一方…その頃……魅魔&マナカ&ケイは……
???「うん、いいよ。陽昇所長には私から頼んでおこう。」
魅魔「ありがとうございます。」
マナカ《良かった~優しそうな人で…》
とある民家のリビング…そこで魅魔と話していたのは、巽 キマリの父親…巽 デンジロウで、宇佐美 蓮子の捜索を快く引き受けてくれた。すると、魅魔は庭に張ってあったテントが目に入り、デンジロウに尋ねてみた。
魅魔「あの……お庭にあるテントは一体?」
デンジロウ「あー…あれは陽昇所長の息子さんが住んでいるんです。何でも自分の部屋だとか…」
魅魔「へぇ…その息子さんは…?見たところ、お出かけ中のようですが……」
デンジロウ「実は僕が午後からお友達を連れてくるように頼んだんですが…もうすぐ帰ってくるかな……」
デンジロウの言葉に魅魔は内心《これで直接陽昇家の人間と接触できる!》と意気込んでいた。すると玄関の鍵が開く音が響いて、ドタドタと廊下を走る音が聞こえてきた。
???「たっだいまぁ~!」
???「おじさん!昼メシある!?」
???「お邪魔致します。」
???「あ、にーちゃん!来客中だよ!」
そう話しながら入ってきたこの四人。まず、最初に入ってきたのがデンジロウの息子の巽 コウタ。そして眼鏡をかけたスタイリッシュな彼は大泉 マナブとその弟カタル。
そして、ハチマキを頭に巻いた少年…彼こそが陽昇 ハジメ…読者の皆様は勿論お分かりの(残りの三人も知っていると思われるが)主人公である。
ハジメ「お!おじさんの……お姉さん?」
デンジロウ「違う違う。お客さんだよ…そうだ、魅魔さんにも見ていって貰おう!」
デンジロウは魅魔にハジメ達を紹介した後、なにやら懐をごそごそ探ると小型の携帯端末を取り出した。
コウタ「お父さん、それなに?」
デンジロウ「これはね!簡単にいえば携帯型バトルフィールドだよ!従来の欠点だった場所の問題を一気に会見することができるんだ!その仕組みは………」
ハジメ「あーあー!とにかくスッゲェェェ!!」
マナブ「ほう…それで…自分たちはなぜ?」
デンジロウの熱を帯びた語りを無視してハジメは興奮していると、マナブがストレートに質問を投げ掛けた。
デンジロウ「簡単さ!ハジメ君とマナブ君はこの新型バトルフィールドの試運転としてバトルしてほしいんだよ!二人はワールドチャンピオンシップまで勝ち進んだカードバトラーだからね!」
マナブ「なんと!それは光栄なことです…喜んでお受け致します。ハジメ君も……ハジメ君?」
コウタ「…あんちゃん…?」
いつも通り丁寧に返事を返したマナブだったが、ハジメが青い顔をピクピクひきつらせているのを見て身を案じ、コウタもハジメの様子を気遣っていた。
ハジメ「……今デッキ調整中だったぁぁぁぁぁ!!」
カタル「…ああ…それ致命的だね…」
ハジメが頭を抱えて床を転げ回る。さすがのハジメでも調整中のデッキではバトルできないので、デンジロウも困っていると……
魅魔「…それなら私が相手をしようかい?一応、これでもバトスピには自信があるんでねぇ……」
デンジロウ「おお!ありがとうございます!」
ケイ《…ん?出番か?》
デンジロウが魅魔の腕をブンブンふりながら感謝している最中、魅魔は心の中で《まぁ…それが普通なのが幻想郷だけど…》と一人呟いていたのは余談である。マナブもそれでいいとバトルの準備を進める。
マナブ 魅魔「「ゲートオープン!界放!!」」
マナブ「こちらから始めさせていただきます。メインステップ。ランマー・ゴレムとツンドック・ゴレム。バトルフィールドにごあんな~い。ターンエンド。」
マナブの言葉と共にフィールドにランマーの形をしたロボットと砲台を背中につけた犬型スピリットが現れる。
魅魔「…なんだか軽いやつだねぇ…メインステップ。世界幼竜グラン・ロロ・ドラゴンを召喚。召喚時効果でデッキから三枚オープンして創界神マナカを手札に。神殺す英雄!創界神マナカ!三枚中、対象が二枚なのでコアを二つ置くよ。」
マナカ《ぼぼん!》
魅魔のフィールドに小さな緑のドラゴンが現れ、その後後ろにマナカが現れる。幼竜はロロから借りてきたのだろうか?
