てゐ「ぅぅ…!!」
咲夜「…少し待ちなさい。メインステップ。冥府の姫君!創界神ペルセポネ!神託の効果でコア二個置くわ。さらに黄昏のキャメロット城を配置」
ペルセポネ《へへ…調教の時間よ…!》
咲夜は背後にペルセポネ、さらに後ろに雲に包まれた西洋館を配置する。
咲夜「ターンエンド」
てゐ「ぅぅ…メインステップ…!ネクサス、No.46ディアチャイルドアイランドを配置…!ターンエンド…!」
苦しみながらてゐは緑の半島に挟まれた島を配置した。このネクサスは召喚されるコスト5以下の爪鳥/遊精を持たないスピリットを疲労させると言うものだ。
咲夜「…厄介なネクサスを…メインステップ。キャメロット城をレベル2に上げて…もう投入しちゃっても良いわよね。冥府の魂操る蛇!猛毒神鞭タルタロス!!ペルセポネにダイレクト合体!」
ペルセポネ《きたきた!》
咲夜がカードを振り下ろすように召喚する。その直後バトルフィールドの地面に黒い大穴が開き、中から出てきた蛇が描かれた黒い鞭がペルセポネの手に収まった。
咲夜「…でもこれで余ったコアは無いのよね…ターンエンドで」
てゐ「ぅぅ…メインステップ…!ヤクヤナギを召喚…!アタックステップ…!ヤクヤナギでアタック!」
咲夜「ひとまず黄昏のキャメロット城の効果で自分のデッキを三枚トラッシュに置くわよ」
コアを使い終わったので、咲夜はてゐにターンを返した。今度のてゐは小さな緑の水牛を呼び出し、そのまま攻撃させた。このスピリットは『遊精』を持っているので、ネクサスの効果で疲労はしない。
咲夜も配置したキャメロット城を使ってトラッシュを肥やしていった。
てゐ「…フラッシュで神速…!フィールドを駆ける小さき戦士!辛速の勇者ソニックワスプ・A!レベル2で召喚…!」
ペルセポネ《…ああ…ヤクヤナギの効果で緑の軽減シンボルが増えてるから1コストで召喚されたのね…ってソイツはまずい!》
てゐ「召喚時効果…お互いのトラッシュにある一種類のカードすべてを除外する…!スピリットを指定…!」
アクロバティックな動きでバトルフィールドの外周を飛び回りながら一体の蟲人が現れる。するとキャメロット城やペルセポネの神託で咲夜のトラッシュに落ちていたスピリットカードがすべて消滅してしまった。
咲夜「…ち…ヤクヤナギの攻撃はライフで受ける!」
てゐ「…さらにソニックワスプ・Aでアタック!コアブーストしてバトル後手札に戻る…!」
ヤクヤナギの角が咲夜のライフを貫くと、続けてソニックワスプ・Aがキックでさらにライフを蹴り砕いた。さらに蹴った勢い。利用してソニックワスプ・Aはてゐの手札へ戻っていった。
てゐ「…ターン…エンド…!」
咲夜「…面倒なバトルになりそうね…メインステップ。堕天騎士ベリアルドをレベル2で召喚!ここでタルタロスの創界神合体時効果が発動するわ!」
ペルセポネ《私のコアが四個以下なので、召喚されたスピリットの『毒刃』を発揮して下に置かれたカードの数だけベリアルドにコアを増やす!》
咲夜はトラッシュ肥やしを諦め、大きな黒い翼を持った堕天騎士を召喚する。それに呼応してペルセポネのタルタロスが妖しく光を発し、ヤクヤナギは毒を食らってよろめき、ベリアルドは逆にパワーアップした。
咲夜「さらに堕天騎士タムズを召喚してワンドロー、ネクサスの効果で疲労してしまうけど再度タルタロスの効果が発動よ!さらにカードを置いてコアブースト!」
増えたコアを使って咲夜はタムズを召喚するが、ディアチャイルドアイランドの効果で疲労してしまう。それでもタルタロスの効果で毒刃&コアブーストは発動した。
