東方星神録   作:あんこケース

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今回はマナカさんとケイさんをピックアップしていこうと思います。


英雄二人

メジェド退治から一週間後……幻想郷 人里

 

 

 

 

マナカ《…いいところだねぇ…》

 

 

 

ケイ《…そうだな………》

 

 

 

この二人は、異変のせいで延期にしていた幻想郷デートを楽しんでいた。あまりグランロロでは見られない和洋折衷の文化は二人を満足させたようだ。

 

 

 

マナカ《あ!あそこに呉服屋があるよ!着物とか試してみない!?レンタルOKって書いてるし!》

 

 

 

ケイ《…そ、そうだな…ま、マナカが選んでくれるなら……》

 

 

 

……だいたいケイはマナカの提案を断れない…それも惚れた故のことである……しかしマナカもそうなのでこの二人はバカップルと言われるのだ……そしてマナカは中華風の服に、ケイは輝夜が着ている服の裾を少し短くしたような洋服(着物風)に着替えた。

 

 

 

 

マナカ《ケイ~似合ってるよ~》

 

 

 

ケイ《…!!!………》

 

 

 

マナカの言葉にケイの顔は彼女の髪と同じ位に赤くなった。そして、お洒落をした二人は里を歩いていたが、すれ違った老若男女が思わず振り返るほどに輝いていた。そんな事も知らずに二人は小腹を満たすために団子屋を訪れた。

 

 

 

 

マナカ《…すいませーん!みたらし団子六本くださーい!!》

 

 

店主「ああ!すまないね!あんちゃん!今日はもう売り切れちまったんだ!」

 

 

 

ケイ《…マナカ…たぶん…彼女が買い漁ったのでは?》

 

 

 

店主の言葉に凹んでいたマナカはケイが指を指した方向を見てみる。そこには道士服を着てピンクの髪をした女性が手に大量の団子の袋を抱えていた。

 

 

 

 

???「危なかった……あの店の団子は人気だから早めに買わないと……」

 

 

 

マナカ《…小さな子供達にでもあげるのかな~?》

 

 

 

店主「あんちゃん、彼女は常連のお客さんでね。うちの団子をえらく気に入ってくれてるんだ。たぶん、あれは全部自分用だと思うぜ。」

 

 

 

店主の言葉にへぇ~と答えてまた別の店を探そうとケイの方向を振り返ったマナカだったが………

 

 

 

マナカ《…ケイ…?どうしたの?なんか……禍々しいオーラが出てるけど……》

 

 

 

ケイ《……あの……あの小娘が……私とマナカのデートを……!!!》

 

 

そう呟いたケイは全速力で買い漁った彼女の後を追って行った。それを見てマナカは慌てて着いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗神社

 

 

 

 

 

 

萃香「……ふんぎゃぁぁぁぁぁ!負けたぁぁぁぁ!」

 

 

 

霊夢「…言ったでしょ…強すぎるって……」

 

 

 

弾「なかなか手強かったけどな。」

 

 

魔理沙「その割にはえげつないバトルだったと思うぜ……」

 

 

 

紫「萃香、弾に勝つならまず私を倒さないと無理よ?」

 

 

 

境内で転がっている萃香にそんな声をかける四人。お分かりであろうが、萃香と弾がバトルして弾が勝った……それだけである………するとそこに……

 

 

 

???「…げ、萃香……まぁ、仕方ないわ……霊夢!いますか!?」

 

 

 

霊夢「…うぇぇ、この声は………」

 

 

 

人里方面の道から聞こえてきた声。その声にいやぁな顔をする霊夢。頭に二つのシニョンの帽子を被り、右腕に包帯を巻いている彼女は弾を見ると、不思議そうに話しかけた。

 

 

 

 

???「…霊夢…彼は?もしかして先日の結界のヒビと何か関係が……!!?」

 

 

 

魔理沙「…お前…知らないのか……?」

 

 

 

萃香「そーいやー三月ほど前から、なんやら修行と称して引きこもってたからねぇ……知らないのも当然か……」

 

 

 

紫「弾、彼女は茨木 華扇。映姫みたいに説教好きの仙人よ。」

 

