戦場 中央部
弾「…はぁぁぁぁぁぁ!!」
妖怪達《ギャァァァァァァ!》
式神達《ギギギギ…!》
依姫「来られませ…火雷神よ!敵を追え!」
蓮子「…なんの!『パイロキネシス』!!」
弾はエネルギーの刃を伸ばしたグランシャリオで敵を切り裂き、光弾で遠距離攻撃を放っていた。その隣では依姫が降ろした炎の竜と蓮子のマザーコアの力による超能力の炎がぶつかり、辺りが爆煙に包まれる。
弾「…キィィィ…よし…!神奈子と隠岐奈、映姫は大丈夫そうだな。苦戦してる幽香に援護しに行く……うぅ!?」
蓮子「弾さん!?どうしましたか!?」
依姫「隙有り!」
蓮子「…ッッ!」
戦局を見ていた弾が突如膝をついて苦しみだす。それに気づいた蓮子は駆け寄ろうとするも、依姫の刀の一撃が蓮子の頬をかすり、近づくことができなかった。
弾《…ぐ…!やっぱり…みんなに気をつけすぎたか…!?》
咲夜「弾様!援護致します!」
魔理沙「おらぁ!マスタースパーク!!」
すると空から遊撃を請け負っていた咲夜と魔理沙が弾の側に降り立つ。そしてお得意のナイフや光線で周りの妖怪達を一掃していった。
弾「…サンキュー…!」
蓮子「よかった…うん!私も…!ジャッジメント・ドラゴン・ソード!」
依姫「せいっ!ガキィンッ!!」
蓮子は片手剣サイズになったジャッジメント・ドラゴン・ソードを振りかぶって依姫の愛刀とぶつかり合う。蓮子の剣の腕は依姫の比べてたかが知れているが、マザーコアの力がそれを補うほどのエネルギーを生み出していたので、勝負自体は蓮子が押していた。
蓮子「…ぉぉぉ!秘封倶楽部…!会長を…!なめるなぁ!!!蓮子パンチ!!!」
依姫「うぐぅ!!?…まだだ!来られませ…」
異界王《…!…ふんっ!》
蓮子が空いていた方の手でストレートパンチを噛ます。懐に重い一発を食らった依姫が再び神を降ろそうとした時、蓮子の中から異界王が出て来て手のひらを依姫に向けた。
依姫「…あ…あがっ…!?か、身体…が…!?」
異界王《お前の能力の弱点、それは神を降ろすため
蓮子「さっすがお父さん!星符『スター・オブ・キングダム』!」
依姫「ああぁ!!!」
異界王が依姫に取りついて動きを封じると、蓮子はジャッジメント・ドラゴン・ソードに星のエネルギーを纏わせる。そのまま巨大な光の刃を振り下ろして依姫を吹き飛ばした。
蓮子「…よっし!さぁ!今度はバトスピで勝負よ!」
依姫「…仕方ない…!成敗する!」
蓮子 依姫「「ゲートオープン!界放!!」」
戦場 幽香VSサグメ
サグメ《……玉符『烏合の呪』…!》
幽香「…くっ!マスタースパーク…!」
サグメが生成した陰陽球の群れが幽香めがけて襲いかかる。対して幽香は日傘から光線を放って打ち消すが、いかんせん数が多くすべては打ち消せなかった。
そして残った陰陽球を幽香は身体をよじり、バク転しながら紙一重で避けていく。
サグメ《…諦めなさい…あなたの力はここ『月面』では何の意味もない…》
幽香「……だぁぁぁぁ!!ブンッ!」
サグメ《…はっ!ガキィンッ!!》
サグメの言葉(テレパシーなので声には出てないが)を無視して幽香は一気に離れた距離を詰める。その勢いのまま閉じた日傘をサグメの頭上に振り下ろすが、サグメが展開した障壁に阻まれてしまった。
幽香「…まだよ!…スッ…」
サグメ《…!?…な!?》
幽香「…この距離なら…!『ウルトラスパーク』!!」
サグメ《…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!》
だが月の都での事務作業が日常のサグメと違い、幽香は生存競争が激しい地上で幾千の戦いを潜り抜けてきた猛者。とっさの判断力は幽香が上手だった。
幽香は受け止められた日傘を頭上からちょうどサグメの腹部付近に移動させ、そのまま超強化版マスタースパークを放ったのだ。頭上付近にエネルギーを集めていて、腹部付近は手薄に張っていたのか、サグメの障壁は至近距離マスタースパークに耐えらなかった。
サグメの身体は月面に地上絵が描けるほど後ろに飛ばされていった。
幽香「…ふぅ…なぁにが何の意味もないですって?」
サグメ?《ムクッ…いたた…全く、粗暴なこと…》
イシス《…!…幽香!》
幽香が皮肉を吐き捨てると、サグメが翼を羽ばたかせて幽香の前に戻る。だがその口調はいつものサグメとは違い、まるで上流貴族のご令嬢のようだ…
幽香「…まさか…原初神…!」
サグメ?《その通り。わたくし原初神が一柱、法と掟の女神テミスと申しますわ》
立ち上がったサグメ…に取りついていたテミスは優雅にお辞儀する。しかし幽香は彼女の丁寧な言葉遣いの裏にある邪な感情を感じ取っていた。
幽香「…その気持ち悪い目をやめてくれない?見下されているようで腹がたつわ」
テミス《あら、あなたのような雑草を見下して何が悪くて?》
幽香「…ムカつくわ…!マスタースパーク!!」
嘲笑うテミスに耐えかねて幽香は再び光線を放つ。極太のビームにテミスの姿が呑まれていくが……
テミス《…やはり…雑草ですわね》
幽香「…効いてない…!?」
テミス《…スチャ…この剣で切り捨てただけですわ。そして次はあなたです!》
