東方星神録   作:あんこケース

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貧乏バトスピあるある…化神と創界神が合わなくてデッキ組むのに予算が足りない。何でヴァルカン・ゴレム三枚来るねん!ツクヨミ欲しいのに!


二幕 子の刻

迷いの竹林 上空 魔理沙&アリスサイド

 

 

動物霊《ギャォォォォ!!》

 

魔理沙「この…!マスタースパーク!!」

 

魔理沙が杖から放った極太のレーザービームが無数の動物霊達に命中して、次々と消滅していく。だが数が数なので総数の半分も減らすことはできなかった。

 

魔理沙「クソ!数が多すぎる!」

 

ロロ《あせるな…少しずつ潰していこう!》

 

動物霊《グギャァァァァァ!!》

 

 

妹紅「おらよ!」

 

アリス「ふっ!」

 

その近くでアリスと妹紅は蹴りの肉弾戦を繰り広げていた。さらに妹紅が放つ炎と水がアリスの魔法や糸とぶつかり合って、いくつもの小さな爆発が迷いの竹林の空を照らしていく。

 

妹紅「へぇ!魔法使いってのは貧弱な奴ばかりじゃなかったんだな!」

 

アリス「…御生憎…殴り合いは好きじゃないの…!魔糸『王羽緋糸(オーバーヒート)』!!」

 

妹紅「ぎゃ…!!…っう…!」

 

軽口を叩いた妹紅の腹をアリスが精製した糸の槍がとてつもない速度で貫いた。不死身の妹紅と言えどこれには顔を歪ませ、アリスから距離をとる。

 

妹紅「…いてて…ならこれだ!」

 

ヘラ《…!あれは…神話ブレイヴ…?》

 

妹紅は腹に空いた穴を炎で再生させると、身体から放った水の龍を一本の剣へと変化させた…峰にノコギリのようなギザギザの突起がついているのを見ると『荒波霊刃アラナミ』だと思われる…そして妹紅はアラナミを両手で握りしめ、真っ直ぐ上に剣先を向けた。

 

アリス《……大技が来る!》

 

妹紅「食らえ!!荒符『藤原之轟炎』!!!」

 

妹紅の声と共にアラナミが激しい炎に包まれて妹紅の身長サイズの炎剣になる。アリスとしては月を背景に空にそびえる赤い炎は非常に風流で映えたが、その切っ先が自らの頭上に振り下ろされるとなれば話は別だ。

 

アリス「…ボソッ…」

 

妹紅「もらったぁぁぁぁ!!」

 

アリスは迫ってくる炎の刃を眉ひとつ動かさず何か一言呟く。その瞬間炎のアラナミがアリスの脳天に直撃した…!

 

妹紅「…なんだ、意外とあっけなむぐぅぅ!?」

 

アリス「…糸符『身代わりの糸人形』…今斬ったのは魔力の糸で編んだ偽物よ」

 

ヘラ《お見事!(ノ゚∀゚)ノ今やで!》

 

無抵抗のまま斬られたアリスに妹紅はため息をつくが、そのアリスが突然糸に変わると妹紅の身体を縛り上げてしまう。妹紅が脱出しようとじたばたしている背後で『本物』のアリスが得意気に微笑んでいた。

 

さらにアリスの背中の翼は白から黒に変わり、周りには上海人形サイズの6体の人形…アリスや弾とは違う神力を纏っている所からヘラの眷属…が爆弾や剣を構えて浮遊している。

 

 

アリス「行きなさい!人形達!咒符『妬みの女王人形』!!」

 

ヘラ《総攻撃や!》

 

アリスとヘラが指示すると、ヘラの人形達が一斉に襲いかかった。爆弾ドール ミモザはお手製爆弾を投げつけ、剣帝ドール アンシャンテと黒嫁ドール ザンシアの剣が×の字に斬る。