魅魔「アタックはしない。ターンエンドだ。」
マナブ「メインステップ。バーストをセットします。そしてツンドック・ゴレムをレベル2でもう一体!アタックステップ。レベル2のツンドック・ゴレムでアタック!」
マナカ《…ふーん…粉砕か…》
マナブのフィールドに現れたもう一体のツンドック・ゴレムが走り出し、背中の砲台からビームを放って魅魔のデッキを破壊した。
魅魔「ライフで受けるよ。」
マナブ「ライフいただきます!」
ツンドック・ゴレムが前足を振り下ろしてライフを破壊した。
マナブ「ターンエンド。」
魅魔「おっと…さっさと決めるか…メインステップ。六つの国治める皇帝!創界神ケイ!トラッシュにカードを送り、対象は二枚なので二つコアを追加。」
ケイ《…料理の分、ここで取り返す!》
マナカの隣にケイが現れる。しかし、これで計六枚を自ら削ってしまったことになるが、それでも魅魔は淡々とターンを進める。
魅魔「バーストをセットしてアタックステップへ。グラン・ロロ・ドラゴンでアタック!アタック時効果でケイのコアを一つ置くことで、ケイの神技を発動するよ!」
ケイ《よいせっと!》
グラン・ロロ・ドラゴンがケイの力を受けて輝くと、ケイの魔方陣がバーストを強制的にオープンさせる。
魅魔「バースト発動!天空の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!召喚時効果でツンドック・ゴレムを重疲労!!」
ハジメ「おぉぉぉ!!緑のロード・ドラゴンだ!!」
大空に風が集まり、大きな竜巻へと変わる。そして竜巻を剣で切り裂いて一体のドラゴンが降り立った。だが、マナブのメガネがキラリと光った。
マナブ「相手の召喚時効果発揮によりバースト発動!この召喚時効果を発揮したスピリットのコストと同じ数だけデッキを破壊します!ロード・ドラゴン・バゼルのコストは7!よって7枚!お愛想で~す!」
青い衝撃波が魅魔のデッキを7枚破壊する。その内の一枚は龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードだった。
マナブ「破棄した中にバースト効果を持つカードがあったので、当デッキNo.1スピリットの登場です!鉄の覇王サイゴード・ゴレム!お願いしま~す!!そしてグラン・ロロ・ドラゴンの攻撃はライフです。」
マナブのフィールドの中央から巨大な拳を持ったロボットが出現し、立ち上がって大きくポーズをとった。
魅魔「……ターンエンド。」
マナカ《…え?いいの?》
マナカは魅魔がバゼルの重疲労をサイゴード・ゴレムに使わずにターンエンドしたことに驚いていた。しかし、魅魔はあっけらかんとして焦った様子はない。
マナブ「メインステップ。サイゴード・ゴレムをレベル2に…さて……いく?いっちゃう?……いってほしい?」
カタル「兄ちゃんいってくださ~い!!」
マナブがどこかに顔を向けてそう尋ねる。すると、カタルがなにやらハジメ達の前に出てきた。さぁ…お待たせいたしました……読者の皆様もご一緒に……
カタル「イケイケスピリット!やってちょ~だい~!!ノリノリスピリット!やってちょ~だい~!!」
マナブ「はぁぁぁぁい!!アタックステップ!サイゴード・ゴレムでアタックです!ここでアタック時効果、大粉砕入りま~す!サイゴード・ゴレムはレベル2なので、合計10枚、お愛想で~す!!」
サイゴード・ゴレムの張り手が青い衝撃波となって魅魔のデッキを10破壊する。
マナブ「さらに破棄したカードの中にバーストカード…双翼乱舞チェック!スピリット一体ご退場で~す!そしてフラッシュタイミング!爆砕轟神掌!コアはサイゴード・ゴレムから使います。サイゴード・ゴレムを回復させ、レベルを一つ上げます!」
さらにサイゴード・ゴレムが腕を分離させ、ロケットパンチでバゼルを吹き飛ばして破壊した。さらにマナブが放ったマジックの力でサイゴード・ゴレムが回復したことにより、もう一度サイゴード・ゴレムの大粉砕を食らえば魅魔のデッキはゼロになってしまうが……
魅魔「…スピリットの破壊によりバースト発動!…本人を知ってると霞んじまうけど……光の覇王ルナアーク・カグヤ!!トラッシュに土の熾天使ラムディエルがあるので、ケイとライフにコアを置いてレベル2で召喚!!コストはグラン・ロロ・ドラゴンのコアを使う。」
ケイ《…光楯の覇王は生け好かんが……》
魅魔のフィールドの上空に月が昇るとそこから腕が翼で十二単を羽織った美しい女性が降りてきた。
カタル「あ!僕と同じスピリットだ!」
魅魔「…そしてフラッシュタイミング!マジック、メビウスリングを使用するよ!ツンドック・ゴレムを手札に戻してこのカードをフィールドに置く。サイゴード・ゴレムのアタックはライフで受けようか。」
今度は魅魔の手札から白い光が射してツンドック・ゴレムをバウンスさせるが、サイゴード・ゴレムのパンチがライフを壊す。しかし、魅魔の狙いは別にあった。
マナブ「再びサイゴード・ゴレムでアタック!大粉砕で…」
回復したサイゴード・ゴレムが再び張り手を繰り出すが、突如魅魔の背後から∞のマークがサイゴード・ゴレムの衝撃波を書き消した!