幽香「…っ!キィンッ!」
テミスは取り出した長剣でマスタースパークを両断してしまう。そしてテミスはそのまま斬りかかり、幽香は日傘で応戦し始めた。
幽香「…キィンッ!法の…女神って言ったわね!ガキィンッ!ならあなたは自分が正しいことをしてる…んんっ!キィンッ!自信があるの!?」
テミス《 『正しいこと』?そんな事考えたこともありません。なぜなら強さこそ正義!キィンッ!故に強者の私が間違うことはない!》
幽香「…あうっ!」
二人は暫し日傘と剣で殺陣を繰り広げるが、テミスの剣が幽香の手から日傘を弾き飛ばす。さらにテミスは衝撃波を放って幽香を吹き飛ばし、身体は地面を転がった。
テミス《…失せなさい、崩符『白虎李微』!》
幽香「…がっ…!がはっ…!…ドサッ…」
そしてテミスの身体から白いエネルギーの虎が飛び出して幽香に飛びかかり、彼女の身を貫いていった。日傘を手放し、幽香は力なく地面に倒れてしまう。
幽香《…ぅ…な、なめてた…!ここまで強いなんて…!》
テミス《教えてあげます。強くない者に存在価値などありません。弱者は黙って強者にひれ伏していればそれで良いのです》
幽香「…ふふっ…な、なら…あなたも…存在価値はないわね…!弾に…ひれ伏すことになるのだから…!」
テミス《…ブチンッ…黙れ!この…!雑草風情がぁぁ!!!》
内心幽香はテミスの強さに焦っていたが、それを隠して彼女の言葉を皮肉で返す。しかしその行動はテミスを挑発することになり、剣を手に幽香にズカズカと近づいてきた。
テミス《よくも私にそのような口をきけますね…!今すぐ首を跳ねてあげます!》
イシス《…まずいわ…!幽香!何とか動いて!》
幽香《…死ぬ……想像以上の強さ……!》
テミス《死になさい!!!》
動けない幽香の側にテミスが立ち、大きく剣を振りかぶった……
???「やめろー!」
???「幽香さんから離れろー!」
???「あっち行けー!!」
テミス《きゃ!?》
幽香「…え……」
???「幽香!無事!?」
???「よかった…間に合った…!」
…その時、テミスに何者かが飛びついた。不意を疲れたテミスは体勢を崩して倒れこみ、さらに幽香の所へ誰かが近寄ってくる。彼女達に幽香は心当たりがあった。
幽香「…幻月…夢月…!?どうして…!?」
幻月「決まってるじゃない!助けに来たのよ!」
夢月「それにくるみとエリーも来てるわ!」
そう言って白い羽の幻月と青いメイド服の夢月は幽香を抱き起こす。ふらふらながらも幽香は立ち上がってテミスの方を見てみると、テミスに光弾を放っているくるみとエリー…そして妖精達の姿があった。
幽香「…妖精…?」
幻月「ええ、博麗神社に住み着いてる光の三妖精達よ」
夢月「霊夢から話を聞いて参戦したんだって」
サニー「おりゃー!」
ルナ「でーい!」
スター「てーい!」
くるみ「はぁぁ!」
エリー「おりゃぁ!」
テミスに攻撃していたのは博麗神社に住んでいる妖精達、サニーミルク、スターサファイア、ルナチャイルドだった。どこからか話を聞きつけて着いてきたようだ。力は弱いが、彼女達の能力で姿と音を消しているため、テミスは三妖精達の姿を捉えられないでいる。
テミス《ちぃ…!この雑魚が!ふんっ!》
三妖精「「「きゃぁぁ!」」」
くるみ「ぐぇ…!」
エリー「うぐっ…!」
だがテミスは周囲をまとめて吹き飛ばし、三妖精達やくるみ、エリーに攻撃した。たまらず五人は幽香の所まで転がってくる。
テミス《…ふぅ…危ない危ない…こんな雑魚に気を乱されましたわ…》
幽香「…ザッ…まだよ…!この子達に手を出すなら…私を殺してからにしなさい!」
テミス《そいつらをかばって何の得になりますの?弱い者は強者の足手まとい…迷惑以外の何者でもありませんわ》
幽香「…うふふ…この子達に……私と同じものを見たから…かしらね」
幽香はボロボロの身体を引きずって部下や妖精達を守ろうと前に出る。緑の髪は土埃まみれ、赤いスカートは所々破けているが、幽香の瞳は強くテミスをにらみつけていた。
その昔、私はただの花だった。だけどいつの間にか力を得た私は妖精として花畑を飛び回った…あの時は同じ妖精達とただ遊んでいただけだったけど…
…そんな日はすぐ崩れた。妖怪達が跋扈していた時代、自らの縄張りを広げようと数々のならず者妖怪が花畑を荒らし始めた。
仲間の妖精達は力の差に全員軽くやられてしまったけど、運良く私は敵の親玉の隙を突き、妖怪の首をとることができた…初めて味わう血と肉の感覚は今でも覚えている。
…それが更なる悪夢の始まりだった。
討ち取った妖怪はそれなりに名の知れた奴だったらしく、そいつを殺した妖精の噂を聞きつけてさらに別の妖怪達がやって来た。
私は戦った…大好きな花畑を守るために…何十の首をもぎ取り、何百の命を奪った。気づけば私は妖怪になり、残虐非道な花妖怪としてその名を知らしめることになっていた。
…あらあら…もう終わりなの?もっと良い声で鳴きなさい…うふふ…
…来ないで…私は戦いたくない…
…失礼ね。ちょっといじめただけよ。
…ごめんなさい、花畑を守るためなの…
アハハ!もっと私を楽しませなさい!
