東方星神録   作:あんこケース

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…さて……今回も伏線が……最終回の構想はたっているのですが……ダブルドライブ編が……


魔王の風格

回想 京都大学 カフェ

 

蓮子《うーん…やっぱり私は赤いドラゴンが好きだわ》

 

メリー《…意外…ガッチガチの理系の蓮子なら白か青のロボットが良いとか言うと思った…》

 

時計の針は遡り……ここは蓮子とメリーの世界…今日二人は休み時間にカフェでお茶しながらバトスピについておしゃべりしていた。

 

蓮子《…ん~…やっぱりお父さんが六色のデッキに赤いドラゴンのキースピリットを入れてるからかなぁ…》

 

メリー《あ~あ、そろそろ父親離れしたら?いつまでも『皇太子』のままじゃ、『王様』にはなれないわよ?》

 

蓮子《よ、余計なお世話よ!ならメリーはどんなスピリットが良いのよ?この前組んだデッキのゴッド・ゼクス?》

 

蓮子が口を開けば出てくる父親の話題…未だ親離れできていない蓮子にメリーは半分呆れていた。すると半ばヤケになった蓮子はメリーの話題に切り替えてきた。

 

メリー《……これかな……》

 

蓮子《…なーんだ、メリーもドラゴンじゃない》

 

メリー《赤のドラゴンとはわけが違うのよ》

 

そう言いながらメリーが手に取った一枚のカード…そこからメリーのキースピリットはこのドラゴンになる…蓮子にとって楽しくも……また悲しくもある思い出のカード……

 

 

 

 

…滅神星龍ダークヴルム・ノヴァ…

 

 

 

 

 

 

蓮子「信…長…?」

 

幽々子「天魔 信長、市ちゃんのお兄さんにして例の…」

 

 

幸村達が驚いている一方、早苗や蓮子に幽々子が信長を紹介する。当初は微笑みを浮かべていた信長だったが、早苗達を見るとキッと目付きを鋭くさせた。

 

信長「…市…なぜこいつらに協力を要請した…?」

 

市「…問題でしたか?」

 

信長「こいつらは最近、外国人カードバトラーが使っている煌臨だけでなくまだ実験段階だった創界神ネクサスまでも使用していると情報が入った!」

 

神奈子「げ…!」

 

信長の言葉に蓮子一行は頭を抱えた。創界神が普及でも未確認でもなく、準備中という一番都合が悪いタイミングでこの世界に来てしまった悪運を呪うしかなかったが、それでも事態は好転するわけもない。

 

蓮子「…なら…私達をどうすると?」

 

信長「…少なくともこの作戦の参加はやめてもらおう…!!」

 

蓮子が静かに問いかけた言葉に明らかな敵意を持って答える信長……誰の目にも二人の間で火花が散っているのが見えた…すると蓮子は立ち上がり……信長以上の目付きで声を発した。

 

 

蓮子「…構えなさい…!

 

信長「…ゾクッ……いいだろう…」

 

アプロディーテ《…!?》

 

アレス《…今の…気は…?》

 

ポセイドン《…我らも震え上がらせる殺気…この娘は…》

 

蓮子がドスの効いた声でデッキを構える。その瞬間部屋内に迸った気圧は神奈子どころか創界神達すらゾクッとさせるほどの気力だった…だが信長も気を取り直してデッキを構えた。

 

 

蓮子 信長「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮子「…先行を貰います…メインステップ…バーストをセットして魔星人シュタイン・ゴイルを召喚!星読…発揮!」

 

蓮子は重い口調のままシュタイン・ゴイルを召喚してデッキをめくる。めくられたのは……光導創神アポローン…!

