文「さぁ!もう一つの準決勝を始めましょう!!綿月 依姫選手と博麗 霊夢選手は前に!!」
依姫「……さて……いきますか……!」
霊夢「……ふん!創界神だろうが、関係ないわ!!」
先ほどの二人とはうって変わって、ほとんど同じ雰囲気でフィールドに上がる二人である。
霊夢「……先に言っとくけど……私……魔理沙より強いわよ?」
依姫「……で……?」
霊夢「…まぁ、そんなもんよね……さっさと始めるわよ!」
霊夢の挑発を難もなく流した依姫はアプロディーテを降ろしてデッキを構えた。
依姫 霊夢「「ゲートオープン!界放!!」」
第1ターン 依姫は創界神アプロディーテを配置して、トラッシュにカードを三枚送り、コアを二つ置いた。さらにマジック、プリズムローズフィールドを使ってデッキから二枚オープン。その中の舞華ドローを回収した。
第2ターン 霊夢はコレオンと情熱サーキット、十二神皇の社を配置してターンエンド。
第3ターン 依姫は神華の妖精アザレアを召喚。召喚時効果でクローバーフィールドを置いて二枚ドローした。さらにマジック、舞華ドローを使い、コレオンを破壊してワンドロー。エンドステップにはトラッシュにソウルコアがあったので、舞華ドローは手札に戻った。
第4ターン 霊夢はバーストをセットしてダイナバーストを使用。デッキから二枚ドローした。これでターンエンド。そしてバトルは第5ターンである。
文「おや?霊夢選手はスピリットを出しませんね……」
輝夜「…出してもマジックで除去されるのは目に見えているわ……」
フラン「でも、出さないと勝てないよ?」
スサノヲ《……そうなると、情熱サーキットの引きが問題になってくるな………》
……霊夢の引きの強さはえげつないクラスなので…凄いのが来そう………
依姫「メインステップ!神華の妖精ナデシコをレベル3で召喚!アタックステップ!ナデシコでアタックよ!効果でマジックを疲労させて回復するわ!!」
霊夢「それを待ってたわ!!ライフで受ける!ここで情熱サーキットの効果で一枚オープン!…………寅の十二神皇リボル・ティーガだったのでこのまま召喚するわ!!」
依姫のフィールドに現れた和服を着た紫色の妖精が霊夢のライフを砕くと、情熱サーキットを炎が駆け巡り、その炎からリボル・ティーガが現れた……やはりえげつなかった………
加奈子「…流石の引きだな………」
マナカ《いや、それにしても良すぎ…》
依姫「マジ!?…仕方ない、ナデシコの効果でドロー!ターンエンド!」
霊夢「メインステップ!進化する青き炎の槍!超・十二神皇エグゼシード・フォーミュラー!!召喚!!」
霊夢のフィールドに青い神馬が降り立ち、大きく嘶いた。
文「おおっと!!霊夢選手はここでキースピリットを投入!勝負を決めに来たか!!?」
霊夢「アタックステップ!フォーミュラーでアタック!超封印で最高レベルに!さらに炎走破の効果でアザレアとナデシコを破壊!」
依姫《…この二枚のマジックは捨てたくないわね……》
「…アザレアの効果は使わないわ!そしてそのアタックはライフで受ける!!」
フォーミュラーの前足についている砲台から青いビームが発射されて、依姫の二体の妖精を破壊した。そして、爆煙を駆け抜けてフォーミュラーが突進し、依姫のライフを二つ貫いた。
霊夢「リボル・ティーガ!あんたも続きなさい!砲撃の効果で二枚オープン!甲獣キャノン・ピューマとリボル・コレオンだったので、二つライフを撃ち抜く!!」
依姫「プリズムローズフィールドの効果!効果でライフが減るので、このマジックを破棄してライフは減らない!…………え?」
アプロディーテ《……………………》
依姫は驚いた。決してマジックが破棄できなかったわけではない。少し視線を後ろに向けた時に、後ろのアプロディーテがさっきから一言も喋らないだけでなく、少し青い顔をしていたのに気づいたからだ。依姫は視線を前に向けたまま、テレパシーで尋ねた。
依姫《……どうしたんです?何かありました?》
アプロディーテ《……ちょっと……さっきのバトルで……あいつを思い出しちゃって……》
依姫《……あいつ…?…純狐のバトルで…?》
アプロディーテの「あいつ」という言葉に首を傾げる依姫。
アプロディーテ《…セクメトゥームはとある創界神の化神……ちょっとあいつには…同じ黄色の創界神として劣ってるからね………年上なのに………》
その言葉に依姫は少し貯めた後、言葉を発した。
依姫《…どうしたって、あんたはあんたじゃない……そんな無理に張り合う必要なんて無くない?そいつはあんたより綺麗なの?あんたより妖精達に精通してるの?違うでしょ?ならそれでいいじゃん。》
