時の止まったはずの世界
俺以外に動くものの無いはずの世界
なのになぜこの女神は動いている?
時止めに失敗したという線は無い
なぜならさっきまで吹いていた風は完全に止まり、木から飛び立った鳥は空中で静止しているからだ
何故だ?
「随分と不思議そうな顔をしていますね....
私を誰だと思ってるんです?太陽神ですよ?
わかりませんか?
じゃあ冥土の土産で神としての
能力を教えましょう
『太陽と昼の世界を司る能力』です」
「?....」
「わからないですか....
時の止まった世界の中でも光は動いているのはわかりますよね?
だからあなたは時が止まった世界でも物を見ることが出来る
そして今の時間帯は丁度昼頃
つまりここは『時の止まった世界』ではなく、正確には『昼で時の止まった世界』です
ということはここはあなただけの世界ではありません
太陽の光が満ち、動いている私の世界でもあるんです
これで満足しましたか?
それでは.....
さようなら
」
天照に光が集まっていく
マズイ!!
「反射設定変更!」
間一髪のところで光を反射する
おかげで眼が全く見えない暗闇に体全体が覆われたがこの際どうでもいい.....
とりあえず休憩させてもらう....
「...なんだ、光も反射できるのですか....(今の攻撃......ちょっといつもと感覚が違いましたね....
時が止まったせいで太陽光が変質しているのか....辺りの色合いも違いますし
そのせいで光を集める予備動作が入ってしまいました....)」
天照が少し驚いたように言う
だが今は無視だ
腕を治すような能力.....
!
あの能力が強化されているのなら使えるはず!
「『肉体再生』」
暗闇の中でそっと呟く.....特に意味は無いが
『肉体再生』は文字通り肉体を復元する能力
原作で登場した際には使用者がレベル1だったため破れた血管に膜を張る程度だったが....強化されているはずだし、大丈夫だろ
数秒ぐらいの時間が過ぎた
だんだん腕の感覚が戻ってきたようだ
だが....なんか気持ち悪い感覚だ
まあ、骨から生えて来てるからな....
ていうか本当に暗闇で良かった...多分グロい感じで再生してんだろうな.....
さて、どうやったら天照を倒せるか....
天照の能力は『太陽と昼の世界を司る程度の能力』....
だからこの昼で時の止まった世界で動けると言ってたな....
昼と太陽....
そうか!
.......よし、多分これで勝てる!.......よね?
三人称タイム~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
依然、時の止まったままの世界
その中で動くものが一人、いや一柱
天照である
( 何か高度な防御の術でも使ってるんでしょうか?
光も通じてないし.....まあ、そのせいで眼は見えてないと思いますが
んー...こんなことなら泳がさずさっさと仕留めておけばよかった.....
戦うのは久々で張り切りすぎましたかね....)
まだ戦う相手は生きているが、黒い闇に包まれ、いまだに動き出す気配は無い
作戦でも練ってるのだろうか、と天照は考えるが、特に興味はなかった
(早く倒してこの地の信仰を頂かなければ....
どう洩矢の神を建御名方神が倒したように見せるか...問題はここです
洩矢の力を弱め、一騎討ちを民の目の前でさせ、建御名方神に勝利させる
この筋書きがやっぱり一番ですか....いや、この男と遭遇して神の力を出してしまいましたし、あの甘い建御名方に気づかれたなら
少々面倒臭いかも知れません.....
いや、あの程度の量なら気づかれないか...
今の内に予定通り神社へ細工しに行きましょうか )
これからの行動が決まった天照はちらりと嶺夜の方を一瞥する
まだ出てきませんね....このままやり過ごすのかも.....まあ、いいです
犠牲は少ないほうがいい
もっとも、これ以上やるのなら本当の本当に消しますが....)
何やかんや言っても結局天照は殺すことが出来なかった
いや、本当は殺す気自体がほとんど無かった
さっきの一撃は消し飛ばす類いではなく、強烈で特種な光によって気絶させるためのものだ
腕を奪ったのはそうでもしないとこっちがやられるから
(いや、私のような純粋な神の場合は神社へ戻るだけなんですけどね
現人神は....色々と不安定な場合が多い
肉体を滅ぼしたらもう一度神として復活できるかどうかもわかりませんし
ただ、私たち八百万の神々と違い、信仰が無くても生きられるっていうのは羨ましいです)
そこで天照は考え事をし過ぎたのに気づいた
自分の時間は止まっていないが、何もしなければ止まっているのと同じだ
適当に洩矢神社の方角へ向き、飛ぶ
時止めが発動している間にできるだけ進んで置いた方がいいはずだと思ったのだ
天照はそこで異変に気づいた
「太陽が.....」
見上げた空で輝く太陽が西へ動きだしていた
ただ単純に時止めが解除されたのではないだろう
それにしては傾く速さがあまりにも速い
一瞬で空は橙色へ変化し、一番星の金星が輝きだした
ほんの数十秒で変わった風景に驚きのあまり天照が動けないでいると
後ろから
「夕焼け眺めて感動でもしてるのか?
お前の『世界』はもうすぐ終わるぞ? 」
「.....二回戦、といきましょうか」
新生活
始まり投稿
めちゃきつい
嶺夜「なんの意味もないし、なんの捻りもないな」
事実です。
.....ごめんなさい