 

蓮子「…よって手札に…ターンエンド」

 

早苗「アワワ……どうしましょう?」

 

幽々子「……このままバトルさせて溜飲をおさめるのが良いでしょう…」

 

幽々子の提案に反対する声は起こらなかった。だが巷で五大老と呼ばれる幽々子と神奈子…そして創界神達は先ほど物凄い殺気を放った蓮子を見つめていた……

 

信長「…メインステップ。ソードール、並びにさまよう甲冑を召喚。召喚時効果、デッキからカードを一枚ドロー…」

 

信長はソードールの他に刀を持った甲冑姿の幽霊を召喚する。

 

信長「バーストをセットしてターンエンド」

 

蓮子「…また白紫か…メインステップ!創界神ネクサス!光導創神アポローン!デッキから三枚トラッシュへ送り、対象カードを二枚確認。よって2コアをアポローンに追加」

 

 

また白紫使いと戦うことに顔をしかめながら蓮子はアポローンを配置する。

 

蓮子「さらに氷星獣レオザードを召喚。アタックステップ!レオザード!攻撃!」

 

蓮子は続いてレオザードを呼び出すと、アタックさせてもう一度デッキをめくる。そのカードは…太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!

 

蓮子「…光導を持つので回収!さらにレオザードの効果で回復!」

 

信長「ライフで受ける!」

 

レオザードが白い光線で信長のライフを破壊した。

 

蓮子「ターンエンド」

 

信長「…さすがに簡単にはいかんか……メインステップ!イチバンスピアーを召喚…さらに…!」

 

信長は白い槍兵を召喚して……さらに手札を切る…!!

 

信長「天より降臨せよ! 万能なる魔界の使者!天魔王ゴッド・ゼクス!!

 

幸村「…きた…!ゴッド・ゼクス……!」

 

強烈なエネルギーがフィールドに満ちると空から一体の魔神が降りてくる。そしてフィールドに降り立つと背中に大きな輪を形成した。

 

幽々子「…チ…イヤなことを……」

 

早苗「…あぁ…トラウマが……」

 

信長「アタックステップ!ゴッド・ゼクスよ!攻撃だ!」

 

幽々子や早苗達がとあるトラウマ[100%紫関係]を思い出しているのをほっといて、信長はゴッド・ゼクスをアタックさせた。

 

蓮子「…ライフで受ける!」

 

ゴッド・ゼクスが背中の輪を剣のように振り回し、蓮子のライフを砕いた。

 

信長「ターンエンド」

 

蓮子「…六天連鎖ね…メインステップはそのまま…アタックステップ!もっかいアタックしなさい!レオザード!星読よ!」

 

蓮子はメインステップを飛ばしてレオザードを再度攻撃させる。今回めくられたカードは…セフィロ・シープ。これも手札に入った。

 

蓮子「さらにレオザードは回復する!だめ押しのフラッシュタイミング!マジック!サジットノヴァアロー!BP12000までスピリットをぶっ壊す!さらにドロー!」

 

回復したレオザードの上空から無数の炎の矢が降り注ぐ。これで信長のフィールドにはゴッド・ゼクスしか居なくなった。

 

 

信長「ちぃ!ライフで受ける!バースト発動!BP15000以下のスピリットを破壊!!そしてこのスピリットをコストを支払わずに召喚!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード!!」

 

レオザードの前足が再び信長のライフを砕いたが、開いたバーストの炎がレオザードを破壊する。その後、フィールドに剣を構えたドラゴンが現れた。

 

蓮子「…ターンエンド」

 

信長「…メインステップ!ニジノコ、さまよう甲冑を召喚!召喚時効果で一枚ドロー…さらにネクサス!オワリノセカイを配置!」

 

利家「これで信長のフィールドにシンボル全色揃いやがった…」

 

信長はシンボルを確保するため黄色のニジノコと紫のさまよう甲冑を召喚し、フィールドを水晶に囲まれた天守閣に変える。

 

信長「アタックステップ!オワリノセカイの効果!ゴッド・ゼクスを最高レベルに!やれ!ゴッド・ゼクス!!」

 

幽々子「…あら…ソウルコアを置き忘れるなんて…案外うっかりやなのね…」

 

信長はゴッド・ゼクスをアタックさせる。だが幽々子が指摘したことが発生したのは彼自身の焦りだけでなく、最後の手札がキースピリットであることにも起因しているのであろう。

 

信長「フラッシュタイミング!このカードをアタック中のゴッド・ゼクスと入れ換える!召喚……!天魔王ゴッド・ゼクス……終ノ型!!

