オリン とある世界の神殿………
ゼウス《…えー……第………何回だっけ?…まぁ、いいじゃろ!飲み会だぁぁぁぁぁ!!》
うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!
今日はオリンで定期的に開かれる飲み会の日。そこにはオリン十二神のほとんどが集まる。今回のメンバーは……
ゼウス、ポセイドン、ヘラ、デメテル、アポローン、アルテミス、アテナ、アプロディーテ、ヘルメス、アレス、デュオニソス、ヘファイストス、ペルセポネである。そしてなぜかいるヘカーティアと弾……
ヘルメス《…あ!ハデスは忙しいから欠席だって!》
アレス《…またか…ああ…お前さんが馬神 弾だな?オレはアレス。一応、軍神なんだ………あんまり勝てた覚えないけど……》
ペルセポネ《…昔、スサノヲにぼこぼこにされてたわよね……あ、私はペルセポネです……母がご迷惑を……》
デュオニソス《ヘイヘーイ!少年!オレはデュオニソス!!オリンのパーティーにゃオレがいる!楽しんで行こうぜ!》
ヘファイストス《……あ…ヘファイストスだ……あまり…喋るのは…得意じゃないんだ……よろしく……》
……慣れって怖いな……弾は創界神はだいたいこんな感じだと分かっていたので、もう戸惑うことはなかった。そして、全員がジョッキを一飲みした時、アプロディーテが話し出す。
アプロディーテ《はいはーい!たぶん、知らない人もいるので、改めて発表しまーす!なんと………!!アテナに男が出来ました~!!!!》
…当然、知らない創界神は耳を疑った。
アレス《……あれ?今日ってエイプリルフールだっけ?》
ヘファイストス《……マジ……?》
デュオニソス《……酔いが覚めた……》
ペルセポネ《……まさか…私と同じように…誰かに強引に……♥️》
デメテル《マジで!!?どこの誰と付き合うてるん!?》
アテナ《違います!》
アプロディーテの言葉に慌てて否定するアテナだったが、顔が赤くなっているので、誤魔化しきれていない。他の面子はウンウンと頷いている。
ヘカーティア《…実はね!まだそいつには告ってはないんだけど、いい感じよん!》
アポローン《…いや…いい感じか……?》
ヘルメス《正確には、まだ付き合ってはなくて、片思いでアタック中……そんな感じだよ…》
ペルセポネ《はい!アプロディーテさん!馴れ初めを聞きたいです!!》
アテナ《やめなさい!それよりも、アルテミスの眠らせた男の方が面白いでしょう!!》
アルテミス《ブッッッッッッッ!!?》
……流石知恵の女神……手早く生け贄を用意した……アルテミスは突然の不意打ちに吹き出したが………
ゼウス《いや、それは皆知っとるやつだぞ……》
ヘラ《もう、そのネタの賞味期限は切れてるわ。》
弾「……悪い…オレも知ってる……」
アルテミス《ぬえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!やっぱり!!!?ポセイドンの冗談だと思ってたのにいぃぃぃぃぃ!!!》
アポローン《おお…妹よ…そんなアルテミスもかわい……っっっっっっ!》
ヘファイストス《…シスコン…ダメ…絶対…》
……知恵の女神の策…失敗……発狂しながら頭を抱えるアルテミスと、それに興奮したアポローンの爪先をおもいっきり踏みつけたヘファイストス。予定とはずれたが、このまま話が有耶無耶になってくれれば………だがアテナのそんな願いは叶わなかった……
デュオニソス《…ゴクゴク……ぷっはぁー!んで!?オレさまはアテナが惚れている男ってのに興味があるぜ!もしかしてこの少年とかかい!?》
ポセイドン《正解だ!デュオニソス!だからこそ、弾を今回の飲み会に誘ったのだ!!》
アテナ《……な…そ…そんなこと……》
デュオニソスがアルコールでテンションを取り戻して言い放った一言……それに対するアテナの反応で全員が理解した。さらにヘカーティアが追い討ちをかける……
ヘカーティア《…はーい!ここに証拠写真がありまーす!!》
ペルセポネ《おお!準備が良いわ!!ヘカテー!!》
アテナ《…な!!!?》
そう言ってヘカーティアは何枚かの写真を取り出した。ちなみにこの写真を撮った某烏天狗は「あややややや!!」と笑っていることだろう…………