そして白嫁ドール アルディラ、少女ドール ジェラ・レディの魔法陣、そして拳銃ドール バーボネラのピストルから放たれた魔弾が動けない妹紅に次々とヒットしていく……

 

妹紅「がっ!…ズザザザ…ぐぅ…か、火力が高すぎて…リザレクションが間に合わない…!!ん!?」

 

アリス「星符『プルートシャリオ』!!」

 

創界神の眷属達の攻撃に妹紅は吹き飛ばされて地面を転がる。なんとか態勢を起こして上を見た瞬間、紫色アメジストが埋め込まれた神話ブレイヴ『儀式霊刃ダルクリス』の刃が目の前にあった。

 

妹紅「ぎゃぁぁぁ!!」

 

アリス「……ふぅ…弾の力も慣れてきたわね…」

 

ヘラ《…不死身とはいえ…やり過ぎちゃうん?》

 

弾の星力が込められたダルクリスが妹紅の上半身を切断する…妹紅は上半身と下半身が分離してしまったが、すぐさま炎があがって妹紅の下半身が上半身にくっついた。しかしあまりにも酷い痛みに妹紅は再び地面を転がって悶え苦しむ。

妹紅「…はぁ…はぁ…!いてぇ…!」

 

アリス「…《今ならバトスピの勝負に持っていける!》…不死身ってめんどくさいわね。さっさと終わらせたいからカードバトルで決めましょ」

 

妹紅「…あぁ…乗った!」

 

なんとか立ち上がった妹紅にアリスは即座にバトルを提案する。その誘いに妹紅は痛みをこらえながら応じた。

 

アリス 妹紅「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

同じく 迷いの竹林

 

 

 

フラン「…もう!数多い~!!」

 

忍者《…グググ…》

 

霊夢「知ったこっちゃないわ!!あのイタズラウサギをしばければどうとでもなる!」

 

レミリア「…さぁて…追い詰めたわよ!!」

 

てゐ「…うぇぇ…しつこい…」

 

竹林内部では蟲忍者達をフランが、罠を仕掛けながら逃げるてゐを霊夢とレミリアが、そして鈴仙は咲夜と妖夢が相手をしていた。

 

フラン「ドガガガガン!!」

 

蟲忍者《ガギャァァァ!!》

 

シヴァ《よし!あらかた片付いたな!》

 

レミリア「紅符『不夜城レッド』!!」

 

霊夢「雷符『博麗ケラノウス』!!」

 

てゐ「ギャァァァァァ!!」

 

 

蟲忍者達はフランの連続破壊技に耐えられずに倒れていく。てゐもレミリアの十字架型の弾幕で罠を吹き飛ばされ、その爆発で足が止まった所に霊夢の蹴りが炸裂した。

 

鈴仙「…バババババ!…ど、どうして当たらないの!?」

 

咲夜「…カッ!…妖夢、狂気の瞳が来るわ。任せて良い?」

 

妖夢「了解…パチッ……」

 

鈴仙「ええい!『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』!!」

 

さらに鈴仙は咲夜の『未来予知』によって弾道を読まれ続けているため、一発も弾丸を当てられずにいた。それならばと顔に手を当てお得意の『狂気の瞳』を発動したが………

 

妖夢「……斬!!」

 

カグツチ《…うん、なかなか様になったね》

 

鈴仙「え…きゃぁぁ!!!?」

 

気配を感じとることに長けた妖夢が目を閉じると、鞘に刀を戻して居合の構えをとる。そして発動した狂気の瞳をすぐ打ち破り、鈴仙を切り裂いた。

 

妖夢「抵抗しても無駄です!こちらの方が戦力的には勝っています!」

 

鈴仙「…はぁ…はぁ…まずい…!」

 

咲夜「…!…あなたは!?」

 

???《あら、それ『分神』かしら?タカミムスビさんを思い出すわね》

 

突然声が響き、竹林の奥から歩いて来たのは先ほどまで永琳と話していた実験服の女性だった。彼女から放たれる強大なエネルギーに霊夢、レミリア、咲夜、フラン、妖夢は目線を向けて身構える。

 

フラン「…おばさん、だぁれ?」

 

シヴァ《…やっぱりな…思いたくなかったが……!蟲の忍者はお前の眷属だったな!!ウカノミタマ!!