 

 

華扇「誰が説教好きですか!!そして彼は一体、どこの誰なんですか!?」

 

 

 

そう叫ぶ華扇に弾は「前に映姫をからかった時もこんな反応を見せていたなぁ」と呑気に考えていた。そして叫んでいる彼女に紫は説明する。

 

 

 

紫「…彼は馬神 弾よ。3ヶ月ほど前にこの世界の守り神になった私の夫……」

 

 

萃香「…!危ない!」

 

 

 

そう言い終わらないうちに、何処からか矢が飛んできて紫のすぐ側を通り抜けて神社の石畳に突き刺さった。紫が首を傾けていなければ直撃したコースだ。華扇以外のメンバーは誰が矢を放ったか、簡単に検討がついた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭

 

 

 

ツクヨミ《……永琳…どうした…?突然、矢を放って……》

 

 

 

永琳「…なにやら悪い虫の気配を感じたもので……」

 

 

 

輝夜 依姫 豊姫「「「こっえぇぇぇ……」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び博麗神社

 

 

 

 

 

華扇「この世界の守り神?創界神?……紫…あまり面白い冗談ではありませんよ?まぁ…霊夢に巫女としての自覚を持たせるために擁立したのなら納得できますが………」

 

 

 

霊夢「ちょっと!!あんたもその手にいっぱい団子を抱えてるじゃない!俗っぽいわね!」

 

 

 

萃香「それよりマズイ!紫……!」

 

 

 

萃香が振り返ると案の定、紫からオーラが立ち上っていた。もちろん黒いオーラである。そこで弾は紫の頭に手を乗せる。

 

 

 

紫「…あ…………」

 

 

 

弾「落ち着け、まゐ…最近、短気になったんじゃないか?オレは大丈夫だよ。」

 

 

 

紫「……うん……」

 

 

……さすがは弾さん…紫の頭をナデナデすると、紫はまるで小動物のように大人しくなった。しかし!!!

 

 

 

魔理沙「…げ!!!」

 

 

霊夢「今度は何!!?」

 

 

どっっがぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!

 

 

 

 

 

今度は妖怪の山の方角からエネルギーの槍が飛んできて、神社の石畳を粉砕した………もちろん、犯人は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山 河童の工房

 

 

 

 

今、ここには幻想郷一のエンジニアである河童の技術を見ようと、何人かの創界神が見学をしていた。すると案内役の加奈子がとある女神の様子がおかしいので尋ねた……

 

 

 

加奈子「……一体…どうされましたか?」

 

 

 

トト《…加奈子さん…今彼女に話しかけない方がいいです……》

 

スサノヲ《………女ってこえぇぇ……》

 

 

 

 

その目線の先には……鷹の如く鋭い目付きで、真っ黒いオーラを纏い、博麗神社を睨み付けているアテナがいた………

 

 

 

 

 

アテナ《………私の弾に……手出しはさせません…!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…な、何なんですか!?さっきから変なものが次々と《見つけたぞ!!》きゃあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

弾「ケイさん!?」

 

 

 

他の全員が頭を抱えていると、やっと反応をできるようになった華扇。その脇腹に飛び蹴りをかましたケイ………その後ろからマナカが華扇が蹴られた時に空中に舞った団子の袋をキャッチして、霊夢達に事情を説明した。

 

 

ケイ《貴様!!貴様が団子を買い漁ったおかげで私とマナカのデートの雰囲気が悪くなったではないか!!この淫乱ピンク!!》

 

 

 

華扇「イテテ…はぁ!?誰が淫乱ですか!!?この………この………」

 

 

起き上がった華扇は反論しようとしたが、ケイの見た目に何一つ欠点を見いだせずに黙るしかなかった……ちなみにケイの欠点は女子力のなさである(女死力ならマックス)。

 

 

 

 

ケイ《この……!弾!この娘は私が斬る!》

 

 

 

マナカ《ちょっと、ケイ!弾君も彼女に認めて欲しいみたいだから、一緒にバトルしたら?》

 

 

弾「あ、ああ。あんたのデッキでバトルすれば問題ないだろ?」

 

