東方星神録   作:あんこケース

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…この章でバトルを多めにしている理由…だって…活躍が薄めの人達をバトルさせたいんです…


空に燃える藤の花

永遠亭 上空 妹紅VS雷鼓

 

 

 

 

妹紅「さぁて…さっきまでゴロゴロ五月蝿かった借りを返させて貰おうか」

 

雷鼓「…ちぃ!三鼓『午前0時のスリーストライク』!!ドドドンッ!」

 

恐竜達が暴れているその上空、『分神』状態で妹紅はマグマが流れ落ちる拳をゴキゴキ鳴らし、ドラムに腰かける雷鼓を挑発する。雷鼓も挨拶変わりに、エネルギーで作った太鼓を砲台として弾幕をばらまいてきた。

 

 

妹紅「…しゃっ!『竜神再誕』!!」

 

 

ドゴォォォォォォンッッッ!!

 

恐竜達《 ゴギィャァァァ!!

 

文「あやや!!?」

 

袿姫「…おお…!ズザザザザ!」

 

雷鼓「あぁぁぁつぅぅぅぅ!!?」

 

妹紅「…シュゥゥゥ…へへっ!不死身の『蓬莱人』舐めんなよ?」

 

それに対して妹紅は自分の身体に貯まっていたスサノヲの神力を全放出させた。まるで太陽が爆発したかのような熱の波動は雷鼓の作った砲台太鼓を弾幕ごと吹き飛ばし、雷鼓自身にもダメージを与えるほどの高火力である。

 

普通ならそれほどの火力を出せば、肉体がもたないのは自明。『蓬莱人』の妹紅だからこそ、使うことができた文字通り『命懸け』の技と言えよう。

 

下でも文や袿姫達が怯むほどの熱に、雷鼓は空中で転げ回り、その隙に妹紅は肉体を再生してニヤリとどや顔を噛ました。

 

弁々「姐さん!大丈夫!?」

 

八橋「加勢するわよ!」

 

雷鼓「あちち…サンキュー!」

 

妹紅「…ったく…めんどくさくなったなぁ」

 

大ダメージを負った雷鼓を庇おうと、さらに上空から九十九姉妹が演奏をやめて妹紅の前に降りてきた。妹紅はまた竜のオーラを纏い、頭をかきながら三人まとめて相手をしようとする。

 

雷鼓「行くよ!八鼓『雷神の怒り』!!」

 

弁々 八橋「「弦楽『嵐のアンサンブル』!!」」

 

スサノヲ《…どーするよ?妹紅?》

 

妹紅「しゃらくさい!迎え撃つ!」

 

スサノヲ《よしきた!》

 

態勢を立て直して雷鼓は再び雷撃を、九十九姉妹も自身の楽器を奏でて弾幕を放とうとする。体内のスサノヲと妹紅は軽く打ち合わせるが、すぐさま『迎撃』で一致した。

 

妹紅は目を閉じて右手に自分の力を集めていく。その右手には炎と水が螺旋状にまとわりつき、赤と青に輝いていた。

 

妹紅「…祇園『二天一龍ー真・フジヤマヴォルケイノ』!!

 

スサノヲの力を込めた妹紅の右ストレートが放たれ、その拳から螺旋状に炎と水の竜が飛び出した。二体の竜は途中で一体の大きな竜へと変わり、雷鼓達の弾幕とぶつかり合う。

 

妹紅「ぉぉぉぉぉ!!」

 

スサノヲ《ぶっっっとばせぇぇぇぇぇ!!》

 

雷鼓「ぎぎぎ…!」

 

弁々「…っう!」

 

八橋「こ、これ…!ヤバい…!」

 

 

ドォォォォンンッ!!!

 

 

『アマハラ』の名高い武神を降ろした妹紅の竜は三人の付喪神達の弾幕を打ち破り、空に大きな爆発を引き起こした。煙が晴れると、もうボロボロな雷鼓が気絶している九十九姉妹を抱えてふらふらと飛んで…それよりは『浮いて』いるだけのよう。

 

弁々「…キュ~…」

 

八橋「…プスプスプス…」

 

雷鼓「…シュー…ブンブンッ!まだまだ!こっちにも創界神はいるんだ。星の竜の力!見せてやる!」

 

妹紅「…ようやくバトルだな!もう一戦だ!」

 

スサノヲ《アポローン!今俺たちが起こしてやる!》

 

 

雷鼓 妹紅「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹紅「…行くぜ?メインステップ!マジック!『護国ノ威光』!デッキから三枚ドローして手札の『カイエンハイドラ』を破棄」

 

バトルフィールドの乾いた風に髪をたなびかせ、妹紅はターンを始める。『護国ノ威光』の効果で妹紅の手札が実質二枚増加した。

 

妹紅「バーストをセット!ターンエンドだ」

 

雷鼓「さっきまでのようには行かないわよ!メインステップ!創界神アポローンを配置!神託!ボイドからコアを三個アポローンへ!!」

 

アポローン《……………》

 