…違う…こんなの…!本当の私じゃない!!
…つらかった…ただ守りたいモノを守っているだけなのに…守るたびに『危険度極高の妖怪』と言われ続ける。一度花畑を出ればヒソヒソと後ろ指を指され、誰も近くに寄ってこない。
そう言う自分さえ本当の
…………もう…いいや……どうせ誰も私を見てくれないんだ…
…そんな時だ…
彼は私を見てくれた…いや
それが彼についていく理由。でももう一つ…こんな私でも…誰かに頼らないと自分を見失う宿り木な私でも…たくさんの命を奪った極悪妖怪の私でも…もし赦されるのなら、少しだけワガママを言っても良いなら……
……彼みたいな…ヒーローになってみたい。
幽香「…それに…ヒーローが逃げる訳にはいかないでしょ!この子達…戦えない命の代わりに…私が戦う!!!」
イシス《…!…覚醒した…!》
テミス《…な…!?それはタカミムスビの…!まさか…戯れ言ではなかったと!?》
その言葉と共に幽香の妖力が星の力へと変化する。姿もセフィロ・アリエスのような白地に金と緑のアーマーが現れていた。
幻月「…幽香…!」
幽香「…ハァァ!ブンッ!」
テミス《…ちぃ!調子に乗るな!》
幽香は神力を放出しながらテミスに殴りかかる。そこから再び戦闘が始まるが、覚醒した幽香の勢いにテミスは押され始めた。
幽香「草符『
くるみ「…巨大な…蔦の鞭…!」
テミス《 ブハッ!…ズザザ…バカな…!ここには生えている植物など…!》
幽香「ええ…だから
幽香の宣言が響くと地面から緑の植物が生えて、まるで鞭のようにしなってテミスを弾き飛ばす。転がったテミスは生命のない月面に植物が生えたことに驚くが、幽香は手から小さな花を生やしてみせる。
幽香が言った通り、さっきの蔦は幽香の足から地面をたどって現れていたもの。以前の幽香ならできない芸当だったが『分神』した今でだからできる力業である。
イシス《これなら…幽香、これを!》
幽香「パシッ…借りるわよ。はっ!!」
サニー「…わっ!」
スター「力が…溢れてくる!」
ルナ「…すごーい!」
イシスが幽香の前に神話ブレイヴ『天霊王杖ウアス・セプター』を出現させる。それを幽香が握って天に掲げると、自然の化身とも言える妖精達の生命力が爆発的に増幅された。
幽香「行きなさい!『
三妖精「「「わぁぁぁぁ!!!」」」
テミス《…ぅ…!っっ…!》
幽香からエネルギーを与えられた三妖精が光に包まれて突進していく。そして連続でテミスにぶつかり、思わずテミスは膝をついた。
幽香「…さて…次はなぁに?」
テミス《…ハァ…ならこちらですわ!》
幽香「…あなた達、ここは任せて弾達を頼むわ」
夢月「わかったわ!」
エリー「カッコよかったわよ!」
幽香にあとを託して夢月達は別の場所に向かって行く。そして幽香自身はデッキを取り出してテミスに突きつけた。
テミス《おのれ…!よくもこの私に…!》
幽香「…うふふ、本当の『強者』を教えてあげる…!」
幽香 テミス「《ゲートオープン!界放!!》」
はい。ありがとうございました。
『分神』幽香は『セフィロ・アリエスのようなアーマー』を纏っています。あの白いヒラヒラ(分かるかな?)や角とか胸当ての宝玉とかを模した感じです。あと自分の幽香像は変わらずこんなんです。