アプロディーテ《…あ~昔はこんなこと考えないでただ単に美しさを求めていたのに……でも、こっちの方が満足があるわね………さて依姫、リボル・ティーガはどうする?》
アプロディーテのその言葉には弱々しさは無く、確かに力強さがあった。依姫はその言葉に答える。
依姫「あったりまえ!!ライフで受けるわ!」
リボル・ティーガの前足が依姫のライフをさらに砕いた。
霊夢「これでターンエンド。」
依姫「…ドローステップ…!よっしゃ!メインステップ!!まずは煌臨を使うわ!!」
依姫の言葉に霊夢や文は驚いた。
霊夢「え!?あんたのフィールドに乗っかるスピリットなんていないわよ!?」
文「なんと!依姫選手!これはどういうことだ!?」
その言葉を無視して依姫はフィールドのクローバーフィールドのカードに一枚のカードを重ねた。
依姫「このスピリットはフィールドのマジックにも煌臨できる!!クローバーフィールドにレベル3で煌臨!!咲き誇れ!美しき龍皇よ!!神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ!」
アプロディーテ《…うふふ…さっきまでの私達とは思わないことね!神華しなさい!ジークフリード!!》
依姫のフィールドが一面の花畑になり、舞っている花びらが一体の龍を形作っていく。たくさんの妖精のような羽を羽ばたかせながら、黄色のジークフリードが降り立った!
依姫「さらに踊れ!美しき妖精の神!神華聖霊アプロ・ウラニアー!!そしてアタックステップ!ここでアプロディーテの神技を使用!フォーミュラーの効果を無くして、こちらのスピリットとしてアタックさせる!!」
アプロディーテ《…チュ♥️》
ウラニアーが現れた後、アプロディーテの投げキッスがフォーミュラーに当たった。すると、フォーミュラーの目がハートになり、訳も分からず霊夢に攻撃した!
霊夢「はぁ!?何その効果!?ってライフ!」
フォーミュラーの角が霊夢のライフを二つ砕くと、ふらふらになって倒れ、そのままデッキボトムに戻っていった。そしてアプロディーテの余波が客席にも波及した。
アポローン《…危ない……俺には妹が……》
ヘルメス《………あれ?意識が飛んだような……》
ホルス《…は!あぶねぇ……ハードボイルドだ……》
若い男の神々はアプロディーテの色気に惑わされたようである。
アルテミス《……このバカ兄貴!!何で私なのよ!!》
白蓮「……実に……煩悩が……」
オシリス《……どこがハードボイルドだ………》
………流石、愛と美の女神………
霊夢「まだよ!情熱サーキットの効果でオープンした壬獣アクセルエッジを召喚するわ!!」
依姫「アプロダイティでアタック!アタック時効果で手札からマジック!ベラドンナフィールドをノーコスト使用!!アクセルエッジを破壊するわ!!」
情熱サーキットの炎から現れたアクセルエッジを青い花びらが包み込み、力を奪って破壊した。
霊夢「ライフよ!情熱サーキットの効果……あ……」
アプロダイティがライフを砕いた後にめくったカードは超 炎魔神。対象のスピリットではないのでそのままトラッシュ送りになる。
依姫「運が尽きたみたいね!アプロ・ウラニアー!!界放の効果でダブルシンボルに!!防げるもんなら、防いでみなさい!!」
霊夢「……防ぎたいけど……手札がねぇ……仕方ない……ライフで受ける!!」
ウラニアーの杖から出たビームソードが霊夢のライフを叩き斬った!!
文「試合終了!!多彩なマジックどころか相手のスピリットすら操り、勝利したのは依姫選手だ!!!」
霊夢「…ここまで来たなら、絶対優勝しなさいよ!」
依姫「ええ!!勿論!!」
《……そうじゃないと、対弾さまの秘策が無駄になりますからね……》
そう言って依姫は控えのベンチに座っている純狐に目を合わせた。すると、純狐は依姫を見ると、不適に笑った。
純狐「………………」
依姫「………………」
……次のバトルは……決勝戦は………どうなるか………
はい。ありがとうございました。
実はアプロディーテ姉さんはこの作品では、裏設定でゼウスやラーより年上なんです。なので周りが年下ばかりだから、少し彼らに嫉妬するということにしました。ちなみに、元ネタのギリシャ神話でもアプロディーテは十二神のなかではぶっちぎりで年上です。それじゃすんごいBBA………何でもないです…………
そして、ちょっと前から依姫が言っている奥の手とか秘策とか……フフフ…お楽しみに……
次回予告 決勝!切り札は自分だけ!!