咲夜「…バーストをセットして……うん…ターンエンドよ」
てゐ「…ぐぐぐ…!メインステップ…!コロコーンを召喚…!アタックステップ…!コロコーンでアタック!フラッシュで再びソニックワスプ・Aを召喚…!」
てゐは小さな緑の狐を召喚してアタックさせる。そして先ほど手札に戻ったソニックワスプ・Aを再び神速召喚した。
咲夜「ライフで。ライフ減少によりバースト発動!堕天姫エルシャのバースト効果で手札から堕天騎士シンを召喚する!」
ペルセポネ《ギリギリ私のコアは四個!タルタロスの効果でコロコーンにカード二枚追加ぁ!さらにシンにもコア二個追加ぁ!》
コロコーンが緑の口から緑の風を放って咲夜のライフを砕くが、咲夜のバーストから黒い煙が噴き出す。そして煙から馬に股がった堕天騎士が現れた。
まだタルタロスの神域の範囲内だったので、ペルセポネはタルタロスでコロコーンを叩いて毒を浴びせる。さらにシンにも鞭で毒を与えて強化させた。
てゐ「…ターンエンド…!」
咲夜「…まぁそうよね。メインステップ!タルタロスをベリアルドに合体!そして機動要塞キャッスル・ゴレムを召喚するわ!召喚時効果でデッキを十枚破棄!」
ペルセポネ《タルタロスでコア貯まったからね!あと残り枚数は…17枚ってとこかしら…》
ペルセポネの手からタルタロスがベリアルドの手に渡る。その横にも地面から青とグレーの城の姿をしたゴーレムが這い出してきた。
突然だが咲夜の『毒刃』デッキには勝ち筋が二つある。一つはプロセルピナで相手のスピリットを除去しつつ、小型の毒刃スピリットやネメシスでライフを削る戦法。
もう一つがタルタロスでコアを貯めて『毒刃』で減ったデッキに
今回咲夜は後者の戦法を取り、キャッスル・ゴレムでてゐのデッキを枯らしにかかった。
咲夜「アタックステップ!ベリアルドでアタック!まずは毒刃!ペルセポネレベル2の神域も含めてコロコーンに六枚を追加!」
ペルセポネ《さらにタルタロス合体時効果!下にカードが四枚以上あるスピリットを一体破壊することで、このスピリットの毒刃を発揮させる!おかわりよ!》
ベリアルドが右手の剣でコロコーンを切り裂き毒を浴びせると、左手に持っていたタルタロスでまたコロコーンに毒を食らわせた。
てゐ「…ソニックワスプ・Aでブロック…!」
咲夜「これで終わりよ。フラッシュタイミング!バーストヴェノム!ベリアルドの毒刃を三度発動!」
ソニックワスプ・Aがベリアルドに飛びかかるが、咲夜の手札のマジックがベリアルドにエネルギーを与える。そしてベリアルドはタルタロスでソニックワスプ・Aを縛り上げ、そのまま毒を流し込み、破壊した。
咲夜「…これでデッキアウト。ターンエンド」
てゐ「……スタート……ステップ…!」
鈴仙「…ぅぅ…!」
妖夢「心配は要りません。痛みは一瞬ですから。メインステップ!バーストをセット!そして原初の炎!創界神カグツチを配置します!神託でコアを一つ置きます!」
カグツチ《…一瞬だとは思えないけど…》
妖夢「…い、言ってみたかったんです!ターンエンド!」
苦しむ鈴仙に妖夢は声をかけながらカグツチを呼び出す。至極ごもっともなカグツチのツッコミに妖夢は頬を赤くしてターンエンドした。
鈴仙「…ぅぅ…!メインステップ…!バーストセット…ゴッドシーカー ヴァーマナを召喚…!召喚時効果で四枚オープン…!」
対する鈴仙は呻くと、桃色と銀色の翼を持ったドラゴンを召喚してデッキをサーチする。ヴァーマナがめくったのは秩序戦艦バチマン・ド・ゲールー戦艦形態ー、創界神ヴィシュヌ、幻魔神、神龍甲笛バガヴァット・ギーター。
