三体目の龍【黒龍王】 作:龍狐
~龍side~
今、俺達はとある場所にいる。
「龍さん…ここはどこなんですか?」
「響…それは後から分かるよ」
「え…?」
俺達はあのレーティングゲームの戦いのために特訓をすることにした。
ちなみに店と学校は休んでいる。
そして鳴滝から渡されたチップは今フィーネ(もうフィーネって呼ぶことにした)たちが解析している。
「さて、そろそろ来るはずだ」
「え?」
《ビュン!!》
――シュウウウウウウウウウウ………
『『『『『……え?』』』』』
この音の発生源は響の目の前だ。響がいたところの前の地面が貫通していてなくなっていた。
「今のって…」
「なんデスか……?」
「レー……ザー…?」
そう、【レーザー】が降ってきたのだ。
ちなみにここっは【トリコ】のグルメ界のエリア8の【雨の大陸】であり、ここはレーザーの雨が降る場所である。
「ここはね、レーザーの雨が降る場所なんだ。だから皆にはここをシンフォギアを纏って通り抜けてもらよ」
『『『『『無理無理無理無理無理!!!!』』』』』
九人全員がつっこんだ。
――ちなみになのだが、ここには九人全員がいる。三人はアーティストの仕事で忙しいはずなのだが、緒川さんがいろいろとやってくれた。
「レーザーの雨なんてどうやって躱せばいいですか!?」
「絶対無理デス!!」
「危険すぎる!!」
「大丈夫大丈夫。じゃあ俺がやってみるよ」
俺はそう言うとレーザーの雨の中に入って行く。
皆は顔を隠すが、その必要はなかった。俺はすべてを避けたのだ。
ちょこっと力を出してね。
「さて、到着。ほら、皆もここに来て」
『『『『『…………』』』』』
皆は俺の走りを見てなのか開いた口がふさがらなかった。
そんなに驚くことか?
「龍さんって…生身だよね?」
「どうしてあんなスピードが出せるのデスか!?」
「……人間?」
「失礼な。それに、危険な場所に挑んでおくことで精神が鍛えられるんだぞ」
「…よーし!!やってみる!!」
「なっ!?お前、正気か!?」
そして響が最初にレーザーの雨の中に向かって行った。
そして…
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!!!」
案の定、当たった。
遅い…あの程度のスピードじゃ当たるぞ
「仕方ない…」
俺はすぐに響をあの場所から救出した。
「やっぱり無理デス!!」
「…無理」
「さーさー、これはまだ序の口だぞ!!この後に百倍の重力の山を登ってもらうからな!!」
『『『『『ひぇええええええええええええ!!!』』』』』
ちなみに、その場所は【100Gマウンテン】である。
そして、しばらくの間、この場所での特訓が続いた…
全く、どうしてこの程度のことが出来ないのかな?まぁ…女の子だから仕方ないか。もう少しこの後ゆるくしてあげよう。
~そして今現在…~ ~三人称side~
「ふぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……!!」
「か、体が…」
「お、重い…デス…!!」
「これが…100倍の重力…!!」
「想像してたのと…」
「全然違った…!!」
「お、重いよぉ~」
「き、きつい…!!」
「どうして…」
奏が呟いた。
そして、『そのどうして』とは…
「おーい、どうした?」
『『『『『どうして龍さんは平気なの(なんだ/なんデスか)!?』』』』』
そう、龍だけが平気だったのだ。
「おいおい…百倍くらいどうってことないだろ?シンフォギアを装着してるのに…」
「いや…シンフォギア装着してても辛いものは辛いんですよ…」
「それに…軽くしてくれるって言ったじゃないデスか…!!」
「いや…これでも軽い方だぞ?本来、ここでラジオ体操でもやってもらおうと思ったんだが、響たちの負担を考えて、歩くだけにしたんだ」
『『『『『(確かに、それに比べたら軽い方だけど…!!辛い!!)』』』』』
実際、龍はここでラジオ体操ができるだけじゃなくバク転もできる。
「さて、ここまで歩いてきて。それで休憩だから」
「!!よーし…頑張るぞぉー…!!」
