東方星神録   作:あんこケース

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一つの決着

妖夢「…大丈夫…勝てる!」

 

隠岐奈「秘神の力!見せてやろう!メインステップ!電人トレインを召喚!召喚時効果で四枚オープンする!」

 

隠岐奈は白いロボットを召喚してデッキをサーチする…ラインの黄金、聖刻兵シールダー・ジェネス、聖刻神機ジェフティック=トト、そして聖刻騎兵エース・ヘジェウル。

 

隠岐奈「ジェフティック=トトを手札に!ターンエンド!」

 

妖夢「メインステップ!原初の炎!創界神カグツチを配置!神託を使用してコア二個を置く!そしてバーストセット!!」

 

カグツチ《トトのアルティメットは苦手なんだよなぁ…》

 

妖夢は初手にカグツチを配置してバーストを伏せる。だが残りのコアが足りないので、後は何もせずにターンエンドした。

 

隠岐奈「メインステップ!世界の分析者!創界神トトを配置する!神託によってコアを二つ追加!さらに聖刻妃クイン・セシャトを召喚だ!」

 

トト《…………》

 

隠岐奈は背後にトトを呼び出すと、フィールドにファンネルを浮かべた女性スナイパーロボットを召喚した。

 

隠岐奈「ふむ…ターンエンドとしよう」

 

妖夢「メインステップ!機巧武者ジャコを召喚して一枚ドロー!さらに機巧獣ショウジョウを召喚!ジャコのソウルコアをショウジョウと交換します!」

 

妖夢のフィールドに白い猫型ロボットと甲冑姿の茶色い猿が現れる。一応妖夢はショウジョウにソウルコアを移動させたが、ドローステップを増やす『武装』には効果は薄いだろう。

 

妖夢「アタックステップ!ショウジョウでアタック!」

 

隠岐奈「きたか…ライフで受ける!」

 

ショウジョウが四つ足で駆け出し、隠岐奈のライフを引っ掻いて壊した。

 

妖夢「ターンエンド!」

 

隠岐奈「レベル2のトトはスタートステップ時にも攻撃できる!クイン・セシャトでアタック!」

 

妖夢「…ライフで受ける!」

 

トトが弾き出した数式の陣がフィールドに張り付き、クイン・セシャトがファンネルを飛ばす。そして妖夢めがけて突き刺し、ライフを一つ破壊した。

 

隠岐奈「そしてコア、ドロー、リフレッシュステップまで。メインステップ!聖刻騎兵キャバルリー・アーネジェウを召喚!トレインのスピリットソウルによって白シンボルを増やすぞ!」

 

トレインの周りに二つの白シンボルが浮かび、地面から現れたクイン・セシャトより大きなスナイパーロボットの召喚コストを軽減する。これで妖夢のスピリット除去やアマノオハバリの強制終了をメタってきた。

 

隠岐奈「まだ続くぞ!過去現在未来を滑る時の王者!聖刻神機ジェフティック=トト!界放でコアを二つ置き、レベル4へ!」

 

トトが再び数式をフィールドに展開する。そこからアーネジェウより大きいロボットが登場する。そのままジェフティック=トトはエネルギーを吸収して次の妖夢のターンに備えた。

 

隠岐奈「アタックステップ!行け!ジェフティック=トト!アタック時効果でジャコをデッキボトムに戻し、回復する!」

 

妖夢「…カグツチ様!」

 

カグツチ《よしきた!俺のコア二個と引き換えにジャコはそのままフィールドに残る!これならジェフティック=トトは回復しないよね?》

 

ジェフティック=トトのライフル弾がジャコに直撃したその時、カグツチの炎がジャコを包んで蘇生させる。ジェフティック=トトの効果は『戻したとき』回復するので『受けなかったものとして』残されては回復できない。

 

妖夢「さらにバースト発動!八百万の神の剣!機巧剣神アマノオハバリ!ライフを増やして召喚!コストはショウジョウから!ジェフティック=トトはライフで受ける!」

 

カグツチ《おまけにこいつも!》

 

カグツチの斬撃がフィールドに氷の竜巻を引き起こす。そして妖夢のライフを増やしながら二刀流のロボット剣士が降り立った。しかしBP差故かジェフティック=トトの射撃を妖夢はライフで受けた。

 

