東方星神録   作:あんこケース

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少し今までのバトルを振り返りました。そして文字数やバトルの質を考え、これからはキチンと最初からバトルを書いていきます。


ヘタレな軍神。

冥界 白玉楼

 

 

 

妖夢「は!は!」

 

 

 

カグツチ《…よし…もうちょっと攻撃をイメージしようか。》

 

 

 

幽々子「……凄い先生が来たものねぇ……」

 

 

 

あの後、カグツチは妖夢の稽古には付き合ってくれるようになった。しかし、幽々子としては弄る相手がいなくなったので、暇をもて余していた。するとそこに……

 

 

 

 

アプロディーテ《お邪魔するわ。》

 

 

幽々子「あら、また来たの?」

 

 

やって来たのはアプロディーテだった。実はこの冥界は幻想郷屈指の桜の名称であり、毎年の春には必ず花見が行われる。しかし、それ以外にもたくさんの花達が咲いているため、アプロディーテはここがお気に入りだそうだ。

 

 

 

 

アプロディーテ《…そうだ…ちょっと相談があるのだけど……》

 

 

幽々子「?」

 

 

首を傾げる幽々子をアプロディーテはとある場所へと案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷 妖怪の山 空中

 

 

 

アプロディーテ《…!いたいた…降りるわよ。》

 

 

 

幽々子「……凄い気ねぇ……」

 

 

 

白玉楼を飛び出して空を飛んでいた二人は、地上に何やら大きな神力を感じとり、地上に降りてみた。

 

 

 

 

幽々子「……この感じ…弾と似てる…もしかして創界神かしら?」

 

 

 

アプロディーテ《ええ…まぁ…っぽくはないけど…》

 

 

 

しかし、その本人は岩に座って体育座りをしていた……すると幽々子は彼に話しかけてみた。アプロディーテは後ろでこっそり見ている。

 

 

 

 

幽々子「うらめしや~へ(^^へ)」

 

 

 

???《……俺に何か用か…?》

 

 

 

幽々子「あら…驚かないのね。私は西行寺 幽々子よ~あなたは?」

 

 

 

???《…俺はアレス…オリン神の一人だ…》

 

 

 

そう答えたアレスだったがその声は暗い。幽々子はアレスに明るく尋ねてみた。

 

 

 

幽々子「…なんだが元気が無いみたいだけど~?」

 

 

アレス《…ほっといてくれ…強くない軍神なんて…》

 

 

 

幽々子「…つまり強くないから凹んでたのね…?」

 

 

 

幽々子の言葉にゲッΣ(゚Д゚ υ)となるアレスだが、幽々子はこう続ける。

 

 

 

幽々子「気にしないこと♪もしあなたが要らないなら、オリン神から除外されてるはずだし………あら…?」

 

 

 

神奈子「ん!?違った…あのエロ親父じゃなかった…」

 

 

現れたのはスサノヲを追い出したが、なんだかんだで心配になって探しに来た加奈子だった。

 

 

 

アプロディーテ《ちょうど良かったわ。ねぇ加奈子ちゃん?ここに座ってるこの男…あの軍神アレスなのよ?》

 

 

 

神奈子「えええ!?あの軍神アレス様ですか!?うわぁ!!あたしファン何ですが……握手しても…?」

 

 

 

アレス《…え、あ、ああ…どうして俺なんか…》

 

 

 

普段のカリスマをブレイクさせてアレスと握手して、本当に嬉しそうな表情になった加奈子。そしてアプロディーテがアレスに話しかける。

 

 

 

アプロディーテ《これで分かったでしょ?あなたは立派な創界神よ。もう少し自信を持ちなさい…昔私と付き合っていた時みたいにね♪》

 

 

アレス《…全く…何億年前の話だ…!》

 

 

そう言ったアレスの声には確かに自信が宿っていた。幽々子はアプロディーテがここに自分を連れてきた理由を悟って微笑んでいた。

 

 

幽々子「そうだ!ねぇアレス、私軍神のバトルが見たいわ。お手合わせしてくださらない?」

 

 

アレス《…まぁ…加奈子って言ったか…こいつとなら良いぜ。アプロディーテ、お前もその亡霊のねぇちゃんと一緒にバトルするんだろ?》

 

 

アプロディーテ《…うふふ…さて幽々子…失礼するわ。》

 

 

アプロディーテが幽々子の中に入ったのを見て、アレスは加奈子に目をやる。加奈子は深呼吸の後に答えた。

 

 

 

神奈子「……分かりました。不肖八坂 加奈子!全力を尽くします!」

 

 

 

アレス《よし!》

 

 

 

神奈子 幽々子「「ゲートオープン!界放!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「私から行くわ~♪メインステップ。神華の妖精アザレアを召喚。効果で手札のクローバーフィールドをフィールドに置いて二枚ドロー。これでターンエンド。」