鈴仙「…ヴィシュヌとバガヴァット・ギーターを手札に加えて創界神ヴィシュヌを配置…!神託の効果でコア二つをヴィシュヌに…!」
ヴィシュヌ《…………》
妖夢「よし!手札が増加したのでバースト発動!千枚手裏剣のバースト効果でヴァーマナを疲労させ、コア二つをリザーブに!」
鈴仙はそのままヴィシュヌを配置した…正気ではない彼の目はいつもの濁った瞳と合わさってすごく不気味である。だが妖夢のバーストから無数の手裏剣がヴァーマナに浴びせられ、堪らずヴァーマナは膝をついた。
鈴仙「…ターン…エンド…!」
妖夢「…う…怖い…メインステップ。剣武龍ムラマサ・ドラゴンを召喚してバーストセット!」
妖夢はヴィシュヌの眼光にビビりながらも地面を砕いてムラマサ・ドラゴンを呼び出す。そしてバーストもセットしてSバーストの用意は万端だ。
妖夢「アタックステップ!行け!ムラマサ・ドラゴン!Sバースト発動します!源氏八騎 楯無フォートレスをノーコストで召喚です!!」
カグツチ《さらにバーストをセットできる!》
ムラマサ・ドラゴンが吠えて飛び出し、ソウルコアをトラッシュへ送る。それにより妖夢のバーストが無理矢理発動され、城のような鎧を着た巨大なロボットがそびえ立った。
鈴仙「…ライフで受ける…!」
ムラマサ・ドラゴンは額の刀で鈴仙のライフを突き刺した。
妖夢「さらに楯無フォートレスでアタック!」
鈴仙「…これもライフ…!」
フォートレスが地響きを発てて歩きだし、拳を突き出して鈴仙のライフをさらに砕いた。
妖夢「ターンエンド!」
鈴仙「…メインステップ…!癒しの創界神…!創界神クリシュナを配置…!神託でコア三つを置く…!さらに神龍甲笛バガヴァット・ギーターをクリシュナに直接合体!」
クリシュナ《………》
ヴィシュヌの隣にハイライトがオフのクリシュナが現れ、空から降ってきたバガヴァット・ギーターを掴む。ヴィシュヌと並び立つその気迫に妖夢は少し身震いした。
鈴仙「…ターンエンド…」
妖夢「…む…メインステップ。神をも焼き殺す炎!炎神皇帝ソウルドラゴン・ホムスビを召喚!」
カグツチ《よし!一気に攻めるよ!》
カグツチの炎の斬撃が空を二つに切り裂き、両手剣を構えたソウルドラゴンがフィールドに降り立った。さらに妖夢はソウルコアをムラマサ・ドラゴンに再度置いた。
妖夢「アタックステップ!ホムスビでアタック!天界放を発揮してヴァーマナを破壊!さらに一枚ドローしてホムスビレベル2の効果でライフを一つ削る!」
鈴仙「…バースト…発動…!リカバードコア…!ヴァーマナを手札に戻して召喚…!逆境を跳ね返せ…!神撃甲龍ジャガンナート!!レベル2でブロック…!!効果で自身にコア二個を追加…!」
ホムスビが炎の斬撃でヴァーマナを焼却するが、鈴仙のバーストがヴァーマナを手札に戻す。さらにバーストから光が空に昇り、そこからジャガンナートがフィールドに降ってきた。
そして向かってきたホムスビの剣をジャガンナートが噛みついて受け止める。だがお互いのBPは10000なので、両者共に一歩も退かずに膠着状態になってしまう。
鈴仙「…フラッシュタイミング…!リゲイン…!BPプラス5000!」
鈴仙の手札から白いビームが発射されてジャガンナートをパワーアップさせる。その力でジャガンナートはホムスビを弾き返すと、緑の翼にエネルギーを纏わせ、態勢を崩したホムスビを切り裂いた。
妖夢「…く…!でもバースト発動です!双光気団!デッキから二枚ドローします!…ターンエンド」
