東方星神録   作:あんこケース

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…某見た目は子供!頭脳は大人!な名探偵がよく「真実はいつも一つ!!」って言いますが、例え一つでも人によって見える部分は違いますし、同じ面を見ていてもどう感じるかも個人差があります……蓮子から見た彼と弾から見た彼は……

あと今回はかなり東方よりのネタ満載です…つまりバトル無し回だ!


真実の表と裏

過去 弾が訪れる前のグラン・ロロ 知恵の間 入口

 

 

蓮子《うわぁぁぁ!》

 

蓮子の父《…良い景色だろう?》

 

…時は…蓮子がまだ幼かった頃までさかのぼる。別世界の仕事故にあまり家に帰れなかった蓮子の父はある日蓮子に自分の世界を見せるため、彼女を自身の仕事場へ連れていった。

 

だがそこにあったのは地球儀や仏像…はっきり言って幼い蓮子は退屈という感情しかわいてこなかった(唯一プテラノドンの人形には関心を示したが) なので蓮子の父は部屋の外に出て、外の果てしな~い階段の下に広がるグラン・ロロの世界を見せていた。

 

蓮子《おとーさん、どーして下の世界はバラバラなの?》

 

蓮子の父《ん?…ああ、この世界は六つの世界から成り立っている…蓮子の世界で言えば都道府県のようなものだ。それぞれの世界はそれぞれの個性を持ち》

 

蓮子《へぇ~…あ!何か飛んでる!》

 

蓮子の父《……むぅ……》

 

父の話の途中で蓮子は眼下に広がる世界で飛んでいる…たぶん飛行船だが…ものに気をとられてしまった。それでも蓮子の父は色々なことに際限なく興味を示していく娘の姿を微笑ましく見守っている……

 

蓮子の父《……非常時以外は立ち入るなと…言ったはずだか?…お前ほどの男が忘れることはあるまい…レオン…》

 

???《申し訳ありません。ですがその緊急の用で…》

 

すると突然蓮子の父の目付きが鋭くなり、下の景色を見ている蓮子の隣から大柄の男が階段を上がってきた。その男の登場に蓮子の父はあからさまに不機嫌な表情を見せるが、目で急用の内容を問う。

 

レオン《今しがた、赤の戦士…ジュリアン・ファインズが閣下とのバトルを挑んで来ました…》

 

蓮子の父《ふん…またか…たかがそんなことで俺の娘との時間を奪うつもりか!?ふざけるな!!

 

どごぉぉぉぉぉぉん!!!

 

蓮子《ひっ…!》

 

蓮子の父《……しまった…あ~…悪かった、蓮子。急に怒鳴ったりして…》

 

レオンの報告に返事した蓮子の父の声は知恵の間を揺らすほどの衝撃波と共に放たれる。グラン・ロロを統べる王の怒りにすぐ近くにいた蓮子はすっかり震え上がってしまった。

 

怒鳴ったあとにその事に気づいた蓮子の父はすぐに蓮子の頭を撫で始めるが、蓮子は怯えたまま離れなかった。

 

蓮子の父《…参ったな…レオン、赤の戦士には明日挑戦を受けると伝えろ。俺は少し子守りをしなければならないからな》

 

レオン《はぁ……そうだ、あともう一つ報告が……つい先日…地球で例の》

 

蓮子の父《見つかったか!?》

 

蓮子の抱き抱えながら話していた蓮子の父の声色が嬉々とした色に変わった。先ほどの憤怒の表情とは正反対の顔で問いかけた。蓮子の父が探していたものとは……

 

蓮子の父《…よし、レオン!よくやったぞ!》

 

レオン《いえ、閣下のためです…それでは…》

 

そう言いながら一礼したあと階段を下っていくレオン。それを見送っていた蓮子の父にようやく震えが止まった蓮子が顔を上げた。

 

蓮子《…おとーさん…何であの人のこと睨み付けてたの?》

 

蓮子の父《……おいで…》

 

その言葉にゆっくり蓮子を降ろした蓮子の父は蓮子を再び自分の部屋へ招き入れた。そして蓮子の父がいつも仕事をしている椅子に座ると、静かについてきた蓮子に話し始めた。

 

