愛すべからざる光 -Mephistopheles-   作:無慙さますきbot

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イベントのビスマルクのアネキがかっこよすぎたので


やっぱり鉄血の元ネタ的に厨ニごころは大切だからね、そういう風によるのも仕方ないね。


まあ陣営として好きなのは鉄血だけどキャラとして一番好きなのはぶっちゃけたぬきだからね、どっちも出すよ!


あと一つだけネタバレすると、作者はヒロインと主人公が殺し合うのが好きなのでたぬきと主人公は殺しあわせます。


1章
美麗刹那・序曲


ロイヤルネイビーの学園、その秘された一角。踏み入るものに冷たい印象を与える牢獄(ゲットー)を、軍靴の音を空間に響かせながら男は歩いていた。

 

 

彫りが深く整ったゲルマン系の顔立ち。頬に走る三本の傷痕に目につく全てを射殺さんばかりに鋭く細められた目。およそ暗がりで会えば十中八九悲鳴を上げられるような強面の男だった。

 

 

着古したロイヤルの軍服と、ある艦と揃いの純白のマフラーに身を包みながら、その実彼の忠誠心はロイヤルにはない。今も昔もいつまでも、彼は遥か彼方の祖国(ヴァルハラ)のみを見据えていた。

 

 

いつかもう一度、祖国の土を踏み、愛すべき同胞と再び轡を並べることだけを、彼は永劫望んでいるのだ。

 

 

たとえロイヤルのいずれの艦に、その想いを捧げられようとも―――彼は何処までも国に恋焦がれている。

 

 

 

忠誠こそが、我が名誉(ジークハイル)―――」

 

 

 

ぽつりと、されど激烈な意志を込めて男が呟いた鋼の宣誓は、冷たい廊下に溶け消えた。

 

 

 

 

 

 

 

―――これより、序曲(オーベルテューレ)の幕を上げる

 

 

―――総員、奮起せよ。間もなく願いは果たされる。

 

 

―――鉄と血と悲鳴に満ちた鉄風雷火の戦場で、断崖の果てを飛翔せよ。鉄の誇りを胸に抱け。血の誓いを示すのだ。

 

 

―――我ら鉄血。大海を総べる覇者なれば。恐れることなど何もない。

 

 

 

 

―――――進め!栄光は、我らの頭上にこそ照り輝いて満ちるだろう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官!委託から帰ってきたわ!」

 

 

「ああ、御苦労さま。」

 

 

執務室の扉を開け放って入ってくるウォースパイトに、書類に向けていた顔を上げて応じながら指揮官は微笑を浮かべた。

 

 

踵を鳴らして真っ直ぐに執務机までやってきたウォースパイトは左手に持っていた報告書を指揮官に渡し、ソファに腰掛けた。太陽を反射して照り輝く金髪が翻る刹那、微かな潮の香りが指揮官の鼻孔を衝く。ほんのわずか、過去を脳裏に浮かべた指揮官の眼が妖しい光を宿したが、幸か不幸かウォースパイトはそれには気付かなかった。

 

 

 

「他の艦船はどうした?」

 

 

「ベルファストとエディンバラは今紅茶を入れてるわ。リアンダーとサフォークは日向ぼっこね。」

 

 

「そうか、彼女たちも今回の委託で滞在は終わりだ。後でねぎらっておく。」

 

 

「ええ、それがいいでしょうね。」

 

 

書類から目を背けず会話をする指揮官を眺めながら、ウォースパイトは己が指揮官の境遇に思いを巡らせる。

 

 

ここロイヤルの学園に常在している艦船はそう多くはない。常に第一艦隊分―――6隻いればいい方であるし、そもそも正式に籍を置いているのはウォースパイトだけだ。

 

 

それは彼の出自に関わる話だが、とにもかくにも、ロイヤル上層部は彼を警戒していることは確かだった。本音から言えば、ロイヤルは優秀に過ぎる彼を処分したがっている。されど、彼を殺せばまず間違いなく鉄血はこちらを仇敵と見定めるだろうことは火を見るより明らかだった。それは上層部にとって避けたいことだ。

 

 

今でこそ敵対関係にあれど、鉄血も元は同じ陣営。もっと言えば、よしんばレッドアクシズとの全面戦争に勝利したところで、怨敵たるセイレーンが残っている。そうなれば滅びるのは同族同士の争いで消耗した人類という種族だ。さすがにそんな愚行は犯せない。

 

 

故に上層部は彼という人質を処分することはせず、学園という名の牢獄に押し込めているのだ。その能力を無為に腐らせることも出来ず、さりとて重用すれば古参のロイヤル指揮官から顰蹙を買う。上からしてみれば彼は非常に扱いにくい人間であると言えるだろう。

 

 

 

ここに艦船が常在しないのも其れが理由。彼個人が抱える戦力は少ない方が良いし、長く居させて艦船側から情が移ってしまっても厄介。ではなぜ自分がここにいるのかといえば、それは楔と、監視だった。

 

 

彼と懇ろな仲になれば彼が裏切る可能性を低く出来るが故の楔、そして彼の動向を探るが故の監視。それこそが、ウォースパイトに課せられた使命だ。

 

 

 

「フゥ・・・」

 

 

 

「あら、書類整理は終わった?」

 

 

 

「ああ、腹も減ったし昼食にしよう。」

 

 

 

そう言い、長く座りっぱなしであったためか硬くなった体をほぐし、椅子から立つ指揮官を見る。平時こそ穏やかであれ、戦闘指揮を執る彼は冷酷であり苛烈なまでに敵を追い詰め、撃滅する滅尽滅相の申し子だ。そのギャップを恐ろしく思う艦船は、少ない数ではない。

 

 

その爪牙がロイヤル(こちら)に向く日が来ないよう、ウォースパイトは総身奮起せねばならない身だ。その動機にロイヤルへの忠誠心が故というのも無論ある。だがそれと同じくらい、彼と殺し合いがしたくない事も確かであった。好いた男と好んで殺し合いをしたい倒錯的な性癖は持っていないと、彼女自身理解しているから。

 

 

揃いの純白のマフラーを巻き終えた指揮官を見て、一層ウォースパイトは己の誓いを強固なものへと変えていくのだった。




上層部「懐柔に女を使うのは当然だよね。でも良い仲になった子が多すぎるとスパイがあっちに付く可能性が出て不確定要素は増えるから、そうなった時を予想するなら一人か二人が適任やろ!」


なお、魅了するつもりが魅了されたたぬきちゃんかわいい。



ドイツ語翻訳はふんわりだから「此処違うぞクソ劣等のイエローモンキーが!訂正してやるから土下座して咽び泣きながら俺のケツをなめやがれ!」ってかんじで誤字報告していただければ直します。
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