東方星神録   作:あんこケース

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南無三はラビタンハザードフォームみたいに、スイッチ入れば何の無駄な動きもなく相手をボコボコにしそう。


第二次幻想郷宗教戦争

命蓮寺 裏庭 白蓮VS神子

 

 

白蓮「ぐっ…ズザザザッ!!」

 

神子「諦めさなさい。創界神の力を持つ私には勝てません」

 

攻撃によって白蓮が裏庭へ吹き飛んできた。その後を追って神子も白蓮の前に降りてくる。

 

やはり創界神を降ろしている神子の方が優勢なようで、白蓮の服はあちらこちらが破け、身体もボロボロだった。

 

白蓮「…ググッ…超人『聖 白蓮』!ビュンッ!!」

 

神子「む…身体強化魔法ですか…」

 

それでも白蓮は身を奮い立たせて走り出す。そのスピードは残像が残るほどだったが、神子は手に持つ杓を真正面にあげたまま、立ちずさんでいた。

 

神子「『星降る神霊廟』!」

 

 

ズドドドドドドドドドドドッッ!!!

 

 

白蓮「…!っ…ビュッ!…ビュンッ!…ビュンッ!…ビュンッ!!」

 

神子「…さて…いつまでもちますかねぇ…?」

 

神子の上空が夜空になってそこから星の弾丸が降り注ぐ。その攻撃を白蓮は一瞬見上げた後、再び猛スピードで避けにかかった。

 

白蓮「…ビュッ…ビュッ…ズドンッ!うっ!!」

 

神子「終いです。全弾集中!!」

 

神子の言うとおり、さすがの白蓮でも絶え間なく落ちてくる大量の弾をすべてかわすことは至難の技。集中力が乱れた白蓮の身体に一発弾幕が命中してしまう。

 

さらに神子はだめ押しに動きを止めた白蓮めがけて星弾幕を浴びせ続けた。

 

白蓮「…が…はっ…ズシャァァ…!!」

 

神子「…スタスタ…言ったでしょう?創界神の力は絶大です。あなた一人がかなうはずがありませんよ」

 

雨のような数の弾幕を食らって白蓮は仰向けに倒れ込む。今までの戦闘の疲労もあり、白蓮には近づいてくる神子に備える体力は残っていなかった。

 

神子「…ふんっ!ゲシッ!」

 

白蓮「がっ…!くっ…!!」

 

神子「まだあなたは人と妖怪の共存を唱いますか?一度は人の愚かさを身をもって知ったはずなのに?」

 

神子は動けない白蓮の腹を踏みつけ、そう問いかける。しかし蔑みの目をしている神子とは対照的に白蓮の目には光が輝いていた。

 

白蓮「…っ…!た、確かに…!私は千年前にも…!人間や妖怪の『悪意』によって封印されました…!」

 

神子「…ではなぜいまだに『夢物語』を」

 

白蓮「『夢物語』ではないっっ!!…ハァ…ハァ…もうすぐ…!もうすぐなんです…!私の…()()の夢がかなう時がっっ!!」

 

白蓮は神子の足をつかみ、彼女に似合わぬ腹の底から出た大声で反論する。彼女を突き動かしていたもの…それはとある青年が『異種族間の戦争を終息させた』という話を聞いたからだ。

 

 

白蓮「…彼と出会う前の私は…心のどこかでその『夢』を諦めてました…!自分一人…ちっぽけな力しかない私にできることなんてあるのか…」

 

…だけどそんな私より力のない…でも必死に『悪意』と戦った青年は進み続けた。何度も迷い、悩んだ先に出した答えは千年もの時間を過ごした私が覚れなかったことを覚っていた。

 

 

弾《ん…でも俺が変えれたのは目の前の人だけだ。あとは他のみんなに任せちゃったけど……()()()()()()()()()()()()()()()、それは大きな一歩かなぁ…》

 

 

白蓮「…グッ…でも彼は違った!まっすぐな目で自分にできることを貫いた!だから私も…!グググッ…!私にできることを実行するまで!南無三っっっ!!