ケイ《よし!それだ!いくぞ!!》

 

 

 

そう言って弾の中に入ったケイに続いて、マナカも謝りながら入った。そして、弾は華扇に話しかける。

 

 

 

 

弾「もし、オレとバトルしてオレが勝ったら認めてくれないか?そっちが勝ったらそっちの要求を呑もう。」

 

 

 

華扇「……いいでしょう……!」

 

 

 

弾 華扇「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

華扇「…まずは私から……メインステップ。ドラマルを召喚してネクサス、故郷の山に似た山を配置。ターンエンド。」

 

 

華扇のフィールドに薙刀を持ったブレイドラが現れ、後ろに大きな山がそびえ立った。

 

 

 

萃香「華扇はいつも通りの武竜デッキか……」

 

 

弾「メインステップ。創界神ケイを配置!効果でデッキから三枚トラッシュへ置いて、コアを二つ追加する。そしてさらに創界神マナカ!こちらもカードを三枚トラッシュに置く。対象は一つなので置くコアは一つ!」

 

 

 

 

ケイ《ふん!!》

 

 

 

マナカ《……弾君……ごめんね……》

 

 

 

 

弾の後ろに、やる気満々のケイと申し訳なさそうなマナカが現れた。

 

 

弾「いや……大丈夫です……そしてバーストをセット。この時、マナカの効果でコアを増やす。ターンエンド。」

 

 

 

 

華扇「……メインステップ…こちらもバーストをセット。鬼武者ライザンを召喚。さらにマジック、ソウルドローを使用します。ソウルコアを使って三枚ドロー……」

 

 

 

華扇のマジックが、彼女の手札を一度に三枚増加させた………一度に三枚である…………

 

 

 

 

弾「相手の効果で手札が増えたので、バースト発動!!闇輝石六将フェンリグ!!このスピリットを召喚した後、相手の手札、フィールドのカードを四枚指定する!そのカード以外のカードを全てデッキボトムへ!!!フィールドの四枚を指定!!」

 

 

 

霊夢「…うわぁ…えげつない……」

 

 

 

弾のバーストが開くと、そこから機械の獣に乗ったこれまた機械のスナイパーが飛び出してきた。そしてフェンリグが白い衝撃波を放つと、華扇の手札を全てデッキボトムに返してしまった。

 

 

 

華扇「な!!!?…仕方ないです……ドラマルでアタック!

 

 

弾「ライフで受ける!」

 

 

 

フェンリグの体を飛び越えて、ドラマルの薙刀がライフを貫いた。

 

 

華扇「…ターンエンドです……」

 

 

 

弾「メインステップ。バーストをセット。アタックステップ!フェンリグでアタック!フラッシュタイミングでケイの神技を使う!バーストを無条件で発動!!天空の覇王ロード・ドラゴン・バゼル!召喚時効果でドラマルを重疲労!そしてさらにバーストをセットする!」

 

 

 

ケイ《そいや!!》

 

 

マナカ《…緑のロードははじめましてだね……》

 

 

 

フェンリグが駆け出すと、ケイが腕を交差させて紋章を作り出す。するとバーストが開いて、天空から緑のバゼルが舞い降りた。

 

 

 

華扇「…ライフで受けます!バースト発動!!炎龍刀オニマル!バースト効果でライザンをBPプラス10000して召喚します!」

 

 

 

今度は華仙のバーストが開いて、吹き上がった炎から一本の剣がフィールドに突き刺さった。

 

 

 

弾「ターンエンド。」

 

 

 

 

華扇「……苦しい……メインステップ!故郷の山に似た山の効果でコストを軽減!連なる刃!無双の龍!戦国龍ソウルドラゴン!!レベル2で召喚!!オニマルと合体です!」

 

 

 

上空に炎の球が現れて、その中から赤い鎧を纏ったドラゴンがフィールドに降り立ち、オニマルをその手に構えた。

 

 

 

ケイ《ほう……ヤマトに負けぬほどのドラゴン……相手にとって不足なし……!》

 

 

華扇「アタックステップ!ライザンでアタック!効果でドローして真・激突です!」

 