 

 

 

幽々子のフィールドに赤い羽を持った妖精が現れ、ピンクのクローバーの花が咲き誇った。

 

 

 

神奈子「…ではこちらのメインステップ。ゴッドシーカー 天騎士オールリィチを召喚。召喚時効果で四枚オープンする。その中の創界神アレスと蟻炎の騎士団長インビクタを回収する。

 

そして荒ぶる軍神!創界神アレス!!三枚トラッシュへ送り、対象カードが三枚だったので三コアを追加する。これでターンエンド。」

 

 

 

アレス《自分。出撃する。》

 

 

 

神奈子のフィールドに両刃剣を持ったゴキブリのような騎士が現れ、さらに後ろに旗を持ったアレスが出現した。

 

 

 

幽々子「…メインステップ。咲き誇れ!創界神アプロディーテ!トラッシュに三枚送って全て対象カードだったのでコアを三個追加するわ。さらにマジックでガーデニアフィールドよ。一枚ドローしてフィールドに置く。」

 

 

 

アプロディーテ《うふふ…!》

 

アプロディーテが背後に現れると、クローバーの花畑に混じって白い薔薇も広がった。

 

 

 

幽々子「さらに神華の魔女妖精ガーデニアを召喚してデッキから四枚オープン。そして楽族を持つ神華龍皇ジークフリード・アプロダイティを手札に加え、華マジックのベラドンナフィールドと舞華ドローをフィールドに置くわ。ターンエンド♪」

 

 

 

さらに目付きの鋭い銀髪の妖精が現れ、薔薇の花畑に青やピンクの花も咲き誇った。これは幽々子にとってかなりの援護になる。

 

 

 

神奈子「…フィールドが色とりどりだな……メインステップ。バーストをセットしてアレスの甲殻神殿を配置。配置時効果でリザーブと殻人スピリットに追加!」

 

 

 

アレスのさらに後ろに蜂の巣のような神殿が出現すると、フィールドのオールリィチに力を与えた。

 

 

 

神奈子「そして蟻炎の騎士団長インビクタをレベル2で召喚。召喚時効果を使って手札を全て破棄。そしてその分相手の創界神のコアを取り除く!」

 

 

 

アレス《了解。インビクタを実戦配備する。》

 

 

 

赤い鎧を纏った蟻の騎士が現れると、神奈子の手札をエネルギーにしてアプロディーテのコアを三個取り除いた。

 

 

神奈子「さらに巨蟹神刀カニキリをアレスに!これでターンエンドだ!」

 

 

 

アレス《んん…かなりくるな……》

 

 

 

紫のオーラからアレスが緑の刀を引き抜き構えたが、加奈子はアタックせずにターンエンドした。

 

 

 

幽々子「うーん…メインステップ。フィールドのベラドンナフィールドに煌臨!華麗な龍皇!!神華龍皇ジークフリード・アプロダイティ!!さらに手札から美神霊杖バタフライ・エフェクトを直接合体!!」

 

 

アプロディーテ《…はぁ!》

 

 

 

幽々子が扇子を広げてくるっと一回転すると、花びらが舞い上がって中からジークフリード・アプロダイティが現れた。そしてアプロディーテが懐から一本の杖を投げ渡すと、アプロダイティは口で咥えて黄色のオーラを放出した!!

 

 

 

 

幽々子「アタックステップ!アプロダイティでアタック!効果で手札からベラドンナフィールドをノーコストで発動するわ!よってスピリット二体を破壊!!さらにフィールドにマジックが三枚以上あったのでライフを一つ貫通!!」

 

 

アプロダイティの翼が羽ばたいてベラドンナの花びらがオールリィチを貫いて破壊した………が…!!

 

 

 

神奈子「インビクタのレベル2からの効果でこのスピリットは効果では破壊されず、私のライフは効果で減らない!ライフで受ける!!」

 

 

 

アプロダイティの花びらをインビクタの剣が叩き落として自身と加奈子への攻撃を無効化した。しかしアプロダイティ自身の攻撃は加奈子のライフを二つ破壊した。

 

幽々子「ターンエンド。」

 

 

 

神奈子「ドローステップ……メインステップ!勝利をもたらす甲殻の神!殻人騎士ナイト・オブ・グラディウス!!実戦投入!!」

 

 

 

アレス《了解!俺の化神よ!龍皇を討ち取ってこい!》

 

 

 

アレスが旗をフィールドに突き立てると地面から腕が突き出し、その旗を掴みながら一体のカブトムシの騎士が這い出してくる。そして全身が露になると旗を大きな斧に変化させて大きく構えた。

 

 

神奈子「さらにカニキリをグラディウスに合体!アタックステップ!ここでアレスの神域の効果!殻人スピリット二体で同時アタックする!!」

 

 

 