 

神子「ゴァッ!?」

 

白蓮の魂がこもった掛け声と共に神子が後ろへ吹き飛ぶ。白蓮が残った自らの魔力を放出したのだ。

 

神子「…ザザッ…だがもうあなたは限界のはずだ!眼光『17条のレーザー』!!」

 

白蓮《…まだまだ…!超…人…っ!》

 

神子が杓を上にあげて白蓮に何本ものレーザービームを発射する。もう魔力が底をついてしまった白蓮だったが、何とか避けようと身体を動かそうとした……

 

 

♪~♪♪♪~♪♪~♪♪♪♪~♪♪~♪~

 

 

神子「…!?」

 

白蓮「…琵琶の…調…?」

 

…その時二人の耳に琵琶の音色が飛び込んできた。その音楽が響き渡った瞬間、神子のレーザービームは光の粒子になって霧散してしまった。

 

この音楽を奏でたのは…もちろん彼女である。

 

 

サラ《…スタッ…まったく…手がかかる娘ね》

 

白蓮「弁財天様…!」

 

神子「なにっ!?」

 

『インディーダ』の創界神が一柱、音楽と芸能の女神『創界神サラスヴァティー』が白蓮を庇うように空から舞い降りてきた。その手には自らの神話ブレイヴ『神楽器サヴィトリー・ヴィーナ』を装備している。

 

サラ《…『夢』…私にはそんなカッコいいものはないわ。でも…『創界神』としての『信念』ならある!自分を信じる者を守らない神が…どこにいるってのよ!》

 

白蓮「…ありがとうござ」

 

サラ《べ、別に!ただ『信仰』の代わりにあんたの『夢』っての手伝うだけ!さっ!私はあんたの中でサポートするから戦いなさい!》

 

感謝されることに慣れていないのか、サラスヴァティーは上ずった声を誤魔化すように白蓮の身体へ逃げるように降りた。すると白蓮の放つ魔力が先程までの何倍にも跳ね上がった。

 

白蓮「すごい…ググッ…行きます!超人『ガルーダの翼』!」

 

神子「速っぐへっ!」

 

白蓮「せいやっ!ドカッ!!」

 

蓮の花を思わせる翼を展開して白蓮は神子に突っ込む。サラスヴァティーの力で格段に上がった拳が神子の顔面にのめり込み、回し蹴りの追撃もクリティカルヒットした。

 

白蓮「でぇぇいっ!!ドカッ!バキッ!ボキィッ!」

 

神子「…ゴブッ…!ぐぇ…!あがっ…!」

 

サラ《うわぁ…ボコボコ…》

 

飛ばされた神子を白蓮は強化した身体能力で追いかけていき、宙の神子に拳や蹴りの連打をかける。神子に回避や反撃の機会を与えないほどの攻撃が打ち込まれまくった。

 

何せ拳で地面に叩きつけたかと思えば、地面から跳ね返ってきたところにさらに蹴りが入り、そしてまた拳というえげつない空中コンボが完成していたからである。

 

白蓮「はぁぁぁ…!南無三っっ!!」

 

神子「………ぅ………!!」

 

 

ドゴォォォォォンッッ!!!!

 

 

最後に白蓮の上段蹴りが神子の胸部に命中し、悲鳴をあげる間もなく神子は寺の壁にめり込んだ。

 

白蓮「…ええと…次はカードで…ですよね?」

 

サラ《…ま、まぁ…そうよね》

 

神子「…ズサッ…こ、これっ…きしの…こ、攻撃など…!」

 

白蓮 サラ「《絶対無理して》」るわね…》ますね…」

 

 

呑気にデッキを取り出す白蓮に壁から神子が立ち上がってくる……が…その足取りはヨロヨロのガタガタ。白蓮とサラスヴァティーの思いが今初めて一つになった。

 

白蓮「…こほんっ…いざっ!尋常に!」

 

神子「…是非に及ばず…戯れは終わりじゃ!」

 

 

白蓮 神子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蓮「弁財天様のお力。存分に奮わせていただきます!」

 

神子「メインステップ!『巨人王子ラクシュマナ』を使用!デッキから二枚ドローして二枚を破棄!」

 

お互い『インディーダ』の創界神を操るバトル。先行を取った神子は『アクセル』を発揮して手札を交換する。

 

さらに『ラクシュマナ』は手元に置かれても、青一つの軽減シンボルを満たしてくれるため、青デッキ御用達の一枚だ。

 

神子「以上。ターンエンド」

 

白蓮「ではターンを貰います。メインステップ。『休音獣ピッグレスト』を召喚です。召喚時にボイドからコア一つを自身に追加します」

 

白蓮の初手は小さなピンクの豚から…召喚された『ピッグレスト』がブヒィと鳴いてコアを増やした。

 

白蓮「『ピッグレスト』のメインステップ時の効果を使います!自身を疲労状態にすることで、デッキを三枚めくります!」

 

神子「…コアブーストだけではなく…サーチまでこなしますか」

 

