愛すべからざる光 -Mephistopheles-   作:無慙さますきbot

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作者が心躍る厨ニワードは”特異点”です。対戦よろしくお願いします(?)





予兆

「特異点の育成も上々・・・あの陣営は本当に人材の宝庫ね」

 

 

深淵よりもなお深い深奥で、魔性の人魚がそう謳う。それは祝福のようであって、その実総てを嘲笑する化生の微笑みであった。

 

 

かつての大戦、その歴史。繰り返される悲劇を前に、ヒトはいかな行動を取るか。それを知ることこそが化生の至上命題であり、それを成さしめるのが特異点であった。

 

 

尋常なモノでは繰り返される大戦、その因果の破断には至らず、当然運命の踏破は敵わない。故に現行生物総ての規格を越える上位存在たる特異点、その存在をこそ彼女は求め、そしてその可能性と言えるモノを見つけた―――それも、二つ。

 

 

特異点に必要なのは折れない意志、そしてその意志を実行出来る力。二つの内の一方は、幸運にもそのどちらもを高水準で備えていた。だが、もう一方は。

 

 

 

「まさか人間が特異点だなんて。これでは宝の持ち腐れと落胆してしまったけれど・・・あは、中々どうして。すごいわね、彼。」

 

 

 

ヒトは海に立つことは出来ないし、海を滑走するなど以ての外。頭はいいが、それだけだ。世界を縛る因果の鎖を、その既知感を破壊することなど頭が良いだけで力なきものには出来はしない。故に意志を揮う力は無いと断じ、勝手ながらも落胆した。実際、その判断は間違っていなかったが、しかし。

 

 

あの日、特異点の片割れたる鉄血の筆頭を唆した時。誰に取ってもの予想外、いいや彼にとっての天啓というべきか。彼の真意は定かではないが、ただ一つ確かなことがある。

 

 

あの時運命の舵を切ったのは、なにもビスマルクだけではなかった。その半身たる彼もまたそうだ。それは運命という大海原を進むには余りに頼りない一本のオールだが、それでも確かに、彼を特異点たらしめる、まぎれもない純粋にして暴虐なる力だった。

 

 

「メンタルキューブが見せる大戦の歴史・・・フネの視点から見るそれは、ヒトにとっては過ぎた(地獄)だというのに、()()()()()()()()()()()。で、あれば。

 

 

今の彼ならば、十二分に特異点の適性を満たしている。」

 

 

 

故に踊れ、運命の生贄。永劫続く破壊の輪廻、それを断ち切る刃と成れ。

 

 

その果てにこそヒトは真の安寧を見るのだから、先人として後の人間の礎となるのは誉だろう―――?

 

 

 

「果報は寝て待て、だったかしら。私が動く(劇薬を投与する)のはまだ早いし・・・先人の言葉に倣いましょうか。」

 

 

そうして人魚は一時のまどろみに身を窶す。いつか来る特異点との再びの邂逅を夢に見て。

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルファスト達臨時艦隊が元の学園に戻った現在、指揮官とウォースパイトは暇を持て余していた。出撃もなければ委託もない。ウォースパイト一人でも委託にいけなくはないが、資源の収入も微々たるものだし、厳密にいえばやる意味がない、というところだ。

 

 

そんな現状であるから、書類整理も学園の維持のためのものや、数少ない従業員の嘆願書のみであり、若干ワーカーホリックの気がある指揮官はとても、そうとても暇を持て余していた。ウォースパイトと共に訓練でもしようか、とも思ったがロイヤル屈指の武闘派でもある彼女の訓練は、ヒトの身である指揮官にはいささか以上に厳しいモノがある。

 

 

それは逆に、()()()()()()()()()()()()()()程度のものでしかない、ということの裏返しでもあるのだが、指揮官としてはそこまでしてウォースパイトと訓練することに意味を見出せなかった。情報とは共有するものであるが、切り札とは隠すものであるが故に。

 

 

 

「ふぅ・・・セイレーンの糞共でも攻めてきてくれれば良いのだが。ああいや、ウチには出撃できる艦隊すらなかったか」

 

