盾の勇者(盾を装備してるとは言ってない)   作:banjo-da

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芝浦淳

・職業:犀の勇者

・装備:カードデッキ(※仮面ライダーガイに限る。他の伝説武器同様他の武器は使用出来ない他、何らかの理由で他のカードデッキを入手しても使用不可)

・スキル:『俺がゲームを面白くしてやったのに』
スキル説明:このスキルは、仮面ライダー王蛇から盾にされた逸話、及び盾にされて尚仮面ライダーゾルダの攻撃を耐え抜き生き延びたタフさがスキルとして昇華したもの。
自身及び『仮面ライダーガイ』を『盾』という扱いに設定し、『仮面ライダーガイに変身=盾を装備している』と定義させる。これにより、職業を『盾の勇者』から『犀の勇者』へ変更。また通常装備出来ない盾以外の武器も、ガイの装備とアドベントカードを用いて召喚されたものに限り『盾の一部』として使用可能。
スキル効果:伝説武器の変更(盾→カードデッキ)、防御力成長補正(大)、伝説武器の解放(変身)時にステータスの一時的な上昇(大)



割とエグいチートスキルだけど、説明を読んだ芝浦は屈辱に呻いたそうな。


正宗「ゲームの世界に入り込む話?我が社の商品の事かね?」

芝浦の謎の職業に驚いた一同だったが、やがて練と芝浦以外の二人も彼等に倣い自分のステータスを確認し始める。

 

「最初はレベル1か...これは不安ですね。」

 

「そうだな、これじゃあ戦えるかどうか分からないな。」

 

「まー、仕方無いんじゃない?そもそも俺らはここに飛ばされたばっかりだし。」

 

「というか何だこれ?」

 

「何でも良いから戦わせろォ…イライラするんだよ…。」

 

「勇者殿の世界では存在しないので?ステータス魔法と呼ばれるこの世界のものなら誰でも使える物ですぞ。」

 

「ねぇ待って何か今一人増えてなかった?」

 

何処からか聞こえてきた危なそうな声に、思わず辺りを見渡す元康。───きっと彼の幻聴だろう。そうでなければここで一人脱落して、このお話が終わってしまう。

 

「それで?俺達はどうすればいいんだ?」

 

「勇者様方にはこれから冒険の旅に出て、自らを磨き、伝説の武器を強化してもらいたいのです」

 

先程王からお叱りを受けた臣下、この国の大臣が彼等に説明する。

 

「強化?この持ってる武器は最初から強いんじゃないのか?」

 

「はい。伝承によりますと召喚された勇者様が自らの所持する伝説の武器を育て、強くしていくそうですよ。」

 

「伝承ね、その武器が武器として役に立つまで別の武器とか使えばいいんじゃね?」

 

「じゃあ取り敢えず、俺達は全員でパーティを組んで武器を育てるワケか。」

 

槍をくるくると回しながら意見する元康と、今後の方針を提案する練。樹も異論は無いとばかりに首を縦に振る。

 

「お待ちください勇者様方。」

 

「ん?」

 

早速冒険に出ようとする勇者達を引き留める大臣。空気の読めない奴である。

 

「勇者様方は別々に仲間を募り冒険に出る事になります。」

 

「それは何故ですか?」

 

「決まってるじゃん。波を凌ぎながら、俺達同士も最後の一人になるまで殺し合うからだろ?敵に手の内見せたらつまんないもんね。」

 

「違います。伝承によると、伝説の武器はそれぞれ反発する性質を持っておりまして、勇者様たちだけで行動すると成長を阻害すると記載されております。」

 

へらへらしながら問い掛ける芝浦の意見を、間髪入れずに切り捨てる大臣。問題児を前に彼の目はもう光を失いかけていた。

ともあれ、全員が各々のステータスを確認し、その中に武器のヘルプマニュアルを見付けた事で、大臣の言葉が正しかった事が証明される。

 

 

「となると仲間を募集した方が良いのか?」

 

