体を扱えるだろうか)

 

「装置はつけたぞ」

 

「ありがとう」

 

「5分だ、それまでは支援してやる」

 

「それだけあれば充分だ…頼む私に亮一を…家族を守る力くれ」

 

(だんだんSDPを使うのも辛くなってきた。うっこれは)

 

力を使い過ぎた亮一の手元が同化現象を起こし始める。

 

「フォックス5。増援を送った。あと少し持ちこたえなさい」

 

「ミレイヌさん…了解。とは言ったものの」

 

反応の鈍くなったイーグル1に容赦なく集中砲火が浴びせられる。

 

(こんなところで死にたくないよ、母さん、カンナさん…)

 

イーグル1と敵の間にレーザー砲が一直線に地面を駆け、ファフナーが1機間に立った。

 

(イーグル2…でもこのシルエット)

 

「亮一。大丈夫か」

 

「カンナさん。えっマークエルフリペアに」

 

「あぁ、機体が私の願いに答えてくれた。やれるか亮一蹴散らすぞ」

 

「はい」

 

突然の登場に驚いた人類軍のファフナー達も、一瞬止めてしまった攻撃の分を取り返すといわんばかりに怒涛の攻撃を再開した。

 

(…頼む私に守る力を)

 

イーグル2が左腕を出すと巨大な防壁が展開され全ての攻撃を無力化した。

 

「イージスも無しで…凄い」

 

やがて空からの攻撃も交じるとルガーランスを空に突きだしそこからヴェルシールドのようなシールドを2機を包み込むように展開した。

 

「亮一。今だ」

 

「はい」

 

その隙にイーグル1は次々と人類軍のファフナーを打ち倒した。

 

砲撃が少なくなって来たところで空から煙幕弾が戦場に降り注ぐ。

 

「よくやった。撤退しろ」

 

2人は無事戦場を切り抜けた。

 

「今回は助かった。礼を言う」

 

「こちらこそ。ありがとう。これで奴らは壊滅出来ていればいいが」

 

「どうだろうな。あの手の組織は熱狂的な信仰者の手で復活する可能性もある。暫くは人類軍の上層部を注視する必要があるな」

 

「これで、任務完了ですね」

 

「そうだ。次に会う時は敵同士かもしれないな」

 

「…そうならないことを、祈っているよ」

 

「最後に悪いがこの端末はあと12時間後に完全に使えなくなる。処分をしておいてほしい」

 

「わかった。では私達はこれで失礼する」

 

海神島にコンタクトを取り帰還へ向かう2人。

 

「リベラル・イェーガー…思った以上に優れた軍人だった」

 

「…一区切りつきましたね」

 

「そうだな」

 

亮一の持っていた端末にメッセージが届く。

 

 

お前の本名は霧島だな、今回は見逃してやる。次は俺の手でお前を殺す。

 

 

霧島亮一。それが本当の僕の名前だ

 

 

「亮一どうした」

 

「端末本当に使えなくなりました」

 

「そうか。帰ろう私達の島へ」

 

「はい」

 

2年ぶりの任務はこうして幕を閉じた。非公式ではあるが、初めての任務達成に僕は安堵した。

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