鈴仙「…メインステップ…!ヴァーマナを再召喚してデッキを四枚オープン…その中の維持神龍トリヴィ・クラマを回収してそのまま召喚!」
妖夢もバーストでドローするが、鈴仙はさらにヴァーマナを召喚してオープンされたトリヴィ・クラマを召喚した。神煌臨しなかったのはちょうどよい煌臨元がいなかったからか…
鈴仙「そして手札から三龍宝剣アブソリュートキャリバーをヴィシュヌに合体…!ジャガンナートにもバガヴァット・ギーターを合体…!!」
ヴィシュヌが右手を振り上げると白い光が集まって白銀の剣が現れ、さらにクリシュナの手からもバガヴァット・ギーターが離れて回転しながら巨大化してジャガンナートの背中に合体した。
妖夢「…っっ…二体の化神スピリット…!!」
鈴仙「アタックステップ…!ジャガンナートでアタック!バガヴァット・ギーターの効果でコアを置きレベル2へ!そして相手スピリットを三体バウンス…!!」
妖夢「…フォートレスは『源氏』以外のいかなる効果も受けません!」
クリシュナのコアを使い、ジャガンナートは背中のバガヴァット・ギーターでムラマサ・ドラゴンをバウンスさせる。だがフォートレスは腕をクロスさせて生き残った。
鈴仙「…レベル2効果でヴィシュヌにコアを置くことで、ジャガンナートブロックされない…自身の効果とヴィシュヌの神域でジャガンナートのシンボルは4つ!」
妖夢「…ライフで受ける!!」
界放によってパワーアップしたジャガンナートの砲撃が妖夢のライフを一気に残り一つにまで削り取った。
鈴仙「さらにトリヴィ・クラマでアタック…!効果でスピリット一体を手札に戻して回復!この効果は『フィールドに残る』効果以外では防げない!」
妖夢「フラッシュタイミング!デルタバリア!これでライフはゼロにならない!!」
トリヴィ・クラマの翼から放たれたビームがフォートレスの装甲を貫通して妖夢の手札へ戻す。妖夢は何とかデルタバリアを張ってトリヴィ・クラマのビームを防ぎきった。
鈴仙「……ぃぃ…!ターンエンド…!」
妖夢「……まずい……どうしよう…!向こうにはまだ『転神』できる2柱がいるし……!」
カグツチ《…………》
狼狽える妖夢をカグツチはじぃっと見つめる。まるで妖夢がこの局面をどう乗りきるかを見極めているように……
妖夢「……カチャ…スー…」
すると妖夢は腰の白楼剣を静かに抜刀して刃先を眺め始めた。その刃に写った自分の顔を見て、妖夢は先日の一件を思い出していた。
回想 博麗神社
妖夢《だぁぁ!!》
弾《はっ!》
この日、妖夢と弾は剣の手合わせをしていた。妖夢の楼観剣と白楼剣が弾のグランシャリオとぶつかり合って小さな火花が散っている。
アプロディーテ《…うまいわね…弾君って剣道やってたの?》
カグツチ《イヤ、聞いてみたんだけど剣を振り始めてまだ数ヵ月なんだってさ》
霊夢《…それで妖夢の剣術に張り合ってるのね…》
紫《…と言うより…押してるわよ》
その様子を一同はいつも小銭が入ってない賽銭箱付近の階段に座って眺めている。そう何とか言っているうちに妖夢の剣撃が徐々に鈍り始めていた。
妖夢《…ぅ…!はっ!》
弾《…ガキンッ…キリキリ…ふんっ!》
妖夢《あ!?》
妖夢が二本の刀を×の字にして斬りつけたが、弾は垂直一文字にグランシャリオを構えて押さえつける。そして力任せにグランシャリオを振り上げて刀を妖夢の手から弾き飛ばした。
幽々子《そこまで。弾の勝ちよ》
弾《ふぅ…危なかった…》
妖夢《…うう…!反則です…本当に初心者なんですかぁ?》
判定の声と共に妖夢は刀を拾うとヘナヘナと座り込んでしまった。さすがに何年も剣一筋だった妖夢にとって、まだまだ剣に慣れてない弾に負けるのは屈辱的だろう。
