東方多重能力   作:壮大

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これは後から付け足された蛇足回です
つまり読み飛ばしても影響はゼロですのでよろしく!!


第五話 とある会議室から

黒谷嶺夜の朝は早い

 

 

「・・・っと、あったあった生卵

え~っとミキサーは・・・」

 

「何してるのよ、こんな朝早くから」

 

「!?

あ~永淋おはよう

いや、ちょっとほら、いつものトレーニングをしようと・・・」

 

「いつもはそんなことしてないでしょ・・・生卵でなんのトレーニングよ・・・」

 

「ロッ◯ーの真似事」

 

「?」

 

「なんでもない、そういやもう朝ごはん食べるか?」

 

「ええ、頂くわ」

 

台所で生卵を割り炒め、適当にトーストを焼く

ちょっと炒めるとトーストの上に乗せる

本当に適当なのでおいしさは保証していない

それにただ野菜を切っただけのサラダをつける

 

「それじゃあ、頂きます」

 

「ん、俺もいただきます」

 

永淋と二人で朝食を食べる

味はまあ普通だが一人で絶品料理を食べるのと、誰かと一緒にこの朝食を食べる、どちらか選べと言われたら俺は迷わず後者を選ぶだろう

一人で食べる料理ほど味気ないものはない

だけど・・・

 

「終わっちゃうんだよなぁ~」

 

「何がよ」

 

「何でもないんだよ」

 

「はぁ・・・あ、今日は予定変更でもうすぐ会議だから留守番しててよ

ごちそうさま」

 

「お粗末!!」

 

「それじゃあ行ってきます」

 

落ち着いた様子で永淋は出かけていった

時間にはかなり余裕があるのだろう

さすがは『月の頭脳』と呼ばれるようになるだけある、完璧である

だが俺はある物を見つけた

 

「あ、会議内容の紙忘れてる」

 

忘れ物を発見した

・・・おかしいぞ、これは

永淋は間違いなく天才だ、例えばこの都市も永淋が一人で作り出したと言っても過言ではないほどに

だからと言って別に天才なら忘れ物をしないと決めつける訳ではないのだが、俺がここに来てからの永淋はまさに完璧超人だった

もちろん何かを忘れたことは一度もない

ただ、よく考えてみると朝から寝不足みたいな感じだったような気もする・・・いや、もちろんそれだけでこんな重要な物を忘れないと思うのだが・・・

そして、

 

「これは届けないとなぁ~?えーりん困るしな~しょうがないから会議場行かないとな~」

 

というわけでレッツゴー・会議!!!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

月の都(仮)本部 会議室

 

「では今回の会議はもう一度月面移住計画について説明します、まず皆さんご存じだと思いますが―」

 

ここはこの都の心臓部といっても過言ではないビルだ

また、この都を治める神、月夜見の住居でもある

もちろん一部の者しか立ち入ることのできない

え?なんでお前がいるんだって?

ふふふ・・・

 

「それでは『穢れ』について、永淋様よろしくお願いします」

 

名前を呼ばれた永淋が立ち上がる

 

・・・俺の顔から数センチのところで

 

「はい。まず『穢れ』とは、―ひゃっ!!!」

 

永淋の耳に息を吹きかける

すると変な声を上げた―何これかわいい

 

さて、説明しよう!

なぜここにいる人たちは俺が見えないのかを!

まあ、答えは簡単、

精神に干渉して、俺を認識できないようにしただけだ

『偏光能力』とかで透明になってもよかったが、こちらの目も見えなくなるかも知れないのでやめた

ちなみに俺が居るのは永淋の真ん前の机の上

いや~なんかすがすがしい!まるで幽霊になった気分だ―

 

・・・これ誰にも見えてないんだよな?

自然と俺の目線が永淋の豊かな胸の方に向く

・・・触ってもばれない感じなのかな、これは

はっ!!!!ダメだ!やめろ、俺!!永淋に嫌われたくないだろ!?

