一方…もう一人の主人公は…
別世界2 門出市 とある民家 魔理沙&幽香&フラン組
この夜…ロロは自室でゼウスから通信を受けていた。その内容は…もちろん宇佐見 蓮子のことである。
ロロ《…というと……彼女は界渡として世界を渡り歩いている…?》
ゼウス《ああ…それに…世界のならび順から察するに……次の世界に向かったとなるのなら…次はそこだと思ってな。》
ゼウスの連絡を受けてロロは口に手を当てて考え込む。宇佐美 蓮子がなぜ界渡としての力を手にいれたのか……そして世界を渡り歩く目的は…?
ゼウス《…おーい…聞いとるかぁ~?》
ロロ《あ、ごめん。話は理解した。こちらもこの世界についてわかってきたから動くとするよ。》
ゼウス《気をつけてな~》
呑気なゼウスの声が終わると、空中に映し出されていた映像が霧になって消える。そして、ロロがこの話を魔理沙達に伝えようとリビングの扉を開けた。
そこでは、テーブルにカードを広げている魔理沙とフランが真剣な顔つきで考え込んでいた。窓の外では幽香とイシスが庭でガーデニングを楽しんでいる。
ロロ《魔理沙…デッキ調整か?》
魔理沙「ああ、お前と契約したのはいいけどよ…お前眷属作ってないじゃん?だから、妖夢や咲夜、アリス達からカードを借りてきたんだけど……これまた調整が難しくてなぁ……」
シヴァ《…毎度恒例、死ぬまで借りてきたってか?》
ロロ《……魔理沙…》
シヴァの言葉に「そ、そんな事ないぜ!う、うふふフフ…」と焦っている魔理沙を見て、頭に手をやったロロの肩にぽんっと手を乗せた誰かがいた………
魅魔「悪いねぇ……うちの魔理沙が迷惑かけて…」
マナカ《…ロロ…大丈夫?》
魔理沙「えぇぇぇぇぇ!?魅魔様!?どして!!!?」
魔理沙は突如ロロの後ろに現れた魅魔とマナカに驚いて大声をあげた。魅魔曰く、「弾に魔理沙とフランの面倒をみるなら幽香だけだと大変だから、頼まれてマナカ&ケイと一緒に救援に来た」らしい。
幽香「何よ…うるさいわねって魅魔…あなたも来たのね…」
イシス《…さて……それよりロロ…これから動くんでしょ?計画を立てないといけないわよね?》
ガーデニングが一息ついて土を払いながらリビングに上がってきた幽香とイシスの言葉にロロは気を取り直して席につき、ゼウスからの報告内容を話した。
フラン「質問!世界の壁ってそんな簡単に越えられるの?」
シヴァ《実はな…隣り合う世界には僅かに時空が歪んでいるポイントがあるんだ。そこからなら少し気力を扱える人間は通れる。》
ロロ《宇佐見 蓮子があけた穴も世界と世界が重なっている所…その重なっている世界こそが、今私達がいる世界だ。スキップして世界を移動することはできないからな。》
フランの質問にシヴァとロロが解説をすると、クエスチョンマークを浮かべた魔理沙が別の質問をする。
魔理沙「ん?なら何で私達は直接この世界に来れたんだ?」
イシス《それが私達創界神の力よ。自分の世界を少し接続することで、自由に世界を移動できるの。幻想郷に簡単に来れているのもそういうことよ。》
ロロ《…さて…話題が逸れかけているな。ここからが本題だ。これから私達の作戦を発表する。》
イシスの質問の後、ロロがこの世界での作戦を説明し始める。簡単に言えば、ゼウス達も行っていた[権力者にコンタクトを取って協力してもらう]である。
幽香「まぁ、妥当な作戦ね。」
ロロ《この世界での権力者はバトスピシステムの産みの親、陽昇 マヒルと没落した家を一代で建て直し、今はバトスピ企業の重役に登り詰めた男、棚志 テガマルの二人だ。よって、私達も二手に分かれる。》
フラン「落し蓋ぁ~!」
ロロの言葉になぜかフランはよく煮物とかに被せる木製の鍋蓋…落し蓋を手に持っていた。
魔理沙「…ふたをてに…二手に分かれる…てか?」
マナカ《懐かしいギャグだねぇ…》
ロロ《…ダチガウ!!蓋もって踊るんじゃないの!!僕達はね…!》
マナカがのほほんとしているのとは対照的にロロは真面目に話そうとするが…幽香にイシスやシヴァは面白がって…
幽香「あら…お墓参り?それなら良い花があるわよ?」