蓮子の父《…蓮子、少しお前には早すぎるかもしれない…だがいつかこのことを思いだせ……なぜレオンを睨み付けていたか…それはあいつも俺を睨み付けていたからだ》

 

蓮子《……どーゆーこと?》

 

蓮子の父《…いつかはわかる…人間とはそう言う生き物…千年近く経っても全く進歩していない……そしてもう一つ、お前に見せたい物がある》

 

椅子に肘をつきながらぼやいた父の言葉の真意をこの当時の蓮子は理解できなかった。だがこのあとに見せられたものは後の蓮子に記憶に大きく刻まれていた。父の右手の手のひら…そこに浮かんでいたモノ…

 

蓮子《…それなーに?》

 

蓮子の父《これは『マザーコア』と呼ばれるこの世界と蓮子の世界…二つの世界を強く結びつけている秘宝だ。これを持つものこそ、グラン・ロロの王の証。お前は俺の娘、つまりこの力を継承できる権利がある》

 

蓮子《え!?てことは私、王様になれるの!?》

 

父親の堅苦しい話より文中の言葉…『王様』に飛び付いた。その様子に苦笑しながら蓮子の言葉に首を横に振る。

 

蓮子の父《いや、この力を使うには……『夢』が必要だ》

 

蓮子《ゆめぇ~?》

 

蓮子の父《マザーコアは人の思い…何か一つの目標めがけて突き進む人間にこそ、ふさわしいのだ。中途半端で私利私欲に走る者には任せられん》

 

蓮子《…んん~?おとーさんの話っていつもわかんな~い》

 

蓮子の父《……簡単にいえば……『王』には強い夢と…思いやりの心が必要なのだ。強い心で自分より他の人を助けることができる……そんな大人に蓮子はなって欲しい。そうなればお前は真の『王』になることができる》

 

蓮子《わかった!蓮子、絶対王様になる!》

 

やはりほとんどわかってなかった蓮子ののんきな、だが明るい返事に蓮子の父は笑った。しかしその心の中ではこれから進められる計画のことを考え、険しい心情でいっぱいでもあった。

 

蓮子の父《……マザーコアの光主が生まれた今…あの計画を実行するときが来た……これで世界の矛盾は無くなる…戦争も貧困も解決できる……そうだ…蓮子、

 

 

 

お前が君臨する世界は…もっと美しい世界になる…そのために……先立つ父を許してくれ……》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 幻想郷 博麗神社 宴会場

 

 

時は現在へと戻り…ここは博麗神社。そこでは絶賛新入り歓迎会が開かれていた…そこでは他の世界に旅立ったメンバーや創界神達も参加している。あとは弾の十二宮のX化が完了すればいいだけなので、もう宴会ムードなのだ。

 

弾「…えー…まだ何人か到着してないんだけど……すぐ来れるそうなので始めるか……先日、幻想郷に動物霊が攻め込んできた異変で傘下に入ったメンバーの歓迎会を開催する。新入りは一言みんなに頼む」

 

萃香「よ!新入り!!」

 

シヴァ《景気よく行けよ~!》

 

袿姫「では私から。知っている方もいますが改めて……我が名埴安神 袿姫。造形を司り、我がゴッド…馬神 弾の忠実なる僕です…以後お見知りおきを…」

 

盃を持った弾が前に立って新入り達に挨拶を促す。同じく盃を持った幻想郷メンバーの前に立った袿姫は恭しく頭を下げた。そして隣にいた埴輪のような(実際埴輪なのだが)女性を前に引っ張り出した。

 

袿姫「さぁ、磨弓。ご挨拶しなさい」

 

???「…あ…あの…杖刀偶 磨弓と申します…袿姫様に作られた埴輪兵長です…

 

ブラフマー《…声ちっせぇ……》

 

オシリス《コミュ障らしい…》

 

上海「あなたも人形ですか?なら仲間ですね!」

 

アリス「へぇ…かわいいじゃない」

 

ヘラ《こっちにきぃなぁ…?》

 

おどおどしながら自己紹介した磨弓を人形三人組は優しく迎え入れた。磨弓も少しビクッとしたが、袿姫に背中を押されておそるおそる三人の近くに座った。

 