 

・・・『ばれなきゃ犯罪じゃないんですよ』

 

どこからか声が聞こえたような気がした

何だ何だよ何ですかァ!?ヤバイ!!己の黒い欲望が噴出する!!

うおおおおお!静まれぇぇぇ!!!

よく考えれば不老になったとはいえ俺の心はまだまだ思春期!だからこれは正常なのだ!

ということは触ってもおk・・・って理論になってないよね!?

もういい!俺はかえ(もみっ)

 

「妖怪とは穢れの―んひゃあ!!」

 

あっ・・・

いやいやいやいや!!!!??まて、なぜそうなる!!?

自分、揉む気なかったじゃん!!いや、そうでも無かったか

まさか・・・自分の欲が手を勝手に動かしたのか?

何でだろう・・・これまではそういう気が起きなかったのに

何でだろう・・・こんなにすがすがしい気分になったのは

・・・よしッ!帰ろう・・・

 

「さて、ロケット発射については大臣、お願いします」

 

「はい、まず準備の状況についてですが・・・あと一週間後には完成、発射できるような状況です

その他にはこれと言った問題も・・・」

 

すると長いテーブルの端に座っていた繊細そうな、それでいてどことなく威厳を纏った男が手を挙げた

 

「ど、どうかされましたか?月夜見様」

 

どうやらこの男があの月夜見らしい

まあ確かにカリスマって感じがする

『う~』とかいったらすごい事になりそうな感じでもある

そしてその神は言った

 

「あの問題点はどうなったんだ、大臣

確か・・・ロケット発射場が足りず何度かに分けて出発しなければいけないんだったか

月移住を妖怪に悟られたら最後まで残る者は危ないのでは?」

 

「ああ、その問題については大丈夫です

穢れなき都の民は皆、月へ行けるでしょう」

 

大臣は自信満々と言った様子で返した

そしてニヤリと笑うと会議に出席していた数人に目配せをして着席をする

・・あからさますぎだろ

いや、もうちょっと隠す努力はしようぜ・・・

なんだよあの『いかにもよからぬ事を考えています』って顔・・・

どうしようか・・・後で探り入れとくか?いや、ここで月夜見がツッコんでくれるはず

 

「ならいい、続けろ」

 

え!?月夜見様!?スルーしちゃう感じなんですか!?

鈍感なの!?そういうキャラ目指してんの!?あなたイケメンだから鈍感でもラブコメは一話で終わっちゃうよ!?

と、俺が心の中で帰るのを忘れ、いらぬ

ツッコミを入れていると

 

ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

 

突如、この建物の中に妖怪の襲来を告げる警報が鳴り出した

 

「なっ!?妖怪だと!?」

 

「なぜここまで入ってこれた!軍の連中は何をしている!!!」

 

「おい!!臨時セキュリティを!!月夜見様!早くシェルターの中へ!!」

 

会議場は一瞬で鼓膜が破れそうになるほどの喧騒に包まれた

非常口がいくつか開き、そっちに逃げる者もかなり居る

さて、俺はどうしようか

テレポートを使って外に出て妖怪を仕留めるってのもありか・・・

 

「!?なんだ!あのガキは!!」

 

「え!!?」

 

み、見つかった!?なぜだ!?

・・・あっ、パニック状態だからか!?

もしかしたら精神を操作し辛くなっているのかも知れないのか!?

ど、どうする・・・

周りが騒がないことを見ると能力の効果が薄くなったのは全員ではないようだ

ならとりあえず記憶を消しとけば大丈夫だろう

・・・ちょっと気を抜きすぎたのかも知れない

俺の姿が見えた者の記憶をちょっと消し、少し集中して能力の強度を上げた

 

「あ、そうだ妖怪を退治してくるんだった」

 

なんか忘れかけていたが妖怪が侵入したんだった

急いでテレポートをしようとする

が、その時澄んだ声が聞こえた

 

「取り乱すな、たかが妖怪だ」

 

その声はたいして大きくは無かったのにこの広い会議場で不思議なことにはっきりと聞こえた

その声に魅せられたかのようにこの場にいた者全てが声の主の方を動きを止めて見る

そして、その声の主―月夜見は話を続ける

 

「取り乱すなと言っているのだ。妖怪ごときにこの都が滅ぼされる訳ないだろう

実際に皆全員軍の演習の見学に行ったのだろう?

