三体目の龍【黒龍王】 作:龍狐
~龍side~
あれから数日、従業員のアーシアが増えたことによって男性客が倍増。
俺とティナちゃんとアーシアでなんとかやっています。まぁ二人狙いの客が増えて忙しいけど…
「アーシア!!これお願いね!!」
「はい、わかりました!!」
「アーシアちゃん!!それ終ったらこっち手伝って!!」
とまぁこんな感じで客が増えている。まったく…二人目的で来るのはいいけど、忙しいったらありゃしないな
そしてしばらく経つと毎度お馴染みシンフォギア勢が来た。
「こんにちわって!お客さん多い!!」
「これはしばらく待つことになりそうデスね…」
「どのくらい待てばいいかな?」
「席が空くまでに決まってんだろ?」
「取り合えず待合席に座りましょうか」
「そうだね」
そうして六人が待合席に座った。
忙しくてゴメンね~
「アーシアちゃん、仕事終わったら俺と一緒に遊ばない?」
「ティナちゃん、俺と今度一緒にどこかいかない?」
よく見るとティナちゃんとアーシアが男の客にナンパされてる。
「えっと…今忙しいので、そういうのは後に…」
「いいじゃん別に」
よし、お引き取り願おう。他人の仕事より自分のことを優先させるやつに慈悲はいらない
「お客さん。そういうのは困りますね。他のお客さんに迷惑です」
「あん?うるせぇなイケメンが!!」
その声で周りの客の声が男に集まる。
そして客の反応は…
「うるさいわね…八つ当たりなんて…」
「まったく…他の客の迷惑だということも考えないのかね…」
といろいろな声が聞こえて来た。
それを聞いて男たちは居心地が悪くなったのか、金を払って帰って行った
「大丈夫?」
「はい…ありがとうございます」
「困ったらいつでも言ってね。私達はここの店の常連だし、龍さんにはいろいろとお世話になっているから」
アーシアとティナちゃんがお客さんのおばちゃんたちに話しかけられている。
しかも俺も褒められているのでなんだか照れる。
まぁこちらにも仕事があるのでさっさとしてほしいので…
「二人とも!!次お願い!!」
「はい!分かりました!!」
「それじゃあ、また今度」
「はいよ。お仕事頑張ってね」
そうして二人は仕事に戻る。さて、あいつらが出てったおかげで席が開いたので六人をここに座らせよう
「皆、席開いたよ」
「はぁ~い」
そうして六人は空いた席に座る。
「やっとだね」
「さて、今日はなにを…」
「あたしはいつも通りがいいデス」
「私も」
「それじゃあ皆同じで…」
「はいよ。それじゃあ…」
――カランカランカラン…――
すると、扉が開いた。お客さんか…
「いらっしゃいま――」
入ってきたのは女性だった。
背は長身の俺よりは小さく、クリスよりは上の身長で、長い銀髪の髪の女性だった。そしてスタイルもよく、胸がデカい。あれマリアより大きいんじゃね?そしてその女性は一言で言えば美人だった。そのおかげで周りの男の目があの女性に向かっている
「…(ギリッ!!)」
「調!?なんかドス黒いオーラが出ているのデスが!?」
まぁこの際、調の歯軋りの音とドス黒いオーラのことは無視しよう。はて…だが、あの女性、なにかがおかしい……
すると、女性が俺に近づいてきた。
「…あなたが塔銀龍?」
「ええ、そうですが…今席は空いていないので待合席に(ムニュ)!!?」
『『『『『!!!??』』』』』
突然の出来事だった。女性が俺の手を触ったと思ったら、俺の手を自分の胸に押し付けた。
さすがの俺でもこの突然の行動で頭がフリーズした。周りもおそらくそうだろう。
「………」
「フフフフフ…」
…なんでこの女の人こんなことしてんの?謎なんだけど、謎すぎてなんか怖いんだけど。
「ちょっと!!お客さん、なにやってるんですか!!」
そういいティナちゃんが俺の手を彼女の胸から離した。ぶっちゃけ言えば助かった。俺思考停止してたもん。
「フフフ、やっぱり面白い。私、あなたのような強い人、結構好きだよ?」
…強い人?確かに俺は裏の世界では強い……と、そんなことを知っているのは裏の世界の人間のみ…となると…いや、これは後から考えよう。
「お客さん…そう言うのは困るんですけど?ここは飲食店です。それ以外の目的とあらば帰ってください」
「…分かった。それじゃあ、また来るね~」
そうして女性は帰って行った。全く…なんなんだあの人は…急に自分の胸を初対面の男性に触れさせるとか…
まぁいいや。手ぇ洗わんと。
――ザアァアアアアアア…――
「さてと…すみませんね。気にしないでください」
『『『『『気にするわ!!』』』』』
おぅ…お客全員に突っ込まれた…
「龍さん、あの女の人誰なの!?」
「いや…初対面だけど…」
「嘘、普通初対面の男の人にあんなことはしない…」
「えぇ~でも…本当に知らないし…」
俺がそう言うと、シンフォギア勢の6人はなんか納得した感じになっていた。
「いつもの鈍感か……もしかしてあの人一目惚れってやつ?」