???「おいおい!私らと戦ってた時とは大違いのへなちょこだな!おっと失礼、私は勁牙(けいが)組組長の漆黒の天馬(ペガサス) 驪駒 早鬼(くろこま さき)だ!」

 

ホルス《お!黒い翼!お嬢さん、同じ鳥同士…》

 

神子「…!?…くろこま…ですって!?まさか…あの驪駒ですか!?」

 

磨弓が座ったのを見て次に前に出て来たのは黒い翼を生やしたカウボーイの女性だった。雰囲気は一昔前のスケバンのようである。背中の翼を見たホルスは早速ナンパしようとしたが…驚いた神子の声にかき消されてしまう。

 

早鬼「…へ…!!!?…そ、そのお声は…た、た、太子様ぁぁぁ!!!…ズサァァ!!」

 

神子「やはり驪駒でしたか!まさかあなたとここで再開できるとは…いえそれよりも!動物霊を利用して地上に攻め込むとはどういうことですか!!というかそれ以前になぜ畜生界でヤクザの真似事をしているのですか!!」

 

早鬼「ひぇぇ!すいませーん!!」

 

神子の声に振り返った早鬼は感動しながら神子に飛びついた。だが感動の再会はすぐお説教へと変わり、早鬼は神子の前で土下座して謝るはめになった。

 

カグツチ《えっと…二人は知り合いなの?》

 

神子「ええ、この娘は私の愛馬です。昔私を乗せて富士山を越えたことがある神馬なのですよ」

 

ホルス《え!!!?鳥じゃなくて馬!?》

 

ゼウス《なら儂の方が仲間じゃの。早鬼ちゃん、この後》

 

ヘラ《…あ~な~た~?…》

 

神子のカミングアウトにホルスは驚いて後ろに後退り、ならばとナンパに入ったゼウスも暗黒微笑を浮かべたヘラに連行されていった。

 

???「全く……これだから脳筋しかいない勁牙組は……この筋肉バカが失礼しました。私、鬼傑(きけつ)組組長の吉弔 八千慧(きっちょう やちえ)で……ひ…!」

 

純狐「あら~…久しぶりねぇ~…八千慧ちゃん?」

 

アルテミス《なに?また知り合いなの?》

 

神子に引きずられて行った早鬼とは入れ替わりに前に出て来た洋服姿の女性…こちらは清楚という言葉が似合うほど丁寧に自己紹介をしたが純狐の姿が目に入った瞬間、ひどく怯え出した。

 

純狐「たいした知り合いじゃないわ。地上でふらふらしていたときにこの娘が《貴様を食らう!》って襲ってきたからさくっと返り討ちにしただけよ」

 

へカーティア《うわぁ…純狐にケンカ売れるのって創界神ぐらいなのに…》

 

純狐「そしてこの娘、結構策士よ。まぁ、幻想郷に居候させてもらっているからこの娘は私に任せてもらうわ。私なら簡単に押さえ込めるし」

 

早鬼「あはは!!どうした?鬼傑組組長さんよぉ~?」

 

八千慧「うるさいわよ!あんたもこいつにボコボコにされてなさい!」

 

素が出た八千慧と早鬼がぎゃあぎゃあと口喧嘩をしているのを純狐と神子が無理矢理引きずっていく。なんだかんだでこんな感じ(旧友が幻想郷にいたのはまれだが)で新入りは幻想郷に馴染んでいくのだ。

 

幽々子「ただいまぁ~♪」

 

神奈子「ふう…間に合ったか…」

 

妖夢「幽々子様!お帰りなさいませ!!」

 

諏訪子「…神奈子…早苗は…?」

 

ちょうど新入り紹介が終わった時、幽々子と神奈子が帰って来た。もちろん後ろからアプロディーテとアレスも入ってくるが、諏訪子としては神奈子のそばに早苗がいないことが気になった。

 

弾「…隠岐奈…紫の背中に扉の用意を…!!」

 

紫「…え?」

 

隠岐奈「へ…?…!…了解!」

 

クリシュナ《…!!何かくるわよ!》

 

ペルセポネ《ええ!!?敵襲ですか!?》

 

諏訪子の質問に答える前に弾が隠岐奈に指示を飛ばす。最初は隠岐奈も首をかしげたが、すぐ弾の真意を悟り行動する。そして創界神達が何か強大な力を持った者の接近に身構えていたその時…!

