地底 地霊殿
弾「まずこのスピリットは……」
フラン「へぇ……」
こいし「なーる。」
今日は弾がこいしとフランにバトスピを教える日。今日は地霊殿でのレッスンなので同じ部屋にはさとりやブラフマー、シヴァもいる。この面子は弾の腕を得ようとレッスンを覗いているのだ。
さとり「…分かりやすいし、面白いわね……」
シヴァ《……あん?さとり、お燐ちゃんが来たぜ。お客さんをお連れのようだ。》
ブラフマー《…げ…この気は……!》
シヴァがお燐の気配を感じ、さとりに話しかける。端ではブラフマーがイヤァな顔をする…この気配に心当たりがあるようだ。
お燐「さとりさま~!弾様と同じ創界神様がお訪ねしました~!」
グレン《…失礼……》
お燐に連れられて入って来たのは弾と同じウルに所属している鍛治神の創界神、グレンだった。弾はそれに気づいて話しかける。
弾「グレンさん、どうしましたか?」
グレン《なに、少し地底の鍛治に興味があったのでな……よう、ポテト…どうした、サラスヴァティーに飽きたのか?》
ブラフマー《うっさいヒゲ!俺はサラちゃん一筋だ!》
グレンはブラフマーと言い合いを始める。この二人は仲がいいのか悪いのか……弾がグレンをさとり達に紹介したあと、フランがグレンに話しかける。
フラン「ねえねえおじさん!おじさんはシヴァの部下の神様?」
グレン《……おい…何で部下になってんだ?》
グレンが青筋をたてながら、なんとか殺気を誤魔化してフランに問いかける。するとフランは無邪気に話す。
フラン「え?シヴァが《ブラフマーとグレンってやつらは俺の部下みたいなもんだ!ぐははは!》って言ってたよ?」
ブラフマー《ヒゲェェェェェ!!!こいつぶっ飛ばすぞ!!》
グレン《さぁ…!向こうの部屋で朝まで語り明かそうか…!!》
…ブラフマーとグレンが「心火を燃やしてぶっ潰す!」状態と「大義のための犠牲となれ!」状態になってしまった……するとシヴァは普段は回らない頭を回らせて上手い言い訳を考えた。
シヴァ《ゲゲゲ!……よし!フラン!弾のレッスンの成果を見せるぞ!》
フラン「え!?う、うん!!」
さとり「うまく誤魔化しましたね……さてお二方、私がバトル致します。」
慌ててフランの中に入って行ったシヴァと呆れながら二人をその身に宿すさとり。
弾「………まぁ良いか…」
こいし「フランちゃ~ん!お姉ちゃ~ん!頑張ってねぇ~!」
フラン さとり「「ゲートオープン!界放!!」」
フラン「私からいくね!メインステップ!ゴッドシーカー 舞踏龍ナタラージャを召喚!効果で三枚オープンしてその中の破壊の創界神シヴァと破壊龍皇ジークフリード・ルドラを手札に加えるよ!ターンエンド!」
フランのフィールドにダンサーの衣装を着たドラゴンが現れた。
さとり「…早速面倒なカードを…メインステップ。まずはバーストをセット。そして水龍王リヴァイアを召喚して四枚オープン。その中の神託条件に[古竜]を含む創界神グレンと神話ブレイヴの聖蓮神剣リグ・ヴェーダを回収。さらにアバタードラゴン・イエローを手元に置いてターンエンド。」
さとりのフィールドに杖と魔導書を持った青いドラゴンが現れ、手元にアバタードラゴン・イエローを置いた。
フラン「メインステップ!破壊の神!破壊の創界神シヴァ!効果で三枚トラッシュにカードを置いて、対象のカードが三枚があったから三つコアを置く!」
シヴァ《…来るなら来い!全てを破壊してやる!》
フランの背後に開き直ったシヴァが現れる。
フラン「さらにムトゥードラゴンを召喚!手札を手元におき、シヴァのコアをボイドに送って計二枚ドロー!バーストもセットして終わり!ターンエンド!」
黒い悪魔のような羽を持ったドラゴンが現れるが、フランはまだ動かなかった。
さとり「メインステップ。紅蓮の炎!創界神グレン!そしてもう一神!創造の創界神ブラフマー!どちらも三枚中二枚が対象だったので二つずつコアを追加。そしてアバタードラゴン・ブルーの効果で手元に。」
ブラフマー《足引っ張んじゃねぇぞ!ヒゲ!》
グレン《お前もな!》
言い争いながらブラフマーとグレンが現れる。
さとり「そして宮殿龍タージ・ドラゴンを召喚。アタックステップ!タージ・ドラゴンでアタック!ブラフマーのコアをボイドに戻して二枚ドローします。」
背中にタージ・マハルのような宮殿を背負ったドラゴンがのっそのっそと歩きだす。
フラン「ライフで受ける!」
タージ・ドラゴンが炎でフランのライフを一つ砕いた。