「龍さんが鈍感なのはいつものことだけど、普通はあんなことしないよ!!」
「(ギリッ…)」
「調!?落ち着いてくださいデス!!」
「ていうか龍…鈍感にもほどがあるんじゃないのか?」
「そうですね…まぁ、あの女性でちょっと気になったことが…」
なんかこそこそ話してるけど…どうでもいいか。俺が後ろを振り向くと急に拳が飛んできたので俺はそれを避けた。その拳の主は案の定でわかった…
「おいてめぇ!!今の見てたぞ!!あの銀髪巨乳美人さんは誰だ!!」
「畜生羨ましい!!童貞の俺達を差し置いてぇ~!!」
いつもの
「知らないって。俺もあの女性とは初対面なんだぞ?ていうかいつからいたんだよ」
「「俺等はリア充を撲滅するためにならどこまでも!!」」
「OK、お前等害悪だな。ていうか帰れ。まだ営業時間なんだから」
「「そういうわけにはいくゴブラァ!!」」
俺が手を下すまでもなかった。クリスと調が二人をラリアットで気絶させた。
「まぁ、龍があの女と無関係だってことはわかった。でもあたしたちにいろいろとO☆HA☆NA☆SHIしような?」
「ブツブツブツブツブツブツ…」
「あのぉ~店内で暴れられると困るなぁ~。他のお客さんに迷惑だから」
と、そんな感じで今日は閉店した。
その後、俺の知らないところで駒王町では『塔銀 龍は超がつくほどの鈍感である』と、言われているらしい。
(ちなみに、龍はこんな風に言われていることを知っていません)
~夜~
俺の店には俺とアーシア、そしてシンフォギアの6人が居た。三人は今日は遅くまで仕事があるらしいので来ていない。
「それで、結局あの女はなんだったんだ?」
「そのことについてなんだけど、あの時あの人、俺のこと強い人って言っていた。それはつまり、あの女性が三大勢力のどれかの陣営の人ってことは間違いないだろう」
「そうですね…あの人からは魔力が感じられましたし…とても只者には思えませんでした」
「ていうか、あの女初対面の男に自分の胸触らせるとかどうかしてるぞ?」
「確かに、それは一理ある」
「……思ったんだけど、龍さんって、邪な考え持ってないの?普通男の人ってあんなことしたら興奮するし…(ていうか躊躇いもなく手洗ってたし…)」
「いや……急なことだったんで思考停止してたわ」
「…(この鈍感…)ソウデスカ…」
と、こんな感じに話しは進み、ある時、扉が開いた
「?もうへいて――――」
「こんにちわ」
入ってきたのは昼の女性だった。
「あ、あの時の女!?」
「こんにちわ。シンフォギア奏者と黒龍王」
その言葉に俺達は一気に警戒を高めた。
「あぁ、そんなに警戒してもらっちゃ困るな。私はただ黒龍王のことを見に来ただけだから」
「…見に来ただけなら昼の行動はなんだ?」
「あぁあれ?ちょっと私の『神器』にあなたのことを調べさせてもらったの」
『そう言うことだ』
女性から聞こえた男の声、俺達は驚くが、俺はこの声を聴いたことがある気がする。
この声は…
『久しぶりだな、あの時の戦争以来だな』
「お前…白トカゲか?」
『【アルビオン】だ!!その言い方やめろ!!』
「と、言うことは…」
「そう、私が今代の白龍皇、【ヴァーリ】よ」
その言葉に俺達は驚いた。まさかこの女性が今代の白龍皇だったなんて…
「は、白龍皇!?」
「そ、よろしくね」
「んで…今代の白龍皇と白トカゲは何の用だ?」
『その呼び方やめろ!!』
「アルビオンちょっと黙ってて。それで、来た理由だけどさっきも言った通り黒龍王がどんなのかを調べに来たの。そしたら、結構な優良物件だったね」
「へ?」
「だって、家事ができる、顔もいい、性格もいい。さらに仕事が出来るなんて乙女の求める男性そのものだよ?」
「…そうか?」
この時、六人の思考が一致した。(三人称です)
「「「「「「(この鈍感…!!)」」」」」」
ついでにヴァーリとアルビオンも。(三人称です)
「(黒龍王って…鈍感なんだ)」
「(俺は…こんな鈍感なやつに倒されたのか?)」
「(皆なんで諦めたような顔をしてるんだ…?)」
まぁいいか。
「じゃあ、来るときはもうあんなことしないでくれよ」
「ええ、肝に銘じとくわ」
そうしてヴァーリは帰って行った。
白龍皇か…彼女、強いな。相当…!!
俺ともいい勝負かもしれない。まぁ俺が
「さて、取りあえず今日は解散でいいかな?それと…」
「(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……)」
「調…どうしてそんなに黒いオーラを出しているんだ?」
「龍さんにはわからないことだよ…」
「?」
なんだろうか…まぁいいや。
そうして、解散した。
……そう言えば、女神からは白龍皇は『男』と聞いていたが…まぁ、どうでもいいか
追記、ヴァーリは、おふざけで今回のことをやりました。
本当は体の一部でもいいのです
(そう言う設定にしています)