先ほど食らった炎のせいで、雷鼓の服はあちらこちらが焼け焦げているが、本人はやる気満々だ。勢いのまま雷鼓はアポローンを配置する。

 

雷鼓「さらにネクサス!『オールトの竜巣』を配置するよ!これでターンエンド!」

 

次に雷鼓が配置したのは青空に渦巻く巨体な竜巻型の雲だった。これで雷鼓の手札の『星竜』達に赤の軽減シンボルが追加される。

 

妹紅「メインステップ!『ゴッドシーカー パラサノカンナギ』を召喚してデッキを三枚オープン!『創界神スサノヲ』と『天渡/化神』を一枚ずつ手札に加えるぞ!」

 

有り余った手札から妹紅はパラサウロロフスのような頭をした祈祷師を召喚する。『ゴッドシーカー』お得意のサーチでめくられたのは、『シロイワノハイドラ』『轟将龍ゴルゴノオビト』『創界神スサノヲ』

 

妹紅「珍しく早めだな!『創界神スサノヲ』と……うん…この手札なら…『轟将龍ゴルゴノオビト』を回収して残りはデッキの下へ!来いっ!『スサノヲ』!!」

 

スサノヲ《神託を使ってカードを三枚トラッシュへ!対象カードが二枚落ちた!コア二個おかせて貰うぜ》

 

妹紅はチラッと手札を確認して回収するカードを選ぶ。そして回収した『創界神スサノヲ』を呼び出した。

 

妹紅「ターンエンド!」

 

雷鼓「メインステップ!『アスケラ・ドラゴン』をレベル2で召喚!そして『太陽神弓サンバースト』を『アポローン』にダイレクト合体よ!」

 

雷鼓は『オールトの竜巣』の効果で2軽減された、灰色の鱗が光る小型のドラゴンをフィールドに呼び出した。『アポローン』にも十字の装飾がついた神弓を合体させる。

 

 

雷鼓「…ん~…どうしようかな…アタックすべきか…」

 

妹紅「……………ニヤッ」

 

雷鼓「……まぁ、ここは様子見で。ターンエンド」

 

雷鼓は疲労ブロッカーである『アスケラ・ドラゴン』を攻撃するかどうか考えたが、態勢を整えてからで良いと判断し、ターンを終了した。

 

 

妹紅「もらった!メインステップ!『天霞龍ミカグラハイドラ』を召喚!召喚時効果で『地竜』を持つスピリットにコアを二個増やす!」

 

スサノヲ《増えたコアでこいつを呼ぶぜ!俺の半身!『恐龍武神ムラクモレックス』!敵を薙ぎ払え!!》

 

青のシンボルを増やせる『パラサノカンナギ』を残せたのは妹紅にとって大きなアドバンテージ。最大軽減で青いヒレを揺らした三つ首龍に続き、スサノヲの剣から発生した炎が盾と剣を持ったティラノサウルスに変化した。

 

雷鼓「うげっ…!ヤバそうなの来た…」

 

妹紅「ヤバ()()?こいつは本当にヤバいんだよ!アタックステップ!やれ!『ムラクモレックス』!!『天界放』!」

 

スサノヲ《『アスケラ・ドラゴン』は破壊できねぇが…『アポローン』のコアを二個吹っ飛ばして回復させる!》

 

ゴガァァ!と『ムラクモレックス』は刀に口から吐いた炎を灯すと、走り出す。そして『スサノヲ』のエネルギーを吸収して放った咆哮が『アポローン』の力を削いだ。

 

雷鼓「来な!ライフで受ける!」

 

『ムラクモレックス』が炎の刀で雷鼓のライフを一つぶったぎった。

 

妹紅「…ん…ターンエンド」

 

雷鼓「…ドローステップ…来た!メインステップ!無限に連なる星の竜!『煌星龍王メビウスドラゴン』!!レベル2で召喚だぁい!ドドンッ!!」

 

ドローステップで何かを引き当てた雷鼓は太鼓を叩きながら、一体のスピリットを召喚する。するとフィールドに光の∞マークが描かれて、それが翼になったドラゴンが現れた。

 

雷鼓「アタックステップ!まずは『メビウスドラゴン』でアタックだい!相手のBP15000以下のスピリットを破壊してドロー!!ドドンッ!」

 

妹紅「ちっ!『ムラクモレックス』が…!!」

 

スサノヲ《まだだ妹紅!ここから長くなるぞ!》

『メビウスドラゴン』の火炎放射が『ムラクモレックス』に直撃して燃え上がり、跡形もなく消え去る。だがスサノヲはこれで終わらないと見切っていた。

 

雷鼓「フラッシュタイミング!撃ち抜け!太陽の化身!『太陽神星龍アポロヴルム』!!『メビウスドラゴン』に煌臨!さらに『メビウスドラゴン』はそのまま召喚される!」

 

妹紅「…んんっ!?ノーコストで…踏み倒した!?」

 

スサノヲ《『メビウスドラゴン』はな、自分に『星竜』が煌臨する時はソウルコアを使わず煌臨できる。オマケに自分は煌臨元にならないでまた召喚されるのさ》

 