『ピッグレスト』が身体を震わせて白蓮のデッキを三枚露にする。その代わり『ピッグレスト』自身はペタリと地面にお腹をつけて休憩し始めた。

 

白蓮はオープンされた三枚…『ゴッドシーカー 休音獣チンチラスト』『音獣エイトーンラビット』そして最後の一枚に目をやる。

 

 

白蓮「まずはオープンされた『エイトーンラビット』は私の手札が五枚以下なので手札に加わります!そして赤/緑の創界神を一枚回収して残りはデッキの下へ」

 

神子「…早い…!」

 

白蓮「響け!浄めの調よ!『創界神サラスヴァティー』を配置!『神託』します。デッキを三枚トラッシュへ送り、三枚すべてが対象。よってコア三個と共に配置」

 

サラ《ふーん…まっ…ほどほどにねぇ》

 

『ピッグレスト』の効果で白蓮の手札に入ったサラスヴァティーがフィールドに出てくると、ぐいっと大きく伸びをしてジト目を神子に向けた。

 

白蓮「アタックはしません。ターンエンドです」

 

神子「…メインステップ!勝利の幸福を我らに!『創界神クベーラ』を配置!配置時の『神託』によりコアを一つ増やす!」

 

クベーラ《……………》

 

『ラクシュマナ』のシンボルで軽減されたクベーラがフィールドを挟んでサラスヴァティーの反対側に現れる。

 

神子「続けて『不思議王国ホワイ?ラビット』の『アクセル』を使用する!デッキトップ三枚の中から『四道』を手札へ!」

 

今度は神子がデッキをサーチしにかかる。めくられたのは『不思議王国 アリス』『不思議王国 ダム&ディー』…そして次のカードが曲者だった。

 

神子「…『仮面ライダーブレイド キングフォーム』を手札に!最後に『巨人姫シーター』を召喚するぞ!」

 

白蓮「…あれは…!?」

 

サラ《…ふんっ…デカブツが…》

 

神子「『シーター』の召喚時効果!手元の『アクセル』二枚につき、一つコアを増やす!」

 

神子はうまくフィールドに軽減シンボルを置き、青い巨人の姫君を召喚した。これで1ターンでシンボル3つ確保にサーチ、コアブーストまで行ったことになる。

 

神子「ターンエンド!」

 

白蓮「メインステップ。もう一体『ピッグレスト』を召喚し、コアを追加。さらに『五線獣ライノスコア』をレベル2で召喚します!」

 

サラ《『ライノスコア』は召喚時に手札からブレイヴカードを踏み倒す!来なさい!『神楽器サヴィトリー・ヴィーナ』!》

 

『アクセル』を多様する神子とは反対に、白蓮はスピリットを並べてきた。新たな『ピッグレスト』の隣には金色の鎧のサイがドスンと現れる。

 

白蓮「あ…『サヴィトリー・ヴィーナ』は『ライノスコア』に合体させます…すみません…」

 

サラ《はぁっ!?ちょっと!》

 

続いて空から降りてきた琵琶のような弦楽器にサラスヴァティーは手を伸ばす。だが白蓮はサラスヴァティーではなく、『ライノスコア』の背中に『サヴィトリー・ヴィーナ』を合体させた。

 

白蓮「…ま、まぁ…次の出番に…」

 

サラ《…プイッ!》

 

白蓮「…アタックステップ!『ライノスコア』でアタックします!アタック時にコアをリザーブへ、さらに合体しているのでもう一つ貰いますよ!」

 

自分のオモチャをとられてサラスヴァティーは頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。それに苦笑いしつつ白蓮は『ライノスコア』を攻撃させる。

 

神子「…ライフで受けるぞ!!」

 

白蓮「シンボルは二つ!砕けるライフも二つです!」

 

疾走しながら加速した『ライノスコア』の角が神子のライフに激突し、ライフを二つ砕いていった。

 

白蓮「以上です。ターンエンド」

 

神子「…ふふ…これで良い…メインステップ!『六煌士 不思議天使メリエル』を召喚!手札の『不思議王国 トランプの兵隊』を手元に置いて一枚ドローだ」

 

ライフを削られても神子の表情から余裕は抜けない。召喚されたのは水色のロングスカートを履いた天使…

 

神子「アタックステップ!ここで『メリエル』の効果!自身をコスト6として扱い、手札の黄のスピリットを煌臨できる!」

 

その天使が両手を広げて胸の前に黄色い宝石を出現させる。光は『メリエル』を包み込み、一段と強く光り輝いた。

 

