東方星神録   作:あんこケース

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あけおめ~♪箱根駅伝見ながら投稿しま~す!


四幕 丑の刻 丑三つ時

アリス「…あら?蓬莱人なのにずいぶん具合が悪そうね。この竹林の名医に診てもらったら?」

 

妹紅「…この…!誰のせいだと…!メインステップ!ゴッドシーカー パラサノカンナギを召喚!デッキを三枚めくる!」

 

アリスの冗談に妹紅はキレ気味(そりゃ何度も殺されてりゃそうなる)に恐竜の祈祷使を召喚する。オープンされたのは三ツ首恐竜ロマレオノアラガミ、創界神スサノヲ、護国ノ威光だった。

 

妹紅「…スサノヲとロマレオノアラガミを回収して残りはデッキの上へ。ターンエンド」

 

アリス「メインステップ。神世界の人形使!創界神ヘラを配置!神託でコア一つを置いて…最小の闇!魔界七将ベルドゴール!」

 

ヘラ《うっし!やるでぇ~!》

 

アリスはヘラを呼び出し、フィールドにもローブ姿の悪魔を召喚した。ベルドゴールの召喚時効果でコスト4以下のパラサノカンナギのコアが外され、消滅させた。

 

アリス「ターンエンドよ」

 

妹紅「…うげ…メインステップ!スサノヲの轟天神殿、二色の竜操る神!創界神スサノヲを配置!神託によってコアを二つ追加!さらにバーストセット!」

 

スサノヲ《…………》

 

パラサノカンナギがいなくなったことで妹紅としては轟天神殿やスサノヲの配置に軽減ができなかった。なのでこれ以上今のターンでできることはない。

 

妹紅「…ち…ターンエンド」

 

アリス「…そ…メインステップ。ゴッドシーカー 司書ドールレナを召喚。そしてデッキを三枚オープンするわ」

 

軽く舌打ちした妹紅とは対照的にアリスは冷静にターンを進める。召喚された司書官の人形がめくったのは魔界七将デストロード、鬼神女王ジェラシックドール、そしてNo.3ロックハンドだ。

 

アリス「ジェラシックドールを回収。さらに…そうね…ネクサス、魔帝の墓標を配置しようかしら。ターンエンド」

 

ヘラ《…んー…ラーやツクヨミほどは刺さらんけどなぁ…》

 

アリスが次に出したのはフィールドを薄暗い墓地に変えた一つの墓標だった。これでアリスも妹紅もコア一個のスピリットはアタック/ブロックが出来なくなる。

 

妹紅「…墓標ねぇ…あたしにゃ一番縁遠い物だな。メインステップ!三ツ首恐竜ロマレオノアラガミ、シロイワノハイドラを召喚!両方コアを二つ乗せる!」

 

魔帝の墓標を自嘲染みた笑みで眺めた妹紅はアシカの胴体にシャチのような頭が三つのドラゴンと背中の青い突起が目立つ白い二つ首竜を召喚した。

 

妹紅「アタックステップ!レベル2のロマレオノアラガミでアタックだ!創界神のコアを外してコスト4以下のレナを破壊!さらに連鎖で一枚貰う!」

 

アリス「…ライフで受ける!…んん!」

 

ロマレオノアラガミがフィールドを泳ぐように移動してレナを突き飛ばす。さらにアリスのライフを噛み砕いた。その痛みは萃香の時と同じぐらいだったので、アリスは妹紅のデッキに()()がいると確信した。

 

妹紅「ターンエンド」

 

アリス「…まぁ…そのカードは予測できないし…メインステップ。嫉妬を司る呪い人形!鬼神女王ジェラシックドールを召喚!召喚時効果でデッキを一枚オープン!!」

 

ヘラ《…へ…うちの神技はええの?》

 

アリスは謎のカードのことを脳内から追い出し、ジェラシックドールを召喚する。ヘラはジェラシックドールの糸を編みながら首をかしげたが、アリスの決断を優先させた。

 