ロロ《それ花立て!!誰も死んでないし!縁起でもねぇこと言うな!》
イシス《あれでしょ?海にいる二枚貝の…》
ロロ《それホタテ!!何!?君はボッティチェリの目覚めた女神!?あれアプロディーテだろ!?》
シヴァ《違う違う!あれだよ。外で茶を淹れるやつ》
ロロ《それは野立!!おいこら!日本だと大黒天ていう豊穣神だから茶でも淹れようってか!?あぁぁぁんもぉぉぉぉぉう!!!》
…助けてえーりん…ロロ様の胃がもう限界だよぉぉ…さすがに可哀想に思ったのか魅魔が助太刀に入る。
魅魔「とりあえず!その二人と接触を取ればいいんだね!?」
ロロ《…ああ……だから…幽香は魔理沙とフランと連れてこの町のバトスピショップに向かってほしい。そこに棚志 テガマルの仲間がよく出入りしているそうだ…》
幽香「了解♪」
フラン「わーい!遊べる~!!」
魔理沙「…で…魅魔様は?その…陽昇 マヒルってやつの所に行くのか?」
魔理沙は名前を呼ばれなかった魅魔について尋ねた。すると、ロロは少し頭を捻って答えた。
ロロ《…ちょっと違うのだが…魅魔はマナカとケイを連れて陽昇 マヒルの一人息子…陽昇 ハジメの自宅まで向かってほしい。》
魅魔「…私はそいつの自宅なんて知らないよ?」
マナカ《僕もだよ?》
魅魔とマナカが不安そうにロロに言ったが、ロロは何も問題ないといった雰囲気で話を続ける。
ロロ《…その陽昇 ハジメが居候している家は……あそこだ。》
魔理沙「すぐ隣かよ!!」
ロロがすぐ隣の家を指差すのを見て、今度は魔理沙がつっこんだ。そして、最後にロロがこう釘を刺す。そのロロの顔つきはマジな顔であった。
ロロ《一応確認しておくが、第一に考えることはこの世界の平穏だ。私達の行動で世界を混乱させることだけは控えるように!》
六人「《ハァーイ!》」
六人がキレイに返事を返すと、奥のキッチンからケイがやって来た……なにやらとんでもないオーラを醸し出している鍋をその手に持って………
ケイ《まぁ落ち着け。ほら!腹が減っては戦はできぬと言うだろう!今日は私が直々に腕を振るったぞ!さぁ食べてくれ!!》
……その言葉に…全員の顔が青くなった………
翌日 門出市 バトスピショップ
魔理沙「ぐぅぅ…やっと腹痛が収まった…」
ロロ《……忠告するべきだったね…》
幽香「……メディスンの毒に慣れていてよかったわ…」
イシス《……オェッ…思い出しただけで…》
翌日、六人は例のテガマルの仲間を探すためにバトスピショップを訪れていた。四人は昨日のケイの(愛情こもった)料理に(物理的に)ノックアウトされた後遺症で、椅子に座ってぐったりしていたが、フランの姿が見えないことに気づいて辺りを見渡すと……
???「はぁ!?何よ!私の邪魔をするっての!?」
フラン「あったり前!そんな事させないもん!」
魔理沙「あ、おい!フラン!なにやって…」
バトルフィールドシステムの前でフランは紫のリボルをした少女と言い争いをしていた。それを見た魔理沙はフランを止めようとしたが………
???「世界征服することの何がいけないのよ!!」
フラン「弾にいさまが支配しちゃいけないって言ってた!あなたは悪い人!退治する!」
四人《……あ…この娘…ちょっと…イタイ娘だ……》
紫リボルの少女の当然の如く言いはなった言葉に四人は突っ込むことをやめた。特に魔理沙は一昔、自分もあんな感じだったことを思い出して羞恥心をこらえていた。
???「それなら良いわ!バトスピで決めましょう!この私!巽 キマリ様を倒せるかしら!?」
フラン「負けないもん!《おばさん!!》」
…フランの言葉に一瞬、空気が凍った…たぶん、紫がここにいたら同じような反応を見せたであろう…キマリがプルプルと震えだし、憤怒の形相で叫んだ。
キマリ「な、な、ぬぅわぁんですぅってぇぇぇぇ!!!?このガキィ!ぶっ潰してやるわ!」
フラン「壊すのはフランも得意だよ!」
フラン キマリ「「ゲートオープン!界放!!」」
はい。ありがとうございました。
今回は導入場面で終わりました。キマリちゃんとのバトルが思ったより長引いてしまったので…