東方星神録   作:あんこケース

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新コラボ弾で仮面ライダーオーディンがとんでもない能力引っ提げて登場するらしいですね。創界神ネクサスのコア四個指定すれば相手何もできない……


※これはバトスピ小説です

白玉楼 庭 西行妖の根元

 

 

???「…もう少しよ…!もう少しで西行妖が満開になる…!」

 

???「…ええ…楽しみね……」

 

白玉桜の庭で満開寸前の西行妖を見上げているこの二人、片方はもちろん西行寺 幽々子…もう一人はなんと外の世界で紫達を翻弄したあの謎の女性だった。

 

幽々子「…それにしても~…なぜかあなたと初対面って感じがしないのよねぇ~…」

 

???「…気のせいじゃない…?」

 

霊夢「そこまでよ!!」

 

紫「…!あなたは…!外の世界で会った!」

 

幽々子の呟きを軽く聞き流していた女性の元に駆け込んできた霊夢と紫。そこにいた謎の女性に紫は驚きと怒りの眼差しを向けた。だがその女性が霊夢を見た瞬間……

 

???「……霊夢………」

 

霊夢「あ?…あんた…元凶の匂いがするわ!」

 

紫「…私だけじゃない…霊夢のことも知っている…?」

 

謎の女性はどこか悲しいトーンで霊夢の名前を呼んだ。霊夢がいつもの勘で女性を元凶認定する一方、紫は幽々子の姿を見て少し頭が冷えたのか冷静に状況を整理できていた。

 

幽々子「あら?紫じゃない。どうして博麗の巫女と一緒にいるの?」

 

紫「…幽々子…今すぐ西行妖を咲かすのをやめなさい…!」

 

幽々子「…紫までそんなことを言うのね。馬神 弾に毒されて風流を楽しむことを忘れてしまったのかしら?」

 

紫「……カチン!……どういう了見で弾にそんな言葉を吐いているのかこっちが聞きたいわね……」

 

その隣でほんわかな雰囲気を醸し出しながら紫と話している幽々子だが、弾を貶した発言が紫の神経を逆撫でした。さすがの旧友でもそれは紫に静かな怒りを燃やすには十分だった。

 

幽々子「え~?だって幻想郷がごちゃごちゃしたままにしているのは彼の仕業じゃなーい?」

 

紫「…そのごちゃごちゃこそ幻想郷らしさよ…!『幻想郷はすべてを受け入れる』の信条がそれを体現しているわ」

 

幽々子「でも美しくないわ。枯山水の如くこの幻想郷を整地すべきよ…だからこの異変で馬神 弾を誘きだそうと思ったのだけど…」

 

紫「……そう…あなたの考えはよくわかったわ…」

 

紫はそう言うとクルッと踵を返して幽々子に背を向ける。西行妖から散った花びらがサァーと二人の間を吹き抜けていった…それは紫の踏ん切りがつくことの合図でもあった…!

 

紫「…廃線『ぶらり廃駅下車の旅』!!」

 

???「…!しまった……!ぐはっ!!」

 

幽々子「え?きゃぁぁぁぁ!!!?」

 

振り向き様に紫はスペルカードを宣言した。すると紫の背後に開いたスキマから廃電車が飛び出しで二人を跳ねていった。謎の女性はとっさに結界でも張ったのか呻きながら地面に転がるだけだったが、まさか紫から攻撃させるとは微塵も思っていなかった幽々子は防御できずに吹っ飛んでしまう。

 

 

紫「霊夢!あなたはあの女を潰しなさい!」

 

霊夢「…そっちは良いの?旧友なんでしょ?」

 

紫「…本音をぶつけられない旧友なんてどこにいるのかしら?」

 

霊夢「…さっさと片付けてよ!」

 

紫の言葉に霊夢は自分にも腐れ縁の友人(普通の魔法使い)が居たなと思い返し、体勢を立て直した謎の女性と向き合う。そして紫は飛ばされていった幽々子のあとを追った。

 

???「…っっ…!まさか手加減なしの攻撃をしてくるとは…!」

 

霊夢「さぁ!あんたの相手はこの私よ!神妙にしなさい!!」

 

???「…ふふふ…いえ…あなたの相手は彼女よ…ふんっ!」

 

廃電車が直撃して半壊した白玉桜の瓦礫から這い出てきた謎の女性はまたもやお札を取り出す。しかし今回はそのお札を自分の隣にばらまくと、それらは集まってカーテンの形状になる。するとそこからとある人物が現れた……

 

???「…あとは任せたわよ……萃香…」

 

萃香「ニャハハハハ!任された!」

 

霊夢「な…!?萃香!?」

 

現れたのは鬼の四天王 伊吹 萃香だった。反対に謎の女性はお札のカーテンをくぐるとカーテンごと姿を消してしまった。

 

萃香「さぁて…!どうする?博麗の巫女…?こっちはどんな勝負でも受けてたつよ?」

 