そしてめくられたカードはコスト3「少女ドール ジェラ・レディ」だったのでジェラシックドールは身体から糸を伸ばして妹紅のスピリットを縛り上げ、ロマレオノアラガミは消滅した。

 

妹紅「バーストもらった!護国龍オオナムチハイドラ!……ベルドゴールを破壊する!!」

 

アリス《…ジェラシックドールじゃない…?破壊時界放を嫌ったのかしら?》

 

スピリット消滅をトリガーにして妹紅は銀の巨竜を召喚するが、バースト効果で破壊したのはベルドゴールだった。それにアリスは口には出さず考えをまとめた。

 

アリス「さらにマジック!デッドリィバランス!お互いスピリットを一体ずつ選んで破壊するわ!ジェラシックドールを指定!」

 

妹紅「…ったく…こっちはオオナムチハイドラだ」

 

アリス「…ジェラシックドールレベル2の界放を発揮!ヘラのコア二個を置いてトラッシュの式鬼神オブザデッドを手札に戻すわ!」

 

続けざまにジェラシックドールとオオナムチハイドラが紫色の煙に包まれ、苦しみながら消えていく。すると消えたジェラシックドールの煙がトラッシュの式鬼神オブザデットをアリスの手札に返した。

 

アリス「バーストを伏せてターンエンド」

 

妹紅「…メインステップ!もう一度バーストを伏せて…荒波霊刃アラナミ、燃え上がる炎の剣!敵を凪ぎ払え!恐龍武神ムラクモレックスをレベル2で召喚!!そしてアラナミを合体だ!」

 

妹紅のフィールドが一部海陥没して水溜まりができる。そこから一本の剣が飛び出してくると、スサノヲの剣の炎から現れたムラクモレックスがアラナミを掴んで大きく上段に構えた。

 

妹紅「アタックステップ!合体アタックだ!天界放を使ってコアを増やし回復する!さらに相手の創界神のコアをボイドへ!」

 

アリス「…良かった…先に界放使っておいて…」

 

ヘラ《は~…せやったら先に界放したのも納得やわ》

 

ムラクモレックスが大きく咆哮して走り出す。その咆哮がヘラのコアを削り、自身を鼓舞して回復させた。ヘラはアリスがこれを警戒して早めにジェラシックドールを召喚したことに気がついた。

 

アリス「ライフで受ける!バースト発動!!魔界七将ベルゼビートの効果でトラッシュからベルドゴール、レナ、ジェラ・レディを蘇生させるわ!」

 

ヘラ《…まずはジェラ・レディの効果で一枚引いて…レナの効果でオープン!その中のソーディアス・アーサーを貰うで!》

 

ムラクモレックスはアラナミでアリスのライフを切り裂いたが、アリスのバーストが発動し、黒球から出てきたベルゼビートが三体のスピリットを復活させていく。

 

アリス「…いたた…まぁこんなもんかしら?」

 

妹紅「うへっ…ターンエンド」

 

アリス「…さて…メインステップ。もう一度バーストをセットして魔界騎士デストロイデンをレベル3で召喚してデッキから二枚ドロー……!…」

 

ライフを三つも削られているが、アリスは普通にターンを進めて二頭の魔界騎士を召喚した。するとその召喚時効果で引いてきたカードを見て、アリスはこのバトルで初めて驚いたような表情を見せた。

 

アリス「出てきたアタックステップ!行きなさい!デストロイデン!アタック時効果でトラッシュのコスト7の呪鬼を一コスト召喚するわ!戻りなさい!ジェラシックドール!!コアはベルドゴール、レナ、ジェラ・レディから確保」

 

ヘラ《もう一発デッキをめくるでぇ~!》

 

飛び出したデストロイデンが両手の剣を振るうとヘラに力が溜まり、ヘラによって新調されたジェラシックドールが再びアリスのデッキをめくる…

 

アリス「…ロックハンドね…ムラクモレックスからコア四個をトラッシュへ」

 

妹紅「…あっぶね…バースト発動!!カムナビノミコトのバースト効果でジェラシックドールをもう一度破壊する!そしてムラクモレックスにコア二つを乗せて召喚!」

 

