そして…次回予告!何!!?あの敵のめっちゃカタストロフ染みたドラゴン!!しかも弾さんもまだかくし球を!!?それはまだいい………弾さん!嫁がピンチだよぉぉぉ!!!
退屈は神をも殺す
幻想郷 博麗神社 宴会場
魔理沙「あっはははは!!」
鈴仙「もう疲れた!今夜は飲む!!…グビグビ…」
隠岐奈「よ!一気一気!!」
スサノヲ《ガハハ!そうだ豊姫ちゃん、親父は元気か?最近会ってないからこの後居場所をこっそり》
神奈子「何どさくさ紛れでナンパしてるんだ~!!!?」
ツクヨミ《…ぅぅ…胃が…》
ブラフマー《おいおいどうしたツクヨミ~!つらそうな顔してんなぁ~…あ!昔俺たち裏切った罰だな!》
シヴァ《ギャハハ!そうだぞ~!欲出してゼウス=ロロに手貸しやがって~!》
ツクヨミ《うるせ~!あのあと姉貴や永琳の親父さんに死ぬほど怒られてアレックス達にも謝罪したじゃねーか!!》
マナカ《…まだ根に持ってるんだ…ってかお酒飲みすぎじゃない…?》
あの犬も食わないケンカのあと、一同はもはや宴会場の原型すらとどめていなかった極点から移動していつもの博麗神社で宴会を行っていた。ちなみにボロボロになった紫と永琳は…
紫「……」←外で正座
永琳「……」←隣で同じく正座
蓮子「あはは…メリー大丈夫?お酒とおつまみ持ってきたよ」
異界王「…ククククク…!」
紫「…このジジイ…!」
異界王「俺はだいたい570歳だが?」
弾「…完全に紫の方が年上だな…」
紫「チキショー!!私もやけ酒だァァ!!」
かわいそうに思った蓮子が二人に一杯できる日本酒と枝豆を持ってきた…異界王と弾を連れて…正直紫は異界王が苦手だったが、弾や蓮子がいることとこんな状況は自分の自業自得という事で我慢した。
蓮子「よっこいせ…あ、弾様お酌します」
弾「あぁ悪い、ありがとう」
異界王「蓮子もお前も飲める年か…時の流れというものは速いものだ」
敷物を敷いた上に座り込む弾と異界王の盃に蓮子が酒瓶を傾けて日本酒を注ぐ。そして全員グビッと日本酒を喉に入れるとそこからはいろいろな思い出話に移っていった。
異界王「……まさかお前も俺のように異世界にたどり着き、そこで頂点に登り詰めるとはな」
弾「…確かに…でもグラン・ロロとは違って幻想郷には文明はすでにあった。オレはそこにポッと入ってきただけさ」
異世界「…そうか?それだけならあいつらがお前を慕う理由にならないが?」
永琳「少なくとも私はあなたの信念、想い、勇気、そして優しさに惚れて着いていくって決めたのよ。もっと胸はって良いと思うけど」
そんなこんなで盃片手に話が弾んでくると、宴会場ではワイワイと騒ぎが起こっていた。だが幻想郷での宴会にケンカはつきもの&ただの戯れレベルなので弾や紫はひどくならない限り止めることはない。
八千慧「早鬼~!!!!」
早鬼「八千慧~!!!!」
紫「…そう言えば…あの二人や袿姫ってどういう経緯で仲間になったの?」
永琳「それ私も気になってたわ。私達の留守中に異変でも起きたの?」
弾「まぁな。でも異変になりかけの所で解決したから被害はでなかったよ」
異界王「ほう…ではその武勇伝を聞かせてもらおうか」
弾「…まぁ…大したことじゃないんだけど……」
紫や永琳に加えて異界王すら興味を持っているので、弾は諦めて話し始めた。だいたい今から数週間前の出来事…まだ霊夢達が蓮子を探して別世界に旅立っていた頃の話である……
回想 博麗神社 縁側
弾「…暇だ……」
あうん「…暇ですね…」
その日の朝、いつも通りの時間に起きた弾は縁側でゴロゴロしていた。一人分少ない朝食を食べ皿を洗い、洗濯に境内の掃除まで終わってしまった。弾が霊夢達を見送ってからこんな日が続いてしまっているのはいつもワイワイ騒いでいる面子がいないからに違いない。