ゼウス《…霊夢、彼女の懐から禍々しいオーラを感じる…直接の殴り合いは避けるべきだ…!》

 

霊夢「…そんなこと言われなくても鬼とリアルファイトなんて…こっちから願い下げよ!」

 

霊夢 萃香「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

白玉桜 枯山水の庭

 

 

幽々子「…いたた……」

 

紫「…シュタッ!立ちなさい…私はまだ満足してないの」

 

白玉桜の縁側にある枯山水まで飛ばされた幽々子に紫が追い付く。見事な枯山水の庭も紫の廃電車が転がって見るも無残な光景になっているが、そんなことも気にせず紫は鋭い目で倒れている幽々子をにらみつけていた。

 

幽々子「……そう…あなたは馬神 弾側なのね……セイッ!」

 

紫「…ふっ!!」

 

幽々子の扇子と紫の結界がぶつかり合う。そのまま幽々子は舞うように扇子をぶつけていくが、異常なほど展開が速く硬い紫の障壁を幽々子は破れなかった。

 

幽々子「…桜符『完全なる墨染の桜』!!」

 

紫「無駄よ…パチン!」

 

幽々子「…うぐぅ……!!」

 

接近戦では埒があかないと判断した幽々子はスペルカードで無数の弾幕を紫の頭上へと放つ。空に光輝くその弾幕はまるで満開の桜吹雪のよう……だが紫はスキマで自らの頭上の空間と幽々子の背後の空間を繋げる。

 

スキマに吸い込まれた幽々子の弾幕はもうひとつのスキマから放出され、幽々子自身にクリティカルヒットした。

 

紫「『拘束結界』…『双龍炎魔脚』!!」

 

幽々子「…ぎゃ…!」

 

紫は容赦なくふらついた幽々子をスキマで拘束すると、右足に赤い炎、左足に紫色の炎を燃やして動けない幽々子を連続で蹴り飛ばした。符名を言わないあたり手加減なしの攻撃なことが分かる。

 

『最古の妖怪』の二つ名を持つ紫の渾身の一撃に幽々子はたまらず宙を舞い、枯山水の石にぶつかって地面に倒れ伏した。

 

紫「…幽々子…あなたじゃ私に勝てないわ。あなたの能力は有無を言わさずに即死させることはできるけど、半殺しにはできないから…まぁ…私を殺せるなら話は別だけどね」

 

幽々子「…………あら……ナメられたものね…!!」

 

アレックス《…紫さん!後ろ!!》

 

紫「え……はっ!!?」

 

幽々子が自分を殺せないと踏んでいたからか紫は僅かに注意が散漫になっていた。体内のアレックスの言葉に本能で身をよじった紫のすぐ隣を何かが通過していった。

 

幽々子「…ふふふ……崩符『喜劇の虞美人』……!」

 

むっくりと起き上がった幽々子が不気味な笑みを浮かべて宣言したスペルカード…すると白玉桜に咲いている桜の木の根っこが地面から生えてきて、一斉に紫めがけて襲いかかった。

 

紫「…ちぃ!」

 

幽々子「あはは!!さっきまでの余裕はどうしたのかしら!?」

 

数えきれない木の根を紫は空中を飛び回ってかわしていく。しかし紫はなんとかかわしたり、光弾や結界で弾いていくのが精一杯だった。それほどまでに根の量が膨大だったのだ。

 

幽々子「……崩符『親譲りの無鉄砲』……!」

 

紫「…しまっ!…がはっ……!!」

 

根を避けることに夢中になっていた紫は新しいスペルを使った幽々子に気がつかなかった。今度は舞い散る桜の花びらすべてが鋭い刃へと変わると、根の隙間から紫に放たれた。

 

紫はなんとか防御しようと結界を張ったが、そのあとに続いて来た根の攻撃に結界は耐えられず、紫はそのまま地面に叩きつけられてしまった。

 

幽々子「終わりよ…!崩符『精神向上の無い者』!!」

 

ボルグ《そこまでです!!》

 

アレックス《グラン・デーヴァ…斬り!》

 

地面で転がる紫の真上から幽々子が大量の桜の根っこと花吹雪を降らせたが、紫から出てきたシュタイン・ボルグの魔法とアレックスの斬擊が防ぎきった。

 

幽々子「…こうなると…こちらの分が悪いわね……あら…?」

 

紫「…ハァ…ハァ…なら素直にこっち(バトスピ)で…ハァ…蹴りをつける?」

 

幽々子「ええ。でも後悔しないことよ…?」

 

さすがに創界神と十二宮も同時に相手取ることは厳しいと見た幽々子に紫はすぐさまバトスピでの決着を持ちかけた。幽々子も紫の何かに勘づいたのか、迷うことなく了承した。

 

紫 幽々子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 




はい。ありがとうございました。

紫のリアルファイトを描写するのは本当に難しかったです…書籍とかで戦闘描写がないので……自分的にですが紫のバトルスタイルは傘や扇子よりも、持ち前の頭脳で超高度な魔法演算していく方がしっくりくるのですが…

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