雷鼓の後ろでアポローンが炎の矢で『メビウスドラゴン』を撃ち抜くと、『メビウスドラゴン』がさらに大きな炎の竜へと姿を変える。さらに弓のような翼と炎のたてがみを揺らした『アポロヴルム』から『メビウスドラゴン』が光になって戻ってきた。

 

雷鼓「さぁ!行け!『アポロヴルム』!!」

 

妹紅「ライフで受ける!」

 

アタック状態の『アポロヴルム』は炎の矢を翼から放ち、妹紅のライフを撃ち抜く。

 

雷鼓「もっかいだ!『メビウスドラゴン』!今度は『ミカグラハイドラ』を破壊してドロー!さらに煌臨!『煌星第5使徒テテュス』!!『メビウスドラゴン』は再び召喚される!」

 

『メビウスドラゴン』が∞の翼を広げると、その光で『ミカグラハイドラ』を焼く。その後『メビウスドラゴン』はまた別の『星竜』へと変わり、光の粒子になってフィールドに戻ってきた。

 

雷鼓「あー…維持コアは『アスケラ・ドラゴン』のを使うね。『テテュス』の煌臨時効果でドロー…」

 

妹紅「その煌臨時効果もらった!バースト発動!『カムナビノミコト』!コスト8以下の『メビウスドラゴン』を破壊!」

 

スサノヲ《そんで『地竜』の『パラサノカンナギ』にコアを二個置いて召喚だ!『テテュス』のアタックを防御しな!》

 

『テテュス』の煌臨時効果をトリガーにして、妹紅のバーストが開く。バーストから放たれた青い雷が『メビウスドラゴン』に命中し、そのまま爆発させた。

 

その後に現れた五首の亀のようなドラゴンが飛んできた『テテュス』にのし掛かり、体格差故に『テテュス』は押し潰されてしまった。

 

雷鼓「ありゃ…ターンエンド…」

 

妹紅「ゴキゴキ…メインステップ!『轟将龍ゴルゴノオビト』をレベル2で召喚!さらに地獄からの刃!『暗黒の魔剣ダーク・ブレード』!『ゴルゴノオビト』と合体!」

 

妹紅が指を鳴らしてカードをフィールドに叩きつけると、地面を砕いて紺色の鎧で武装したティラノサウルスがのっそりと這い出してくる。フィールドに現れた『ゴルゴノオビト』は『ムラクモレックス』に負けないほどの雄叫びを上げた。

 

その『ゴルゴノオビト』の前に空の赤い雷が落ち、紅色の剣が地面に突き刺さる。『ダーク・ブレード』を『ゴルゴノオビト』は尻尾でつかみ取り、今や雷鼓に飛びかかろうかという殺気を放ち始めた。

 

妹紅「アタックステップ!!…ソードブレイヴゥゥ!…アタックッッ!!『アポロヴルム』を指定アタックだ!!」

 

雷鼓「仕方ない!『アポロヴルム』でブロック!フラッシュタイミング!アクセルで『煌星第1使徒アスガルディア』!『パラサノカンナギ』と『カムナビノミコト』を破壊!!」

 

『ゴルゴノオビト』が待ってましたと『アポロヴルム』めがけて襲いかかる。雷鼓も手札のアクセルを使い、妹紅の二体の竜を燃やして後続を除去した…

 

雷鼓「これでこのターンはどうにか…!」

 

妹紅「悪いな!『ゴルゴノオビト』は『地竜』のバトル終了時にライフを砕きながら回復するのさ!」

 

スサノヲ《行けぇ!ぶちのめせ!》

 

スサノヲの声に答えるように『ゴルゴノオビト』は『ダーク・ブレード』で『アポロヴルム』の炎矢を弾いて接近する。そして二体は剣と爪をぶつけ合わせ、互角の戦いを繰り広げる…!

 

妹紅「太陽まで届け!私の一撃ぃぃぃぃ!!!」

 

妹紅の声に答えるように、『ゴルゴノオビト』は『アポロヴルム』を後ろへはじく。一瞬目を離した『アポロヴルム』の隙を突き、『ゴルゴノオビト』は背後に回り、『ダーク・ブレード』を背中に突き刺して破壊した。

 

しかもその衝撃波で雷鼓のライフも奪い取る。

 

妹紅「『ゴルゴノオビト』は回復している!もう一度アタックだ!!」

 

雷鼓「ら、ライフ…!!」

 

再び『ゴルゴノオビト』は走り出し、くるっと回転して尻尾の『ダーク・ブレード』を雷鼓のライフへ叩きつけた。

 

スサノヲ《決めやがれ!》

妹紅「『ゴルゴノオビト』の効果!!もう一発!!」

スサノヲと妹紅が叫び、『ゴルゴノオビト』の目が三度雷鼓を捉えると、その大きな口から炎の弾丸を発射した!

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

メビウスドラゴンのバトルは複雑過ぎて書くのがめんどい…

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