アレス《グラディウスの効果、発動する。相手のスピリット二体を重疲労。そして俺のコアを二つ使い、ライフを二つ砕く。さらにカニキリの効果で回復する。》

 

 

 

アレスの光を受けた二体が同時に走り出す。そしてグラディウスが左腕の斧を振るうと、アプロダイティとアザレアが地面へと押し潰され、その衝撃波が幽々子のライフを吹き飛ばした。さらにカニキリの効果でグラディウスは回復する。

 

 

幽々子「ふぅーん、ガーデニアフィールドの効果で効果では私のライフは計一しか減らないわ。フラッシュタイミング!マジックでアイリスフィールド!BP5000以上のスピリットの攻撃じゃあ、私のライフは壊せないわ~♪」

 

 

アプロディーテ《…残念♪》

 

 

幽々子の手札からの紫の花びらが壁になって、二体の攻撃をシャットアウトした。

 

 

 

神奈子「ぐぅ…ターンエンド。」

 

 

アレス《怯むな。反撃に備えるぞ。》

 

 

 

幽々子「メインステップ!優雅に舞う妖精の女神!神華聖霊アプロ・ウラニアー!!」

 

 

 

アプロディーテ《召喚時効果でグラディウスのBPマイナス8000!》

 

 

 

花畑から飛び出したウラニアーの光線がグラディウスの力を削いだ。

 

 

 

 

幽々子「アタックステップ!ウラニアーで攻撃!効果でフィールドのマジックを疲労させて回復!さらにアプロディーテのコアを使ってシンボルを追加!それにアタック時にもBPマイナス8000されるので、グラディウスのBPは0になり破壊よ!」

 

 

ウラニアーが再度光線を放ってグラディウスのBPを0にまで下げて破壊した!………かに見えたが……

 

 

 

神奈子「手札から重殻騎士ガンゾウムの効果でグラディウスが効果によって破壊された時、一コスト支払って召喚する!そうすることでグラディウスは同じ状態で残る!」

 

 

 

アレス《そしてメインアタックはライフ。ライフが減少したのでバーストを貰うぞ。選ばれし探索者アレックスの効果でドローしつつ、アタックステップを終わらせる。》

 

 

グラディウスを神奈子の手札から飛び出したゾウムシのような騎士が守りきり、ウラニアーの攻撃がライフを砕くと、アレックスのバースト効果でアタックステップが強制的に終わってしまった。

 

 

幽々子「あらら、残念。ターンエンド。」

 

 

 

神奈子「メインステップはそのまま。アタックステップ!グラディウスとガンゾウムで同時攻撃!!界放の効果でアプロダイティとアザレアを再度重疲労に!」

 

 

 

アレス《そしてライフ一点貫通!!さらにグラディウスの効果!二体のBPプラス15000!そして二体中一体はブロック不能!》

 

 

幽々子「ガンゾウムはライフ!グラディウスはウラニアーでブロック!」

 

 

 

グラディウスがカニキリと愛斧を振るうが、ウラニアーは華麗にかわしていく。しかしグラディウスが斧を軽くタップすると斧が何倍もの大きさまで巨大化し、ウラニアーの杖を叩き落とす。そしてその隙を突いたグラディウスがカニキリで一刀両断!ウラニアーは爆散した!!

 

 

 

そしてガンゾウムがハンマーを叩きつけてライフを二つ打ち壊した。

 

 

神奈子「インビクタ!」

 

 

アレス《殲滅!!》

 

 

 

インビクタの赤い剣が最後のライフを斬り捨てた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽々子「やっぱり強いじゃない~♪私達も手は抜いてなかったわよ。」

 

 

 

アプロディーテ《ありがとね、幽々子♪お礼に人里でもお団子でもどう?》

 

 

 

そう言いながら飛び去っていく二人を見送ったアレスと加奈子。すると神奈子が話しかけた。

 

 

 

加奈子「…それにしても……アレス様が自信をなくすほどの敵とは?」

 

 

アレス《一人はアテナだよ。あいつの頭の回転には勝てやしねぇ。後……昔スサノヲの野郎にいじめられてな……ってどうした加奈子?》

 

 

 

アレスの言葉を聞いて顔面蒼白になって、全力で謝り続けた神奈子であった。

 

 

 

 




はい。ありがとうございました。

アレスをこんなにヘタレっぽく描いたのは、元ネタのギリシャ神話でも彼はこんな扱いなんです。アプロディーテとの夜の密会を暴露されたり…ツボに閉じ込められたり…イヤマジでそうなんです。

アレス

オリン所属の殻人の創界神。昔は軍神として自信家だったが、アテナやスサノヲに負けてプライドがへし折れてしまう。しかし最近は加奈子や弾との交流で多少はマシになった。一応、ゼウスとヘラの間の息子なので皇子のポジション。後根っからの軍人気質なので少しデリカシーに欠ける。

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