IS〜もし織斑一夏が俺みたいだったら(ロクデナシ確定)〜 作:@Finn
今は中休み。
授業は全くわからない。テキストはうっかり捨ててしまったし、やれやれだぜ。
「ちょっとよろしくて?」
金髪美人が話しかけてきた。
おいおい。初めて見たぞ、そのドリルヘアー。どうやってセットしてるのか非常に気になる。気になるぅ〜
気になるんじゃぁ〜^^
「なんでしょうか。」
「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」
ここまで染まりきってる人は随分と久しぶりに見た。
「これはこれは!失礼いたしました。あなたのように美しい人を間近で見たのは初めてでして、つい見とれていました。それで、高貴なるお方、この私に何か御用でしょうか。」
多少は気をよくしたのか饒舌に話し始める。
「私はイギリス代表候補生にして入試主席の貴族、セシリア・オルコットですわ。私に話しかけれたことを光栄に思いなさい!」
ふむ。たしかに光栄な事だろう。彼女がいかに傲慢でも爵位持ちの美人に話しかけられるのはなかなかあることではない。傲慢だけど。
「ノブリス・オブリージュとかいうやつですか?話しかけていただきありがとうございます。話したいのは山々ですがそろそろ授業が始まります。席に戻られてはどうでしょう。」
「そうですわね。また後で来ますわ。よくって?」
「勿論です、プロですからぁ。(コマンドー)」
不思議そうな顔をしながら席に戻っていったのだった。
放課後になり、帰る用意をしていると山田先生が来た。
「あ、織斑くん。まだ教室に居たんですね。よかったです」
「はい?」
見れば書類を片手に持った山田先生が教室に入ってくる。
「えっとですね、織斑くんの寮の部屋が決まりました」
そういって部屋番号の書かれた紙と部屋のキーを渡してきた。
ここIS学園は全寮制。生徒は全員が寮で生活することが義務づけられている。理由は生徒の保護のため。
世界は常に優秀なIS操縦者を求めている。学生の頃からあれこれされないように、という事だ。
本当は厄介なIS操縦者を一括管理したいだけだろう。
「俺の部屋はまだ決まってないんじゃなかったのですか?前に聞いた話だと、一週間は自宅から通学してもらうって話でした」
「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです。……織斑くん、そのあたりのことって政府から聞いてます?」
いや、聞いてねえよ。なんで知らされないんですかねえ,,,
「聞いてませんよ。それで部屋番号はいくつです?」
「1025です。」
「一人部屋ですか?」
「それがですね、相部屋になりました。仲良くしてくださいね!」
それはきつそうだ...
そんな雰囲気を読み取ったのか申し訳無さそうな顔をして謝ってくる
「す、すみません!政府特命の一時的な処置で、あの、すみません!」
そんなに必死にされるとなんだかこちらが申し訳ないと思えてくる。
「はぁ…話は分かりました。それで荷物はどうすればいいですか?」
「織斑くんの荷物ならーー」
「私が手配しておいてやった。ありがたく思え」
もう一方の教室の入り口から織斑先生が現れた。
「お、ありがとよ」
放課後だからタメ口でいいだろう
「まあ、生活必需品だけだがな。着替えと、携帯電話の充電器があればいいだろう」
本当に生活必需品だけだな。
「PSvitaと聖書、戦争論、君主論、孫子、国旗はどうした?」
「いらないと思っておいてきた。国旗なんて以ての外だ。ソ連の国旗なんて持ち込んでどうするつもりだ。ここは世界各国から生徒が集まっている。いらんトラブルを持ち込まれてはたまらん。対処するのは私なんだぞ。」
なるほど、たしかにそうだ。ソ連の国旗はまずかったか。だが本は持ってきてほしかった...
山田先生が口を開いた
「では時間を見て部屋に行ってくださいね。夕食は六時から七時、寮の一年生用食堂で取ってください。各部屋にはシャワーがありますけど大浴場もあります。でも、織斑くん達は今のところ使えません」
「え、なんでですか?」
「男子はお前しか居ないんだ、当然だろう」
「あ、そうだった」
「おっ、織斑くんっ、女子とお風呂に入りたいんですか!?だっ、ダメですよ!」
そこ掘り下げるところかなぁ
「い、いや、入りたくないです」
「ええっ?女の子に興味が無いんですか!?それはそれで問題のような……」
どうしてこんな結論になってしまうのか。千冬姉なんてため息ついてるぞ。
まあ男もいけなくはないんだけどね
それと犯罪にさえならないなら入ってみたい。健全な男の子だもん。
「織斑くん、男にしか興味ないのかしら……?」
「……いいわね」
「中学時代の交友関係を洗って!すぐにね!明後日までには裏付けとって!」
腐女子の会話なんて俺には聞こえない。
寮まで遠い...
「ルームメイトは女子だろうな」
ひとりごちてハァ、とため息をつく。
「あぁ、鬱だ」
ボソっと呟く。
久しぶりとなるその呟きと共に、俺は寮へ入った。
部屋にたどり着いた俺は扉を3回ノックする。
「少し待ってくれ」
扉の向こうから箒の声がした。
ガチャりと扉が開き、中から剣道着姿の箒が出てきた。
「同室の者か。入ってく...一夏?」
「お、箒か。」
「し、しばし待て!」
そしてもの凄い勢いで扉を閉めた。
暫く待つとまた箒が現れた。
「すまなかった、入っていいぞ。」
そして箒に案内されて部屋へ入った。
「お、お前が同居人なのか?」
「ああ、そうらしい。」
「いやー、でも良かった。箒が同室で。顔の知れたやつってのは楽でいい。」
「んなっ!?何を言っている!」
面倒くさくなり俺はシャワーに入ることにした。