三体目の龍【黒龍王】 作:龍狐
今日も昨日のことがなかったかのようにカフェ【Continuar】は営業している。
「いらっしゃいませ~」
今日も龍はカフェでコーヒーを煎れている。
相変わらずで龍のコーヒーはおいしいと評判なので客も来ている。
ちなみにだが、女神から国家予算並みの資金をもらっているのだが、龍は完全に趣味で働いている。
つまりお金に困っていない。
「ティナちゃん。これ3番席に運んで」
「はい、わかりました」
ちなみにもちろんコーヒーだけではなく紅茶も煎れる時があり、
さらにはケーキやパフェなどのものの売っている。
そしてそれらは結構評判がいい。
「こんにちわ~!」
そうして今日もいつもの6人組みが来た。
だけどちょっと怪我があったり疲れているように見えた。
まぁ昨日のことがあったからな…あんな怪我があっても仕方ないか。
(傷つけた本人が言うか)
「いらっしゃ――――あれ、どうしたのその傷?」
「え、えっと…その…」
「昨日、ちょっと皆で遊んでいたときに怪我しちゃって…」
「へぇ~気を付けなよ?女性の肌は傷つきやすいから…」
「え、あ、ありがとうございます…」
「さて、今日は何にする?」
「私は……パフェで!」
「じゃああたしもそれにするデス!」
「私も」
「じゃあ…あたしはこの、【こしつぶあんのパンセット】で…」
「じゃあ私は【イチゴサンド】で…」
「私は今日は紅茶とパンケーキで」
「はいよ。ティナちゃん!パフェ3つと【こしつぶあんのパンセット】【イチゴサンド】紅茶とパンケーキね!!」
「は~い!」
こんな感じでカフェ【Continuar】は繁盛している。
そしてまた扉が開く…
「こんにちわ、龍さん」
「おや、【蒼那】さん。こんにちわ」
ここに来たのは【支取蒼那】。彼女は【駒王学園】の生徒会会長だ。
そしてその正体は元72柱の次期当主である。そしてこのことは龍は知っている。
「今日はどうします?」
「私はいつも通り紅茶で」
「はい、わかりました」
そうして紅茶を酌んだ後に蒼那に持っていく。
「ふぅ~相変わらずあなたの煎れる紅茶はおいしいです。どうしたらこんなにおいしい紅茶を煎れられるんですか?」
「それは御自分でやってみてください。俺は教えるのが下手なので…」
「そうですか……おいしかったです。ありがとうございました」
そうして蒼那は支払をした後に帰って行った。
「(元72柱の次期当主…面白そうだな)」
そして時間は飛んで”夜”…店は閉められ…
「……変身」
龍は【リュウガ】へと姿を変えた。
そうして、ミラーワールドへと入って行き、はぐれ悪魔を探しに行った。
しばらくして、リュウガははぐれ悪魔を見つけた。
姿はカエルのような姿のはぐれ悪魔だった。
『よう…はぐれ悪魔だな?』
「……ん?なんだお前は?人間か?その姿…神器持ちか!!」
『そんなことはどうでもいい。さっさとかかってこい』
「お前を殺して僕の飯にしてやる!!」
そうしてはぐれ悪魔は舌を伸ばしてリュウガの左腕に巻きつける。
『ほう~やはり見た目がカエルなだけあってやることもカエル同様だな』
「ヒヒヒ、いっただっきま~す」
そうして少しずつ少しずつ舌を戻していき、リュウガを自らの元へと向かわせる。
そして口を大きく開けた。
『残念だ』
《SWORD VENT!!》
すると【ドラグセイバー】が召喚され、はぐれ悪魔の舌を切った後にリュウガの手に渡った。
「ぐあああああぁぁぁぁぁああぁぁぁああ!!俺の!!俺様の舌が!!」
『所詮カエルか……』
「許ざない゛!!人間の癖に゛!俺ざまのじだを切るな゛んて!!殺じでやる!!殺じでやる!!」
そうしてはぐれ悪魔はリュウガに突進していくが…
『うるさいぞ』
―――ザシュ…
「え゛。ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁああぁあ!!」
はぐれ悪魔は上半身と下半身が真っ二つになってしまった。
そうしてリュウガははぐれ悪魔の上半身に歩みを進める。
「ま、待で!悪がっだ、俺が悪がっだ!!だがらお願いだ、命だげは゛!!」
『断る。さっさと死ね』
《STRIKE VENT!!》
そうしてリュウガは【ドラグクロー】を召喚して炎を纏う。
「嫌だアアアアァァァァァァアアアァァァ!!」
リュウガははぐれ悪魔の声を無視して【ドラグクロー】の口をはぐれ悪魔に挟んでそのまま炎を喰らわせた。
そうするとはぐれ悪魔は【ドラグクロー】の口に咬ませたところから徐々に石になっていく。
「お、俺の゛体が石に゛!!助けでぐれ!!助げ……」
はぐれ悪魔はそのまま石となった。
その後リュウガは【ドラグセイバー】でその元・はぐれ悪魔の石を砕いた。
『あ……あいつらの餌のことを考えてなかった』
《RETURN VENT!!》
するとバラバラになった元・はぐれ悪魔の石像は元の肉塊に戻った。
それを見てか契約モンスターたちが肉によってきた。
『喰っていいぞ』
リュウガがそう言うと契約モンスターたちははぐれ悪魔の死体を貪り食う。
それを見届けるとリュウガは背を向けて帰ろうとした…
「あなた…何をしているんですか?」
そう、誰かに呼び止められるまでは…
リュウガが後ろを向くとそこにはメガネをかけた黒髪の女性と男性がいた。
そして女性の方は今日リュウガは会っている。
『……【ソーナ・シトリー】か…何の用だ?』
「あなた、私の名前を知っているのね?だったら話が早いわ。あなたはここで何をしていたの?」
『別に?はぐれ悪魔を殺しただけだ』
「!会長!!こいつ怪しいですよ!!さっさと捕まえましょう!!」
すると男がリュウガに指をさす。
『お前は黙っていろ。俺は今俺に話しかけて来たこいつと話している。それともなんだ?お前はそんなことも分からないほど頭が駄目なのか?』
「なんだと!!」
「落ち着きなさい匙、あいつの言っていることは事実よ。私は今あいつと話している。あなたは黙ってて」
「はい…」
『それで、何の用だ?はぐれ悪魔はもう狩った。さっさと帰ればいいだろ』
「そうはいかないわ」
『そうか…』
《CLEAR VENT!!》
リュウガはカードをスキャンして姿を消す。
「あ、逃げた!!」
「あの姿……どこかで聞いたことが……!!」
「どうしたんですか、会長?」
「あの姿…………!!もしかして、【黒龍王】!!?」
「【黒龍王】?なんですかそれ?」
「知らないなら教えてあげるわ。【黒龍王】はね…」
そうしてソーナはあの戦争での【リュウガ】の活躍を教えた。
二天龍を圧倒したこと、その後一度も姿を現さなかったことを。
それを聞くとソーナの眷属、【匙元士郎】は顔を青くした。
「それって…俺、とんでもない相手に喧嘩売ったことになるんじゃ…」
「そうなるわね。でも問題は、『何故今になって現れたか?』なのよ」
「確か…会長の話だとあいつは今まで一度も姿を現さなかったんですよね?確かに気になりますね…」
「とにかく、このことを【サーゼクス】様に伝えないと…」
「そうっすね!!」
そうして、(偶然)この場所を通りすがった駒王学園の生徒会の二人に存在を知られた【黒龍王】はどうなるのか……