だがそれでも軍の者が信用できないなら、そうだな・・・

―なんなら私が直接相手になってもいい」

 

「・・・つっ、月夜見様!?危険です!!中にお入りください!!!」

 

「私がやられる訳ないだろう

それに、最近あまり運動をしていないのでな」

 

諭すように告げると入り口に颯爽と向かい

―吹き飛ばした

 

え?何故に?

すっごい損害だよねコレ、入り口どころか壁ごと吹っ飛ばしたよこの神

大丈夫か、都のトップ

 

「・・・異常は無いな」

 

いやあんたの力の前に自分の頭の心配をしろ

・・・さすが神、ブッ飛んでいるな

 

「さて、妖怪は・・・」

 

ビルから飛んで妖怪を確認する月夜見

 

「結構強いな、コレ」

 

俺は思わず呟いてしまった

侵入したのは数匹の大妖怪

が、相当な強さの妖力を持っているくせに獣の形をしている

このぶんだと知性はどうなのだろうか

いや、この都の警備を潜りぬけ、まっすぐビルに向かってきたところを見ると、案外高い知性を有しているのかもしれない

ともかく、俺がいつも相手にしているのとは比べものにならないだろう

 

「ふむ、この程度か」

 

どうやら月夜見は余裕なようだ

 

「おい、そこの神よ。少し話を聞いてくれんか」

 

!?やっぱり喋った!

しかしまず対話を求めるとは・・・珍しい

 

「ほう・・・まあいいだろう」

 

「なかなか話がわかるな

よし、話そう、実は一つ頼みがあるのだ」

 

「なんだ?」

 

「ずばり―今度の月移住を中止にして欲しいのだ」

 

!?

なぜコイツが月移住の事を!?

もしかしてコイツら・・・スパイを!?

月夜見もそれを悟ったのか苦々しい顔になる

 

「今度全員検査だな・・・

 

・・・それにしても中止か」

 

妖怪は人間の恐怖が元になっている

人間がいなくなればどうしても困るのだろう

俺としてはそれはちょっと可哀想に思えた

 

「その頼み、断らせてもらおう」

 

だが多分その事情を知った上で月夜見は断った

きっぱりと

 

「私は民が第一なのでな・・・すまんな、名も無き妖怪よ」

 

俺はふと思った

自分ならどうしていた?

ここの住民のことを考えると月に行くのが最善策だ それは決まっている

だがこの妖怪は?

確かに妖怪は人間に危害を加える、それどころか喰うのを楽しんだりするような奴らだ 俺はずっとそう考えていた

だがきっと妖怪は全員そんな訳なかったのだろう

きっといい妖怪だっているはずなのだ

それを、それを無視して俺は月に行けるのか?

 

・・・考えても答えは出なかった

 

「・・・そうか、それは残念だ

・・・ならばせめて!!全力で抗わさせてもらおう!!!」

 

妖怪は一斉に妖力を上げ、月夜見に向かって突っ込む

 

「そうか・・・ならば私も全力で叩き潰すしかあるまい」

 

月夜見の神力も解放された

その威圧だけで俺の体は固まってしまう

・・・だが

妖怪達は立ち止まらなかった

その先に待つのが死だと確定していても・・・

 

「さようなら、妖怪

・・・あなたたちの事はいつまでも頭の片隅において置こう」

 

月夜見の絶大な神力が振るわれ、

 

―妖怪は跡形もなく消滅した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・・・うん、蛇足だ
やっぱりこういう感じの描写は苦手です、はい
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