東方星神録   作:あんこケース

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あ、ツイッターやってます(今さら) 基本東方かバトスピにしか呟かないですが……


八咫烏の呼び声

幻想郷 永遠亭 会議室

 

袿姫「…これは我がゴッド!大変なご迷惑を…!」

 

サグメ《…ペコリ…》

 

依姫「これから挽回すれば良いですよ」

 

アルテミス《やってやるわ~!!次の敵はどこじゃーい!!?》

 

ゼウス《そ、その心意気は嬉しいのじゃが……》

 

月都組と袿姫達が一同に謝罪するなか、アルテミスは猛烈にリベンジに燃えている。だが揃っている面子の顔には不安の感情が見えていた。なぜなら……

 

 

紫「…弾…もう大丈夫なの?」

 

弾「あぁ、もう全快…っう!」

 

永琳「ダメ!あまり動いちゃ!」

 

あのあと倒れた弾は意識を取り戻したが、神力の消費が凄まじく車イスでの移動を余儀なくさせられていた。今も立とうとするも、力が入らずまた車イスへ座り込む。

 

霊夢「…たまには休みなさい。そうしたってバチは当たらないわよ」

 

藍「何か起これば私達が対応しますから…」

 

弾「……わかった……」

 

紫《…あ…あれは絶対休まない顔だ…!》

 

霊夢達の説得で、少し不貞腐れたような顔だったが弾は一応納得した。だが一人紫は本当に弾が休んでくれるかどうか不安を拭えていない。

 

ヘファイストス《…それで…これからどうする?》

 

デュオニュソス《んー…俺が掴めた情報だと…あと残ってる原初神は一柱だけだぜ?》

 

レミリア「…だが…個人的に奴らに時空を書き換える力があるとは思えないけど…?」

 

ツクヨミ《…それなら知る手段がある…まぁ100%ではないが…》

 

ああだこうだと議論していると、腕を組んだツクヨミが解決法を提案する。今いる全員の意識と視線がツクヨミに向いた。

 

スサノヲ《おぉ!マジか!?兄貴!》

 

オシリス《その方法とは?》

 

ツクヨミ《……姉上に聞いてみようと思う…姉上なら心当たりがあるかもしれない…》

 

カグツチ《…んん…?アマテラス様に?僕たち彼女がどこにいるか分からないよ?》

 

依姫「…ええと…あの天照大御神様ですか?」

 

ヘラ《そやで~。彼女はタカミムスビさんの側近やったから、原初神の情報も持ってそうやね》

 

ツクヨミの提案は確かに当たりだったが、唯一の問題はアマテラス自身が今どこにいるか分からないことだ。また会議が振り出しに戻ろうとしたその時だった。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

 

キョェェェェェェェ!!!!!

 

 

 

隠岐奈「…んんん!?」

 

イシス《…地震!?》

 

幽々子「きゃー。死ぬー」

 

妖夢「幽々子様!もう死んでますよ!それに何ですか!?今の音は!?」

 

幽香「…まるで鳥の鳴き声にも聞こえたけど……」

 

スサノヲ《……行くぞ!妹紅!》

 

ツクヨミ《藍!私達もだ!もしかしたら姉上の手掛かりかもしれん!》

 

永遠亭中が激しい揺れに襲われ、続けてかん高い鳥の鳴き声のような音が響いてきた。振動に踏ん張り、あまりの大きさに全員耳を塞ぐが、アマハラのツクヨミとスサノヲは急いで飛び出していく。

 

永琳「豊姫!依姫!弾をお願い!絶対無茶をさせないで!!『分神』メンバーは後を追うわよ!!」

 

豊姫「わ、分かりました!」

 

依姫「…さぁ…行きましょう?」

 

弾「…お、おぅ…」

 

へカーティア《…なら私も残ろうかしら…》

 

永琳の指示で綿月姉妹が即座に弾の両サイドへ収まる。永琳の一番弟子であるこの二人がいるならば、弾もむやみに飛び出しては行けないだろう。

 

弾「椛!人里に戻った慧音や阿求、他のに連絡を!」

椛「…り、了解!」

 

ヘルメス《…うっし…俺もひとっ走りしますか!》

 

弾「…あぁ…そうだ。悪いけど…袿姫!早苗!ちょっと残ってくれ。話がある」

 

袿姫「…ゴッドがお望みであるならば…」

 

早苗「…?…何ですかね…」

 

鈴仙「…師匠…あの鳴き声…いったい何なんですか?」

 

綿月姉妹に連れられていく前に弾は袿姫と早苗を呼び止めた。その一方、鈴仙はあの鳴き声の主を知っているであろう永琳にその正体を尋ねた。

 

 

永琳「…あれはね……八咫烏(ヤタガラス)の鳴き声よ……」

 

 