アプロディーテ《…あら~これは人里で腕を組んで歩いている写真ねぇ~……普段のアテナとは全く違うわ……》
デメテル《………お!こっちは食事中の写真やね!…そんなアホな…アテナがあーんしとる……!!( ; ロ)゚ ゚》
アレス《……これ……完全に…アテナが服…選んで貰ってるよな…》
ヘルメス《…ちなみに弾……これ全部…本当だよね…?》
弾「……コクン……」
…今明かされる驚愕の真実……静かにジョッキを飲みながら頷いた弾に、知っていた連中も知らなかった連中もワイワイと騒ぎ始めた………
そしてそこからは、弾に質問が飛び交った。やれどこまで進んだ…やれどうやって口説いた……弾が諦めて事情を話すと……
ペルセポネ《…ロマンチック……アテナさんにとって……弾君は白馬の王子様ね……私も夫との出逢いを思い出すわ……》
デメテル《…うちはまだ認めておらんからね!!》
ヘラ《そろそろ、認めてあげたらどうや…?》
アプロディーテ《…でもライバルは多いわよ……今のうちにゼウスに挨拶でもしたら?》
そう話している女神陣に、男連中はさすがに聞きづらくなったのか、静かになったが…ようやく発狂から復帰したアルテミスが核弾頭を投下した………
アルテミス《……実は…私…見たわ……夜にアテナが弾にチューしてるの……》
………全員がシーンとなった………… そして…アテナからブチンという音が聞こえた気がした………
アテナ《全員……!表に出なさい!!!!》
ポセイドン《マズイ!!》
ヘファイストス《…アレス…!どうにかして…軍神だろう……!?》
アレス《オレ、アテナに勝ったことねぇよ!!!》
……流石のアテナでもここまで言われたら、ぶちギレるだろう……後少しでアテナイアーを出現させようとしたその時!!
弾「ちょっと待て、アテナ…!!」
アテナ《!!!!!?》
アテナを後ろから押さえた弾。アテナにとってこれはクリティカルヒットだった。
弾「……一流の創界神っていうのは……そんなに気が短い訳じゃないだろ?」
アテナ《……はい……申し訳ありません……》
全員驚いた。あのアテナが止まった処か…謝った……もうそこからは、その話題になることはなかった……
飲み会も終盤になって、全員酔いが回ってきたころ…
アプロディーテ《…あら弾…あなた案外、お酒に強いのね……》
弾「いや…萃香や勇儀達に鍛えられたからな……」
ヘカーティア《…幻想郷には蟒蛇が多いからねぇ……》
そう言って話している三人。アポローンとアレス、ペルセポネ、そしてポセイドンは酔いつぶれてグースカ寝ている。デメテルとヘラはヘルメスとデュオニソスに、旦那やペルセポネ関係の愚痴を聞かせている……アルテミスは笑い上戸なのか大笑い中…さすがに居づらいのか、ヘファイストスはゼウスと一緒に隅でこっそり飲んでいた。
弾「……案外……創界神って……人間じみてるよな……」
アプロディーテ《そうよ……思考は人間と変わらない…できないこともある……それでも私達は皆の期待に答えないといけない……》
弾「…それでも…オレはやる…!そうあいつらに誓ったんだ…!!」
ヘカーティア《…ふふふ…全く…アテナが惚れるのもわかるわね……あら?》
ヘカーティアが気づくと、アテナが頭をふらふらさせていた。普段なら節度を持って飲む彼女だが、今回は色々問い詰められたこともあってか、とんでもなく飲んだようだ……そして頭が倒れる………弾の膝の上に………
弾「…!…全く……立派なのか…甘えん坊なのか……」
ヘカーティア《…ねぇ…アプロディーテ…今のうちに写真撮っとく?》
アプロディーテ《…さんせーい!》
そう言って撮った写真をネタに、またアテナが冷やかされるのはまた別のお話……………
はい。ありがとうございました。
新しい創界神より、アテナさまの話が中心になってしまいました……でも、この話を中心にした方が、色々と話が進むんです……
後、公式に出ている創界神達の設定は彼らのメイン話で書きます。変に公式と矛盾が出ると面倒なので。
ペルセポネ
オリンの女神の一人 デメテルの娘で冥府の女王。昔、冥府神ハデスに誘拐まがいの行動で結婚を申し込まれたが、人柄や大変な冥府の仕事をこなしている彼を見て惚れ込む。しかし、母親のデメテルが認めてくれなかったために、半分家出をしてハデスと結婚する。そのあと、時たまデメテルの元に帰っているそうな。