カタル「ええ!?兄ちゃんのデッキ破壊ができなくなった!?」
ナレーター「説明しよう!マジック、メビウスリング。このマジックの真価は使用したあとにある。このマジックは使用後にフィールドに置かれると、お互いのデッキが破棄されなくなるのだ!」
魅魔「そういうことさ。ルナアーク・カグヤでブロック!!フラッシュタイミングでルナアーク・カグヤの効果でデッキを三枚除外してBPを1000にするよ!」
ルナアーク・カグヤの光がサイゴード・ゴレムの力を奪うと、ルナアーク・カグヤは翼から無数の光の刃を放ってサイゴード・ゴレムを切り刻んだ!
マナブ「…ターンエンドです…」
魅魔「メインステップ。バーストをセットしてアタックステップ!ルナアーク・カグヤでアタック!フラッシュタイミングで再度ケイの神技を使用!バースト発動!!二人で叶えるhalf&half!六楯神龍ヒヨク!!」
マナカ《…最高のパートナーは…!》
ケイ《…奇跡を起こす…!》
マナカとケイが腕を掲げると、虹色の炎の輪から白と黒のドラゴンがフィールドに現れ、二つの火球を作り出した。
魅魔「バースト効果でBP10000以下のスピリットを二体破壊する!そしてマナカの神域!ライフを粉砕!!」
マナカ《覇王斬り!》
ヒヨクの火球がランマー・ゴレムとツンドック・ゴレムに放たれて二体を焼き付くす。それに呼応してマナカが槍を横一直線に振るってライフを破壊した。
魅魔「そしてこれがルナアーク・カグヤのメインアタック!」
マナブ「ライフで受けます!」
ルナアーク・カグヤの翼がライフを叩き砕いた。
魅魔「ヒヨクでアタック!レベル3からの効果でこいつはダブルシンボルだ!!」
ヒヨクの両首から黒と白の光線がマナブのライフを一気に二つ破壊した!
マナブ「お見事でした。ちゃんとデッキ破壊の対策をしていたとは……」
魅魔「ははは、デッキ破壊を封じられた時の勝ち筋も考えておくべきだね。」
デンジロウ「いやぁ!魅魔さんすごいですね!これはテガマル君にもいい報告ができそうだ…」
魅魔「…え…デンジロウさん…今、テガマル…とおっしゃいましたか?まさか…彼とお知り合いで?」
興奮したデンジロウの言葉に、魅魔は驚いて声をあげた。陽昇所長の協力を仰ぎにきたのに加えて、もう一人の権力者…棚志 テガマルの名前も聞くことができるとはさすがの魅魔も予想していなかった。
デンジロウ「ああ!彼とはこの新型バトルフィールドを共同開発していてね。そうだ、明日彼に会いに行きますが、魅魔さんもいらっしゃいますか?」
魅魔はデンジロウの提案に有無を言わずに即答で乗った。そして、この日は帰宅した魅魔だったが、すぐ後に帰って来た三人が「棚志 テガマルとのコンタクトを取ってきたよ!」と言ったことにもまた、驚愕するのであった。
はい。ありがとうございました。
この掛け声?は覇王を代表するセリフですね!サイゴード・ゴレムを見ると、いつも思い出してしまうのは自分だけでしょうか?