 

 

 

 

巫女が山に立ち入ってから一年近く経とうとしていた。

博麗神社の危機も免れ、何事もなくいつも通りの暑い夏が訪れている。

 

だが、巫女は日照り続きという異常気象に悩まされていた。

 

何故か梅雨の間も、神社には殆ど雨が降らなかったのだ。

それだけではない、雨が降り続ける森、常に深い霧で見えない洋館、季節外れの雪・・・。

 

異常気象もここまで来るともう立派な異変であった。

 

異常気象の実情を把握している者は誰一人居なかった。

だが、巨視的に観察すれば誰の目にも明らかだったであろう。

常に周りが晴れ続ける者、霧雨が降り続ける者、深い霧に包まれている者・・・。

 

そう、気象現象は個人の周りだけで起こっていたのだ。

 

様々な気象現象がぶつかり合った時、本当の異常気象が始まる事になるであろう。

異常気象の正体を垣間見たその時、異変解決戦争開戦の大きな合図が大地に響いた。

 

――神社を倒壊させる程の大地震。

 

何故かその地震は、神社にいた巫女しか揺れを感じる事は無かったのだが、彼女を異変解決調査に乗り出させるには十分だった。

 

 

さらに響く巨大な鳴き声。太陽の化身たる八咫烏がその怒りを幻想郷にぶつけ始めたのだ。

 

荒れ狂う大地と怒り狂う太陽…この危機に最後の魔法が『奇跡』を呼ぶ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び永遠亭 病室

 

 

袿姫 早苗「「ええ!?私達が元凶を倒せ!?」」

 

弾「…まぁ…少なくとも八咫烏を操る奴ら…だけどな」

 

病室で袿姫と早苗は弾の言葉に驚いていた。車イスに座ったまま弾は自分が感じ取った感覚を頼りに、二人と聞きたがっている綿月姉妹&へカーティアに説明する。

 

弾「まずみんなは『八咫烏』に気をとられていたけど…俺はその前の『大地震』が鍵だ。早苗、地震と聞いて幻想郷では何を思い浮かべる?」

 

早苗「…!…まさか…天子さん!?」

 

弾「その通り。俺は早苗達が幻想郷に来た次の異変『博麗神社倒壊事件』が主で起きていると思う。八咫烏は囮だ」

 

へカーティア《…まさか…誰も気を置いてなかった所に気づくなんて……!》

 

ヘファイストス《…何という洞察力…!ディーテを越えてるよ…!》

 

ポセイドン《…タカミムスビさんを思わせる風格だな…》

 

車イスのひじ掛けに肘をついて弾がそう推理する。早苗や依姫達が驚いてる中、創界神達はあまりにもかけ離れた弾の頭脳に驚くばかりだった。

 

豊姫「…と言うことは…!」

 

弾「二人はすぐに『非想非非想天』へ向かい、地震を遠距離で起こしているであろう天子を元に戻してくれ。もしかしたらさとりもいるかもしれないな」

 

早苗「分かりました!東風谷 早苗!行って参ります!!」

 

袿姫「流石我がゴッド!必ずや良い結果を持ち帰って参りましょう!!」

 

ヘファイストス《…ちょ!待って!》

 

弾信者の二人はそそくさと飛び出して『有頂天』へ走り出していった。創界神が後を追って出ていき、病室に静かな空気が漂い始める。

 

依姫「…それにしても…この異変全体の元凶はいったい何者なのですかね?明らかに原初神以上のことを仕出かしていますが…」

 

弾「……ならそれをよーく知ってる奴に聞くか……」

 

へカーティア《…ん…それって…どゆこと?》

 

弾「…なぁ!いったいこの異変の元凶はどんな奴なんだ……?

 

 

 

 

 

……博麗 霊奈?ウカノミタマ?」

 

霊奈「…そんな大きい声を出さんでも聞こえるよ…」

 

ウカノミタマ《…この鎖を解いてくれたら考えてあげても良いわ…》

 

弾が部屋の端のベッドに問いかける。病室の端のベッドに寝ていた…はずの女性がパチリと目を開けて上半身を起こす。その隣のベッドで鎖で縛られている女性も目を向けた。

 

弾「…教えてくれないのか?」

 

霊奈「……ふん…お前を信用できないのでね」

 

ウカノミタマ《…右に同じ》

 

弾「…そうか…」

 

へカーティア《ダメじゃん》

 

さすがにこの二人を吐かせる能力を弾は持ち合わせていない。ため息をついて弾は背もたれに倒れて首を倒した。

 

弾「…まぁ良いさ。俺達は待とう」

 

豊姫「…………」

 

依姫「…………」

 

弾は呑気にベッドに寝込んで目を閉じる。綿月姉妹はお互い顔を見合わせて首を傾げた。

 

 


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