魔理沙《ほんとだぜ。弾、お前何で剣の使い方知ってたんだよ?》
弾《……なんか…身体が…覚えてるんだ…何でだろ?》
弾は魔理沙の問い掛けに頭をかいてそう言うしかなかった。弾自身もなぜ剣が使えるのか説明できないから仕方ない。
妖夢《…まだまだ修行が足りないのでしょうか…?》
弾《…妖夢、これは個人的な意見なんだが……妖夢の剣術って…妖夢に合ってないんじゃないのか?》
妖夢《…は…?》
妖夢は近づいてきた弾の言葉に変な声を返すしかできなかった。そんなことを言われたのは初めてだし、言っている内容自体も良く分からなかった。
弾《だって…妖夢が目指してるのは『お祖父さんの剣術』じゃないか。妖夢自身の剣術じゃない》
妖夢《おじいちゃ…お祖父様は私の目標です!だから私もそんな剣士になろうと》
弾《…でも妖夢はお祖父さんじゃない別人だ。例えるなら…別のスピリットに同じブレイヴを合体させても強さは同じじゃないだろ?》
妖夢《…へ…ま、まぁ…そうですが……》
弾は屈んで妖夢の目線に自分の目線を合わせると、優しく話し始めた。
弾《例えどんな素晴らしい剣術を持っていても…そこに『自分』がなければ結局『それまで』だ。そうじゃなかったらみんな剣士は同じだ》
妖夢《……私の…剣……》
妖夢は座り込んだまま膝に乗せた白楼剣の刀身をぼうっと眺めていた………
妖夢「……自分の剣…よし!」
カグツチ《……ん!?妖夢ちゃん…どして刀を自分に向けてるの!?》
妖夢は何かを決心すると白楼剣の峰を掴むと、刃先を自分の腹に向ける。所謂『切腹』のポーズだったので、冷静に観察していたカグツチは驚いてつっこむ。
妖夢「…《…白楼剣は斬った者の迷いを断ち切る…ならば自分の迷いも例外ではないはず!》…ふんっ!!」
カグツチ《Σ(Д゚;/)/》
妖夢「…いっっっ……!」
カグツチは驚きすぎて声も出ない。そんな彼をほっといて妖夢は白楼剣で自らの腹を横一直線にぶったぎった。確かに彼女は半分幽霊だが半分は人間なので、物理的な痛みは感じ取れる…つまり腹を切り裂かれた激痛が妖夢を襲ったのだ。
妖夢「……!…見えた……!私の剣…!それは……この剣で命を守ること!平和な世をこの剣で切り開くために私の剣はある!!!」
カグツチ《…弾君…彼女は自分でも気づいてないけど…君の力になりたいみたいだよ…そうじゃなきゃ『分神』できるわけないからね》
妖夢の力強い言葉がフィールドに響き、妖夢の身体から星の神力が溢れだした。カグツチも言うように妖夢は無意識状で弾にかなりの信頼をおいていたようだ。
妖夢「鈴仙!教えてあげるわ!真の私の剣を!!」
自身の光を斬り払い、現れた妖夢はまるで白銀の南蛮甲冑を纏っている。その甲冑の胸部には様々な星座が描かれ、彼女の半霊は背中でマントのように布状になって風になびいていた。
妖夢「メインステップ!機巧剣聖リョウダンオウをレベル2で召喚!!さらにバーストセット!!」
マントの半霊をバッとはためかせて妖夢は機巧の剣士を召喚する。さらにソウルコアを乗せ、バーストを伏せたということは……
妖夢「アタックステップ!リョウダンオウ!勝利の道を切り開け!!レベル2効果で手札の剣刃ブレイヴ…地神刀オオテンタを直接合体させる!!」
カグツチ《…そしてSバーストが発動する…何だろう?》
リョウダンオウが深呼吸して手を前にかざす。すると氷がリョウダンオウにまとわりつき、一振りの巨剣がリョウダンオウの手に握られた。
そのオオテンタを振り回してリョウダンオウは妖夢のバーストを発動させる……!!
