蒼穹のファフナー 〜Wunsch〜   作:naomi

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第四十ニ話「運命に抗った男」

僕はここまでの出来事を2人に話し、母さんに自分の父親について尋ねた。

 

「そう………総士くんがそんなことを」

 

「その人はあの写真の方ですよね?」

 

「そうよ、霧島亮介。私の夫で亮一の父親」

 

「私も興味あります。そのなんというかその方についてなんだか聞いてはいけない気がしていたので」

 

「あらどうして?」

 

「亮一の幼い頃の話しを聞いていた時にちらっとお父様の話しになるとその……心無しかお義母さんが悲しそうな顔をしていたので」

 

「僕もなんとなく父さんの話しをすると母さん寂しそうになるから聞かないようにしてた。」

 

「そっか。ダメね私も、乗り越えたつもりでいたけど2人に気を遣わせてたのか」

 

「どんな方なのですか?」

 

「とても夢や目標に真っ直ぐでね。曲がった事が大嫌いで、でも誰よりも人やその場に気を遣うから傷付きやすくてそんな彼だからどんな事があっても信用出来たし応援してた。気づいたら彼と結ばれて、亮一を授かったわ」

 

「なんだかわかる気がします。御会いした事はないけれど飾ってある写真から真っ直ぐさやお義母さんを大切に想っている優しさが伝わってきます。」

 

「フフ、ありがとうカンナ。」

 

「父さんの夢ってなんだったの?」

 

「ファフナーのパイロットになること」

 

「成れたの?」

 

「うん。成ったよ凄く苦労したけれど」

 

「苦労……ですか?ファフナーパイロットは選抜されるモノなので苦労というのは今一ピンときませんが」

 

「パイロット候補ではあったんだけど、当時原因不明のトラブルでファフナーに乗れなくて。乗れる素質はあるのにイレギュラーで乗れないことに苦悩していたわ。」

 

母さんは当時の思い出を嬉しそうに懐かしみながら思い出し語り始めた。

 

「そんな事があるのですか?」

 

「ええ、最終的に乗れたのは零央くんや美三香ちゃんや彗くんのあとだから7年くらいかかったのかな?」

 

「そんなにも………」

 

「彼の苦悩をいつも傍で見てたからその時は自分の事みたいに嬉しかったのを覚えているわ」

 

「それでその後は?」

 

「………今はこの島には居ないの」

 

「やはり、そうでしたか。」

 

「カンナは後で調べるといいわ『第四次蒼穹作戦』で『竜宮島』が封印される際に島に残ったの、封印中の島の防衛力を懸念してね。だから今は何処にいるのかわからないの」

 

「生きてるとはわかってるつもりなんだけど、島は無事なのかわからないし、不安になる時が未だにあるわ」

 

「お義母さん………」

 

「大丈夫だよ。母さん」

 

「亮一?」

 

「父さんはきっと今も『竜宮島』を守って僕達の帰りを待ってる。母さんはこれからも父さんを信じてあげて」

 

母さんは僕の自信に溢れた顔を不思議そうに見ていた。

 

僕も何故か自分の発言に自信があった。

 

「吹っ切れたようだな亮一」

 

「うん。総士が言いたかった事がわかった気がする。ありがとう。母さん」

 

母さんから聞いた父さんの生き様。それは失意の僕の心に確かに刻まれた。

 

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