有頂天 早苗VSさとり
さとり「想起『アポロ反射鏡』!」
早苗「…おおっと…!変なTシャツヤローのより簡単です!」
まだ袿姫が天子とバトルしている時…早苗はさとりが繰り出す想起スペルを攻略していた。へカーティアのスペルのレーザーが四方八方から襲いかかるが、早苗にとってはかわしやすいスペルだったようだ。
さとり「…む…想起『烏合の呪』!」
早苗「ゲゲッ!あの人のスペルは苦手なんですよ~!蛙符『手管の蝦蟇』!!」
次にさとりが使用したのはサグメのスペル。大量の陰陽球が早苗めがけて突っ込んでくると、早苗の蛙型エネルギー弾がそれを迎撃にかかる。
早苗「…ズザザ!」
さとり「…まだですか…想起『17条のレーザー』!!」
早苗「…あらよっと…!!秘術『グレイソーマタージ』!!」
さとりから黄色のレーザーが放たれるが、早苗は星形弾幕で防いだり、身をよじってかわしたりしていく。こんな下りが何回も続いていた。
その均衡が崩れたのは早苗が何気なく言いはなった一言からだった。
早苗「…ふぅ…なるほど!やはりあなた!ただ者じゃありませんね!いつものさとりさんはこれ程他人のスペルを真似できません!」
何度目かの想起スペルを対処した早苗はそう叫ぶ。彼女としては『いつもより強いな!』の意味だけで言ったのだが……
さとり?《 …へぇ…仮にも神の端くれなことはある。私の正体を見破るとは》
早苗「……へ…?」
ポセイドン《…!これは…!まさか原初神か…!!》
何時もの気だるげな口調ではなく、好青年のような口調でさとりは感心している。暫しフリーズしていた早苗だったが、体内のポセイドンの声でハッと我に返る。
早苗「ふ、ふふん~!やはりそうでしたか!名を名乗れ~!」
さとり?《 ふむ…私はヒュペリオン。太陽を司る正式な神だ》
ポセイドン《…ヒュペリオン…!…何が正式な神だ!クロノスと共謀して圧政を強いていたではないか!》
そう言ってさとり…ヒュペリオンは腕を組んで何もない空中に座る。ポセイドンの指摘にもどこ吹く風と言わんばかりにため息をつくだけだった。
ヒュペリオン《 ……ハァー…ずいぶんな言われようだな。東風谷 早苗、改めて…なぜお前は我らに歯向かう?》
早苗「そんなの決まってます!あなた達が幻想郷の時間を戻し!この世界を思うがままにしようとしているからです!」
ヒュペリオン《 ……まぁ…否定はしない。だがそれだと……
……馬神 弾は死ぬぞ?》
早苗「……は…?」
ポセイドン《聞くな!我輩達を誑かそうとしているだけだ!》
ヒュペリオンが足を組んで不適に笑うと早苗にそう言葉をかける。ポセイドンはヒュペリオンの呟きを無視したが、早苗は『馬神 弾』という単語に引っ掛かってしまった。
早苗「…どういうですか…!弾様が…死ぬ…!?」
ヒュペリオン《 …そもそもお前は『分神』というもののプロセスを理解していない。『分神』は馬神 弾の神力を削って他人を強化する。つまりお前達が戦えば戦うほど、アイツの命は削られていく》
早苗「…………!」
ヒュペリオン《 ……分かったか?アイツを救うには……我らにつく以外無いのだ!!ふんっ!!》
ポセイドン《…危ない!》
早苗「…っぁ!!!」
ヒュペリオンの言葉に激しく動揺してしまった早苗は大きな隙を見せてしまう。そこへヒュペリオンが手から大きな火炎弾を放ち、反応が遅れた早苗はそのまま後ろへ転がった。
ヒュペリオン
早苗「…ハァ…ハァ…!き、奇跡『神の風』…!!」
服のあちらこちらが焦げついた早苗の風と再び手から放たれたヒュペリオンの炎がぶつかるが、傷ついた早苗の風は弾かれてしまう。
早苗「…ぁ…!!」
ヒュペリオン《 ……じゃあな…!!》
地面に倒れ込んだ早苗にヒュペリオンがトドメの炎の一撃を放つ。火炎弾が動けない早苗へ命中した……
《まずはスタートステップからだ。そしてドローステップ、リフレッシュステップ……》
あの人と初めて出会ったのは私が小学生の頃。両親が事故で亡くなり、塞ぎこんでいた私を引き取った親戚は楽しませたかったのだろう…私をとあるイベントへ連れ出した。
周りには同年代の男の子が多かったけど、私はそのカードに不思議な魅力を感じていた。
《…あの…私にも…教えてください……》
《…ん?いいよ!まずこのカードは……》
それから私の生活は格段に良くなった…別に新しい収入があったとかではない…ただ悲しむ日々から楽しむ日々へと変わったのだ。神奈子様や諏訪子様もすごく喜んでくれた。
早苗《行ってきま~す!》
神奈子《…んん…早苗…まぁた彼のイベントにかい?》
諏訪子《良いじゃん。彼は早苗にとってのヒーローなんだから》
神奈子《…むぅ…》