さとり「ターンエンド。」
フラン「メインステップ!黒壬龍オブシディアン・ドラゴンをレベル2で召喚!効果でデッキから二枚裏向きで手元に置く!そしてタージ・ドラゴンのコアを除去するよ!」
黒いオーラから紫の鎧を纏ったドラゴンが現れ、光線を放ってタージ・ドラゴンをコアをトラッシュへ送り消滅させる。
フラン「アタックステップ!オブシディアン・ドラゴンでアタック!自身の効果で手元を増やしてコスト六&ダブルシンボルだよ!さらにシヴァの神域で手札を手元に置いてリヴァイアを破壊!」
シヴァ《あらよっと!》
飛び出したオブシディアン・ドラゴンの後ろからシヴァが紫の波動を放ってリヴァイアを吹き飛ばす。これでさとりのブロッカーは0になってしまった。
さとり「…ライフで。ですがバースト貰います!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード!まずはムトゥードラゴンを破壊!この時効果は発揮されません!そしてそのまま召喚!」
オブシディアン・ドラゴンが大きな爪でライフを切り裂くと、バーストから火柱が上がってムトゥードラゴンを焼き尽くした。ムトゥードラゴンは手元の裏向きのカードを除外することで死竜スピリットを守る効果があったが、ジーク・ヤマト・フリードの炎はその効果を発揮させなかった。
フラン「あ!ムトゥードラゴンやられちゃった…ターンエンド。」
さとり「メインステップ。再度バーストをセット……こちらも使いますか…神の剣操る赤き龍!レベル2で召喚!創造龍ジェネレータードラゴン!」
ブラフマー《ゼロじゃない方な!》
ブラフマーの炎から少し小回りなジェネレータードラゴンが現れる。
さとり「アタックステップ!ジェネレータードラゴンでアタック!アタック時でナタラージャを破壊して手札から神話ブレイヴ、聖蓮神剣リグ・ヴェーダを一コストでブラフマーに直接合体させて召喚!」
ブラフマー《きたきた愛刀!》
グレン《…俺の出番が無い…》
ジェネレータードラゴンが吠えると空からリグ・ヴェーダが降ってきてブラフマーの手に収まる。そしてジェネレータードラゴンのフラッシュ効果でリグ・ヴェーダを合体しなおせば回復して一気にライフを削れるが……
フラン「フラッシュタイミング!オブシディアン・ドラゴンに煌臨!全てを破壊する紫の龍皇!破壊龍皇ジークフリード・ルドラ!!煌臨時効果でスピリット五体からコアを三個ずつ外すよ!全部どっかーん!!」
シヴァ《……まぁ良いか……》
オブシディアン・ドラゴンがジークフリード・ルドラに変わると矛を振ってさとりのスピリット達のコアを外して全員消滅させる。しかしシヴァは、先ほどのジェネレータードラゴンの効果でオブシディアン・ドラゴンを破壊しなかったことが引っかかっていた。
さとり「フラッシュでブラフマーの神技を使用。手元からアバタードラゴン・イエローを召喚。そのままアタック!」
グレン《……ほう…そういうことか…》
ブラフマーがアバタードラゴン・イエローを呼び出すと攻撃体制に入った。
フラン「ルドラでブロック!」
さとり「イエローは手元に。ここでブラフマーの転神を発揮!ブラフマーをスピリットとしても扱う!ブラフマーでアタック!!」
ブラフマー《…さぁ!祭りの始まりだぁ!》
ルドラの矛にイエローは貫かれたが、代わりにブラフマーがリグ・ヴェーダを構えて降り立った。
フラン「まだ来るの!?ライフで受ける!!」
ブラフマーがリグ・ヴェーダでフランのライフを一刀両断する。さとりはルドラが出てくることを読んでこの立ち回りをしていたのだ。つまり「いつ来るかわからないよりさっさと打たせておこう。」理論である。
さとり「ターンエンド。」
フラン「んん…メインステップ!世界の破壊龍!レベル2で召喚!!破壊神龍ヴァルドラム!!そしてアタックだよ!!」
ヴァルドラムがルドラの隣に現れると、大きく咆哮して飛び出した。
さとり「バースト発動!爆心龍マ・オンー龍態ーをコア五個をのせて召喚し、一枚ドローしたあとBPプラス10000!ブロック!」
フラン「…う!…コアが多いからシヴァの効果で破壊できない…ヴァルドラムの効果で手元のカード四枚を除外してライフを破壊……」
マ・オンが炎を纏って現れると、ヴァルドラムに噛みついた。ヴァルドラムは紫の衝撃波でさとりのライフを砕いたが、マ・オンがマグマでヴァルドラムの腹に穴を空けて破壊した!!