 

早雲「来たぞ…!!」

 

攻撃していたゴッド・ゼクスが白く細身の体へと変わっていく。そして変化が終わるとそこには死に装束のような格好に六枚の羽を広げたゴッド・ゼクスが立っていた!

 

信長「終ノ型の効果で俺のスピリットは相手のスピリット/マジックを受けない!そして…六天連鎖:終ノ型!!発揮!!自分のスピリットのシンボルを六個にする!!」

 

スピリット達に六色のシンボルが埋め込まれていき、終ノ型自身もその力を吸収する。これで一回でも信長のアタックが通れば蓮子の負けになってしまうが……

 

蓮子「スピリット/マジック…よね?ならネクサスを使うまで!フラッシュタイミング!光導創神アポローンの神技を使用!ジーク・ヤマト・フリードを破壊してワンドロー!さらにマジック!フェーズチェンジ!!」

 

終ノ型の耐性外であるネクサスの効果……アポローンの矢がジーク・ヤマト・フリードの体を貫き破壊した。さらに蓮子の前に白い魔方陣が展開されて終ノ型の攻撃をギリギリ踏ん張った。

 

兼続「凌いだか…!!」

 

信長「…ふん…ターンエンド」

 

蓮子「……ねぇ…そんなに私達は…いや…幸村君達を信用していないの?」

 

信長「…………」

 

蓮子は自分のターンを始める前にそう信長に問いかける。

 

蓮子「もし私達があなた達の計画を邪魔しようとしてたとしても、この国には優秀なカードバトラーがいるわ…て言うか…こんな日本人同士の争いがあなたが一番恐れていたことなんじゃない?」

 

信長「…ふ…お前のターンだ。早く進めろ…」

 

信長は蓮子の問いに自嘲気味に笑い、蓮子にターンを進めるよう促した。これは一本とられたというような感じで、敵意の欠片もない笑いであった。

 

 

蓮子「そ…なら真の魔王を決めますか!メインステップ!樹星獣セフィロ・シープ…!駆け上がれ!神より生まれし星の龍!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンX!!レベル2で召喚!」

 

セフィロ・シープに続いて赤い爆発と共にライジング・アポロドラゴンがフィールドに現れ、大きく咆哮する。

 

 

蓮子「アタックステップ!ライジングでゴッド・ゼクス終ノ型を指定アタック!!」

 

信長「こい!BPはこちらが上だ!」

 

ライジングが終ノ型めがけて飛びかかるが、終ノ型は剣で弾き飛ばす。そして羽から取り出した弓に無数の矢をつがえて放つ。ライジングはその矢を時にはかわし、かわしきれないものは火炎放射で焼ききるが、徐々に逃げ場を無くしていく…

 

そしてついに終ノ型がライジングの背中に突進してフィールドに叩きつけ、剣を振り下ろそうとした…その時!!

 

 

蓮子「分かってるっつの!フラッシュタイミング!マジック!バーニングサン!手札の極星剣機ポーラ・キャリバーをライジングに直接合体!!さらに回復させる!」

 

空から一体のジェット機が突っ込んできて終ノ型を突き飛ばすと、ジェットと剣を落としていく。ライジングは起き上がり背中の両翼にジェット噴射機を装着し、その手に剣を握る。

 

蓮子「斬り裂け!合体スピリット!!」

 

蓮子の号令を聞いてライジングはジェット噴射しながら終ノ型に剣を突き立てる。終ノ型も剣で受け止めるが、ライジングの勢いを殺せずに後ろに後退し続ける。

 

最後は剣を破壊したライジングの剣が終ノ型を真っ二つに斬って大爆散させた!