妖夢「冥界をも照らす魂の炎!あらゆる世界を救う星となれ!!召喚!戦国龍皇バーニング・ソウルドラゴン!!効果でトラッシュのコアを置いてレベル3に!」
妖夢のバーストが炎の龍になって空に舞い昇る。そして空で炎球になると、中から二本の槍を持った赤いドラゴンがフィールドに降り立った!
召喚されたバーニング・ソウルドラゴンは二本の槍の尻を合体させ、一本の長槍にする。その刃先は炎で三又に変わり、バーニング・ソウルドラゴンはその切っ先を真っ直ぐ鈴仙に向けた。
鈴仙「…ぅぅ…!フラッシュタイミング…!もう一度リゲインを使用…!ジャガンナートを疲労ブロッカーにしてBPプラス5000!ブロック!バガヴァット・ギーターの効果でバーニング・ソウルドラゴンを手札へ……!」
カグツチ《おおっと!俺の神域、忘れてない?コア二個をボイドに戻してその効果は受けないよ!》
対する鈴仙もジャガンナートを立て、リョウダンオウが振り下ろしたオオテンタを背中のバガヴァット・ギーターで受け止める。だがそこからバーニング・ソウルドラゴンめがけて放たれたビームはカグツチの炎が壁になって防がれた。
妖夢「…もう一枚手札にあったか…」
妖夢はそう呟くだけでフラッシュタイミングのカードは使わない。BP差でリョウダンオウはジャガンナートに弾かれて破壊されてしまった。
妖夢「オオテンタはフィールドに!行け!バーニング・ソウルドラゴン!!真・連刃発揮!!いざ!勝負!!トリヴィ・クラマ!ジャガンナート!!」
鈴仙「…ジャガンナートとバガヴァット・ギーター…効果でレベル3にアップ…!」
地面に突き刺さったオオテンタの隣でバーニング・ソウルドラゴンが三叉槍を構えて飛び上がり、槍からトリヴィ・クラマとジャガンナートに衝撃波を放つ。
カグツチ《バーニング・ソウルドラゴンのBPは22000…トリヴィ・クラマは破壊できるけど…リゲインの効果も合わさったジャガンナートのBPは26000…どうする妖夢ちゃん!?》
ジャガンナートのバガヴァット・ギーターとトリヴィ・クラマの翼からビームが放たれるが、バーニング・ソウルドラゴンは両方かわすと三叉槍に竜型の炎を纏わせて投げつけた。ジャガンナートはヒラリとかわしたが、トリヴィ・クラマは貫かれて爆散する。
しかしジャガンナートは槍を投げて無防備になったバーニング・ソウルドラゴンに飛びかかって地面に引きずり落とす。バーニング・ソウルドラゴンの両手両足を押さえてジャガンナートは首を噛み砕こうと大口を開けた…!
