蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第四話「船出の時」

「そうですか…」

 

作戦の経緯を母さんに説明する溝口さん。

 

「行ってくるね、母さん」

 

「1つ聞いてもいい」

 

母さんが僕の顔を抑えじっと見つめる。

 

「貴方は無事に帰って来てくれる」

 

すぐに返事が出来なかった。島を離れる以上安全な場所はどこにもないことは、皆の話しを聞いてある程度想定していた。

 

「うん。総士を探しに行くだけだし、きっとすぐに、戻れるよ」

 

「溝口さん。亮一をよろしくお願いします」

 

深々と溝口さんに頭を下げる。

 

「しっかりと連れて帰る。任せろ」

 

 

 

数時間後、空母ボレアリオスが海神島に到着した。

 

「彼が、霧島亮一かい一騎」

 

「そうだ」

 

「春日井甲洋。必ず君を守るよ」

 

「よろしくお願いします。甲洋さん」

 

すると、突然男が現れる。

 

「来主操だよ。よろしくね亮一」

 

「よろしくお願いします。来主さん」

 

「クルスでいいよ、亮一。ふーん君はあの人の後継者なんだね」

 

「子どもね、クルス」

 

「わかってるよ。相変わらず堅いね君」

 

「子どもと後継者では全然意味が違う」

 

「そうなの」

 

苦笑いしか出来ない僕

 

「相変わらずお前らの会話は抽象的でわかりにくい」

 

荷物をまとめた溝口さんがボレアリオスに乗艦する。

 

「よろしく頼むぜ」

 

「溝口。よろしく頼む」

 

「おう。任せろ」

 

「一騎、亮一くん。二人にはこちらを用意した。必要な時には迷わず使いたまえ」

 

真壁司令が目をやる先には2機のファフナーがあった。ファフナーブルクエンジニアの小楯保さんが説明してくれた。

 

「まず、一騎くんにはマークエルフリペア。マークエルフのデータを元にエインヘリアルモデルで新造した。マークザインには及ばないが一騎くんの力を充分発揮出来るはずだ。亮一くんはマークアハトだ。ジークフリードシステムとスレイブニールシステム搭載型で中距離支援機。実質指揮官機を想定している。トルーパーを2機あらかじめ一緒に配備してあるから。良かったら活用してくれ」

 

「ありがとうございます」

 

「かつて俺と一緒に島の為に戦った機体だ。お前を必ず助けてくれる。」

 

「この機体の前任者は剣司さんなんですか」

 

「そうだ。機体の微調整もこれまでの亮一の戦闘データをフィードバックして済ませてある。必ず生きて帰るんだぞ」

 

「剣司さんありがとうございます。大切に使います。」

 

「島がこの座標を動くことはない。君達のなるべく早い帰還と良い報告を待っている」

 

「はい、行ってきます。…ところでこの船の船長は誰ですか」

 

「部隊の司令官は俺だが、船は…」

 

「ぼくだよ亮一」

 

またしても苦笑いが止まらなかった。

 

「亮一」

 

振り向くと母さんが勢いよく抱き締めてきた。

 

「気をつけてね」

 

「うん。行ってきます」

 

こうして、皆城総士を探す旅が始まった。

 

 

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