 

蓮子「さらにライジングの界放!!アポローンのコア二個を置くことで、ニジノコを破壊してライフを二つぶち壊す!!シュタイン・ゴイルでアタック!」

 

信長「…さまよう甲冑でブロック!」

 

終ノ型を破壊したので、ライジングは炎を放ってニジノコを焼却すると、そのまま信長のライフを二つ破壊した。その爆煙を突っ切ってシュタイン・ゴイルとさまよう甲冑がぶつかり、両者破壊された。

 

蓮子「吹き飛びなさい!合体アタック!!」

 

バーニングサンの効果で回復したライジングがジェット噴射の勢いをつけながら剣で信長のライフを貫いた!!

 

 

 

 

 

 

 

信長「…ふん…良かろう…ただし、邪魔をするなら容赦しないぞ…!!」

 

蓮子「ありがとう」

 

信長は口調は変わらないが、確かに蓮子達の協力を許可していた。そんな素直じゃない様子にクスッと笑った蓮子に信長が懐から何かを取り出した。

 

信長「…くれてやる…」

 

蓮子「…!…気力カード…!」

 

信長が蓮子に押し付けたカード…それはライジングと同じ気力を纏ったカードだった。蓮子はそれを大事にしまい、信長にお礼を言おうと振り向いたその時……!!

 

 

 

 

キィィィィィィン!!!!

 

 

蓮子「…う!!…ま、また………」

 

環奈「どうしたでごじゃるか!?」

 

幸村「蓮子!?」

 

再びあの耳鳴りと頭痛が蓮子を襲ったのだ。その痛みに蓮子はまたもや地面に踞るしかなかった。そして見えてきたのは………

 

 

 

 

 

 

 

今度は最初からとある人間がバトルフィールドでバトルしている様子が蓮子の頭の中に浮かんできた。そこで蓮子の目を惹いたのはバトルフィールドの外で見守っている[たぶん]若き弾、フィールドに存在している禍々しいオーラを放っているドラゴン…そしてバトルフィールドに立っている妙齢の男……

 

蓮子「…お父さん……」

 

???《真の絶望を知るもののみがこの力を手にする!!一人過ごす苦しみの日々こそ我が力の源!!!》

 

弾《…何を言ってる…?》

 

蓮子の父が話し始めたのは驚きのカミングアウトだった。父が昔船乗り…しかも千年以上も昔…大航海時代に活躍した冒険家だったということ…

 

蓮子「…え…お父さん…一体何歳…?」

 

だがさらに続いた話…そちらのインパクトがその疑問をどこかに吹っ飛ばしてしまった。航海で異界…グラン・ロロにたどり着き、無限の可能性を感じた…しかしその言葉を信じる者は誰もおらず、真実を伝えようと執筆した『異界見聞録』も全て燃やされる始末となった………

 

 

???《…人々の無理解…愚かしさ…冷酷…全てに背を向けてな……俺は復讐を誓った…!!俺の夢を踏みにじった奴らを支配し尽くす!!》

 

蓮子「…ウソよ…そんなの…ただの侵略じゃない……」

 

 

蓮子の今までの父への印象がガラガラと崩れていった…彼女の記憶にある父……それはたまにしか家に帰って来なかったが、数々の言葉を蓮子に残してくれた立派な父親だったのだ。

 

蓮子の父《いいか、蓮子。表に出てくることが全てではない。すぐに一つの情報に飛び付かないことだ》

 

蓮子の父《俺の後を継ぐ?…フフフ…!ならまず目の前の人間を助けることからだ。そいつを助けられないやつが何を助けることができる?》

 

蓮子の父《…この世界はなぜこれ程矛盾に満ち溢れているのだ……俺はこの世界を変えてみせる!》

 

 

蓮子「…ウソよ…ウソよウソよウソよウソよウソよ………そんなのウソよォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

……烈火伝編の後…少し荒れそうです…

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