その言葉で力が出たのか頑張るシンフォギア勢たち。
この後、なんとかこの場を切り抜けた皆だった。
「はぁあ~~~~っ!!疲れたぁあああああああああ!!」
「うるさいぞバカ!!」
「…龍さんがどうしてあんなに強いのか…分かった気がするデス…」
「…同感…」
「さて、休憩だ。アーシア!!」
すると、空間に穴が開き、そこからアーシアと――ティナが出て来た。
「あれ、ティナちゃん!?どうしてここに!?」
「私はみなさんのこともう知ってますからね。それに――いえ、これはあとから話しましょう」
「えぇー!!教えてよぉー」
「駄目です」
「いじわるぅー」
「みなさん、お疲れのようなので、いろいろと作ってきましたよ」
そうして、アーシアはお弁当を出した
「おいしそおぉー!!」
「さて、疲れたし、食べるか!!」
「そうデスね!!」
と、まぁこんな感じで、女子トークが進む中、マリアがある疑問を出した。
「……そう言えば私達、どうしてここの重力を急に感じなくなったのかしら?」
マリアのその言葉に皆は手を止めた。
実際、休憩のときにこの山の重力を一切感じなくなっていたのだ。
「確かに…まだここあの山の中なのに…」
「急に感じなくなっていましたデスよね?」
「…不思議……」
「ああ、それはね。俺がそれ専用の結界を二人に持たせているからだよ。それが周りにも効果が及んでね。それで重力を感じなくしているのさ」
『『『『『………』』』』』
『圧倒的な理不尽だ』…と皆が思ったが、龍がそのことを皆の表情で呼んだのか『それじゃ特訓にならないでしょ?』と、返す
「まぁ、しばらくは休憩だね。その後は……後から決めよう」
「龍さん!!お願いですからもうちょっと優しいものにしてください!!」
「…………善処しておくよ」
「…その間はなんですか?」
「さて、ティナちゃん。ちょっと来て」
「……はい」
そうして、ティナと龍はその場を跡にした。
「…二人とも、どうしたのでしょうか?」
『『『『『…さぁ?』』』』』
~龍とティナの場所~
「……本当に覚悟が出来ているのかい?」
「はい、私も…皆さんと一緒に戦いたいんです……」
急な緊迫した雰囲気。
何故、この話になったのかは、ここに来る前に遡る…
「さてと…準備完了」
「…龍さん。どこにいくんですか?」
「ああ、ちょっと皆の特訓をしてくるよ」
「特訓……?」
「ああ、実はね―――」
龍はティナに今までの事情を話した。
「――とまぁこんな感じで、皆を強くするための特訓をしてくるよ」
「………」
「?どうしたの?」
「…龍さん、私も戦いたいです!!」
「…はぁ?」
と、こんな感じである。
「…君は…どうして戦いたいんだい?」
「だって、龍さんだって、響ちゃんたちだって、アーシアちゃんも、皆特別な力を持っていて…それだけじゃなんです。私も、友達として、皆と一緒に「それだけかい?」!!」
「……裏の世界は…戦いの世界は、友達だからと言う理由で介入できるほどヤワじゃない…時には自分が怪我をし、時には血で血を洗う戦いにもなる…そんな戦いに、君を巻き込むなんて、俺にはできない」
「!!それでも!!私は……皆さんの役に立ちたいんです…!」
「……それが例え、もう表の世界に戻れなくなったとしても?」
「…大丈夫です。なにせ、私はもう裏の世界のことを知っていますから」
「は、そうだったね。じゃあ……君の勇気とその思い…確かめさせてもらうよ」
そうして龍は、ティナに『白いデッキ』を投げ渡した。
「殺しはしない。君の今の全力を俺に向けてかかってきな」
「………はい!!」
そうして、二人はそれぞれのデッキをかざす。
二人の腰に【Vバックル】が装着され、二人はVバックルにデッキを装填した。
「「変身!!」」
そうして、二人は【仮面ライダーリュウガ】と【仮面ライダーファム】に変身した。
リュウガはドラグバイザーに、ファムはブランバイザーに手をかけ…
《SWORD VENT!!》
《SWORD VENT!!》
二人は【ドラグセイバー】と【ウイングスラッシャー】を召喚し――
―ガキィン!!―
二つの武器が交じり合った。