隠岐奈「ぐ…だがアーネジェウの効果でエンドステップにジェフティック=トトは回復する!ターンエンド!さらに相手のコア、ドロー、リフレッシュステップをこちらも行うぞ!」

 

妖夢「構いません!メインステップ!アマノオハバリをレベル2に!アタックステップ!アマノオハバリで攻撃!カグツチ様のレベル2効果で天界放を発揮!!」

 

カグツチ《トレインを手札に戻してアマノオハバリは回復する!》

 

 

ジェフティック=トトが妖夢のステップと共に隠岐奈のフィールドに干渉してコントロールする。だがそれでも怯まず妖夢はアマノオハバリをアタックさせ、二刀流の斬撃が耐性のないトレインをバウンスした。

 

隠岐奈「クイン・セシャトでブロッ」

 

妖夢「その前にフラッシュタイミング!アマノオハバリに煌臨!戦国統べる武の龍神!戦国将軍ジークフリード・魁!召喚時効果でBP15000以下のアルティメットを全破壊!」

 

隠岐奈がブロック宣言する前に妖夢はアマノオハバリに一体の龍皇を煌臨させる。鎧に長い槍を構えたジークフリードは自らを炎の槍にし、真っ直ぐ隠岐奈のアルティメット達に突撃した。

 

隠岐奈「無駄だ!アーネジェウの効果で破壊されない!」

 

妖夢「それを狙ってました!魁の効果!破壊されなかったとき、そのスピリット分シンボルを追加してブロックされなくなる!残ったのは三体!よってシンボルは合計五つ!」

 

隠岐奈「……え…」

 

魁の突進は隠岐奈のアルティメット達を一体も破壊できなかったが、その分突進力を増しながら魁は隠岐奈のライフに槍を突き刺す!

 

 

隠岐奈「ぐぅぅぅ!!」

 

妖夢「…成敗!!」

 

妖夢の一言のタイミングで魁はさらに槍に力を込めて隠岐奈のライフをすべて粉砕した!!

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「行ける…!たとえ相手が四天王でも…!」

 

幽香「メインステップ!天使統べる女神!創界神イシスを配置!神託の効果でコアを一つ置いて、トラッシュに落ちたイシスの力を回収!」

 

イシス《…………》

 

幽香はイシスを呼び出して神託によってトラッシュに置かれたイシスの力を手札に加えた。

 

鈴仙「メインステップ!世界の安寧司る神!創界神ヴィシュヌを配置!神託でコアを二つ追加し、落ちたミラージュカーテンを手札に!さらにムーンショウオを召喚!!」

 

ヴィシュヌ《…俺も…鈴仙の頑張りに答えるか…!》

 

鈴仙はヴィシュヌを配置すると、こちらもミラージュカーテンが鈴仙の手札に入る。そのまま青色のオオサンショウオもフィールドに呼び出した。

 

鈴仙「ターンエンド」

 

幽香「…メインステップ!エジットの天使ティティエルをレベル4で召喚してデッキ下からドロー。バーストをセットしてターンエンドよ」

 

幽香は小さな天使を召喚するだけでターンを終える。今の手札では展開できないと踏んだようだ。

 

鈴仙「…なら攻めてみる…?メインステップ!癒しの創界神!創界神クリシュナを配置!神託を発揮してコア一つを追加!そして神樹龍機ヴェーダーンガをレベル2で召喚よ!」

 

クリシュナ《張り切って行きましょ~!》

 

鈴仙はクリシュナを配置し、翼が月桂冠のようなドラゴンを召喚する。そして幽香の初動が遅いことを見て、こちらから攻めていくことを決めた。

 

鈴仙「アタックステップ!ヴェーダーンガでアタック!」

 

幽香「…きたわね…ティティエルでブロック!フラッシュタイミング!エジットの天使長ハトフェルを煌臨させるわ!煌臨時効果でライフのコアを置いて、ハトフェルは回復!」

 

アタックしたヴェーダーンガをブロックしようとしたティティエルが黄色い光に包まれる。光がやむとティティエルより大きな翼の天使がヴェーダーンガをビームで返り討ちにした。

 

幽香「…あら、私のライフが減ったわね。バースト発動よ。エジットの天使モニファーエルの効果でライフを増やしつつ召喚!」

 

鈴仙「…う…ブンブン!忘れろ忘れろ!ターンエンド!」

 