あうん「…結界の管理でもしますか」
弾「…毎月一度の整備をここ最近毎日三回やってる……今日はもう二回やった…」
あうん「…紅魔館にでも行きます?」
弾「…昨日行った…レミリアのワガママに振り回されて大変だった…咲夜の凄さが身に染みたよ…」
あうん「…永遠亭」
弾「一昨日てゐに泣きつかれて輝夜のお守りをやったよ……死ぬかと思った……」
次々とあうんの提案が潰されていく…さぁて次の案はとあうんが思考を走らせたその時、空から声が降ってきた。
純狐「ごきげんよう、弾」
ラー《…カビでも生えそうなオーラだな…》
弾「純狐、ラー…どうした?霊夢は留守だぞ」
純狐「それは知ってるわ。用があるのはアナタよ…どうかしら?一緒に月の都に攻めいるのは?」
弾「…ツクヨミや依姫の胃が死ぬからやめとく…ってもう復讐は済んだんじゃないのか?」
純狐「…最近妙に月の都の連中が私の退けるために練ってくる策が面白くて…つい…」
降りてきた純狐のお誘いを丁重に断る弾。だがアマハラ最高戦力の一角に「面白いから」で軽くケンカ売る純狐も暇なのだ。少し暇潰しになるかなぁ…なんて弾はなびきかけた。
弾「…なぁ…月の都に攻め込む以外に何か暇を潰せるものないか?」
純狐「ん~…そうだ、この前ツクヨミ達と面会した稗田の当主にまだお礼してないのよ。紹介してくれない?」
純狐の言葉に内心弾は驚いた。意外に思われるかもしれないが純狐は自分の復讐関係に他人を巻き込むことを嫌っているのだ。以前へカーティアと手を組んだ時も幻想郷に被害が及ぶと分かると(半ば行き詰まっていたこともあるが)あっさり月の都から撤退したほどである。
弾「…わかった。今日はアテナが一緒にいるからすぐ会えると思うぞ」
純狐「あらラッキー♪じゃ狛犬ちゃん、祭り神を借りてくわよ~」
あうん「…はぁ……何しよ…」
遠巻きに「お前はいらん」と言われて置いてかれたあうんは一人縁側でぼんやり暇潰しを考えるのであった。
幻想郷 人里 稗田家 客間
アテナ《そして原初の大地母神との戦争は我らオリン十二神が勝利をおさめたのです》
???「…なるほど…八百万の神々の争いとは桁外れですね…山投げるんですか……?」
アテナ《文献や言い伝えに記述が無いだけでツクヨミやスサノヲもそれぐらいならできますよ…彼らはあまり下界に降りませんからね…》
和風の客間でアテナとちゃぶ台越しに向かい合っている和服を着たまだ齢十歳程度に見えるこの少女…彼女こそこの稗田家の当主、稗田 阿求である。今日は神世界随一の頭脳を持つアテナに神世界の歴史を教えてもらっているようだ。
アテナ《…それよりも私はあなた自身に興味がありますね。確か古事記の編纂者、稗田 阿礼の九回目の生まれ変わりですか…よく根の国の神々が許したものです》
阿求「…私達稗田家は歴史を紡ぐことを使命としています。それに妖怪達の言い伝えだけでは捏造し放題ですので、それを地獄の十王様達も懸念なされてたようです…なので私が転生を繰り返して『人間側』の歴史を記すことを許可してくれました」
アテナ《そのせいで三十ほどの年月しか生きられない苦しみの無限螺旋に陥ってもですか?》
阿求「…螺旋階段は永遠には続きません。いつかは次の階にたどり着きます」
阿求はアテナの鋭い目付きにも怯まず淡々と答えていく。部屋の音がだんだん遠くなり、まるでその場に二人しかいないように緊張感が増していく……
弾「失礼、阿求はいるか?」
アテナ《…!…弾…!》
阿求「え…弾様…どうかしましたか…!?」