アリス「ならこっちも界放よ。ムラクモレックスを破壊してトラッシュのデッドリィバランスを手札に戻すわ」

 

妹紅のバーストから五つ首の亀のような身体をしたドラゴンがジェラシックドールを押し潰しながら現れる。しかしアリスも界放を使い、ムラクモレックスを煙で破壊&トラッシュからマジックを回収した。

 

この流れ…ジェラシックドールの糸が妹紅のスピリットのコアを外し…妹紅のバーストが発動…そしてジェラシックドールの破壊時界放で妹紅のスピリットが破壊され、トラッシュのカードが手札に戻る…前のターン見た動きがまた起きていた。

 

アリス「…そして今回収したデッドリィバランスを再度使用!今回はデストロイデンを指定!さらに破壊されたときもデストロイデンはジェラシックドールを蘇らせる!!」

 

妹紅「…あぁもう!またかよ!…カムナビノミコトを指定…」

 

ヘラ《…めくったけど…パンデミウムは呪鬼持ってへんな…》

 

ジェラシックドールの効果を存分に使ってアリスは妹紅のスピリット達を破壊/消滅させていく。だが三回目の召喚時効果は不発してしまったようだ。

 

アリス「問題ないわ。続けてジェラシックドールでアタック!残ったアラナミを破壊よ!」

 

妹紅「ライフで受ける!!」

 

ジェラシックドールが地面に刺さったアラナミを蹴り砕き、足から伸びた五本の糸ノコが妹紅のライフを切り裂いた。

 

アリス「ターンエンドよ」

 

妹紅「…ズキッ…い…頭が…!?メイン…ステップ…!ゴッドシーカー カミムスビハイドラ、新しいシロイワノハイドラを召喚…!」

 

ライフを削られたことにより、妹紅の記憶改変の兆しが見えてきた。妹紅は頭痛に悩みながら三つ首の小さなドラゴンと新たにシロイワノハイドラを呼び出す。

 

そして…カミムスビハイドラの召喚時効果でオープンされたカードは…三つ首恐竜ロマレオノアラガミ、白晶防壁、さらに……轟海覇神ヤマタハイドラノカミ…!!

 

妹紅「っしゃ!コイツを手札に加えてそのまま召喚!!青き大波!すべてを飲み込む八首の龍!!召喚!轟海覇神ヤマタハイドラノカミ!!天界放でジェラシックドールとベルゼビートを破壊する!」

 

アリス「なら一体スピリットを破壊して貰うわよ?」

 

妹紅「わーってるよ!カミムスビハイドラを指定!」

 

スサノヲから沸き立った無数の水の龍がフィールドで一つに収束していく。その中から尻尾に剣を着けた八首の巨大ドラゴンが現れた。

 

そのヤマタハイドラノカミはスサノヲの力を吸収して青く輝く。そして8つの首からビームを放ち、ジェラシックドールとベルゼビートを撃ち抜いたが……また破壊されたジェラシックドールの煙がカミムスビハイドラを道連れにしていった。

 

妹紅「とどめだ!アタックステッ」

 

アリス「バースト発動!!砂海賊神ファラオム!ヤマタハイドラノカミを破壊してターンを強制終了!!」

 

妹紅「……は…?」

 

ヘラ《…セーフ…!》

 

「決まった!」と言わんばかりにアタックステップを始めようとした妹紅の自信はアリスのバーストから現れた獣頭のファラオにヤマタハイドラノカミごと打ち砕かれた。

 

妹紅「…ま、マジかよ……」

 

アリス「…ふぅ…危なかった。メインステップ!…まさかピン指しで来るとは思わなかったわ。魔界軍師イノゲラトゥを召喚!!デッキ上十三枚の中から一コストで召喚する!魔界神デスフェルミオン!!」

 

ため息をついて安心したアリスは微妙な顔つきで一体の呪鬼スピリットを呼び出した。その召喚時効果は…デッキをデスフェルミオンが出るまでオープンしてその中のデスフェルミオンを一コストで踏み倒す…

 

その効果をイノゲラトゥは剣を垂直に空へ掲げることで発揮する。すると紫色の光が天空に伸び、空からデスフェルミオンが禍々しいオーラを纏って降臨した…!