 

ドッカァァァァアン!!

 

椛「隠岐奈さん!!」

 

隠岐奈「オープン・ザ・ドア!!」

 

紫「…きゃぁぁぁぁ!?」

 

アテナ《私が時間を稼ぎます!》

 

ツクヨミ《…私も行くぞ!》

 

その轟音と共に宴会場の入口の扉が吹き飛んだ。そしてそこから入ってきた人物を持ち前の千里眼で誰よりも先に見ていた椛が隠岐奈を呼ぶ。

 

準備万端で待機していた隠岐奈は早速紫の背中の扉を開いて自らの領域…後戸の国へと引きずり込む。そして時間稼ぎのためにオリンとアマハラ屈指のカードバトラーのアテナとツクヨミもあとに続いた。

 

二人が扉に飛び込んで、扉が閉まった間一髪で宴会場にずかずかと上がり込んで来たのは……早止めようとしている早苗を引きずっていた蓮子だった。

 

早苗「…ズルズル…蓮子さん!少し落ち着いてください!…ズルズル」

 

蓮子「…弾様、少々お話があります…!!」

 

弾「……あと少しでX化が終わるから、もう少し待ってて」

 

蓮子「お父さんのマザーコアを返せ!!

 

蓮子の叫び…その意味を理解できたのは弾ただ一人だけだった。弾はその問いにマザーコアを手に出すことで答えた。

 

弾「…これか?」

 

蓮子「早苗さんから聞きました…あなたは以前私の父と戦い、人智を越えた力のマザーコアを手中におさめたと…!どうして奪った…!?

 

弾「…事情は早苗が…そうでなくともライジングが教えたと思うが?」

 

体から黒いオーラを放ち、ドスのきいた声になっている蓮子でも弾の冷静さを崩すには至らなかった。それどころか弾は意外そうな声色で蓮子に聞き返した。

 

弾「それよりも父親を殺した俺を…敵討ちするためにくると思っていたが……」

 

蓮子「…父がやったことは許されざることです。氷河期を引き起こして無用な人類を淘汰しようとすることなど…ですので父を止めてくれたあなたは正しい…だが私が言いたいのは!父がなぜそんな非行に走らせたのか考えもせず!真実を歪曲し!口を揃えて父を悪人に祭り上げ!あまつさえ父の力を好き勝手使うことに憤怒しているのよ!!

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

「ぐぅ……なんだこの力は…?」

 

スサノヲ《…創界神クラスのエネルギーだぞ!?》

 

蓮子の怒りがマックスに達すると猛烈な波動が会場を包み込んだ。あまりにも圧力が強いので、創界神達も怯んでしまう。それでも弾はマザーコアをしまって提案をする。

 

弾「なら…俺とバトルだ。俺を倒せばマザーコアを渡そう」

 

蓮子「…ええ……!!」

 

蓮子は少し冷静になってデッキを構えるが、弾は指をパチンと鳴らす。すると弾の周りに七つのデッキが現れる。それらはそれぞれ赤、紫、緑、白、青、黄、そして七色に光り輝いていた。

 

蓮子「…なんのつもり?」

 

弾「…選びな。君へのハンデだ。好きな色を選ぶといい」

 

幽香「はぁ!?ちょっと弾!!」

 

映姫「それは危険過ぎます!!」

咲夜「…さすがにそれは……」

 

依姫「おお…!さすが弾様!自らにストイックですね!」

 

永琳「…依姫もここまで悪化するなんて……」

 

豊姫「…弾くん…それ…どんなデッキなの?」

 

幻想郷メンバーは異口同音に「ちょっとまて」と引き留める中、豊姫は弾のデッキ内容に質問する。

 

弾「…ああ、みんなの以前のデッキを参考にさせてもらった」

 

蓮子「……そんなの…あなたが一番得意なデッキでいいわよ!」

 

弾「…じゃ、今日の気分で…」

 

弾の提案を蓮子は蹴った。するとなぜか弾は昔を懐かしむような顔をして浮いていたデッキの一つを手にとって構えた。

 

 

弾 蓮子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

今回は東方新作の内容ばっかりだったかと思います。早く鬼形獣ネタを書きてぇ……

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