弾「イヤそんな急用という訳でもないんだが…以前会談で場所を貸してくれた阿求に純狐が礼を言いたいそうなんだ…取り込み中だったか?」
阿求「いえ!でもすみません…お茶でも淹れようもあいにく私はこれから用事がありまして…」
純狐「…稗田の当主も忙しいのね…創界神と違って…」
すると客間の扉がノックのあと開いて弾と純狐が入室してくる。弾の登場に気をとられて鋭い目付きを解除したアテナに乗じて阿求はうまく話を反らした。
弾「…また鈴奈庵に出掛けるのか?」
阿求「…正直そちらに行きたいのですが……さすがに『閻魔様』の呼び出しをスルーするわけには……あんな長い説教はもうこりごりです…」
弾 純狐「「…それだ!!」」
阿求「へ…?」
阿求は以前(今世かどうかは分からないが)サボってとてつもないお説教をくらった経験があるようだ…その話をしている阿求の目からハイライトが失くなっているのがその証拠である…だが
彼岸 是非曲直庁 映姫の部屋
映姫「…それで暇潰しにここに来たと?」
弾「…今紫とは会いづらいし霊夢も魔理沙も永琳も隠岐奈も幽香もへカーティアも依姫もいないからすんごい暇」
純狐「閻魔様~お助け~♪」
ラー《…だが留守番役の我らが幻想郷を離れる訳にもいかんからな》
アテナ《…まぁ私も暇でしたし……》
来客用のめっちゃゴージャスなソファーに座りながら弾、純狐、ラー、アテナが要約すれば「何か暇潰しになるものない?」と問う。一方仕事用のデスクで魂の判決文を書いていた映姫は頭を抱えたが、本来の目的…阿求との話を始めた。
映姫「…稗田の…度々すみませんね。この時期は忙しくなるので……」
阿求「大丈夫ですよ。いつも転生の際にはお世話になってますし、いつもと同じように判決文の訂正確認ですよね?」
映姫「…ありがとうございます…さて…弾!仮にもあなたは幻想郷の主神なのですよ!必ずどこかに仕事があるはずでしょう!?」
ラー《…イヤ案外創界神って暇だぞ?》
アテナ《そうでないなら私やオシリスのような仕事に厳しい方の創界神達はこんな高い頻度で幻想郷に来れませんよ》
阿求の話を手短に片付けて映姫は早速弾に説教を開始…したがしょっぱなから出鼻をくじかれてしまった。ベテラン創界神のラーやアテナの言葉は相当に重い。映姫はなんとか言葉を捻り出す。
映姫「…それ以外にも人助けとか」
弾「…なら俺も手伝うか?判決文」
オシリス《お~い映姫、暇だったから貯まってた判決文仕上げたぞ》
説教中にオシリスが残りの判決文を持って入ってきたことは映姫にとってラッキーなのかアンラッキーなのか…閻魔としては仕事が減ってラッキーなのだが、創界神に手間をとらせてしまったということと「暇だったから」の部分が『創界神は暇である』という言い分を猛烈に擁護することになってしまった。
映姫「………はぁ…ですが」
小町「…バン!四季様!!一大事です…って弾!ちょうどいいところに!」
どうにか続けようとした映姫の言葉が勢いよく開いた扉の音と入室してきた小町の声に遮られる。いつもはサボって昼寝or酒場で一杯している小町とはまるで違う真剣な声色…映姫はすぐ事の重大さを察した。
弾「そんなに慌ててどうした?」
映姫「…まずは落ち着きなさい…どうしました?給料カットは申告したはずでしたが?」
小町「…そうなんですよ~自分はってそれはそれで一大事ですがもっと大変なことです!!」
少し本音が出かけた小町だが、すぐに意識をトラブルのことへと切り替える。
小町「地獄界の隣…畜生界から動物霊達が攻め込んで来ました!!」
はい。ありがとうございました。
ようやく阿求を出せました。普通は戦場に出ないあっきゅんですがうちのはバリバリ突っ込んでいきますよ~!