 

アリス「召喚時効果でシロイワノハイドラのレベルコストを上げて消滅!スピリット達をレベル2に上げてアタックステップ!イノゲラトゥでアタック!デスフェルミオンの効果でスサノヲのコアをボイドへ!」

 

妹紅「…まだだ…!BP8000以上のスピリットがアタックしたので召喚…!漆黒の龍戦士!ブラックウォーグレイモン!召喚時効果でイノゲラトゥを破壊だ!」

 

アタックしていたイノゲラトゥが突然切り裂かれて爆発する。爆煙が晴れると、両手に大きな爪を持った黒いドラゴンが立っていた…

 

アリス「…ソイツね…さらにファラオムでアタック!」

 

妹紅「ライフで受ける!」

 

アリスは続けざまにファラオムをアタックさせる。ファラオムが青い球を投げつけてライフを砕いた。

 

アリス「デスフェルミオンでアタック!!スサノヲのコアをさらにボイドへ!」

 

妹紅「だがそのデカブツのアタックはこっちのライフにゃ通らない!」

 

アリス「…忘れた?フラッシュタイミング!式鬼神オブザデッド!…もう何回目かしら…トラッシュからジェラシックドールをレベル2で召喚!!」

 

妹紅「……げ!?」

 

ヘラ《…うち…糸編むの疲れてきたわ…》

 

デスフェルミオンがゆっくり妹紅のライフを削ろうと動き出す。妹紅はブラックウォーグレイモンでブロックしようとしたが、アリスのマジックによって再度ジェラシックドールがヘラの手で編まれて召喚された。

 

アリス「オープンされたのはジェラ・レディ、ブラックウォーグレイモンのコア三個を外す。これでブラックウォーグレイモンのコアは一つだけだから魔帝の墓標の効果でブロックできない!」

 

ジェラシックドールが何度目か分からない糸攻撃でブラックウォーグレイモンの力をすいとり、デスフェルミオンは大きく二本の剣を振りかぶった。

 

アリス「思い出しなさい!なぜあなたが生きるのか!!」

 

妹紅「…う…!ぐぅ…!!」

 

アリスの叫びに呼応してデスフェルミオンが×の字に妹紅のライフを3つ一気にぶったぎった!!

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「……ぅぅ…気持ち悪い…二日酔いしたような…」

 

アリス「…蓬莱人も酒には酔うのね…」

 

魔理沙「おーい!アリス~!こっちも終わったぜ~!」

 

地面に転がって突っ伏している妹紅と『分神』状態を解いて一息ついたアリスの元に動物霊の群れをすべて駆逐した魔理沙が意気揚々と降りてきた。

 

魔理沙「見たところ勝ったらしいな。どうだ?新しく考えたコンボは?」

 

アリス「なかなか面白かったわ。誰かさんのような脳筋使いにはできない戦法ね」

 

魔理沙「あん(# ゜Д゜)!?誰が脳筋だよ!?」

 

アリス「うるさいわね…モノクロ魔法使い…」

 

魔理沙「モノクロのどこが悪いんだよ!」

 

アリス「悪くないけどカラーにしなさいよ」

 

ロロ《…おーい…》

 

そんなじゃれ合いを続けていた二人はロロの声で現実に戻った。そして改変が解けた妹紅に状態を説明する。

 

妹紅「…ほ~…なら永遠亭に直行だ。確かあのイタズラウサギの罠抜けルートはまだあったはず…」

 

アリス「頼むわよ」

 

魔理沙「…弾は…大丈夫か」

 

妹紅が少し思案して竹林に飛び込んでいく。そのあとを二人の魔法使いが追っていった。

 

 




はい。ありがとうございました。

『呪鬼ループ』考えた人は天才だと思います。でも小説だと描写が単調になるので…もうやりたくない…

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