ハトフェルの効果で減ったライフをトリガーに、幽香のバーストから褐色の天使が召喚される。鈴仙は顔を振って気を取り直した。

 

幽香「メインステップ!バーストをセット、イシスの力を使ってエジットの天使長ネフェリエルを1コスト、レベル4で召喚!召喚時効果で下から二枚ドロー…うふふ…遅いわ…」

幽香の手札から黄色い光が放たれ、フィールドにファラオの姿の天使長が現れる。そしてドローされたカードを見て、幽香はニヤリと妖艶に笑った。

 

鈴仙「……くる…!!」

 

幽香「アタックステップ!行きなさい!ネフェリエル!ライフを一つ増やして回復する!フラッシュタイミング!ネフェリエルに煌臨!エジットの天使アセティエル!」

 

ネフェリエルが十字の杖を持ってアタックすると、幽香のライフが回復し、自身の姿も両手に火を灯した赤髪の天使に変わった。だがこれでアセティエルの効果は終わらない。

 

幽香「アセティエルの煌臨時効果!煌臨元のネフェリエル!再び召喚!そしてヴィシュヌのコアを三個ボイドへ!ネフェリエルの効果で二枚ドロー…維持コアはモニファーエルのを使うわ」

 

ヴィシュヌ《…んん…!》

 

鈴仙「げ…!ムーンショウオでブロック!」

 

アセティエルの身体から炎が空に昇る。その炎から煌臨元になったネフェリエルが再び現れた。

 

ダブルシンボル、しかも回復しているアセティエルの攻撃をライフで受ければ満タンの鈴仙のライフもすぐ削りきられてしまう。ムーンショウオはアセティエルに飛びかかったが、手の炎で燃やされてしまった。

 

幽香「今度はハトフェル!潰しなさい!もう一度ライフを置いて回復!そしてイシスの神域で効果でライフを一つ砕く!」

 

鈴仙「…っっ!ライフで受ける!」

 

ハトフェルが幽香のライフを吸収して黄色いビームを放つ。さらにイシスの杖からの光弾も合わせて鈴仙のライフを二つ破壊した。

 

幽香「さぁさぁ!ハトフェル!ライフを置いて三度回復!」

 

鈴仙「…仕方ない…ちょっと賭けになるけど…!フラッシュタイミング!ミラージュカーテン!このバトルでは私のライフは減らない!」

 

ヴィシュヌ《…そして俺のコア一つをボイドに戻してデッキトップの一枚破棄。それが『甲竜』か『神話』を持つなら召喚できる》

 

鈴仙が手札を掲げて前方に透明の幕を降ろす。さらにヴィシュヌが衝撃波を使って鈴仙のデッキトップをオープンさせ、空中に一枚のカードなら舞う……

 

鈴仙《…大丈夫…最後は私がカードに答えないと……!》

 

クリシュナ《…今の手札なら…》

 

ヴィシュヌ《…さて…鬼が出るか蛇が出るか…》

 

 

オープンされたカードは………クリシュナーガ・イクサト。

 

 

鈴仙「…ん…このスピリット…!」

 

ヴィシュヌ《…へへ…最高なの来たな!イクサトの召喚時効果で相手のバーストを破棄して手札のバガヴァット・ギーターをダイレクト合体だ!》

 

フィールドに現れたのは四つ足のロボットドラゴン…クリシュナーガ・イクサト。召喚されるや否やイクサトの咆哮が響き渡り、幽香のバーストが吹き飛ばされる。逆にイクサトの背中には砲台サイズの笛が装着された。

 

鈴仙「ハトフェルはイクサトでブロック!アタック/ブロック時効果でアセティエルをデッキ下に!さらにバガヴァット・ギーターの効果でハトフェルも手札に戻すわ!」

 

イクサトは翼を羽ばたかせてアセティエルをデッキボトムへ吹き飛ばす。さらに背中のバガヴァット・ギーター(砲台モード)からもビームが放たれ、BPが高いハトフェルも幽香の手札に返っていった。

 

幽香「…ターンエンド…」

 

鈴仙「よし!メインステップ!三龍宝剣アブソリュートキャリバーを召喚!そして世界を守る白銀の守護龍!維持神龍トリヴィ・クラマ!!アブソリュートキャリバーと合体!!」

 

ヴィシュヌ《…こんなのガラじゃねぇけど……!世界は…俺たちが守る!!》

 