「ワシが仲間を用意しておくとしよう。なにぶん、今日は日も傾いておる。勇者殿、今日はゆっくりと休み、明日旅立つのが良いであろう。明日までに仲間になりそうな逸材を集めておく。」

 

「「「ありがとうございます。」」」

 

「あっそ。よろしくー。」

 

「オイ貴様そろそろ殴っても良いかの?」

 

特に誰の発言か明記せずとも発言者が分かるであろう舐め切った態度に、王はとても穏やかな笑顔で応えるのだった。

 

 

 

 

 

「っていうか、コレゲームじゃね?俺は知ってるぞ、こんな感じのゲーム。」

 

通された貴賓室にて、全員が各々の武器の説明を一通り確認し終えた頃、元康が得意げに話し出した。

 

「え?」

 

「というか有名なオンラインゲームじゃないか、知らないのか?」

 

「いや、俺も結構なオタクだけど知らないぞ?」

 

「お前しらねえのか? これはエメラルドオンラインってんだ」

 

「何だそのゲーム、聞いたことも無いぞ。」

 

「僕もです。淳さんはどうですか?」

 

「いや、俺も知らない。そんなゲーム聞いたことも無いけど。」

 

「お前本当にネトゲやったことあるのか? 有名タイトルじゃねえか。」

 

「俺が知ってるのはマイティアクションXとかタドルクエストとかだよ、有名じゃないか!」

 

「なんだよそのゲーム、初耳だぞ」

 

「え?」

 

「え?」

 

「皆さん何を言っているんですか、この世界はネットゲームではなくコンシューマーゲームの世界ですよ。」

 

「違うだろう。VRMMOだろ?」

 

「はぁ? 仮にネトゲの世界に入ったとしてもクリックかコントローラーで操作するゲームだろ?」

 

「いやいや、クリックとかコントローラーで操作しても、段々リアルファイトしたくなってきて最後は現実でやり合うゲームの方が楽しいでしょ。」

 

「すみません淳さんちょっと論点ズレてややこしくなるので黙ってて下さい。」

 

四人の中でゲームの世界というのは共通ではあるが、四人とも違うゲームだと思っているらしい。

 

「クリック? コントローラー? お前ら、何そんな骨董品のゲームを言ってるんだ? 今時ネットゲームと言ったらVRMMOだろ?」

 

「VRMMO? バーチャルリアリティMMOか? そんなSFの世界にしかないゲームは科学が追いついてねえって、寝ぼけてるのか?」

 

「はぁ!?」

 

「まあ確かにゲームの中に入るは入ったけど、俺はバーチャル空間じゃなくて鏡の中に入ったな。」

 

「物凄く興味惹かれるんですけど、ホントにややこしくなるので貴方は黙ってて下さい。」

 

時折余計な茶々が入ってきたものの、どうやらお互いに違う場所から来たのではないか───そんな予感が彼らの中に芽生え。そして自身の知る現職総理大臣の名前を確認する事で、その予感は確信に変わったのだった。

 

念の為の確認として、自分の世界の有名な事柄や人物等の話になったが、その何れもが知らないという結果になった。

 

「どうやら、僕達は別々の日本から来たようですね。」

 

「そのようだな。間違っても同じ日本から来たとは思えない。」

 

「という事は異世界の日本も存在する訳か。」

 

「時代がバラバラの可能性もあったが、幾らなんでもここまで符合しないとなるとそうなるな。」

 

(異世界の日本…ねぇ。それじゃ、案外モンスターに食われて死んだ俺も居たりして。)

 

全員が驚きのあまり神妙な面持ちを浮かべる中、一人そんな事を思う芝浦。

 

(…いや、ないない。俺がそんなヘマするワケないか。)

 

『我ながら下らねぇ事を考えるものだな』、とニヤケてしまう芝浦淳。

 

 

 

 

 

───残念ながら、別の日本どころかタイムベントのループの中に、そんなヘマをした芝浦淳(じぶん)が居る事を、彼は知る由もない…。




※続くかどうかは分かりませんが、取り敢えず一話続きました
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