 

ウカノミタマ《…おばさん…って…私はまだピチピチの十億代よ!…あぁ…いけないいけない……プカー…》

 

シヴァの叫びを完全にスルーした彼女…ウカノミタマは怒りで狐の耳と尻尾が出てしまうが、すぐに懐から出したキセルを咥えて気分を落ち着かせた。

 

ウカノミタマ《…ふぅ…さて…あんた達、ずいぶんうちの眷属達を始末してくれたわね。まぁすぐ復活させるから別に良いけど…はぁ!!》

 

蟲忍者《…グググ…ォォォォォ!!》

 

フラン「え!?さっきどっかーんしたのに!?」

 

カグツチ《…彼女は生命の女神…命を与えることも容易くできるんだよ…》

 

キセルを咥えたままウカノミタマは手のひらを倒れた蟲忍者達に向ける。すると緑の光に包まれた忍者達がムクムクと起き上がってきた。

 

ゼウス《…貴様…!裏切りおったな!》

 

ペルセポネ《しかも死者を甦らせるのは『死』を冒涜しています!冥府の女神として見逃せません!》

 

ウカノミタマ《…ふーん…あなた達も()()と同じことを言うのね…》

 

霊夢「…今何て言った…?」

 

ゼウスとペルセポネが怒りを露にする一方、ウカノミタマ自身は至極どうでも良さそうに呟いた名前…それに霊夢は動揺を隠せなかった。なぜならその名前は……

 

霊夢「何であんたがお母さんの名前を知ってんのよ!!」

 

ウカノミタマ《……何のことよ…突然》

 

霊夢「とぼけるな!!お母さんは生きてるの!?どこにいるのよ!!!?答えろ!!

 

ウカノミタマ《…ならこいつらを倒してからにしなさい!》

 

てゐ「…ブスッ!…」

 

鈴仙「…う…ブスッ!」

 

霊夢は平時の口調をかなぐり捨てて叫ぶ。ウカノミタマは『しまった』と言う顔をすると地面から根を伸ばし、てゐと鈴仙に突き刺した。すると根からエネルギーが二羽に注ぎ込まれ、目が黒く濁ったように染まる…

 

鈴仙「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

てゐ「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

フラン「…いたっ!?」

 

レミリア「…ッッ!発狂している…!?」

 

ウカノミタマ《…うふふ…ではごきげんよう…》

 

霊夢「…ぐぅ!待て!!」

 

見るからに注ぎ込まれた膨大なエネルギーを制御できてない二羽は奇声をあげながら辺り一面に弾幕をばらまき始めた。コントロールできてないとは言え、創界神の力で超強化された攻撃にフランやレミリアは完全には防げず、後ずさってしまう。

 

それを見たウカノミタマは不適に笑うと、霊夢の声を無視してユラユラと霧のように消えていった。

 

咲夜「…ちぃ…!妖夢!鈴仙を任せるわ!」

 

妖夢「…くっ…ガキン!わかった!」

 

てゐ「ぃぃぃぃ…」

 

鈴仙「…ぁぁぁぁ…!」

 

弾幕で霊夢やレミリアが怯む中、時間を止めてかわせる咲夜と剣士持ち前の気配察知能力で弾幕を斬る妖夢が二羽の前に躍り出た。

 

咲夜「…悪いけど…負ける未来は見えないわ」

 

妖夢「…参る…!」

 

 

「ゲートオープン!界放!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

ウカノミタマさん、敵です。実際にバトルするのはかなり先…ツクヨミとの絡みができるまで…ゲフンゲフン…

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