クリシュナ《さぁ!反撃よ!!》

 

ヴィシュヌのビームがフィールドに落ちてトリヴィ・クラマがフィールドで雄叫びをあげる。そして地面に突き刺さっていたアブソリュートキャリバーを引き抜いて大振りに構えた。

 

鈴仙「アタックステップ!クリシュナーガ・イクサトでアタック!ネフェリエルをデッキボトムへ!!」

 

幽香「…ライフで受ける!」

 

イクサトの背中のバガヴァット・ギーターから大きな砲弾が発射されて幽香のライフを二つ破壊する。

 

鈴仙「これでおしまい!決めろ!トリヴィ・クラマ!!」

 

トリヴィ・クラマの六枚の羽からアブソリュートキャリバーにエネルギーが送られる。そしてフルパワーになったアブソリュートキャリバーが白いエネルギーの刀身が幽香の残りライフをおもいっきり振り下ろした!!

 

 

 

 

幽香「…………」

 

鈴仙「ふぅ…勝てたぁ……」

 

妖夢「鈴仙~!!無事…って…それ『分神』?」

 

気絶した幽香の隣で一息ついて座り込んだ鈴仙に妖夢が走ってくる。妖夢も気を失った隠岐奈を背負って鈴仙を見てそう正直に鈴仙の『分神』に反応した。

 

鈴仙「まぁね。そっちも終わったの?」

 

妖夢「なんとか…それよりもそのマフラー…ダサくない?」

 

鈴仙「ちょ!あなたのマントの方がへんちくりんよ!」

 

妖夢「ええ!?このカッコ良さがわからない!?」

 

ヴィシュヌ《…おーい…まだ戦闘中だぞ~…?》

 

カグツチ《早く弾君と永琳の援護しようよ!》

 

しばらくの間鈴仙と妖夢はお互いの格好を貶し合う。だがこっそり響いてきたヴィシュヌとカグツチの声に二人はハッと弾達の方向を振り返った。

 

弾「…この…霊符『夢想封印』!!」

 

永琳「薬符『胡蝶夢丸ナイトメア』!!」

 

妖精《きゃぁぁぁぁぁ!!》

 

妖精《うぉぉぉぉぉぉぉ!!》

 

咲夜「…ハァ…ハァ…倒しても倒しても…!復活してくる…!」

 

ペルセポネ《さすがに弾君や永琳さんでも…そろそろ手に負えなくなっちゃう!》

 

弾と永琳の丸い無数のエネルギー弾幕が妖精達を吹き飛ばしていくが、未だ戦場に満ち溢れていた生命力によってすぐさま妖精達が復活してきてしまう。

 

その数にそろそろ咲夜のスタミナが危なくなってきており、弾と永琳も顔に脂汗がにじんでいた。

 

妖夢「…鈴仙!行くよ!!チャキッ!」

 

鈴仙「ええ!スチャ!」

 

それを戦場の反対側から見ていた二人は楼観剣とルナティックガン(バガヴァット・ギーター装填)を構える。そして妖夢はスペルカードを掲げ、鈴仙はルナティックガンに挿入しながら同時に叫んだ。

 

妖夢「断氷剣『無限地獄(コキュートス)』!!」

 

鈴仙「シュンッ!維持『武主怒無羅素多阿(ヴィシュヌブラスター)』!!」

 

妖精達《きゃぁ…カチーン……》

 

妖夢の氷の斬撃と鈴仙の氷のビームが妖精軍団に直撃する。妖精達は断末魔をあげた瞬間に凍結し、巨大な氷山脈が立ち並んだ。

 

弾「…ふぅ…」

 

永琳「…まさか…うどんげ…『分神』できるなんて…」

 

弾「…信じてなかったのか?」

 

永琳「…そんなわけないわよ…」

 

妖夢「弾様!ご無事ですか!?」

 

鈴仙「ししょ~!」

 

そんな掛け合いをしていた弾と永琳の元に妖夢と鈴仙が駆け寄ってくる。静かになった戦場には肌寒い冷気が漂っていた……

 

 

 

 

 

???《…こっちは幻想郷サイドが勝ったねぇ…ま、向こうにはゼウス父上やスサノヲがいるからあっちも勝つか……今のうちに俺っちの『冥府』軍は引き上げとこ…》


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