 

弾「……バゼルでブロック!」

 

 

 

バゼルが風を起こしてライザンの足下を崩すと、剣で切り裂いた。

 

 

 

華扇「これであなたのブロッカーはゼロです!ソウルドラゴンでアタック!」

 

 

 

弾「ライフで受ける……そしてバーストを発動!!比翼連理のドラゴン!!六楯神龍ヒヨク!!効果でドラマルを破壊して、マナカの神域によりライフを砕く!」

 

 

 

マナカ《…そおーい!》

 

 

 

ケイ《これが私達の愛の化神だ!!》

 

 

 

 

ケイとマナカから六色のオーラが迸り、天空から黒と白のドラゴンが降臨した。さらにヒヨクが炎でドラマルを破壊すると、マナカが手に持っている槍を投げつけて華扇のライフを破壊した。さらにヒヨクの効果は続く…………

 

 

 

 

弾「そして手札のライフ減少後のバーストを発動!!バースト転召!!バゼルのコアをボイドに置いて召喚!悪を滅する正義の龍!超覇王ロード・ドラゴン・セイバー!!そしてライフを五つに増やす!!」

 

 

 

 

ヒヨクが咆哮した後、バゼルが赤と白の気に包まれる。そしてそこから四足で大きな翼を持ったドラゴンがフィールドに降り立つと、大きく咆哮した。

 

 

 

 

魔理沙「……あいつらしい逆転劇だぜ……」

 

 

 

華扇「…オニマルの効果でトラッシュのソウルコアを回収してソウルドラゴンは回復……ターンエンド…」

 

 

 

弾「メインステップ。バーストをセット!セイバーのレベル3に上げる!アタックステップ!セイバーでアタック!効果でライフを自身に置いてBPプラス5000!ライフが減少したのでバースト発動!!騎士の覇王ソーディアス・アーサー!!ソウルドラゴンのコアを三つトラッシュへ!さらにセイバーは回復!!」

 

 

 

 

マナカ《…ロード…アーサー……こんなバトルに呼んで悪いね………》

 

 

 

セイバーがライフをエネルギーにして、スピリット達に力を与える。そしてバーストから紫の騎士が現れて、ソウルドラゴンのコアを外した。

 

 

 

華扇「ソウルドラゴンでブロック!!」

 

ソウルドラゴンがオニマルを構えて迎え撃つ。しかし、セイバーは炎と氷の球を生成して放つ。ソウルドラゴンはそれを難なく斬ったが、氷がまとわりついて動けなくなってしまった。その隙にセイバーは前足にエネルギーを貯めて振り下ろして、オニマルごとソウルドラゴンを破壊した!!

 

 

 

弾「もう一度セイバーでアタック!」

 

 

 

華扇「…ライフで……」

 

 

セイバーが火炎放射でライフを二つ、破壊する。

 

 

 

弾「ソーディアス・アーサーでアタック!」

 

 

 

華扇「…ライフで受けます……」

 

 

 

ソーディアス・アーサーの剣がライフを一刀両断する。

 

 

 

 

弾「とどめだ!ヒヨクでアタック!!」

 

 

 

ケイ《ラブ&ピース!フィニッシュ!!》

 

 

 

マナカ《ちょっと!!サジットとタウラスに怒られるよ!!》

 

 

ヒヨクが螺旋状の炎を放った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナカ《おいしーい!》

 

 

 

ケイ《…まぁ…この団子に免じて許そう…》

 

 

 

あの後、全員縁側でバトルの戦利品の団子を頬張っていた。何だかんだで華扇も、久しぶりの人との食事だからか、満更でもないといった感じだ。

 

 

華扇「…大変失礼いたしました……まさか本当に神でいらっしゃったとは……」

 

 

弾「…そこまで崇めなくても……」

 

 

霊夢「…あんな簡単に石畳治したら崇めちゃうわよ………」

 

 

 

 

 

その日はそんな感じで過ぎていった…………

 




はい。ありがとうございました。


後日談だと、なるべく1話で終わらせたいので長くなってしまいます。でも華扇を書けたからいいや!


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