 

 

物騒なことをつぶやきながら、整った顔に自嘲の笑みを浮かべる指揮官。牙をもがれ、爪を折られた我が身を情けなく思うと同時、自分をこの牢獄に押し込めているロイヤル上層部への反抗心が胸の内で膨れ上がる。それはさながら空気を送り込まれる風船のようで、いつかきたる破裂の時を、今か今かと待っているようでもあった。

 

 

しかし同時に、その時は今ではないということも彼は理解していた。この学園の周りには、いざとなれば彼を殺せる戦力が集っている。ここで半旗を翻したところで、その包囲網を突破することもかなわず果てるだろうことは明白だった。だからこそ、彼は未だ雌伏の時を耐え忍んでいるのだ。

 

 

「だが、それももうすぐ終わるかもしれんな。」

 

 

自嘲の笑みから一転、猛獣を思わせる凄惨な笑みを浮かべそう呟く。それというのも最近、アズールレーンの領海の境目で、レッドアクシズとの小競り合いが増えていると情報があった。それは即ち、本格的な戦争に向けての偵察隊ではないか、というのがロイヤル上層部の見解らしく、また指揮官もその点に関しては同感だった。そして、それは彼にとって好機ともいえる。

 

 

ロイヤルとユニオンは確かに強いが、それは鉄血や重桜も同じこと。いいやクソッタレの人魚共の力を御している以上単純な個々の実力で言えばこちら(鉄血)が上だろう。だがそれでも、数という暴力で殱滅するユニオンが敵である以上、いかに個々の実力が高かろうと苦戦は免れない。量が質を凌駕するとは言わないが、その差が蟻と象ほどの絶対的なものではない限り、量は質を凌駕しうる可能性がある、というのも事実だった。

 

 

だからこそ、内から崩す奇襲の一手がなにより必要不可欠なのだ。そしてそれは、来たる大侵攻の時にこそ成就する。大侵攻が始まれば、戦力をそちらに割くために自分を監視する目は最低限まで減らさざるを得ないだろう。とはいえそれだけでもただのヒトの身では艦船と対峙するなど悪夢以外の何物でもないが―――

 

 

「・・・フン。」

 

 

脳裏によぎるのはいつかあった鉄風雷火の戦場の記憶。記録ではなく記憶として、極めてリアルな質感で体験した地獄の具現。脳味噌に無遠慮に手を突っ込まれて掻き回されるような極大の不快感と、神経を鑢で削られるような激痛は、なるほど確かに常人には気が狂いそうなほどの地獄だろう。

 

 

 

―――()()()()()。その程度では魂の底から叫ぶ慟哭は止まらないし止まれない。どこまでも、いつまでも古巣を思う孤独な狼は、ただただ「帰りたい」という犬の帰巣本能が如き渇望を支えにその永劫に続く地獄を踏破した。

 

 

 

その結果として得たのが化生の力。唾棄すべき人類の敵の力を我が身に宿すのは虫唾が走るほどに忌々しい現実だったが、それでも確かに彼の中の足りない最後の一ピースでもあった。そうしてその時から、彼は伏して反抗の時を待つこととなったのだ。

 

 

 

「この身はもはや人にあらざる魔人の身。故に総てを灰に帰さしめん、ダビテとシビラの予言の如く―――Dies irae(怒りの日)を、喉が枯れ果てるほどに謳うがいい。それが貴様らの破滅(救い)なれば」

 

 

 

黄昏の斜陽が照らす執務室、地の底から這いずり上がるかのような低い声で、魔人は呪いのようにそう言祝いだ。

 




実際ユニオンとかいう数の暴力+基準値以上の練度でブン殴ってくるチート陣営がいる限り、セイレーンの力ありきでもレッドアクシズの勝ち目めちゃ薄いと思うんですけどね。


厨ニとキチガイが強い神座時空ならレッドアクシズボロ勝ちするんだろうな、とは思いましたね。重桜は割とキチ入ってるやつらいるし、鉄血は厨ニぢから高いし。
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