Afton's Worst Ultimate custom night 作:Rat man
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寂しい。そう思うようになったのはこの体を手にしてから。誰もいない場所で独りぼっちにされて
苦しい思いをしてきた。どうして?私は唯、仲間が欲しいだけなのに。唯、皆を救いたかっただけ
なのに。唯、・・・・・パパに会いたいだけなのに。
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「さて、仮眠をとったことだし体を動かしに行くか。」
時間は午前8時になったばかりで、まだ朝方で体は眠っているかのように動きが鈍くなっている。
しかし、ずっと寝ているわけにもいかずより多くの睡眠をとろうと命令する考えを拒否してこの
部屋を出た。先ずは向かって右側の方面から一周してウォーキング形式で回ることにする。歩幅を
均等に合わせてゆっくりと歩く。俺の足音だけが響き他の音は何も聞こえない。
「そういや、右小部屋の部屋は未だに見ていないよな。」
カメラ越しではエラーが発生し中の様子を認識できなかったのでついでに立ち寄ってみることに
した。目的地に着くと扉はついて無くそのまま中に入れるようになっていて、早速入ってみると
中は厨房のような構造をしており床に調理器具が散乱している。一目見て此処はキッチンだと
理解できたがそこに異質を放つ物が設置されている。大きなプレゼントボックスだ。本来キッチン
に置いておくには不自然な物であり、この背景と全くあっていないので違和感しか出てこない。
一通り観察した後はあの箱以外特に気になるものはないので部屋を出ることにし、散歩を再開する
事にする。真っ直ぐに進みカーテンステージを通り抜けると人形売り場についたようだ。文字通り
数多くの人形が並んでおり部屋を埋め尽くすかのような程の数がある。
「ん?Baby dollだけないぞ。」
棚に設置されている人形を見て初めて気づく。確かカメラでは他の人形達と同様に映っていたはず
なのに彼女がいたとされる所だけは、ぽっかりと隙間が空いているのだ。不思議に思い辺りを散策
してみたが何処にも見当たらない。首を傾げてその部屋を後にし、引き続き散歩を再開する。
・・・一通り部屋を確認したらあっという間にスタート地点に到着した。他の部屋では特に気にな
る物がなかったので早めの到着となったようだ。ある程度歩いたことで少しではあるが体をほぐす
事が出来たので、気分は悪くない所だ。今度は左から歩いて行こうかと考えた時、ある事に気づい
たので一旦散歩は保留となる。
「あれ?カメラ用の端末が勝手に起動している。電源ついてなかったよな?」
今までは夜を迎えるまで起動するはずのない物がいきなり電源を入れていたのでこの現象に若干
戸惑う。背景はブルーバックになっていたが端末を持ち上げた瞬間クラシックな音楽が流れだし、
背景も変化が起こった。映し出されたのは平原をモチーフにしたステージらしきもの、ドット絵
で表示されている子供と明らかに雰囲気が違う"Baby"。まるで2D横スクロールアクションを
意識したゲームのようにデザインされている。
「何だこれ?」
意図が分からず混乱しているとそこに映っている"Baby"が勝手に動き出した。彼女が進んで
いくのに合わせてステージも動き出す。道中にある3種類のカップケーキを取っていき、それを
子供に渡すと嬉しそうな顔を浮かべて喜んでいる。どうやらこのゲームはすべてのカップケーキ
を均等に分け与える必要があるコンセプトになっているようだ。暫くはその光景を眺めて暇を
潰していたが彼女が全てのカップケーキを子供に分け終えたのかステージの一番端にある場所に
一つだけのアイスクリームがぽつんと置かれていた。それを取り、今度は来た方向から逆に戻る
ように進みだす。此処で変化が起きた。さっきまでいたはずの子供が全員いなくなり陽気な音楽
も不穏を募らせるような暗い音楽に差し替えられていた。胸騒ぎがする。進むスピードも遅くなり
最初の場所の付近に近づくときにはもう音楽は鳴りやんでいた。そしてスタート地点に戻ると
彼女は左端のところまで歩き出し立ち止まる。そこにアイスクリームを掲げて誰かを待っている
ようだ。少し時間がたつと画面左端から女の子が現れた。金髪の髪で緑の目をしておりピンク色の
服を身に付けて嬉しそうに彼女に近づいていく。
「この光景、何処かで・・・」
そう口にした瞬間
"!!!!!!ギィィエァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!"
端末から悲鳴に近い金切り声が部屋中に轟き、画面では二人の姿以外すべて真っ黒に染まって
"Baby"が女の子を中に引きずり込む形で画面はフェードアウトした。・・・もう電源は切られて
おり再びつくことはなかった。それと同時に正面から誰かの気配を感じる。端末から目線を外し
正面を見ると・・・いる。彼女が立っている。その目は俺に向けられており、悪意を感じさせない
純粋な瞳で俺の姿を捉えていた。・・・彼女が静かな声で話しかけてきた。
「・・・ねぇ、私を覚えている?」
覚えている?当たり前だろ、忘れるはずがない。その懐かしい声を聞いて覚えていない程、俺は
落ちぶれちゃいない。父親として。
「・・・あぁ、忘れるはずがないだろ。"Elizabeth"。」
・・・・・・・
暫くは些細なことを彼女と話した。再会を喜んでいいのか分からない。彼女も他の奴らと同じ俺を
裁くための存在だ。しかし、不思議と嫌な感じはしなかった。彼女も俺に対して嫌悪の姿を見せず
に楽しそうに話をする。此処に落ちてから色んな機械人形と出会い、それまで一人で味わってきた
孤独感を紛らわせることが出来た事。特に"Puppet"とは意気投合して仲良くなっているそうだ。
・・・同じ娘繋がりとして。俺も久しぶりに心の奥底から楽しめる時間を過ごすことが出来た。
話し込んでいるうちに時間はあっという間に経過しそろそろ夕方になる頃だ。彼女は悲壮な顔を
浮かべて俺に別れを告げる。
「・・・行かなくちゃ。」
「・・・あぁ、そうだな。」
沈黙が流れ、遂にはこの部屋から立ち去って行った。楽しい時間は早く過ぎていく。そして、俺に
とって苦痛な時間は長く、永遠に終わることがない夜がくる。さっきのミニゲームについては
敢えて触れなかった。またあいつの仕業だろうが、そこを触れても・・・いや、今はそれを考える
事ではない。次の夜に向けて準備に取り掛かった。
"私はプレゼントをもらいに来ただけ。あなたに与える為ではないのよ。"