神子「運命の切り札をつかみとれ!『仮面ライダーブレイド キングフォーム』!煌臨!手札/トラッシュの『四道』五枚を手元に置ける!」

 

サラ《…来るわよ!》

 

白蓮「はいっ!」

 

光を中心にどこからか現れた十三枚の大きなカードが周り始める。そしてカード達が光の中に吸い込まれ、全身が黄金の鎧に包まれた仮面戦士が中から歩いて出てきた。

 

神子「『キングフォーム』でアタック!フラッシュタイミングで手元のカードを一枚破棄!そうすることで回復し、相手スピリットを一体BPマイナス13000する!」

 

カッと複眼を光らせ『キングフォーム』はその手に大きな両手剣『重醒剣キングラウザー』を出現させると、身体から出したカードをスキャンする。

 

キングラウザーは『サンダー』と鳴って刃先から青い雷が放たれ、『ピッグレスト』を撃ち抜いた。

 

白蓮「ライフで受けます!」

 

そして『キングフォーム』は飛び上がってキングラウザーを白蓮のライフに振り下ろす。

 

神子「もう一度だ!さらに手元を棄てて『ピッグレスト』を破壊する!言っておくが『創界神クベーラ』のレベル2効果でスピリットの効果は全て発揮されんぞ!」

 

白蓮「そこまでです!フラッシュタイミング!マジック!『ウィンドウォール』!このバトルが終わり次第、アタックステップも終わります」

 

サラ《良いの持ってるじゃない!緑の『連鎖』!『シーター』を疲労よ!》

 

回復した『キングフォーム』が『ビート』のカードをスキャンし、もう一体の『ピッグレスト』を拳で殴り飛ばす。そのまま白蓮のライフも砕いたが、マジックによって起きた白い風が追撃を封じたのだった。

 

神子「む…ターンエンド」

 

白蓮「…来た…メインステップ!彼岸に往ける全ての者達よ!悟りに幸あれ!『神聖天獣ガーヤトリー・フォックス』!レベル2で召喚!!」

 

サラ《ようやくね!ピィィィィ!!》

 

白蓮が引き当てたカードはもちろん『化神』。サラスヴァティーが吹いた指笛を聞きつけて、バトルフィールドの外の森から『ライノスコア』より巨大なエメラルドグリーンのキツネが走り込んできた。

 

神子「だからなんだ!こちらの『キングフォーム』の方がBPは上だぞ!」

 

サラ《チッチッチ…『ガーヤトリー・フォックス』は召喚時『インディーダ』達にコアを二つずつ置けるの!そして今度こそ『サヴィトリー・ヴィーナ』を私に合体!》

 

 

『ガーヤトリー・フォックス』が周囲に放った緑色の波紋がサラスヴァティーに力を与え、『ライノスコア』から『サヴィトリー・ヴィーナ』がサラスヴァティーの手に収まる。

 

白蓮「アタックステップ!『創界神サラスヴァティー』の『転神』発揮!『サラスヴァティー』でアタック!」

 

サラ《ぶっとばすわ!こいつ(ブレイヴ)の効果で私のBPは14000よ!》

 

神子「『キングフォーム』でブロック!」

 

フィールドに足をつけたサラスヴァティーが走り出す。その前に立ちふさがった『キングフォーム』がキングラウザーをサラスヴァティーの柔肌めがけて突き刺そうとする。

 

サラ《おっと…でもスピリットの分際で私は倒せないわ!》

 

白蓮「レベル2の『神域』によりコアを三個ボイドへ移動。『創界神サラスヴァティー』もう一度アタック!」

 

だがサラスヴァティーは『キングフォーム』の攻撃をヒラヒラ踊るように回避していく。そして『キングフォーム』が疲労すると、サラスヴァティーがもう一度駆け出した。

 

神子「回復するのか…!?ライフで受ける!」

 

サラ《おらぁ!》

 

サラスヴァティーは『サヴィトリー・ヴィーナ』の弦を弾き、音符型エネルギー弾を神子のライフめがけて放つ。

 

白蓮「コアをボイドへ!『創界神サラスヴァティー』!三度目のアタック!!」

 

サラ《死ねコラァァ!!》

 

サラスヴァティーが『ガーヤトリー・フォックス』を駆け上がり、空中から強烈な飛び蹴りを叩き込んだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

サラスヴァティー

インディーダ所属の遊精の創界神。外面はポワポワした天然キャラ……だが内面は陰口毒吐きする闇の本性を持つダメ女。良くも悪くも『神』としてプライドが高く、自分より格下には一切相手にしない。唯一旦那のブラフマーにはベタぼれしているからか従順。

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