愛すべからざる光 -Mephistopheles- 作:無慙さますきbot
旧アズ―ルレーン発足(ユニオン・ロイヤル・鉄血・重桜)
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セイレーンとの戦争が一段落
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レッドアクシズ発足、新アズ―ルレーン発足(この時点ではまだ主人公は人質じゃなくて鉄血にいた)
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なんやかんやでロイヤルの捕虜になる
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1話
こんなかんじ
「うぅん・・・」
カーテンの隙間から入り込む朝日にあどけなさの残る、されど確かに整った相貌を照らされながらウォースパイトは眼を覚ました。
未だ眠気の残る眼をくしくしと擦りながら、自身の隣のスペースを見るが、案の定探し人はそこにはいない。彼とこの学園に着任してからそれなりに経つが、彼の寝顔を見たことは一度もない。彼は着任当時から私よりも遅く寝て、私よりも早く起きるからだ。
そも、私は戦争は嫌いだが、体を動かすことは好きだ。私という艦船が戦争をどれだけ嫌悪していても、私が艦船である以上、やるべきことは戦争でしかない。極論を言ってしまえば戦争をするための軍艦に、『戦争を嫌悪するもの』だなんて我がことながら皮肉なネーミングだとも思うが、しかしその祈りを否定する気もさらさらない。友を、家族を、愛する人を無慈悲に奪う戦争など、
ともあれ私とてこれでも戦場を駆ける武人の端くれなのだし、陸での生活習慣はきっちりしている。緊迫感で締め付けられる戦場ならばいざ知らず、陸でならば少なからずリラックスも出来るからだ。ただまあ、夜は早く寝るのでまだ仕方ないとして、日の出とともに起きる私よりも早いというのはやはり怪しい。規則正しいというのとは少し違うだろうという気もする。
「・・・まあ、後でカメラを確認しておきましょうか」
彼は上層部から監視される身であり、そして私はその監視官だ。だが私も人の形を取っている以上、睡眠だって必要になるし、そうなるとどうしたって監視の穴は開いてしまう。だからこそ、その穴を補うように学園の至る所―――それこそ風呂やトイレ、果てはプライベートルームと銘打っている寝室であっても、例外なくカメラが設置されている。
それこそがこの学園が
それは不発弾を体内に抱え込むような危険を伴う行為だが、上層部にはそれを補って余りあるメリットがあると踏んでいるのだろう。まあ、そのメリットがなんなのかは私には分からないが。
だがそれでも、彼の指揮能力はこれ以上ないほどに理解している。否、
その決死隊も、キングジョージと私とウェールズを除いた精強極まる同胞9隻が海の藻屑と散っていった。だがそれすらも、上からしてみればある意味では予想通りの被害だったのだろう。かの鉄血は総艦数こそ少なくとも、上位陣の個々の実力は口惜しいことだがロイヤルの武勲艦達のそれすら上回る怪物たちだ。命令を発した上層部からすれば、決死隊とはまさに名を体で表すがごとくだろう。そうして、その莫大な代償を払った結果、得たのが彼という捕虜だったのだ。
あの時の陛下の落ち込みようときたら見れたものではなかった。決死隊に選ばれるほどの精鋭であるということは、必然的に陛下の身辺護衛を任されることも多く、また陛下とも仲が良かったのだ。如何に私たちが戦うための存在で、最悪替えが効くとはいえ、いなくなれば悲しいモノは悲しい。そういう感情を素直に出すところもまた、陛下が皆に慕われる要因なのだろうが・・・。
「今考えてみたら、なぜあんな無謀な真似を上層部はしたのかしら・・・同盟者にも独断で、ロイヤルの精鋭を生贄同然に突っ込ませてまで彼が欲しかったというの?」
などと疑問を口に出しては見るものの、上層部の意図など分かろうはずもない。戦場に置いてあくまで私は使われる駒でしかないのだから、そもそも意図を知る必要などないのかもしれないが。
そんなロイヤル上層部への僅かな隔意を抱え、ウォースパイトはベッドから下りてカーテンを開けた。水平線の向こうから照りつける太陽の光に眼を細めながら、今度こそ寝惚けた体に活を入れて部屋を出ていくのだった。
技術の進歩は戦争と共にあるけど、それで得をするのは未来の人間であって、実際に戦争をした当時の人たちからしてみれば技術革新を素直に喜べるのかなーって気はする。戦後復興やら戦後処理やらあるだろうし。
いやまあ、第二次世界大戦あたりからの日本はマジキチっつーか勝つのが当たり前だったから素直に喜んでたんだろうけどね。