第五話「外の世界」
「えっ、じゃあこの船はクルス自身ってこと」
皆城総士探索任務開始翌日、よく話しかけてくる来主操と早くも打ち解けていた。
「そうだよ、凄いでしょ。僕の前の存在が一騎達とぶつかりながら生み出してくれたんだ」
「じゃあクルスはフェストムなの」
「そうだよ。一騎達もね」
予想外の一言に開いた口が閉じない。
「来主誤解を生むからちゃんと説明しなくてはいけないよ、僕と一騎は肉体がフェストムなんだ。元の身体は長い戦いと同化現象によって消滅してしまった。でもフェストムの身体を受け入れることで僕達はここに存在し続けることが出来るようになったんだ」
「そうなんですね…。」
フェストムの身体をした人間…どんな気分なんだろうと不意に考えた。
「お話し中にすまん。亮一ちょっと来てくれ、折角島の外へ出たんだ外がどんな感じか興味はないか」
「島の外…溝口さん見たいです」
「よし、じゃあ甲板に上がるぞ」(この後のフォロー頼むな三人とも)
生まれて初めて見る島の外の世界は…絶望的だった。
「なにこの景色…なにもない」
「これが俺達の暮らす地球の現状だ。俺達の島のように人間が住んでる地域はごくわずか、あとはなんもないか、フェストムがうじゃうじゃいるかのどっちかだ」
「そんな…」
「そして島の外で暮らす人々は毎日フェストムの脅威と隣り合わせで暮らしている」
「…どうして僕達の島はあんなにも皆が笑顔で過ごせるんですか」
「島のミールの加護とお前の先輩達がお前らのために戦って守り続けてきてくれたからだ」
「ファフナーパイロットになることは…先輩達が戦って守り通してきた島を僕達が背負い戦うことなんですね」
「亮一一人で守る訳じゃあない。俺や一騎達、島の人々皆で守るんだ。だがファフナーパイロットはその責務を一番背負うことになるってことを覚えておくんだ」
「はい…」
「俺達が戦う理由…掴めたか」
後ろにあの三人が立っていた。
「何のためにファフナーに乗るのか少しだけわかった気がします」
「そうか。その気持ちを忘れるな、そして改めて一緒に戦おう」
「はい」
(流石はAlvisのエースパイロット。説得力のあるフォローありがとよ)
「…あっ、誰かが襲われてるよ」
「一騎」
「あぁ行こう。溝口さんは船内に亮一はマークアハトを起動して待機。ジークフリートシステムの起動を忘れるな」
「わかりました」
クルスが敵の存在に気づいて1時間後、ファフナーとフェストムの戦闘に遭遇した。
「あれは…ファフナー。島のファフナーとは違うな」
「人類軍のファフナーだな結構被弾してるな」
「溝口さん。『人類軍』って」
「『新国連』って地球規模の人類の組織に所属する軍隊だ。」
「人類軍…助けますよね」
「まぁ任務とは関係無いが、見過ごす訳にはいかんな」
「じゃあ行きます」
「亮一。クロッシング出来てるか」
「一騎さん出来てます。甲洋さんもクルスともOKです」
「基本戦略としては戦闘は俺達でやる。亮一はジークフリートシステムで溝口さんと協力して俺達のフォローを頼む」
「…わかりました」
三人が出撃した。フェストム達はその存在に気がつき標的を3人に代える
三人の戦闘は凄まじい。一騎さんは同化の力でフェストムをどんどん同化してゆき、甲洋さんは武器に毒の効果を常備させ、クルスは敵の動きを予測しているかのようなもの凄いスピードで敵を倒して進む。
「これは出番は無さそうだな」
「亮一」
溝口さんが呟いた矢先に一騎さんに呼ばれる。
「どうやらあの機体のパイロット動けないようだ、救出頼めるか」
「任せてください」
すぐにマークアハトでボレアリオスから出撃する。近くで見ると三人の戦闘の凄まじさがより伝わってきた。
三人が引き付けてくれていたおかげで動かなくなったファフナーのもとへ無事たどり着いた
「パイロット聞こえますか」
再三尋ねるが応答が無い。無理矢理コックピットを開けると
そこには一人の少女が気を失っていた。