諏訪子《…それより信仰の減少を考えよう。このままじゃあ消滅しちゃうよ》
中学高校生になっても私は彼の追っかけを辞めなかった。変な噂もあの時の私には関係なかった。でも……
…『馬神 弾死亡説』は私をまた悲しみの日々へ引き戻した。
初めて聞いたときは信じなかった。あのお方が死ぬわけない!全てデマだ!…そう思いたかった。でも実際『西暦2010年8月30日』以降、彼の目撃情報は一つもない……
…あぁ…本当なんだ……本当に…死んでしまったんだ……
それからまた塞ぎ込んでいた私に神奈子様と諏訪子様は驚きの提案を持ちかけてきた。
早苗《…異世界に…!引っ越す!?》
神奈子《あぁ、この世界ではもう信仰が足りなくて存在を維持できない。だから私と諏訪子はこの神社ごと『幻想郷』という世界へ移ることにした》
諏訪子《…でも早苗。あなたが私達についてくる必要はないよ。あなたにだって今の生活を捨てる訳には…》
その提案は私の心の奥底を強く揺さぶった。また私の前からいなくなってしまうのか?どうせあのお方のいない世界に未練などない…諏訪子様の言葉を遮って私は答えた。
早苗《行きます!異世界へ!!》
そんな訳で私は幻想郷へ引っ越して来た。慣れるまでは大変だったけど、霊夢さんや魔理沙さん達と仲良くなってからは楽しい日々が戻ってきた。
そして…あの日がやって来た。
神奈子《早苗!!早苗どこ行った!!!?》
早苗《何ですかぁ~?朝から騒いで…》
諏訪子《これ!これ見て!!》
その日は疲れていたこともあって遅めの起床だった。でも神奈子様と諏訪子様は慌てた様子で私に『文々。新聞』を押しつけてきた。
早苗《…また文さんが変な記事を書いたんですか?索道がうんたらかんたら…》
神奈子 諏訪子《 《とにかく見て!!》》
早苗《…はぁ…チラッ………………へ…?》
二人から押しつけられた新聞…そこに載っていたのは…あのお方の名前だった。
それから幻想郷中を飛び回り、誤解を解いて彼を探し回った。その時は会えなかったけど、定例会でとうとうお会いできた。
その後知った真実…彼が経験した異世界での戦い、無理解と絶望、そして自己犠牲。順風満帆とは決して言えない人生に私は驚いた。
早苗《…弾様…なぜそこまでして戦うことができるのですか…?》
弾《ん…なんでだろ…?それが日常だったからなぁ…》
早苗《…もし…死の危機にさらされても…?》
ある日、思いきって彼に聞いてみた。彼は頭をかきながら不器用に笑う。
弾《…でもこれだけは言っておく。俺は死なないぜ?だから俺の安否は二の次で良いよ》
早苗《……………》
ニヤリと怪しげに微笑む彼はまさに『神』や『王』を思わせる風格でした。
早苗「…弾様…!あの時仰りましたよね…!『死なない』と!そのお言葉を信じます!!奇跡よ!起これぇぇぇぇ!!」
ドゴォォォォォンッ!!!!
ヒュペリオン《 ………他愛もない……む!?》
火炎弾が早苗に直撃した瞬間、早苗は膨大な神力を放出して炎をは相殺する。早苗の姿は創界神ポセイドンのような鎧に包まれており、ヒュペリオンの炎は鎧に弾かれていた。
早苗「…水符『
ヒュペリオン《 ……うぐぅ!?》
青いポセイドンの籠手から早苗は水を吹き出させてヒュペリオンを縛り上げる。そしてヒュペリオンを持ち上げ何度も地面に叩きつけた。
早苗「うほぉ~!スゴイスゴイ!お次は…カモンッ!神話ブレイヴ!」
ポセイドン《…へい!お待ち!》
やっぱりこういうガチガチしたものが好きなのか、早苗のテンションは上がりに上がっている。そんな早苗にポセイドンもノリを合わせて『神海三叉槍トリアイナ・ギガ』を出現させた。
早苗「かぁ~!良いっ!一度持ってみたかったんですよねぇ~!!」
ポセイドン《…早苗!前見ろ!前!》
ヒュペリオン《 崩符『大噴火』!!》
早苗「…む!水符『
カッコいい三ツ又の槍に興奮する早苗へヒュペリオンの火山弾が襲いかかる。だが早苗がトリアイナ・ギガを地面に突き刺すと、噴き出した水流が槍の如く伸びて火山弾を砕いていく。
早苗「いっけぇぇぇぇ!!!」
ヒュペリオン《 ごふっ!?》
早苗がさらにトリアイナ・ギガに力を込め、噴き出す水流の槍の勢いが増す。早苗の水槍はそのまま火山弾を砕き、ヒュペリオンの身体を貫いた。
早苗「…さて…これ以上さとりさんの身体を傷つける訳にもいきませんね…」
ヒュペリオン《 …ふんっ…!…やってみろ…!》
早苗 ヒュペリオン「《ゲートオープン!界放!!》」
はい。ありがとうございました。
『分神』早苗さんは『創界神ポセイドンの鎧』を纏います。でもフル装備というわけではなく、籠手やすね当て、胸当てぐらいの武装です。あまりガッチガチの装甲は東方キャラに似合いませんし