妖夢「まだだ!フラッシュタイミング!烈火槍激破!!オオテンタを回復させてバーニング・ソウルドラゴンと合体!!さらにトラッシュのコアをすべて置く!!」
カグツチ《なるほど!それならバーニング・ソウルドラゴンのBPは跳ね上がる!》
突き刺さっていたオオテンタが赤く輝いて炎と共に回転しながら飛び出し、ジャガンナートを弾き飛ばす。そのままバーニング・ソウルドラゴンはオオテンタを握りしめ、ジャガンナートに向かっていった。
妖夢「…私達を倒せる者など…!何一つない!!!」
ジャガンナートは再びバガヴァット・ギーターで砲撃していく。それでもバーニング・ソウルドラゴンはオオテンタを華麗に操ってすべてを斬り落とし、バガヴァット・ギーターごとジャガンナートを真一文字に両断した!!
妖夢「破壊したスピリットの数だけ相手のライフを砕く!覚悟!!」
鈴仙「…ぃぃ…!!」
バーニング・ソウルドラゴンが妖夢とシンクロするようにオオテンタを鈴仙のライフに振り下ろした!!
咲夜「…ふぅ…妖夢…って…ずいぶん仰々しい格好ね」
妖夢「え!?ものすっごくカッコ良くないですか!?」
咲夜「…やっぱり冥界や地獄ってセンスが違うのかしら…」
戻ってきた咲夜は『分神』した妖夢を見てそう評価する。そんな目を信じられないように妖夢はマントを持ってカッコつけようとした。
蟲忍者《ぎぃぃぃぃぃぃ!!!》
霊夢「ああもう!邪魔くさい!!」
レミリア「倒しても倒しても…!!」
咲夜「…カッ!…了解」
妖夢「…さすがね!すぅ~…はぁ~…!」
フラン「わっ!?咲夜!?」
霊夢やレミリア達は未だに大量の蟲忍者を相手に悪戦苦闘している。それを見た妖夢の動きを未来予知した咲夜はフラン達を抱えて安全な場所に運んだ。
霊夢「ちょ、あいつらは…!」
咲夜「落ち着きなさい。あいつらをボコしても何も得られないわ」
妖夢「………氷命剣『
妖夢が楼観剣を抜刀した……その瞬間…すべてが止まった……
蟲忍者《……カチーン……》
シヴァ《……こ、凍ってやがる…》
ゼウス《…見事…!》
ゼウス達の目の前に広がっていたのは辺り一面の氷の塊だった。その中に蟲忍者達は全員閉じ込められ、生命力すら遮断させられていたのだ。
咲夜「…カッ!…あ、妖夢…そこ」
妖夢「…チャキン…この私に…斬れぬ物など…!あんまゴンッ!みょん!?」
咲夜「…竹が倒れてくる……」
刀を鞘にしまい、決め台詞を言いかけた妖夢の頭上に衝撃で折れた竹が倒れてきた。咲夜の忠告も間に合わずに妖夢はカッコ悪い声をあげ頭を抱えて悶絶してしまう。
カグツチ《…あはは…やっぱり妖夢ちゃんは妖夢ちゃんだね》
妖夢「…みょ~ん……」
はい。ありがとうございました。
『分神』妖夢は極アームズをベースに『半霊マント』『胸当ては星空』な感じっす。さらに『氷結』する剣が主力ですね
…公式さん…メインステップで毒刃使えるカード!これがあればめっちゃ良いのに…
猛毒神鞭タルタロス
ブレイヴ
5(紫2神1)/紫/神話・神装・天渡
<1>Lv1 2000 <0>合体+5000
合体条件:コスト6以上
【スピリット合体中】『このスピリットのアタック時』
下にカードが四枚以上ある相手のスピリットを一体破壊することで、このスピリットの【毒刃】を発揮する
合体条件:創界神ペルセポネ
【ネクサス合体中】【神域】
〔このネクサスにコア4個以下〕【毒刃】を持つスピリットが召喚された時、そのスピリットの【毒刃】を発揮し、下に置いたカードの数だけ、ボイドからコアをそのスピリットに置く。この効果は重複しない。
シンボル:紫