フラン「…ターンエンド。」
さとり「メインステップ。剣創りし龍!いざ前へ!聖剣刃龍ゴウ・グレン!!レベル3で召喚!!」
グレン《…よし!俺の化神よ!力を振るえ!!》
グレンが地面に拳を打ち込むとマグマが噴き出して、そこから翼が白い剣で赤の鎧を着こんだ龍が現れた。
シヴァ《あじゃぁ~!ルドラ出すタイミング間違えたなこりゃ》
さとり「アタックステップ!ゴウ・グレンでアタック!!効果でブラフマーのリグ・ヴェーダをゴウ・グレンに付け替えます!そうすることでBP以下のスピリットを破壊!よってルドラを破壊!!」
ブラフマー《…仕方ねぇ!おらよっと!!》
ブラフマーがリグ・ヴェーダを放り投げるとゴウ・グレンが口で咥えて構える。そしてそのままルドラに接近してすれ違い様に一閃!ルドラは爆散した!
フラン「まずい!フラッシュタイミング!白晶防壁!マ・オンを手札に戻してソウルコアの力でライフは一しか減らなくなる!」
さとり「残念ですがグレンの神域でグレン自身を疲労させて白のマジックを無効化します。これでおしまいです!」
グレン《…オウラァ!》
フランの前に水晶の防壁が形成されたが、グレンが投げたハンマーが水晶を粉々に粉砕し、ゴウ・グレンがマグマをリグ・ヴェーダに纏わせ降り下ろした!!
シヴァ《……すみませんでした……》
弾「フラン、さっきのルドラは出すのが少し早かったね。白マジックも過信し過ぎないことだ。」
フラン「はぁい…」
部屋の隅で正座しているシヴァと何事もなかったかのようにフランにレクチャーしている弾。なんだかんだで時間は過ぎていき、時計が夕方6時の時間を告げた。
弾「…少し遅くなりそうだな。さとり、俺はフランを送ってくよ。」
さとり「わざわざありがとう。私にとってもいい時間だったわ。」
グレン《俺はもう少しこの地底を見てくる。》
ブラフマー《まったなぁ~!》
そうして弾、フラン、シヴァの三人は地底をあとにした。
一方紅魔館では………
レミリア「咲夜!フランがまだ帰って来ないわ!!」
咲夜「…そうですが…弾様はいつも送って貰ってますし、シヴァ様も同行なさっているので問題無いかと……」
これは最近の紅魔館でよくみられる光景である。
フランがレッスンのため外出すると、いつもレミリアが「フランが心配だわ!」と騒ぎ出すのだ。パチュリーはすぐさま図書館に避難し、美鈴も休憩時間にもかかわらず門に向かっていったので、咲夜しか対処する人間がいないのである(そもそも紅魔館に人間は咲夜しかいないが)
レミリア「咲夜!退きなさい!退かないならバトルで無理矢理フランを迎えにいくわ!」
咲夜「はぁ……仕方ありません。お嬢様…少し大人しくして貰います。」
二人がデッキを構えたその時!
???《…あの…少しよろしいですか…?》
はい。ありがとうございました。
次はオリ創界神回になります。書きたい系統がありますので…